みんなの議会

小樽市議会 平成29年第2回定例会 2017年6月13日

(1)市長の政治姿勢について/(2)日本遺産認定を目指して

2017年6月13日、小樽市議会の一般質問で、佐々木秩議員が「市長の政治姿勢について」「日本遺産認定を目指して」について質問し、市長 森井秀明、教育長 林秀樹が答弁しました。

質問者
佐々木秩 議員
答弁者
市長 森井秀明、教育長 林秀樹

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 18番 佐々木秩

民進党を代表して質問します。一つ目は、市長の政治姿勢について伺います。私たち議員も森井秀明市長も、任期の折り返し地点を迎えました。これを機に森井市政2年間の自他による評価を行い、市民に示すべきと考え、何点かにわたってお聞きします。市長が記者会見で気持ちとして 100 点とおっしゃったのは、極めて市長の主観に基づいた自己評価だと思いますが、この場ではどうか客観的、分析的に御自分のこれまでの市政運営について評価した上で、御答弁をお願いいたします。まず、港湾・経済施策について伺います。本市は、クルーズ客船誘致が観光・経済の起爆剤になると考え、2011 年、日本海側拠点港外航クルーズ部門に応募・選定され、その後、2014 年、第3号ふ頭及び周辺の再開発計画を策定、その中で、新設の国際旅客船ターミナルは、中核施設として単なるクルーズ客船対応だけでなく、観光客の北運河、旧手宮線や第3号ふ頭基部回遊観光の通年拠点としての役割を担うことになっています。こうした経過を受けて、大型クルーズ客船寄港に向けた港湾整備のため、国は第3号ふ頭岸壁の老朽化対策工事を既に実施、ことしは水深 10 メートルに掘り下げる工事に着手します。ところが、2015 年、初当選の森井市長は、国際旅客船ターミナル建設について、慎重な姿勢に一転しました。本来、歴代市長は、行政の継続性として、市の長期計画等をしっかり具現化していくのが使命です。国際旅客船ターミナルの新設等について、市長の意向はどういうものなのか、はっきりと今、示すべきです。また、建設しないのならば、第3号ふ頭及び周辺の再開発計画について、策定委員や議会等への説明や協議を経て変更するべきです。以上2点について、見解をお願いします。最近お聞きした市長の挨拶、定例記者会見等でも、これまでの2年間の実績としてさまざま挙げられる中に、なぜかほとんど経済・産業・観光・港湾の話は出てきません。さらに、任期の後半についてもそれらの話は出てきません。経済・産業分野について、実績と課題、今後について御説明ください。市長は、任期後半に向けて、「住みよいまち、人にやさしいまち小樽」実現のための施策を進めるとのこと。確かに、今住んでいる人たちのための施策は必要です。しかし、その人たちが住み続けるためには、どうしても経済的基盤がなくてはなりません。小樽市の人口は、5月8日の住民基本台帳人口の速報値で、ついに 12 万人を割りました。任期後半に向けて、市民が持続的にこのまちに住み続ける、基盤を支える経済・産業・観光・港湾にも視野を広げ、バランスのとれた施策の展開を求めますが、見解をお願いします。次に、泊原発再稼働問題について伺います。市長の北電泊原子力発電所再稼働に対する基本的な考え方については、賛成の部分が多くあります。ただ、市長の思いで小樽市だけが他自治体から突出・先鋭化しては、大きな機運にはなり得ません。国や道、北電に対して、札幌市など思いを同じくする自治体と連携した取り組みを進めるべきと考えますが、見解を求めます。また、大上段に反対を唱えるだけでなく、現状況下では、万が一に備えて安定ヨウ素剤の各戸への事前配布、市民の市外への退避計画など、具体策を市原子力防災計画に反映するなど、さらに検討を実施すべきではありませんか。続いて、市役所人事にかかわってお聞きします。これまでも議会において、森井市長の恣意的で違法性が疑われる人事によって、市職員のモチベーションが下がっていることを再三指摘されてきました。それは、森井市長就任後の本人希望の降格者や、定年前の退職者が急増していることや、適材適所で配置したはずの職員をたった1年で次々に異動させ、多くの職員がその対応に疲労こんぱいしている実態からも明らかなのですが、市長はそれを認めていません。私の仕事は、職員がやりがいを持って職務に邁進できる環境を整えることと市長は言いますが、実態は市長と職員の間に大きな認識のずれがあり、それがこの2年間でどんどん大きくなっています。市長は、実態が本当に市長が求めている環境になっているのか、把握されていますか。されているのならば、その把握方法と、市長の押さえている職員のモチベーションの状況について報告ください。単に市長の意に沿うか沿わないかで駒として扱われては、市民のためにという市職員、地方公務員としてのプライドを持って職務に当たることはできないということを指摘します。次に、2016 年1月 29 日の市長記者会見記録についてお聞きします。一体どうするのでしょうか。市長の錯誤が原因で、事実と違うことが公式の記録として市のホームページに掲載されたままとなっているこの状況の責任は、市長にあることは疑いの余地はありません。昨年4月 22 日、総務常任委員会で、私の質問に市長は、まだ結論が出ていないので、最終的な責任を果たしたところまでには至っていないとお答えです。報道各社が応じないから、市長の求める形で応じるまで今のままで放置では無責任きわまりません。この機に抜本的な解決を強く望みますが、いかがですか。続けて、市長の二元代表制の認識と議会対応についてです。これまでの市長の議会との関係にかかわる発言や、議会議長への申し入れ書を再度読み直してみました。改めて感じたのは、森井市長は、市長と議会の二元代表制について本当に理解されているのかという点です。ことし4月 21 日の予算特別委員会、斉藤委員への答弁で、市長は二元代表制について、「議会というチェック機能を果たす議決機関と、市である執行機関、その分立の趣旨にのっとって」と述べられています。お聞きしますが、市長の考える分立の趣旨とは何か。地方自治において、分立している意義について、どのように認識されていますか。さらに市長は、議会は執行機関に対して客観的な視点でチェックをされ、市が執行している状況を議会の場で指摘、提案をするのが正式の場、分立の原則論を行うことによって本来の議会機能がよりよい環境になると主張しています。市長は、これまでの言動を踏まえると、議会にだけ分立の趣旨にのっとることを言い募り、一方で御自分は、議会が変われ、市長にとって都合のいい範囲の政策議論をしろと求めています。文字どおり御都合主義で、市長の考える分立の趣旨を逸脱しているのではないですか。市長が選挙で市民の多数から支持を受けたのは事実です。だからといって、議員も直接市民から選出されているのですから、議会のやるべきことは変わらないし、変えてはいけない。市長が誰であっても客観的視点でチェック、監視機能を果たすのが本来の議会機能、二元代表制の本旨だと私は考えます。過去に、多くの市民の圧倒的支持のもと、独裁者が生まれた悲劇、その反省に立って、権力の暴走にブレーキをかける仕組みが生まれたのです。だからこそ、今、小樽でも、それぞれが法にのっとり、しっかりと二元代表制の本旨を理解し、役割を果たしていくことが大切、それが両者の関係の改善につながる、そうは思いませんか。この項の最後、市長の自己評価について伺います。市長の挨拶の中には、過去2年間について、全力で頑張ったとしか書かれていません。これでは、市民にはこれまでの具体的実績がまるでわかりません。多くの首長が、定期的に御自分の選挙公約の実現達成度、進捗状況を項目ごとに点数や文章で評価し、自治体のホームページ等で公開されています。それは市民に対する説明責任だからです。森井市長にも、行政評価のオープン化と同様に、市長個人の客観的自己評価を定期的に公表することを求めます。市民に開かれた市政、市職員への自己評価のお手本として貴重な手法だと考えます。いかがですか。

答弁 市長 森井秀明(市長は2018年7月まで)

佐々木議員の御質問にお答えいたします。ただいま、私の政治姿勢について御質問がありました。初めに、港湾・経済施策についてですが、まず、国際旅客船ターミナルビル新設等につきましては、現在、老朽化対策を早急に行わなければならない港湾施設が複数発生しており、また、市全体の公共施設においても、老朽化対策などを講じなければならない施設が数多くあることから、旅客ターミナルビルなどの整備については、直近で整備することは現実的ではないと考えております。また、第3号ふ頭及び周辺再開発計画につきましては、計画の内容は中止しておりませんので、策定委員や議会などへの説明、協議は必要ないと考えております。次に、経済・産業分野についての実績と課題、今後の取り組みにつきましては、初めに、これまで取り組んできました主な施策といたしましては、観光分野では、第二次小樽市観光基本計画の策定や、観光振興室と観光協会の連携を強化するための新庁舎の開設、地方創生加速化交付金を活用した調査事業など、商工業分野では、創業支援事業、物産協会と連携した地場産品の販路拡大、ふるさと納税に対する地場産品の返礼、設備投資動向調査に基づく企業誘致の推進など、農林水産分野では、施設栽培の促進や農水産物のブランド化推進など、港湾分野においては、ロシアとの貿易拡大に向けた企業訪問や貨物誘致、クルーズ客船の誘致など、各分野において取り組みを進めてまいりました。次に、これらの分野における課題といたしましては、観光消費の拡大、地場産品のさらなる販路拡大、青果や水産物のさらなる高付加価値化や、港湾物流の拡大と施設老朽化対策などが挙げられます。次に、今後の取り組みにつきましては、これまで同様、課題解決に向けた施策を推進するとともに、本市の強みである観光を軸に、個性や資源を磨き上げ、まちの活力を高めるためのさらなる取り組みとして、観光分野では、自立した観光地経営を行う新たな主体となる小樽版DMOの設立に向けた取り組みや、今年度からは日本遺産認定に向けた取り組みを進めてまいります。商工業分野では、中小企業振興基本条例の制定に向けた取り組みや、IT関連企業等の補助制度の新設、東京事業所に配置した企業誘致推進員の活用に努めます。農林水産分野では、旬の野菜や果実、地魚、農水産加工品などの消費拡大やブランド化を図る取り組みを進め、港湾分野においては、クルーズ客船の誘致や定期航路のポートセールスを行うほか、ロシアとの貿易拡大に向け、ウラジオストクやナホトカへの企業訪問などを通じ、小樽港の物流の促進を目指してまいりたいと考えております。次に、任期後半に向けての施策の展開につきましては、市民の皆様が将来にわたって住み続けたいと思えるような市民幸福度の高いまちを目指し、平成 27 年度に、平成 31 年度までの5年間を計画期間とする小樽市総合戦略を策定し、重点戦略や四つのプロジェクトを中心に、市政各般にわたるさまざまな取り組みを推進しております。子育て世代を初め、このまちに住む全ての人に優しい生活の利便性を向上させるための福祉や医療、教育に関する取り組みのほか、広域観光の推進、加工技術や古くからの卸売、小売業の集積などの本市の強みを生かした地場産業の振興、港湾物流の促進や創業支援などの雇用創出のための取り組みなど、産業振興のための施策についても重点的に展開をしていくこととしております。これらの施策の実施を通じて、人口減少に少しでも歯どめをかけ、本市の持続的な発展を図ってまいりたいと考えております。次に、泊原発再稼働についてですが、まず、国や道などに対して、札幌市等の自治体と連携した取り組みを進めるべきとのことにつきましては、原子力へ依存しない地域を広く実現させるため、近隣自治体と連携した取り組みは必要なことと考えております。今後におきましても、近隣自治体の考え方などについて、情報を共有し、連携を深めながら、どのような取り組みが効果的か、引き続き検討してまいりたいと考えております。次に、安定ヨウ素剤の各戸への事前配布と市外への避難計画の具体策につきましては、国の指針や北海道の計画では、UPZ圏外における安定ヨウ素剤の配布や広域的避難について、具体的に示されていない現状にあります。安定ヨウ素剤の配布及び服用は、専門的な知識や判断が必要となること。また、市外への避難は、広域的な連携や調整が不可欠であることから、本市単独での検討や実施は難しいものと考えております。そのため、これまでもUPZ圏外における原子力防災に関する国や北海道の取り組みをさらに進めていただけるよう要望を行っており、今後も継続してまいりたいと考えております。次に、市役所人事にかかわって、私が求める環境になっているかどうかの把握についてですが、各職場における職場ミーティングや管理職による個別面談等を通じ、必要に応じて各部長から所属職員の状況の報告を受けることなどにより、職場環境を把握するよう努めております。また、職員のモチベーションにつきましては、その時々において上下する可能性があるものと考えておりますが、市政運営に当たり、多くの職員と直接話をする中では、精力的に業務に取り組んでいる姿を目の当たりにしておりますので、全体としてはそれぞれの職責に応じ真摯に業務に取り組んでいると認識しております。(発言する者あり)次に、平成 28 年1月 29 日の市長記者会見記録についてですが、市政記者クラブに対し、ホームページに注釈を加える形での訂正を申し入れましたが、理解が得られていない状況です。私としても、解決に向け、市政記者クラブからの理解が得られることを望んでおります。(発言する者あり)次に、私の二元代表制の認識と議会対応についてですが、まず、私の考える分立の趣旨等につきましては、地方自治において、執行機関と議決機関が分立している意義は、分立により両者の自主性と独立性が確保され、執行機関の権限の行使に対し議決機関が客観的に監視及び評価するという機能が十分に果たされることで地方行政の安定が図れるというものであると認識しております。私が考える分立の趣旨とは、まさにこのことであります。次に、私の言動が分立の趣旨を逸脱しているのではないかにつきましては、執行機関である私は、就任から2年間にわたって予算や政策を提案し、それに対して議会は修正や否決、政策提案できる環境にある中、議決機能の権能を果たした結果として議決をいただいております。その過程において、時には意見の相違や考えの不一致があったとしても、市と議会が緊張感を持ち、それぞれの立場で役割を果たしながら市政の発展に尽くしている現在の状況こそ二元代表制の本来の姿ではないかと思っておりますので、私の言動が分立の趣旨を逸脱するという御指摘は当たらないものと考えております。次に、市長と議会との関係につきましては、私といたしましても、お互いが二元代表制の本旨を理解し、それぞれが持つ権能の中でその役割を果たすことが市政の発展にとって大切なことであると認識しております。私が執行機関として説明責任を果たす一方で、議会も議決機関として調査権を用い、市政の情報を収集するなど、情報共有と情報交換が図られ、お互いの考えや主張を知ることが両者の関係を向上させるものと考えております。次に、私の自己評価についてですが、客観的自己評価を定期的に公表することにつきましては、公約の進捗状況などの実績を評価し、市民の皆様にお示しをしていくことは必要なことであると思っておりますので、他市の事例なども参考にしながら、公表について検討してまいりたいと考えております。

質問 18番 佐々木秩

日本遺産認定を目指して質問いたします。4月 28 日、今年度の日本遺産の認定が発表されました。その中に、これまで1カ所もなかった北海道から、地域型として江差町、シリアル型として、北前船をテーマとして函館市と松前町が認定されました。江差町は、認定戦略、歴史文化基本構想、学術調査、市民意識の向上、どれも本当にすばらしく、認定第1号の栄誉にふさわしく、ぶれなかった町長、役場、学芸員、町民に敬意を表するものです。さあ、いよいよ次は小樽の番です。本市では、国の重要文化財、旧日本郵船小樽支店の補修工事を来年度から3年計画で行う予定です。見通しでは、総事業費約6億円のうち、市負担は1億円。財政的に厳しい中、これだけの支出をかけるのは、日本遺産認定の柱、まちづくりの重要な拠点になると考えてのことと副市長も語られています。また、それに呼応して、機構改革の一環として、産業港湾部内に日本遺産セクションが置かれたことも、市の認定を目指す強い姿勢のあらわれでしょう。そうした中で、今回の認定で、認定目標件数 100 件のうち 54 件までが決定、2020 年までの申請期限からいけば、残すチャンスはあと3回、さらに、今回の申請件数 79 件中 17 件、かなり狭き門が立ちはだかります。いよいよ本市としても本腰を入れて取り組まなければ間に合わない、かなり厳しい状況になっているのではないでしょうか。そこで、今回の江差町ほかの認定を参考にして本市の取り組みに生かし、関係者の皆様のラストスパートのサポートになればと思い、質問をさせていただきます。今回の認定審査全体や、北海道他地域の認定結果を分析し、本市の認定戦略に生かすことは必須ですが、以下の点についてお答えをください。地域型の江差町、シリアル型の松前町、函館市が認定に至った理由等の分析は、特に、認定に至るまでの具体的戦略、ノウハウについて、本市のこれからに反映できることは何か。これまでもあると思うが、各市・町との情報交換の機会を持つことが必要ではないか。本市は北海道認定第1号をなぜそれらの地域に先んじられたのか。今回認定 17 件について、特徴、傾向から見えることは。また、残念ながら認定に至らなかった 62 件について、なぜ不認定だったのか。続いて、今後の小樽市日本遺産認定の戦略について伺います。以前に指摘した道や文化庁とのパイプづくりについて、道や文化庁の職員が策定委員会等にオブザーバー参加しているとのことですが、実質的なやりとりやアドバイスを受けられる関係づくりは進んでいますか。地域型の申請条件である歴史文化基本構想の策定状況はどうなっていますか。昨年度開催した2回のワークショップやシンポジウムの開催状況や主な内容、その中で市民からどのような意見が寄せられましたか。文化財の調査事業については、市民の参加やホームページを通じてのわかりやすい市民への発信が必要ですが、どうでしょう。日本遺産認定が目標ではないはずです。認定を受けた結果、さまざまな新事業を通して、本市の歴史文化の再認識やその活用、市民のシビックプライドの醸成と向上、産業やまちの活性化につながることこそが目標ですし、認定までの過程も大切と考えます。そのためにも、これまで教育委員会が中心となって、地域型、小樽市単独型の認定を目指してきた経緯があります。一方で、2020 年度というタイムリミットがある中で、地域型での日本遺産認定を目指してのここまでの進捗状況は順調に進んでいるといえますか。また、地域型での申請方針に変わりはないということでいいですか。地域型のストーリーをどうやってまとめ、オーソライズしていくのか、既にお考えはありますか。他方、本市を取り巻く情勢として、シリアル型での日本遺産を目指す動きがあります。今回認定された北前船について、日本遺産認定後に地域を追加できる仕組みがあります。小樽は、北前船寄港地日本遺産登録推進協議会から、寄港地としての価値と独自性を高く評価されています。また、北前船関連の小樽での取り組みは市民の高い関心を集めていて、商大主催シンポジウムは 230 人が参加しています。また、市民レベルで新たな商業化の動きも出ています。北前船追加認定を積極的に目指すべきと考えますが、いかがですか。また、北前船について、認定後の動きが早く、また、希望自治体が多いという情報があります。追加認定等を目指すのであれば、迅速に対応できる体制は整っているのでしょうか。続いて、いわゆる炭鉄港について伺います。炭鉄港は、空知、室蘭、小樽を石炭・鉄鋼・港湾というテーマで結び、今日の北海道を築く基礎となった歴史文化で、日本遺産認定を目指そうという動きのようです。現在、北海道「炭鉄港」市町村議員連盟が設立され、本市議員も参加、また、セミナー等も開催され、本市職員も出席されたとお聞きします。その情報と、もし、このテーマで日本遺産認定を目指すとした場合の可能性について、どのように感じていますか。いずれにせよ、市としてシリアル型での認定も目指すお考えはありますか。であれば、小樽市独自の魅力は見えづらくなるので、単なる脇役、重要文化財等の提供にとどまらず、いかに小樽の価値をそれぞれのストーリーの中でアピールしていくのか。市民にそのテーマをどのように浸透させていくのか、そこが重要だと考えますが、いかがですか。そうした中、産業港湾部に日本遺産担当の新しいセクションが置かれました。その役割について説明してください。以前視察で訪れた尾道市は、既に二つのストーリーが認定されています。いずれも戦略的にシリアル型と地域型を組み合わせて認定。その結果として、歴史文化を核としたまちづくりや地域の活性化を進めようとしていることが鮮明に示されています。本市でも、他地域にまさるとも劣らぬ歴史的遺産と、それを支える市民意識を持っているのですから、シリアル型とか地域型で精いっぱいというような二者択一ではなく、地域型とシリアル型を含めた複合的で積極的な認定戦略が必要ではないでしょうか。ここまで進んでいる認定の動きを総合的に捉え、市の日本遺産認定と、それを弾みとしたまちづくりの戦略性、計画性について、お答えください。時期から言っても、タイムリミットはすぐに迫っています。セクションを設けたこの機に認定を目指す本気度をぜひ表明ください。

答弁 市長 森井秀明(市長は2018年7月まで)

ただいま、日本遺産認定について御質問がありました。初めに、認定結果の分析についてですが、まず、地域型の江差町、シリアル型の松前町、函館市が認定に至った理由等の分析につきましては、江差町につきましては、テーマ自体が以前から町民の間で醸成されてきたものであることに加え、申請の条件である歴史文化基本構想の作成作業と並行して、日本遺産認定申請のためのストーリーづくりを進めるというスピード感のある取り組みが認定につながったものと分析をしております。また、松前町と函館市が参加した北前船に関するシリアル型につきましては、日本遺産の制度が創設される前からフォーラム等の活動を進めてこられたものであり、長年の取り組みが実を結んだものと分析をしております。次に、具体的戦略、ノウハウについて、本市に反映できることにつきましては、地域型で認定された江差町では、歴史文化基本構想策定委員会に、文化庁や北海道の担当の方にオブザーバー参加いただいたこと、第1回目に認定された先進地から講師を招き、講演いただくなどの手法で進められたと承知をしております。また、シリアル型で認定された函館市や松前町では、北前船フォーラムやそこを母体とする北前船寄港地日本遺産登録推進協議会に参加し、活動されてきたものと承知しております。本市におきましても、教育委員会では既に江差町と同様の体制で歴史文化基本構想の策定を進めておりますが、今後とも先進地の認定に向けた取り組みやノウハウを参考としながら、小樽独自のストーリーづくりに生かしてまいりたいと考えております。次に、各市町との情報交換の機会を持つことにつきましては、御指摘のとおり、必要性を感じており、今年度、市長部局に日本遺産の担当を配置いたしましたので、今後、道外、道内における先進地視察等を行い、情報収集を行うとともに、人脈づくりに努めてまいります。次に、北海道認定第1号を他の地域に先んじられたとの御指摘につきましては、これまで日本遺産認定に向けては、教育委員会において、申請条件の一つである歴史文化基本構想の策定と、それに基づく地域型の申請を目指して取り組んでまいりました。同構想の策定に当たっては、国の補助金を導入し、平成 28 年度から3カ年での策定を予定しているため、現時点では申請条件が整っていないものであります。なお、江差町では、日本遺産が創設された平成 27 年から歴史文化基本構想に着手し、2年間で策定したこと、また、北前船の取り組みはシリアル型のため、同構想が条件でないことなどによる結果と捉えております。いずれにいたしましても、本市の日本遺産認定に向けた取り組みは、私の就任以降正式に着手をしたものであり、現在、最速で進めるべく努力をしているところであります。次に、今回認定された 17 件の特徴、傾向及び不認定となった 62 件の分析につきましては、まず、認定された 17 件につきましては、ストーリーのタイトルを見ただけでイメージが浮かぶものや、一目で興味を引くものとなっているという特徴があり、傾向としては、これまで同様シリアル型の認定が多い状況であります。次に、不認定となったものの分析につきましては、それらのストーリーは公表されていないものが多く、入手が困難でありますが、今後できる限り情報収集に努め、分析をしてまいります。次に、日本遺産認定の戦略についてですが、まず、北海道や文化庁との人脈づくりにつきましては、歴史文化基本構想策定委員会に市長部局から産業港湾部長や建設部長が委員として参加しており、オブザーバー参加いただいている文化庁文化財部や北海道教育委員会の方との意見交換等の交流を通じて人脈づくりを行ってきております。今後、さらに幅広く関係機関の皆様と相談しやすい関係の構築に努めてまいります。次に、地域型の日本遺産認定の進捗状況と、地域型での申請方針に変わりはないかにつきましては、まず、地域型の日本遺産認定の進捗状況につきましては、現在、教育委員会が歴史文化基本構想の策定作業を行っており、随時産業港湾部と教育委員会が情報交換をし、協議をしながら準備を進め、構想案がまとまる予定の平成 30 年度にストーリー選定を行う予定であります。次に、地域型での申請方針に変わりはないかにつきましては、本市の日本遺産認定申請は、歴史文化基本構想に基づく地域型の申請を基本とするこれまでの方針に変わりはありません。次に、地域型のストーリーの取りまとめとオーソライズにつきましては、地域型の申請は歴史文化基本構想策定過程での調査、シンポジウムやワークショップ開催を通じた市民意見の取りまとめの結果から、市長部局と教育委員会が連携してストーリー選定を行い、市民周知や議会議論を経て決定したいと考えております。具体的な作業の進め方につきましては、今後、教育委員会と協議をしてまいります。次に、北前船追加認定を積極的に目指すべきということにつきましては、日本遺産の認定はあらゆる可能性を検討していく必要があると考えており、相手方の御意向を確認し、本市の追加に向けて必要な手続や条件など、積極的に情報収集を行ってまいります。次に、北前船追加認定等に迅速に対応できる体制につきましては、現在、北前船寄港地日本遺産登録推進協議会事務局との連絡体制の強化を図っているところであり、日本遺産の担当に迅速に対応させてまいりたいと考えております。次に、炭鉄港の情報と、日本遺産認定を目指す場合の可能性につきましては、先日御案内をいただき、NPO団体が主催する岩見沢での講座に担当職員が参加をいたしました。この事業は、石炭、鉄道、製鉄、港湾を切り口に、約 20 年前に空知支庁が取り組みを始めたものであり、平成 27 年度、プロポーザル型政策形成事業として北海道知事に報告され、北海道創生総合戦略に位置づけされたものと伺っております。北海道の産業遺産をつなぐ物語として、長年の取り組みの蓄積があり、世界遺産となった明治日本の産業革命遺産とも構成要素、時間軸が似通っているため、ストーリーの取りまとめ次第では認定される可能性は高いものと感じております。次に、シリアル型での認定を目指す考えにつきましては、新たに市長部局に日本遺産の担当を配置いたしましたので、他の自治体から本市にシリアル型の構成団体として参加を求める打診があった場合は、申請時期の競合や役割、費用負担などを確認しながら、積極的に参加を検討してまいりたいと考えております。次に、シリアル型において、いかに小樽の価値をアピールしていくのか、市民の皆様にそのテーマをどのように浸透させていくのかにつきましては、まず、小樽の価値のアピールにつきましては、シリアル型において、本市が申請の中心的役割を担わない場合でも、本市の文化財の価値に着目すれば、ストーリー構成の主要な部分に位置づけられることが考えられます。今後、本市がシリアル型での申請に加わる判断の中では、ストーリーにおける本市の役割を確認し、本市の価値を最大限アピールしてまいりたいと考えております。また、市民へのテーマの浸透につきましては、シンポジウムの開催、広報やホームページでの周知に加え、小樽商科大学や関連するNPO団体の活動とも連携をするなど、あらゆる機会を捉えて周知に努めていかなければならないものと認識しております。次に、日本遺産担当セクションの役割につきましては、本市が申請を予定する地域型において、教育委員会と連携しながらストーリー選定に当たるほか、これまでの歴史文化基本構想策定委員会や市内有識者からの御意見、議会議論等を踏まえた上で、シリアル型への参加も視野に入れた取り組みを進めることとし、市長部局に担当職員を配置したものであります。今年度におきましては、その主な役割は情報収集、他自治体との調整、市民意識の醸成などを予定しております。次に、地域型とシリアル型を含めた積極的な認定戦略の必要性につきましては、国は 2020 年の東京オリンピック・パラリンピック開催までに 100 件程度の認定を目指しており、現在、申請時期は折り返しを迎えております。そのため、少なくとも本市が関係する申請においては、都道府県における優先順位づけの対象となる複数申請とならないよう戦略的に取り組んでいく必要があると認識しております。また、認定がゴールではなく、今後の本市のまちづくりや活性化に生かせるよう取り組んでいく必要があるものと考えており、狭き門ではありますが、認定されるよう最大限の努力をしてまいりたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 教育長 林秀樹(教育長は2024年3月まで)

佐々木議員の御質問にお答えいたします。ただいま、日本遺産認定について御質問がございました。初めに、日本遺産認定の戦略についてでございますが、まず、歴史文化基本構想の策定状況につきましては、策定事業は平成 28 年から3カ年で策定する計画でございますが、28 年度は文化遺産を生かしたまちづくりシンポジウムやワークショップを開催したほか、本市の文化財を総括的に把握するために、小樽市総合博物館紀要など、関係資料の調査を実施してまいりました。29 年度につきましても、過去に調査した文化財の現状についての追跡調査や、これまで所在調査等で把握されていない有形無形の文化財の調査を行いデータベースを構築するほか、シンポジウムやワークショップを開催してまいります。さらに、基本構想素案の策定に向けて、調査等の進捗にあわせて、調査部会や策定委員会を精力的に開催してまいりたいと考えております。次に、昨年度に開催いたしましたシンポジウム、ワークショップの開催内容と市民意見につきましては、シンポジウムは1月 28 日に、約 70 名の参加のもと、太宰府市文化財担当者を講師に招き、文化遺産を生かしたまちづくりについての基調講演のほかに、文化遺産でまちの活性化をテーマにパネルディスカッションを開催し、参加者からは、各町会を通じて、地域が誇りに思う文化遺産の情報提供を働きかけるなどの御意見をいただきました。また、ワークショップにつきましては2月 11 日と3月 11 日に開催し、1回目は 19 名の参加で、「市民の手で守る、育てる文化財」と題して、高島越後踊り保存会から、小樽市無形民俗文化財の指定を受けた経緯について講演をしていただいたほか、その後のディスカッションでは、参加者から、未来に残したい風景や物として、食べ物、景色、行事、暮らし、習慣などについて多くの御意見をいただきました。また、2回目は 27 名の参加で、「文化財群という視点」と題して札幌大学教授による講演をいただいたほか、参加者から、昔の小樽の写真や映像を保存する重要性などについて、御意見をいただいたところでございます。次に、文化財調査事業の市民参加と、文化財をわかりやすく市民へ情報発信することにつきましては、この調査事業におきましては、多くの市民からの情報提供が重要であると考えておりますことから、ワークショップやシンポジウムの開催、アンケート調査の実施のほか、ホームページの活用などにより、現存する文化財の情報を市民に広く発信し、埋もれている文化財の発掘につなげてまいりたいというふうに考えております。

出典:小樽市議会 平成29年第2回定例会 2017年6月13日 議事録 PDF(101ページ) 間違いを知らせる