小樽市議会 平成29年第1回定例会 2017年3月1日
港湾政策について
2017年3月1日、小樽市議会の一般質問で、小貫元議員が「港湾政策について」質問し、市長 森井秀明が答弁しました。
- 質問者
- 小貫元 議員
- 答弁者
- 市長 森井秀明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 20番 小貫元
次に、港湾政策について質問します。港湾には、投資をしなければ貨物は来ません。全道の貨物量が微減の傾向の中で、道民と小樽市民の税金に支えられている石狩湾新港は、貨物量が増加しています。小樽港については、今年度当初予算で計上されていた中央ふ頭の上屋整備が、今年度の実施は見送られ、新年度へとなっています。当初予算で計上した事業費を見送り、減額して来年度予算に計上した経過について、いつ、どの会議で、どのような議論を経たのか、説明してください。港湾計画の策定作業が遅れに遅れています。もともと港湾計画の改訂は、2015 年度の予定でした。改訂に向け、2014 年に小樽港研究会が報告書をまとめました。なぜここまで長期構想、港湾計画の策定が遅れているのか、大きな疑問です。港湾計画の改訂は、小樽港研究会の報告書をベースに進めているのか、説明してください。市長は、長期構想と港湾計画の改訂の位置づけについてどのような認識を持っているのか、示してください。港湾は、小樽市産業のかなめをなすものです。石狩湾新港や苫小牧港に港湾整備が集中し、小樽港の貨物が落ち込んでいるもとで、荷役機械の更新など、日本海側港湾の拠点として港湾整備が急がれています。経済政策として、港湾の重要性をどのように認識しているのか、市長における小樽市の港湾都市像を示してください。小樽港と石狩湾新港の機能分担では、セメント・石油類・鋼材等は、小樽港の取扱施設能力などを考慮し、両港で取り扱うものとする、特殊な荷役機械や専用の保管施設を必要とする米穀類等については、小樽港で取り扱うものとするとしていました。このセメント、LNG・LPGを除く石油製品、鋼材、米穀類について、1990 年の貨物量と 2015 年の貨物量及びその増減を小樽港と石狩湾新港、それぞれ示してください。あわせて、その数字に対する市長の見解を述べてください。石狩湾新港管理組合では、新年度からガントリークレーンを1基追加する準備を進め、2基体制で運用する予定といいます。1基目導入の際の説明では、コンテナ貨物が 2014 年までに 2000 年の5倍の7万 8,200 本にふえて、収支均衡になると言っていました。ところが、実態は2万 7,018 本にしかならず、もくろみの 35%、2000 年比 1.7 倍です。その結果、ガントリークレーンの収支は単年度赤字が続き、2015年度で累計収支が 10 億 7,100 万円の赤字となっています。もともと7万 8,200 本まで1基で取り扱う計画だったのですから、2基目を導入するよりも1基目の赤字解消が先ではないかと考えます。市長の見解を伺います。2基目を導入した場合の収支は、2034 年に黒字になるといいます。そのときの想定コンテナ個数は、11 万 3,000TEU で、現在の倍のコンテナを取り扱うとしています。石狩湾新港で、外貿コンテナ貨物がここまで伸びると思いますか。理由も含めてお答えください。この計画どおりにコンテナ貨物がふえたとしても、2034 年度のガントリークレーンの使用料収入は約1億円で、公債費と維持管理費の合計は約1億 8,700 万円です。何でこれで黒字と言えるか。管理組合は、荷さばき地、電気施設、引き船、上屋、これらの使用料、8,800 万円を収入に加えるから黒字になるのだといいます。1基目の収支計画の歳入は使用料収入のみなのに、2基目は荷さばき地使用料なども含めてガントリークレーンの歳入に加えることについて、市長はおかしいと思いませんか、見解を述べてください。過大なもくろみで黒字になると言い張る 2034 年度は、歳入をガントリークレーンの使用料収入のみにすれば、単年度 8,700 万円の赤字です。2基目稼働による累計収支で、約 13 億円の大赤字です。1基目の赤字を含めれば、23 億円です。このような赤字を生み出す機械の導入について、管理組合に対して意見を言ってきたことはあるのかどうか、説明してください。石狩湾新港の航路に砂が堆積しています。この間、中央航路のしゅんせつには 69 億円の事業費を要しました。2003 年に工事が行われましたが、その後、最大 4.5 メートルの砂が堆積しています。ほかにも、砂対策でつぎ込んでいる税金は、96 億 2,000 万円です。砂地につくった港の最大の欠点です。東側から流れてくる砂が北上し、航路にたまっていることが想定されます。このように、新たな設備をつくればつくるほど、それに伴う莫大な維持費がかかります。管理組合に対し、港湾整備を維持・管理中心にし、過度な投資を行わないよう主張すべきです。お答えください。石狩湾新港管理組合の昨年度決算では、管理組合が取り組んだ主な施策5億 4,914 万 1,000 円のうち、小樽市企業の受注実績は約 164 万 2,000 円で、0.3%と、ほかの自治体の企業に受注が流れています。昨年度決算における負担金と受注金額の比較では、小樽市 0.54%、石狩市 56.84%になります。石狩市の場合は、負担金の半分が地元企業に還元されていますが、小樽市は、同じお金を払っても地元企業には還元がないという実態で、負担金を負担していない札幌市などの企業に流れていることが問題です。管理組合は、結果としてこうなったと言っていますが、小樽市や石狩市のお金で札幌市が潤うという構図ができ上がっています。この実態について、市長の見解をお聞かせください。また、管理組合に対し、地元企業の受注機会の確保を求めていくべきと考えます。あわせてお答えください。石狩湾新港の港湾計画では、西地区に 67 億 8,000 万円かけて、マイナス 12 メートル岸壁と埠頭用地の建設が盛り込まれています。その根拠の一つとして、パームヤシ殻の輸入が 28 万 5,000 トンになるということでした。ところが、発電所を建設する新エネルギー開発株式会社は、PKSの必要料について検討中ということです。岸壁等建設の根拠の一つである貨物量が計画どおりにいかない見通しです。新たな岸壁等建設の根拠が失われたと思いませんか、お答えください。
答弁 市長 森井秀明(市長は2018年7月まで)
ただいま、港湾政策について御質問がありました。まず、上屋整備の予算につきましては、今年度、老朽化対策を早急に行わなければならない港湾施設が複数発生したため、年度当初から年明けまでの間、関係部局と議論を重ね、中央ふ頭の上屋整備を含め、今後における港湾施設整備の優先度や整備スケジュールを検討してまいりました。この結果、上屋整備に係る実施設計の年度内発注が困難になったことから、今年度の予算を減額し、来年度の予算に計上したものであります。次に、港湾計画の改訂における小樽港研究会の報告書につきましては、港湾業界の方々と小樽港の現状を把握するとともに、今後の可能性や役割について議論してきたものであり、報告書に示された振興策を踏まえ、将来貨物量の推計など、今後の港湾計画改訂の基礎資料として活用してまいりたいと考えております。次に、長期構想と港湾計画改訂の位置づけの認識につきましては、長期構想は、港湾計画策定に当たって 20 年から 30 年後を見通した長期的視点に基づく港湾の将来像を描くものであります。また、港湾計画改訂につきましては、現在の港湾計画における計画貨物量と実態に大きな乖離が生じ、これを見直すとともに、小樽港を取り巻く社会情勢の変化に対応し、港湾活動の効率化を図るため改訂するものであり、今後の港湾整備の具体的な指針とするものと認識しております。次に、私の抱く小樽市の港湾都市像につきましては、小樽港は、北海道開拓とともに整備が進められた古い港で、本市経済も港とともに発展してきたと認識しております。現在も、港湾物流は本市経済を下支えする重要な役割を果たしており、フェリー航路や中国コンテナ航路、ロシアRORO船航路などの定期航路や麦やトウモロコシを初めとする穀物類の取り扱いなど、関連する事業者も多岐にわたってすそ野が広いことが特徴であると考えております。また、本州や対岸諸国への物流拠点として、小樽産品はもとより、豊富な道産品の重要な輸送ルートにもなっております。さらに、近年はクルーズ客船の寄港もふえ、乗船客等の観光消費を初め、一定の経済効果が期待されるとともに、市民や観光客が埠頭に足を運んでいただく機会がふえ、港のにぎわい創出にも貢献していると考えております。このように、本市は、これまで港湾とともに歩み、発展してきた都市であることを再認識し、今後も小樽港と石狩湾新港の港湾機能を最大限に活用することで経済活動を高めていくことが可能となると考えております。これに向けて基盤となる港湾施設の機能を維持することが大前提となりますが、維持管理計画に基づく点検により、老朽化対策が必要な施設や課題も多いことから、極めて厳しい財政状況を勘案し、長期的な観点で優先順位を見きわめながら計画的に整備を進める必要があると考えております。現在、港湾物流の促進を目指す取り組みとして、ロシア・ウラジオストクやサハリンとの貿易拡大の可能性を探るとともに、昨年、ナホトカ市との姉妹都市提携が 50 周年を迎えたことを機に、今後、ロシア沿海地域とのさらなる経済交流を目指してまいりたいと考えております。また、フェリー新潟航路は、新造船投入に伴うダイヤ変更を予定しており、従来に比べ、首都圏までの輸送期間が一日短縮するとお聞きしており、運航会社とも連携しながら、道産生鮮食品の出荷拡大を目指したいと考えております。こうした港湾の利用促進に向けては、官民で知恵を出し合い、連携しながら取り組みを図ることが大変重要であると認識しているところであります。次に、小樽港と石狩湾新港におけるセメント等の 1990 年と 2015 年の貨物量及びその増減につきましては、1990 年及び 2015 年の貨物量増減の順で、小樽港については、セメントは 46 万 7,000 トン、5万7,000 トンで、41 万トンの減、石油製品は 26 万 3,000 トン、4万 6,000 トンで、21 万 7,000 トンの減、鋼材を含む鉄鋼は6万トン、6,000 トンで、5万 4,000 トンの減、米穀類は 49 万 6,000 トン、18 万 8,000トンで、30 万 8,000 トンの減となっております。こうした貨物量の推移につきましては、飼料工場の撤退や建設事業の減少など、小樽港やその背後圏を取り巻く環境変化に伴うものと認識しているところであります。次に、石狩湾新港については、セメントは 17 万 4,000 トン、25 万 5,000 トンで、8万 1,000 トンの増、石油製品は3万 5,000 トン、113 万 3,000 トンで、109 万 8,000 トンの増、鋼材を含む鉄鋼は2万6,000 トン、3万 2,000 トンで、6,000 トンの増、米穀類は 8,000 トン、3万 1,000 トンで、2万 3,000トンの増となっております。こうした貨物量の推移につきましては、岸壁など、荷役に必要な埠頭整備の進捗に伴い、取扱貨物量が増加しているものと認識しております。次に、石狩湾新港ガントリークレーンの2基目導入よりも1基目の赤字解消が先とのことにつきましては、港湾経営の観点からは収支の改善は必要と考えますが、石狩湾新港管理組合からは、国際定期コンテナ航路の便数増加によるコンテナ船の2隻同時荷役への対応や、故障等が発生した場合、長期にわたる荷役停止となることから、2基目の導入は必要との協議を受けており、本市としても港湾利用者の利便性向上や円滑な経済活動の継続も必要と考え、同意したものであります。次に、石狩湾新港で外貿コンテナ取扱貨物量が現在の約2倍を想定する理由につきましては、平成 28年速報値での貨物量は、過去最高の約5万 1,000TEU となっており、来年度からは、コンテナ航路が現行の週3便から1便増の予定で、貨物量のさらなる増加が見込まれること、今後は、現行の東アジアからの貨物に加え、成長が見込まれる東南アジアなどとの交流の進展により貨物量が増加する想定をしていることから、将来における貨物量としては、今後伸びていく可能性があるものと認識しております。次に、ガントリークレーンの収支計画において、歳入に荷さばき地使用料などを加えることへの見解につきましては、ガントリークレーン2基体制での運用後、コンテナ貨物を取り扱う荷さばき地などについては、それらの整備に係る起債償還がおおむね終了し、これらに係る歳入である荷さばき地使用料等において、今後は安定的な収入が見込まれることから、歳入として見込んだものであると伺っております。次に、ガントリークレーン2基目の導入に係る管理組合に対する本市の意見につきましては、2基目に関して、その導入の必要性をさらに明確にするよう求めてきたとともに、管理組合からの協議に対する回答に対して、ガントリークレーンの導入に当たっては、現状では石狩湾新港のコンテナ取扱貨物量の増加や航路の増便などの確実性に不透明な部分が見受けられることから、これらが確実に実現できるよう、積極的なポートセールスの充実を図っていただくよう申し入れを行っております。次に、管理組合に対して、港湾整備を維持・管理中心にし、過度な投資を行わないよう主張すべきとのことにつきましては、管理組合からは、航路や泊地の推進の確保は極めて重要であり、国と十分に協議しながら必要な対策を講じていると伺っておりますが、本市としては、これまでも砂の流入量やメカニズムの把握、抜本的な対策の検討などについて確認するよう求めております。今後におきましても、過度な港湾整備とならないよう、効果を十分検討した上で適切な対応をとるよう求めてまいります。次に、管理組合の主な施策全体の受注実績が、札幌市等の他の自治体に流れている実態につきましては、管理組合からは、これまでも事業の規模等を勘案して地元企業への受注機会の確保に努めてきたと聞いておりますが、結果として、小樽市以外の企業が価格競争の面でまさり、決定されたものと思っております。また、地元企業の受注機会の確保につきましては、事業の内容や規模等に応じて、さらに地元企業が参画しやすい入札参加要件になるよう、引き続き管理組合と協議をしてまいりたいと考えております。次に、石狩湾新港の西地区の新たな岸壁建設等の根拠の一つが失われたのではないかということにつきましては、バイオマス燃料であるパームヤシ殻を輸入する発電予定会社からは、その必要量を現在検討中であると聞いておりますので、今後、発電所の建設計画の進捗に伴って、その必要量が明らかになっていくことと推測しており、現時点では判断できないものと考えております。