小樽市議会 平成28年第1回定例会 2016年3月8日
本市の周産期医療とがん対策について
2016年3月8日、小樽市議会の一般質問で、斉藤陽一良議員が「本市の周産期医療とがん対策について」質問し、市長 森井秀明、病院局長 並木昭義が答弁しました。
- 質問者
- 斉藤陽一良 議員
- 答弁者
- 市長 森井秀明、病院局長 並木昭義
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 11番 斉藤陽一良
次に、本市の周産期医療とがん対策について伺います。昨年7月、小樽市を含む後志総合振興局管内をエリアとする地域周産期母子医療センターに北海道から認定をされている小樽協会病院が、分娩の取扱いを休止してから8か月を経過いたします。現在、市内で分娩を扱う医療機関は1施設のみとなっています。7月以降、直近までの市内における出生数を、前年の同時期と比較してお示しください。当然のことながら、分娩を扱う唯一の医療機関には大変な負担がかかっていることと思われますが、市としてのお考えがあればお知らせください。市民の間には大きな不安が広がっており、特に妊娠中又は妊娠の可能性のある女性とその御家族にとっては、切実、深刻であります。実際に、市に対してどのような相談や要望が寄せられているのか、また、少しでもそのような不安を取り除くために、市としてどのような対策をとっているのか、お示しください。本市の人口減対策はまさに待ったなし、今回の問題が市内の出生数の減につながることは避けなければなりません。そのためには、現状における市民の不安をできる限り少なくするとともに、何よりも一刻も早く小樽協会病院に産科医師を確保しなければなりません。そこでお聞きいたしますが、小樽協会病院における分娩再開のめどは立っているのか、見通しをお示しください。次に、がん対策について伺います。国のがん対策が本格的にスタートしてから今年で 10 年目を迎えます。公明党が主導をして 2006 年にがん対策基本法が成立し、それを受けて翌年、計画期間が 2011 年までの第1期がん対策推進基本計画が策定されました。2012 年策定の第2期基本計画には、働く世代や子供のがん対策なども盛り込まれました。その結果、当初は 10 パーセント台だったがん検診受診率も、全国的には 30 ないし 40 パーセントに向上し、拠点病院も 135 か所から現在 401 か所となっています。厚生労働省は、昨年 12 月、がん対策をさらに前進させるがん対策加速化プランを発表しました。本市においても死因の第1位は悪性新生物、すなわちがんでありますが、その死亡率を減少させるには、何といっても早期発見・早期治療であります。そこで、お伺いいたします。本市における直近のがんによる死亡者数と、全国、全道に対するがん死亡率の比較をお示しください。次に、本市における胃がん、肺がん、子宮頸がん、乳がん、大腸がんについて、それぞれ直近5年程度の検診受診率の傾向についてお示しください。全体として近年は受診率が低下していると考えますが、その原因についてはどのように把握されているのか、お示しください。また、子宮頸がん検診、乳がん検診については平成 22 年、大腸がん検診については平成 23 年に若干受診率の上昇が見られますが、その理由は何かわかればお示しください。そもそも、がん対策としては、罹患率そのものを減少させる必要があります。禁煙の推進など、そのための本市での取組についてお示しください。その次の段階として、残念ながらがんに罹患したとしても、早期発見・早期治療によって死に至らないようにする、すなわち死亡率を減少させる必要があります。その方法として、がん検診があります。胃がん検診については、新年度予算で、小樽市内の医療機関4施設で予約がとれ次第受診できる方法が考えられていますが、肺がん検診については同様の方法は考えられないのか。また、子宮頸がん、乳がん、大腸がん検診で用いられているクーポン券の効果については、どのように評価されているのか、お示しください。国では受診率 50 パーセントを目標に、市区町村に対して個別受診勧奨・再勧奨、いわゆるコール・リコールの徹底を呼びかけていますが、本市の考え方をお示しください。また、小樽市立病院は、北海道がん診療連携指定病院となっておりますが、どのような取組をされているのか、お知らせください。
答弁 市長 森井秀明(市長は2018年7月まで)
ただいま、周産期医療とがん対策について御質問がありました。初めに、周産期医療についてですが、まず、7月以降直近までの市内における出生数の前年同時期との比較につきましては、7月から 12 月までの件数でお示しをしますと、平成 27 年分が 185 件、平成 26年分が 218 件で、33 件の減となっております。次に、市内で唯一となった分娩取扱医療機関にかかわる市の考えにつきましては、北後志地域において唯一の分娩可能な医療機関であることから、その重責を感じていらっしゃることと思われますので、一日でも早く複数の医療機関での分娩が可能となるよう市として取り組んでいるところであります。次に、市に対して寄せられた相談や要望につきましては、分娩可能な医療機関が1か所となったことによる待ち時間の長さや市外の医療機関での分娩に対する不安の声、複数の産婦人科の開設を希望する声が寄せられております。次に、妊娠中又は妊娠の可能性のある女性とその御家族の不安を取り除くための対策につきましては、母子健康手帳交付時の妊婦面接、母親学級、両親学級、家庭訪問、乳幼児健診や医療機関との連携を図るなど、不安の解消に努めているところであります。次に、小樽協会病院における分娩再開の見通しにつきましては、現在も医育大学をはじめ北海道や小樽協会病院と、医師の確保などについて、継続をして協議を重ねているところであります。現時点では見込みをお示しできませんが、地域住民が安心して子供を産み育てることができる環境づくりのためにも、早期に分娩再開できるよう取り組んでいるところであります。次に、がん対策についてですが、まず、本市の平成 26 年のがん死亡実数につきましては、574 人であり、がん死亡率につきましては、全国、全道よりも高い状況であります。次に、本市における直近5年間のがん検診受診率の傾向につきましては、平成 22 年度から 26 年度では、胃がん、肺がん検診ともに低下傾向が見られます。また、子宮頸がん、乳がん、大腸がん検診は、がん検診無料クーポン券事業を導入しており、その初年度に一時的な受診率の上昇が見られましたが、その後は低下傾向となっております。次に、本市においてがん検診の受診率が低下している原因につきましては、平成 22 年度に本市が実施したがん検診に関するアンケート調査の中で、未受診の方の回答に自分はがんにならないと思っているから、心配なときはいつでも医療機関を受診できるからという理由が多くありました。今後は、28 年度に実施するアンケート調査により、改めて把握をしてまいりたいと思います。次に、子宮頸がん、乳がん検診については平成 22 年度に、大腸がん検診については 23 年度に若干受診率が上昇した理由につきましては、各検診ともにがん検診無料クーポン券事業の導入によるものと考えております。次に、本市での禁煙なども含めたがん対策の取組につきましては、第2次健康おたる 21 の中で、禁煙宣言プロジェクト事業、受動喫煙防止、ウオーキングの推進、食事バランスガイドの普及などの取組を進めております。次に、市内医療機関での肺がん検診の実施につきましては、平成 24 年度に小樽市医師会と検診の見直しについて検討をいたしましたが、医師の体制などに課題があり、実施が困難であるという結論に至ったところであります。次に、クーポン券の効果につきましては、先ほどもお答えをいたしましたが、導入時においては一定程度効果があったものと認識しております。次に、個別受診勧奨・再勧奨、いわゆるコール・リコールにつきましては、他都市の動向を注視してまいりたいと考えておりますが、本市におきましては、当面は、昨年7月に設置をいたしました小樽市健康づくり推進ネットワーク会議の構成団体と協働した取組により、がん検診の受診率向上に努めてまいりたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 病院局長 並木昭義(病院局長は2025年3月まで)
がん診療の小樽市立病院の取組についてお尋ねがありました。がん診療は、脳・神経疾患診療、心・血管診療とともに、小樽市立病院における三つの診療の柱の一つであります。北海道がん診療連携指定病院は、平成 25 年4月に旧市立小樽病院のときに指定を受けており、地域のがん診療の中核を担ってまいりました。肺がん、胃がん、乳がん、子宮がん等の検診を実施しているほかに、新病院ではPET-CT装置を導入したことから、精度の高い診療が可能となっております。また、後志医療圏唯一のリニアックの導入により、高精度の放射線治療が可能となったことから、手術や化学療法を効果的に組み合わせた集学的治療が可能となっております。また、がん相談支援センターの開設やがん患者サロン「ポプラの会」の開催など、相談体制や緩和ケア体制の充実に努めるとともに、がんをテーマにした市民健康講座を開催し、市民に啓発を行っているほか、医師や医療技術者を対象としたがんの症例報告会やPET-CTに関する講演会などを実施し、医療技術の向上に努めており、ハード、ソフトの両面から取り組んでいるところであります。今後も、必要な人材の確保や設備の充実を図り、患者に対し、質の高い信頼、安心できる医療の提供に努めてまいりたいと考えております。