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小樽市議会 令和元年第2回定例会 2019年6月17日

小樽の歴史的建造物と文化財を活かすまちづくりについて

2019年6月17日、小樽市議会の一般質問で、佐々木秩議員が「小樽の歴史的建造物と文化財を活かすまちづくりについて」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。

質問者
佐々木秩 議員
答弁者
市長 迫俊哉

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 17番 佐々木秩

第2項目め、小樽市建造物・文化財を生かすまちづくりについて伺います。1点目は、小樽 100 年プロジェクト・セミナーについてです。去る5月 25 日、旧三井銀行小樽支店を会場に、2019 年全国町並み保存連盟小樽総会記念「始動!小樽 100 年プロジェクト・セミナー」が開催されました。このセミナーは、小樽の近代の歴史的建造物とその町並みをどのようにして将来に伝えられるかを考えるために、小樽市と実行委員会の共催で開かれたものです。これに際して、市内 29 団体から後援をいただきましたが、これほどまでの団体が一堂に会してセミナーを開催するのは、近年では初めてのことと思います。当日は、旧三井銀行のホール定員の 120 人を大きく超える 170 人以上の方が詰めかけてくれました。改めて市民のこれら歴史文化や建築物群への愛情と熱意を感じることができました。-22-セミナーの内容に少し触れると、基調講演の中で、神戸芸術工科大学教授の西村幸夫氏は、まず、外からの客観的視点から小樽運河の保存運動を振り返り、その価値を、まちづくり運動そのものの原型となったことを挙げられました。市民からの働きかけにより、公共事業をよりよいものへ変えることの可能性が生まれたということです。官民協働などという発想のない当時に、行政と市民の意見をすり合わせ、よりよい解決策を生み出すきっかけとなり得ることを全国に示したという意義があったということでした。続くNPO法人八女町家再生応援団代表の北島力氏からは、福岡県八女市八女福島の事例報告がありました。北島氏は、八女市での文化財保護の担当職員として、それらの国の制度活用について、市の行政面から携わってきた経験をお持ちの方です。私が前々回の定例会で、市内近代建築群保存修理のための国の制度活用について質問をした部分を具体的に経験されてきた方ですので、その導入のための手法や導入後のメリット等について、大変興味深く聞かせていただきました。制度導入を進めていく上でのポイントは、対象となる建物等をエリアで指定するので、その地区の住民の皆さんの理解、合意形成をいかに進めるかという点にあるそうです。その際、市職員だけでなく、民の協力もあれば進みやすいなど、具体的手法について聞くことができ、文化財の保存と活用に向けての市民と行政の協働が大事になると感じました。セミナーの最後には、全体のまとめを駒木定正セミナー実行委員会代表が発表し、小樽宣言、小樽の歴史的建造物と文化財を生かすまちづくり宣言とすることが来場者満場一致で認められ、次の日の全国町並み保存連盟総会においてもこの宣言を支持し、賛同することを決議してくれています。その内容を要約すると、我がまち小樽は、近代の歴史的建造物とその町並みに特色があり、それが市民の誇りであるとともに、多くの観光客が訪れる貴重な財産になっているが、それは過去の市民運動における議論がこれらの遺産を見出し、まちを変えてきたからこそ今がある。ところが、主要な歴史的建造物は、耐用年数と修理方法に課題があり、現在の維持体制のままでは、大規模な地震などの災害が起きると存続できる保証がない現状にある。そのため、法律や制度に基づいて、維持・保全と活用を行うことを柱とした小樽の未来 100 年の大計を官民協働でともに考え、歴史的建造物と文化財を生かすまちづくりを推し進め、子供や孫たちへその価値を伝えていくことを宣言するとしています。昨年、第4回定例会の私の一般質問への答弁で、市は、歴史的建造物群の価値についてや色内地区の歴史的建造物群の現状についての基本認識は、今回参加した多くの団体とおおむね共有していることがわかりました。そして、このセミナーでは、これら建築物群の保存活用のための方法として、国重要文化財の指定、伝統的建造物群保存地区の選定、歴史まちづくり法の活用等の国の制度利用が有効であることをお教えいただき、さらに本市のこれまでの取り組みを押さえた上で、より具体的な手法として、例えば、エリア指定の際には事前の保存対策調査が必要だが、本市にはこれまで歴史的経緯の中で蓄積されてきた膨大な調査データが存在するため、比較的容易に進めることが可能なことなどをこのたびのセミナーによって把握できたことは大きな成果ではないでしょうか。ここでようやく質問に入ります。市が共催という形で運営に参画いただきました。また、セミナーに参加し、町並み保存の専門家の発表や先進事例に接した市長の御感想をお聞かせください。このセミナーの意義は、小樽市、小樽市民のアイデンティティーである近代建築群をこれまでの小樽の歴史の中で育んできた、切磋琢磨して生み出してきた小樽スタイルの官民協働のまちづくりの手法で次の世代に伝えていこうということを再認識したことにあると考えています。つまり、公のことは何で-23-もかんでも行政に押しつけるのではなく、市民ができることを行政とも連携をして一つ一つ備えていく。まさに小樽市自治基本条例の理念を具現化する一大プロジェクトを今後 100 年を見据えて始動させましょうということです。市長におかれては、行政の代表として、これからも小樽宣言実現のため、官民協働の理念に基づいてともに進めていくことを表明していただきたいのですが、いかがでしょうか。2022 年、小樽市は市制施行 100 周年を迎えます。これを機に近代歴史的建造物の保存活用の具体的道筋を内外に示すことは、近くでは地域型日本遺産の認定にも影響を及ぼし、さらには本市 100 年の未来像を広く内外に掲げることにほかなりません。続いて、日本遺産について質問いたします。本市では、他自治体との共同によるシリアル型、北前船寄港地・船主集落での認定に続き、炭鉄港でも認定を受けることができました。もちろん認定されるのが目的ではありません。これを機に観光面での活性化につなげるだけでなく、市民に向けてまちへの関心、愛着をさらに深めてもらう動きを加速しなければ意味がありません。市民にこそ、日本遺産認定がどのような価値や意味があるのかをわかるようアピールしていくことが大事です。そこでお聞きしますが、炭鉄港認定後の事業展開は既に申請書に示されていると思いますけれども、本市にかかわる部分でどのようなことが予定されていますか。小樽市歴史文化基本構想が策定され、小樽市単独の地域型日本遺産の来年度申請に向けた動きも加速しているとお聞きします。現在の状況と申請までの今後の予定をお聞かせください。新聞報道によれば、申請ストーリーは基本構想にも示されていた中の民の力によるまちづくりを軸として検討されているとのことでした。他の地域にはなかなか見られない明治以降の近代をメーンに扱い、このたびの 100 年プロジェクト、西村教授のお話からも、本市にとってふさわしいテーマだと思いますけれども、既に認定された北前船や炭鉄港のストーリーとの関係や、これからの展開の可能性についてお聞かせください。日本遺産の認定は、これまで何度か指摘したとおり、来年度がラストの申請チャンスとなります。これまでに申請しても認定に至らなかった地域も含めて熾烈な認定争いになるでしょう。どうか推進協議会委員や関係職員の皆様方の御健闘をお祈りしております。第2項目めの質問を終わります。

答弁 市長 迫俊哉

ただいま、小樽の歴史的建造物と文化財を生かすまちづくりについての御質問がありました。初めに、小樽 100 年プロジェクト・セミナーについてですが、まず、セミナーに参加した感想につきましては、市民による運河保存運動を客観的に考察した基調講演や行政担当者として大変苦労された経験談を交えての事例報告など、当日御参加いただいた多くの皆さんとともに貴重なお話をお聞きし、小樽の歴史を生かしたまちづくりを進めていく上で、歴史的建造物や文化財を保全し、活用していくことは大変重要であることを改めて認識したところであります。次に、歴史的建造物などを生かすまちづくりを官民協働で進めていくことにつきましては、私としても、往時の繁栄を物語る歴史的な建造物や文化財が市内に数多く残されていることは、本市にとってほ-24-かにはない強みであり、これらに新たな価値を見出し、その価値を生かし、次の世代に継承していくことが重要であることから、市民の皆さんと協働し、豊かな歴史文化を生かしたまちづくりを推進してまいりたいと考えております。次に、日本遺産についてですが、まず、認定された炭鉄港の本市にかかわる事業につきましては、炭鉄港推進協議会の地域活性化計画において、構成文化財を案内するためのマニュアル作成と講習会開催、日本遺産の認知度向上と地域の気運醸成を図るためのフォーラム開催、炭鉄港関連資料を残すためのデジタルアーカイブ構築などを予定しており、本市においても講習会とフォーラムを開催することとしております。また、市が独自に実施する事業としましては、炭鉄港ストーリーと構成文化財を活用した教育施行誘致や小樽港の開港 120 周年を記念するパネル展など、五つの事業を予定しております。次に、地域型日本遺産の取り組みにつきましては、本年3月に第1回小樽市日本遺産推進協議会を開催し、申請に向けた体制などを協議した結果、ストーリーと地域活性化計画を検討する二つのワーキンググループの設置を決定し、5月 31 日に第1回目のストーリー検討ワーキンググループを開催したところであります。今後、地域活性化計画検討ワーキンググループを並行して開催する中で、それぞれのワーキンググループの原案をまとめ、協議会での協議・決定と文化庁への事前相談を経て申請書として取りまとめ、来年1月の期限までに申請をする予定であります。次に、地域型日本遺産のストーリー展開につきましては、現在、検討中の地域型の申請に当たっては、日本遺産の審査基準に斬新さの項目がありますので、既に認定された二つのストーリーと競合しないテーマを設定する必要があると考えております。多様性がある歴史や文化は本市の強みでありますので、小樽市歴史文化基本構想の八つの歴史的テーマと関連文化遺産群を参考にしながら、現在検討が進められているストーリー検討ワーキンググループの議論を経て、小樽の魅力を十分伝えられ、独自性のあるストーリーを作成してまいりたいと考えております。

出典:小樽市議会 令和元年第2回定例会 2019年6月17日 議事録 PDF(38ページ) 間違いを知らせる