小樽市議会 平成28年第2回定例会 2016年6月14日
小樽市総合戦略について
2016年6月14日、小樽市議会の一般質問で、安斎哲也議員が「小樽市総合戦略について」質問し、市長 森井秀明が答弁しました。
- 質問者
- 安斎哲也 議員
- 答弁者
- 市長 森井秀明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 5番 安斎哲也
新風小樽を代表し、代表質問いたします。まず、小樽市総合戦略について伺います。将来の都市像「訪れる人を魅了し、暮らす人には優しい、市民幸福度の高いまち」についてです。この文言には、「将来にわたって住み続けたいと思えるよう、市民幸福度を維持・向上させ続けることが、いま私たちが果たすべき役割と考え、当市が目指す将来の都市像を下記のとおり定め、この実現に向けたまちづくりを着実に進めます」として設定されました。これが設定されてから、市長は事あるごとに市民幸福度の高いまちと言い続けていますが、それを聞いている私たちにとっても市民幸福度の高いまちとはどのようなものか全くイメージできないものですし、市長の選挙公約のどこに市民幸福度と書かれていたのか全く理解しがたく思っています。言うなれば、ただ選挙のために掲げた公約の一部分を前体制から引き継いだ総合戦略の中に当てはめ、聞きざわりのいい言葉を並べ、何ら事実や経緯、経過を知らず、半可通な知識を振り回しているにすぎず、本当に市民幸福度のまちを目指しているのか疑念しかありません。市長が会合や総会などで挨拶があるたびに訪れる人を魅了し、暮らす人には優しい、市民幸福度の高いまちとおっしゃっていますが、市長の言う市民幸福度とは何ですか。どういう意味があるのでしょうか。市長は本年3月の第1回定例会の提案説明で、小樽市総合戦略の策定に当たり、市長公約や考え方を盛り込んだとおっしゃっていましたが、それはどこに当たりますか。現状の市民が求める豊かさとは何か把握していますか。アンケート調査結果について、転入者、転出者、大学生、市内勤労世帯、それぞれのアンケートの実施総数、それに基づくそれぞれのパーセンテージを示してください。そもそも市民の幸福感をはかるものではないアンケートでは、精度が不十分と感じます。見解をお聞かせください。また、人口動態の分析をはじめ、雇用や就労等に関する分析、将来人口推計などの数字を基にした上で、庁内外の人口対策会議という場で意見をもらってたたき上げられていますが、これは一部の意見という見方しかできません。大阪府門真市では、幸福度指標の策定に当たり、市民に対するアンケートを実施し、公募市民を対象とした会議を開催しています。また、栃木県真岡市や東京都国分寺市など、各市においても広く市民の意向調査を行い、市民の幸福度の物差しをつくり上げています。小樽市は、なぜ幸福度指標に対する意向調査を行っていないのかお聞かせください。将来都市像としてのフレーズは良いものとは思いますが、森井市長が、実際の幸福感をはかる現状調査をしないで策定された総合戦略で、市民幸福度の高いまちと声高らかに上げているのであれば、それはあまりにも稚拙であると指摘せざるを得ません。市長の市民幸福度の高いまちについての見解と今後の総合戦略の実施に向けたお考えをお聞かせください。これまでの議会議論においても、今後アンケートをされるという答弁がありましたが、どのような内容で、いつ、どういう形で行うのか、具体的なスケジュールとともにお聞かせください。そして、小樽市総合戦略では 31 年度までの目標値が設定されていますが、PDCAサイクルの中で、チェックとアクトはどういうスケジュールで行っていくのかお聞かせください。次に、基本目標Ⅰ「子育て世代をはじめ、全ての居住者に優しい、生活利便性の向上」についてです。将来の都市像に向けた三つの基本目標のうち、この基本目標Ⅰについて、目標値設定に当たっての考え方をお示しください。婚姻率の目標値が 4.1 に設定されていますが、4つの施策パッケージのどこに関連事業があるのでしょうか。また、婚姻率の目標値設定の考え方をお聞かせください。合計特殊出生率についても、どこに関連事業があるのでしょうか。また、目標値設定の考え方をお聞かせください。森井市長の公約にもありますが、基本ニーズ・住居のカテゴリーの中で、市民の声「除雪依頼」件数を現状の 1,199 件から 950 件に減らすという目標値設定ですが、なぜ除雪依頼の件数を物差しにしたのですか。そして、950 件に下がったとして、それでなぜ市民幸福度の高いまちと明言できるのか、その根拠をお示しください。なお、この除雪件数が盛り込まれている「あずましい暮らしプロジェクト」の数値目標で、暮らしやすいと感じる市民割合を 50.9 パーセントから 52.5 パーセントに上げると設定されていますが、2パーセントの市民が暮らしやすいと感じる施策しかないということでしょうか。数値目標の根拠と市長の考える暮らしやすいと感じるとは、どういうイメージのことなのかお聞かせください。基本目標Ⅱ「小樽の強みを活かした産業振興と、新たな人の流れの創出」についてです。先ほども指摘したアンケートで、それらのアンケートの中に所得に関しての設問がない中で、1人当たり市民所得を 200 万円から 220 万円に上げると目標値を設定していますが、その根拠と、なぜ 20 万円上げることが幸福度の高いまちにつながるのかお聞かせください。また、これに関しても、関連事業はどこにあるのでしょうか。行政の取組としてどのような事業展開をすれば5年間で目標値を達成できるようになるのかお聞かせください。この大項目中で数々指摘しましたが、これらの目標値の設定根拠は曖昧なものもあり、そしてひもづけられている事業が適切なのか、まだまだ未完成な状況であると思っています。ただし、背景としては、この小樽市総合戦略という大きなビジョンを市職員が掲げ、その中でどの分野のためにどの事業を推進し、改善しなければならないのか、一つのビジョンに沿って行政運営、施策執行ができていくという行政改革的な視点があるというふうにとれることは評価したいと考えています。市職員が小樽の将来に向けて一致団結し、一丸となって事業を構築し推進していただきたいと思います。私は、事業推進に当たっては失敗してもいいと思っています。これからの将来に向け目標を設定し、それに取り組んで失敗したら、どうして失敗したかチェックし改善する、まさにPDCAサイクルの中で行政運営をしていくべきだと思っています。失敗したら議会で追及されると思われるでしょうが、失敗の中から次の手を打つべく研究し、議会答弁に臨めばいいと思っています。行政職員の皆様の頭脳を最大限活用して、小樽のまちの将来を、市民が小樽に住んで幸せだと感じられるように、どんどんチャレンジしていってほしいと思っています。1項目めの質問を終わります。
答弁 市長 森井秀明(市長は2018年7月まで)
安斎議員の御質問にお答えいたします。ただいま、小樽市総合戦略について御質問がありました。初めに、将来の都市像「訪れる人を魅了し、暮らす人には優しい、市民幸福度の高いまち」についてですが、まず、市民幸福度とは何か、どのような意味があるのかにつきましては、市民の皆様が日ごろからお感じになっている主観的幸福感について、定量的・定性的な指標を組み合わせて可視化したものが市民幸福度になります。総合戦略に位置づける意味としましては、定期的に行政サービスに対する達成度や満足度を測定し、検証と改善を図ることにより効率的な行財政運営を図ることを目的としております。次に、小樽市総合戦略の策定に当たり、公約や考え方を盛り込んだ箇所につきましては、小樽市総合戦略は、官民の会議である小樽市人口対策会議などで検討され、パブリックコメントを経て策定したものですが、例えばこのまちで生活している人たちを大切にする政策を第一とし、子育て支援と高齢者対策の充実、小樽の教育改革を行うことなど、私の公約や考え方を随所に取り入れていただいたと考えております。次に、市民が求める豊かさとは何かにつきましては、市としてアンケート等を実施していないため、明確に把握はしておりませんが、行政として市民の皆様のニーズを把握し、課題として認識する仕組みが不足していると感じております。今後は、総合戦略の市民幸福度の検証や改善を行うため、アンケート調査を実施し、まちづくりエントリー制度による市民参加を促すとともに、私が直接出向いて地域住民の皆様から御意見等をお聞きする中で、市民の皆様が求める豊かさについても把握してまいりたいと考えております。次に、アンケートの実施総数と回収率につきましては、転入者アンケートは 1,051 名に配付し、回答数は 226 名、回答率は 21.5 パーセント。転出者アンケートは 1,142 名に配付し、回答数は 223 名、回答率は 19.5 パーセント。小樽商科大学学生へのアンケートは 347 名に配付し、回答数は 347 名、回答数は100 パーセント。市内勤労者アンケートは 6,080 名に配付し、回答数は 1,679 名、回答率は 27.6 パーセントとなっており、おおむね必要なサンプル数を確保したと考えております。人口動向の分析を目的としたアンケートのため、市民の幸福感を測定するものではありませんが、ある程度、市民ニーズを把握する上で参考になったと考えております。次に、幸福度指標に対する意向調査を行っていない理由につきましては、幸福度の考え方は自治体ごとにかなり違いがあり、一般的なアンケートとは回答方法も異なることから、意向調査を実施することは難しいと判断したものです。また、本市の幸福度については、内閣府の「幸福度に関する研究会」が内外の学術研究の成果に基づき発表した指標試案を採用しておりますが、今後、小樽市人口対策会議等において御意見を伺いながら、指標の見直しを行ってまいりたいと考えております。次に、市民幸福度の高いまちに関する見解と今後の総合戦略の実施に向けた考えにつきましては、市民幸福度は、定期的に行政サービスに対する達成度や満足度を測定し、検証と改善を図ることにより効率的な行財政運営を図ることを目的としており、総合戦略の事業と連動して幸福度を測定する仕組みを独自に取り入れております。今後は、市民の皆様の幸福感の現状把握に努め、市民幸福度を高められるよう効果的な事業の実施に努めてまいりたいと考えております。次に、アンケートの実施につきましては、本年度は、次期総合計画策定に係る市民アンケートとあわせて本年8月に実施する予定であり、市内在住の 18 歳以上の男女 3,000 人を無作為抽出し、小樽に暮らしていて感じることや、市の施策の現在の満足度と今後の重要度などの調査項目について、年内に集計と分析を行う予定としております。次に、目標値の管理とPDCAサイクルにつきましては、現在、施策パッケージに登載されている事業について平成 27 年度の実績値を集約しているところですので、企画政策室において個別事業の達成度を分析するとともに、本年中に人口減少対策庁内検討会議及び官民の人口対策会議においてチェックを行い、次年度以降の事業実施に反映したいと考えております。また、次期総合計画策定に係る市民アンケート結果から、遅くとも来年1月中に市民幸福度の暫定値を取りまとめ、これを踏まえて幸福度指標の見直し等を行いながら、本年度内に総合戦略を改定する予定であり、来年度以降のスケジュールも同様に考えております。次に、総合戦略の基本目標Ⅰ「子育て世代をはじめ、全ての居住者に優しい、生活利便性の向上」についてですが、まず、基本目標Ⅰに設定されたそれぞれの目標値の根拠につきましては、現状値に一定の割合を乗じているもの、過去5年間の最大値を採用しているもの、増加する見込みが薄い中で微増を見込んでいるものなど実現可能性にも配慮し、関係部局や企画政策室において設定したものであります。次に、婚姻率に関係する施策パッケージにつきましては、婚姻率は複合的な要因が絡んでいる高位の指標であることから、直接的な事業はないものの、「樽っ子プライド育成プロジェクト」に登載されている保育環境整備事業、ファミリーサポートセンター事業、男女共同参画施策事業などについては婚姻率に関連する事業と考えております。なお、婚姻率につきましては、近年、低下傾向にあることを考慮し、過去5年間の最大値を目標値として設定したものであります。次に、合計特殊出生率に関係する施策パッケージにつきましては、人口減少は本市の最重要課題であることから、合計特殊出生率は最高位の指標になると考えており、あらゆる事業の効果を結集しなければ実現は不可能と考えております。事業ごとに関連する度合いは違うものの、総合戦略に登載されている全ての事業について、人口減少を抑止するという考えの下、実施していく必要があると考えております。なお、合計特殊出生率につきましては、2040 年までに希望出生率である 1.8 を達成するという目標を設定しておりますので、ここから逆算して算出したものであります。次に、市民の声、除雪依頼件数を指標とした理由につきましては、雪の多い小樽市では安全で快適な冬の生活を確保することは重要なことと考えております。この除雪依頼件数は、市民の皆様の除雪に関する声を直接反映した数値であり、指標の一つとして設定することは適切であると判断したものであります。また、転出者アンケートの小樽の生活環境での不便・不満点において「雪が多い」と答えた方が一番多かったことを考えますと、そういった不満を解消していくことが幸福度を高めることにつながるものと考えております。次に、私が考える暮らしやすいと感じるイメージにつきましては、基本目標Ⅰを構成する子育て、教育環境、生活に関する基本的なニーズや住居、市民の皆様の健康、自然や地域とのかかわりの全てが充足されている状態と考えております。これらは全ての市民にかかわる施策ですので、結果的に暮らしやすいと感じる市民が2パーセント増加し、新たに 2,500 人もの市民の皆様が暮らしやすさに対する評価を改めたとすると十分な効果があったと考えてよいと思っております。次に、基本目標Ⅱ「小樽の強みを活かした産業振興と、新たな人の流れの創出」についてですが、まず、1人当たり市民所得を 220 万円とした根拠と市民所得の向上が幸福度の高いまちにつながるのかにつきましては、転出者アンケートからも転出理由は「就職」「転職」が一番多く、安定した雇用は就職や結婚の条件に挙げられていることから、安定した雇用とも密接な関係のある市民所得の向上は、幸福度を高める上で重要と考えております。仮に1人当たり市民所得が 10 パーセント、20 万円向上すると約 224 億円が分配される計算となり、本市経済に与える影響も大きく、相乗効果により他の指標を押し上げる効果があることから目標値としたものであります。次に、1人当たり市民所得に関連する施策パッケージの事業につきましては、「にぎわい再生プロジェクト」に登載されている「小樽産品」ものづくり・販路拡大支援事業、小樽港物流促進プロジェクト、国内外観光客誘致推進事業、創業支援事業、水産物ブランド化推進事業などが当たると考えております。1人当たり市民所得につきましても、複合的な要因が絡んでいる高位の指標であることから、直接的な効果がある事業はないものの、雇用創出数や売上額の向上など、今後、関連する指標の整備に努めるとともに、官民連携や政策間連携を推進することにより、5年間で目標値が達成できるよう努めてまいりたいと考えております。