小樽市議会 平成28年第3回定例会 2016年9月13日
(1)参与について/(2)小樽市総合戦略について
2016年9月13日、小樽市議会の一般質問で、中村誠吾議員が「参与について」「小樽市総合戦略について」について質問し、市長 森井秀明が答弁しました。
- 質問者
- 中村誠吾 議員
- 答弁者
- 市長 森井秀明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 17番 中村誠吾
昨年、市長にも同じような質問をしていますが、本日は監査委員に2点ほどお聞きしたいことがございますので、よろしくお願いします。まず、参与の任用についてです。非常勤職員と給与条例主義に関して地方自治法は、非常勤職員については第 203 条の2第4項で「 報酬及び費用弁償の額並びにその支給方法は、条例でこれを定めなければならない」とし、常勤職員については第 204 条第3項において「給与、手当及び旅費の額並びにその支給方法は、条例でこれを定めなければならない」と定め、さらに第 204 条の2において「普通地方公共団体は、いかなる給与その他の給付も法律又はこれに基づく条例に基づかずには、これをその議会の議員、第 203 条の2第1項の職員及び前条第1項の職員に支給することができない」と規定しています。これら地方自治法の規定を受け、地方公務員法は、第 24 条第5項で「職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は、条例で定める」としています。それでは、どこまで条例で定めておけばよいか問題となります。そこで判例では、非常勤の嘱託員の報酬額について報酬及び費用弁償条例で、月額 27 万円または日額1万 2,700 円の範囲内で任命権者の定める月額または日額とのみ規定し、施行について必要な事項は長が別に定めるとして、長が定めた支払い内規に基づいて支給したことについて、一審は給与条例主義に違反するとして、大阪地裁において平成 19 年2月9日判断が示されました。次に、控訴審において非定型的・臨時的で報酬額をあらかじめ定めがたい非常勤の嘱託員については、報酬の限度額、支給の方法その他の基本的な事項を条例に規定し、一定の限度額の範囲内で任命権者に具体的な額の決定を委任し、そのほかに要綱を規定しているので、本件条例の規定する委任のあり方には十分な合理性が認められるので、任命権者の恣意的な決定を排し、かつ給与条例主義の趣旨を没却するものではない。委任の限界を超えず、非常勤の嘱託報酬を内規規定に基づいて支給したことについては、適法とした大阪高裁、平成 19 年 10 月 31 日判決が下されました。そこで、この高裁判決のポイントは、非定型的・臨時的で報酬額をあらかじめ定めがたい非常勤の嘱託員なのかどうか、要綱を制定しているのかどうか、任命権者の恣意的な決定を排し、かつ給与条例主義の趣旨を没却するものなのかどうかです。まず、非定型的・臨時的で報酬額をあらかじめ定めがたい非常勤の嘱託員という点では、市長は参与について4年間の市政全般のアドバイザーといっており、臨時的とはいえないものです。次に、要綱を制定しているという点については、起案による任用ですので、内規規定すらないということで、全く理解されるものではありません。最後に、任命権者の恣意的な決定を排し、かつ給与条例主義の趣旨を没却するものかどうかですが、市全体の政策のアドバイスをするという職務でありながら、任用したのは技術職の方であり、失礼ながら、過去に市政全般にわたって指揮される職位でおられたとは言いがたい人物であり、同様な条件の市職員のOBは多数いながら、市長の後援会の人物を選任しています。また、次の質問にも関係しますが、予算は議会の承認を得たものとすら言えないものになっています。以上のことから、給与条例主義の視点から、市長の裁量権を逸脱しており、地方自治法違反の任用だと思いますが、監査委員は参与の任用は適法なものだったと考えますか。次に、これはさきの第4回定例会でも市長に聞いているものです。予算の否決と流用の関係についてお尋ねします。地方自治法第 96 条第1項第2号の趣旨は、地方公共団体の財政的負担になる歳出及び支出負担行為を、住民の代表機関である議会に統制させることにあります。地方自治法の趣旨がそうである以上、予算に基づかないで執行機関が歳出または支出負担行為をすれば違法であると考えます。今回の参与を嘱託員として任用する際に、1年分の予算を流用するのではなく、第2回定例会の議決があるまでの6月分、7月分の嘱託報酬を専決処分した上で、第2回定例会において残りの分について予算議案を提出する方法をとる必要があったと私は考えます。また、平成 27 年第3回定例会において、参与の報酬に関する予算案が減額修正され、議会の意思は明確になっています。議会の意思が明確である以上、議会の予算修正権を有名無実化する今回の流用を取り消さなければならないと考えます。そして、今回の嘱託員の報酬は明確に減額された予算について支出していることになります。地方自治法第 96 条第1項第2号の趣旨から考えれば、参与に対する報酬の支出は違法であると考えます。また、予算特別委員会で減額修正の意思が示された9月 17 日以降については、議会の意思が明確になったにもかかわらず、流用した予算の支出を続けていることは、より悪質性、違法性が高いものと考えます。監査委員は参与に対する報酬の支出は適法であると考えますか、見解を求めます。
質問 監査委員 菊池洋一
中村誠吾議員の御質問にお答えいたします。参与に関する議会と市長の議論につきましては、新聞報道等による情報しか持ち合わせていないことや、監査委員の権限がどこまで及ぶのかということもありますので、答弁につきましては、あくまでも一般論としてお答えさせていただきたいと思います。初めに、参与の任用は適法であったと考えるかについてでありますが、職員の任命につきましては、地方公務員法第6条第1項の規定により、市長の権限となっております。監査委員の通常の監査においては、市長の権限で行われる行為の全てを対象とするものではなく、職員の任用そのものにつきましては監査委員の監査になじまないものと考えております。このため、議員、御質問の参与の任用の妥当性につきましては、意見を申し上げることができませんので、御理解をお願いいたします。なお、嘱託員については、地方自治法第 199 条第1項の規定に基づき実施する定期監査の中で、財務に関する事務の執行等に限定して報酬の支給額に誤りはないか、休暇等の申請、承認の服務管理などの事務処理は適正であるかなどに着目して監査を行っております。次に、参与の報酬に対する監査委員の見解についてでありますが、地方自治法第 149 条第2号の規定によりますと、市長は「予算を調製し、及びこれを執行する」とされており、予算の執行権は市長に専属しております。また、同法第 220 条第2項において、目レベルでの予算の流用が市長の権限として認められておりますので、これに基づいた財務手続により参与報酬の予算措置がされたものと思われます。また、議員から、平成 27 年第3回定例会において参与の報酬の補正予算案が減額修正されたにもかかわらず、報酬の支出を続けたとのお話がありましたが、予算措置の方法を、流用、補正予算、専決処分等のいずれの手法によるかの選択の適否につきましては、監査委員が物を申すことはできないものと考えます。
質問 17番 中村誠吾
小樽市総合戦略について質問いたします。総合戦略においては、まち・ひと・しごと創生法第8条第3項の規定に基づき、その目標の達成度合いを検証できるよう客観的な指標を定める必要があるとされています。そこで、各市は工夫をして客観的な指標を定めていますが、小樽市の指標には疑問のある指標が数多くありますので、個別の指標について質問していきたいと思いますが、その前に1点、確認したいと思います。平成 28 年度予算の基本方針では、「総合戦略に位置づける事業については、総合戦略の施策パッケージなどとの適合性を検討した上、効果などを十分に勘案し要求すること」としています。また、平成 28年2月 16 日の記者会見でも「平成 28 年度予算の編成に当たっては、この総合戦略をもとに、「訪れる人を魅了し、暮らす人には優しい、市民幸福度の高いまち」という将来都市像の実現に向け、四つの視点によって取り組んでいくこととしたものであります」と市長は表明していますので、総合戦略に記載されている事業は、記載されていない事業より平成 28 年度以降の予算編成において優先度が高いということでよろしいでしょうか。また、施策KPIが設定されている事業は、施策KPIが設定されていない事業よりも優先順位が高いということでよろしいでしょうか、市長の見解を求めます。それでは、個別の指標について質問していきたいと思います。まず、あずましい暮らしプロジェクトの施策指標についてですが、移住促進事業の指標で、移住・定住に関する問い合わせ件数としています。小樽市ではなぜ移住・定住した人の数としなかったのですか。地方版総合戦略の手引きによれば、数値目標、重要業績評価指数KPIは、住民にもたらされた便益(アウトカム)に関する数値目標を設定する必要があるとされています。そして、アウトカムに関する指標が設定できない場合は、行政活動そのものの結果、アウトプットに関する指標を設定することも差し支えないとしています。ここで移住・定住の問い合わせをするのは、小樽の住民ではない人ですので、移住・定住に関する問い合わせは、問い合わせた段階では小樽市の住民に何ら便益をもたらしません。便益の指標として、移住・定住した人の数は設定できない指標とは考えられません。調べられない数字なのでしょうか。ですので、この指標は、地方版総合戦略の手引きにいうKPIの基準に達しない指標と考えますが、市長の見解を求めます。次に、にぎわい再生プロジェクトの施策指標ですが、東アジア圏等観光客誘致広域連携事業費補助金についてです。札幌市などと連携した事業でありながら、札幌市ではない北後志6市町村の外国人宿泊客数を施策KPIとするということに疑問があります。北後志6市町村の外国人宿泊客数といっている以上、施策KPIを設定するに当たって、北後志5町村との打ち合わせをしましたか。そもそも小樽市の総合戦略なのですから、小樽市の外国人宿泊客数にするのが妥当なはずです。もちろん北後志5町村が必要ないと言っているわけではありません。ただ、余市町の総合戦略はその中で、また後志地域は小樽市、ニセコ町、倶知安町を初めとするリゾートエリアにおいて、外国人の入り込みが非常に多いという特性を持っていることから、北海道及び各エリアとの連携も視野に入れつつ外国人の受け入れ体制整備についても検討を行いますと触れている程度です。また、古平町の総合戦略には、外国人との文字すら出てきません。過去の実績を見ても、小樽市、キロロリゾートのある赤井川村では、外国人宿泊者は一定数ありますが、それ以外の町村はほとんどありません。なぜ小樽市の総合戦略であるにもかかわらず、小樽市の外国人宿泊客数ではなく、北後志の6市町村の外国人宿泊客数としたのでしょうか。市長の見解を求めます。次に、あんしん絆再生プロジェクトの総連合町会補助事業ですが、施策KPIが町会加入数となっています。町会加入世帯率を数値目標に入れているにもかかわらず、さらに町会加入数を入れている意味がわかりません。さらに申し上げれば、総連合町会の中での町会加入数であれば、お聞きしたところ、現在、総連合町会に加入している町会数は 151 だそうですが、例えば今後ふえるとか、また何らかの要因で減るとした場合、KPIはどのように変わるのですか。そして、それがなぜ幸福度にかかわるのですか、お聞きします。また、銭函市民センター施設関連事業を取り上げていますが、銭函市民センターは小樽市内全体から万遍なく利用があるでしょうか。常識で考えれば、銭函地区の方が利用する施設だと思いますが、いかがでしょうか。小樽市には、小樽市民会館を初め多様な施設があります。小樽市全体の幸福度の指標であるのに、どうして銭函市民センターだけを取り上げたのでしょうか、市長の見解を求めます。それでは、逆に記載されていない事業についても質問します。子育て、教育に関するものです。それぞれの事業を不要だなどという考えでお聞きしているわけではないということを、最初に言っておきます。例えば、小樽イングリッシュキャンプ関係事業やスクールライブラリー便事業など、とても細かい事業も並んでいると考えます。一方で、札幌市の総合戦略、江別市の総合戦略のKPIにもあって、小樽市の総合戦略にないものがあります。それは待機児童です。保育所の待機児童数は非常に重要な指標ではないでしょうか。保育所や放課後児童クラブの事業は、子育ての根幹になる事業だと考えます。KPIに保育所の待機児童数を選択しなかった理由をお答えください。また、子育てに対する満足度調査などもKPIに入っていないため、万が一小樽市内で待機児童が激増しても、小樽市の総合戦略における市民幸福度には全く影響しません。これが暮らす人に優しいと言えるでしょうか。総合戦略における待機児童の位置づけについて市長の見解を求めます。また、待機児童対策は総合戦略に並んでいる事業より低い位置づけにあるということでよろしいでしょうか。これまで述べてきたように、総合戦略は総合戦略という名に十分に応えられる値のものとなっているでしょうか。この総合戦略が交付金をもらうために慌ててつくられたものであると、私は一方的に思っています。それについてもちろん反論もあろうかと思います。しかし、そもそも法律の位置づけにおいても、総合計画と総合戦略との整理がしっかり腰を据えてできていますでしょうか。庁内において、原部、原課とよく話し合い、理解ができて完成されたものなのでしょうか。さまざまな要因、経過はあると理解しますが、市長は現在、私としては欠陥であると考える総合戦略を、幸福度KPIという言葉に浮かれて、前面に押し出さないほうがいいのではないでしょうか。今後も市政運営の中心に、この総合戦略を据えるおつもりですか。また、今後見直す予定はありますか、市長の見解を求めます。
答弁 市長 森井秀明(市長は2018年7月まで)
ただいま、総合戦略について御質問がありました。まず、総合戦略に記載されている事業や施策KPIが設定されている事業が予算編成において優先度が高いのかということにつきましては、総合戦略は人口減少、地方創生など、喫緊の課題解決のため策定した計画であることや、施策KPIを設定することで、PDCAサイクルによるマネジメントが可能となることなどから重要であると考えておりますが、単年度の予算編成における優先順位をつける趣旨ではないものと考えております。次に、移住促進事業の指標をなぜ移住・定住した人の数としなかったのかにつきましては、全ての転入者について転入理由を窓口で把握することは困難であったことから、総合戦略策定時においては、移住・定住に関する問い合わせ件数を採用することとしたものであります。次に、移住促進事業のKPIが国の基準に達していないという御指摘につきましては、地方版総合戦略策定のための手引きで、アウトカムに関する指標の設定が必要とされているのは基本目標のKPIであり、各施策におけるKPIについては、アウトプット指標を設定することも差し支えないとされておりますので、基準は満たしていると考えております。次に、東アジア圏等観光客誘致広域連携事業費補助事業の施策KPIである北後志6市町村の外国人宿泊客数につきましては、広域観光が重視される中、本市はMICEにおける連携、協力についての覚書を交わした札幌市や小樽・北後志広域インバウンド推進協議会を設立した北後志5町村などと連携して事業に取り組んでおりますが、あくまでも本市の施策についてのKPIであることから、その設定のための打ち合わせは行っておりません。次に、なぜ施策KPIを小樽市の外国人宿泊客数ではなく、北後志6市町村の外国人宿泊客数としたのかにつきましては、国の地方創生においても広域連携が重要とされており、本市の総合戦略においても「札幌圏や北しりべし・後志地域における、広域的な連携の推進」を基本目標の3として掲げているところであります。そのような中、この事業では小樽市を起点とした周遊ルートの開発により、北後志全体における滞在時間の延長や宿泊型観光につなげる取り組みを進めていることから、北後志の外国人宿泊客数を施策KPIとすることが成果指標として適当と判断したものであります。次に、総連合町会の町会加入数に関する施策KPIにつきましては、本市が人口減少や高齢化等の問題を抱えている中で、平成 27 年度の町会加入数 152 を現状維持することを目標値として設定しておりますが、KPIは総合戦略の計画期間の最終年度である平成 31 年度の目標値であるため、その間の加入数に増減があったとしても変わりません。次に、町会加入数と幸福度のかかわりにつきましては、町会加入数の目標値を維持することに努めながら、今後も引き続き総連合町会及び小樽市が連携して町会未加入世帯等に対して、町会加入促進活動を行い、町会加入世帯率を増加させることで、地域住民の助け合いや見守り活動等を活発化することができ、安全で安心なまちづくりを構築し、市民の幸福度を高めることにつながるものと考えます。次に、銭函市民センターの利用につきましては、地域等による利用制限等はなく、どなたでも御利用していただくことができますが、実態としては銭函地区のサークル活動や町会活動の利用者が多数を占めております。次に、小樽市全体の幸福度につきましては、幸福度KPIをもとに独自のアウトカム指標を設定しておりますが、銭函市民センターの利用者数につきましては、施策KPIとして設定したものであることから、幸福度KPIには含まれてはおりません。次に、KPIに保育所の待機児童数を選択しなかった理由につきましては、国の定義による待機児童は本市において存在していないため、KPIとして設定しなかったものであります。次に、待機児童対策の総合戦略における位置づけにつきましては、現状では国の定義による待機児童は本市ではいないこととなりますが、希望する保育所等にあきがないなどの理由による潜在的な待機児童数が、本年9月1日現在で 44 名いることから、今後、総合戦略への位置づけを検討してまいりたいと考えております。次に、今後の総合戦略の位置づけや見直しの予定につきましては、総合戦略は直近で策定した総合的な計画ということもあり、当面はこれをベースに政策議論をしたいと考えております。また、今後の見直しにつきましては、必要に応じて事業や指標の追加、見直しなどを行ってまいりたいと考えております。