小樽市議会 平成27年第4回定例会 2015年12月8日
地方創生と小樽市総合戦略について
2015年12月8日、小樽市議会の一般質問で、秋元智憲議員が「地方創生と小樽市総合戦略について」質問し、市長 森井秀明が答弁しました。
- 質問者
- 秋元智憲 議員
- 答弁者
- 市長 森井秀明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 秋元智憲
地方創生と小樽市総合戦略について質問いたします。政府は、昨年11月に成立したまち・ひと・しごと創生法に基づき、日本全体の人口減少の展望を示した長期ビジョンと、地方創生のための今後5年間の総合戦略を昨年12月27日に閣議決定いたしました。さらに、都道府県や市町村には、2015年度までに地域の実情を踏まえた地方版総合戦略の策定が努力義務として課せられました。まち・ひと・しごと創生法の主な目的としては、法の第1条で、「少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正」すると記されております。その上で、国民が出産や育児に前向きになれるような制度の整備、地域における社会生活インフラの維持、地域における雇用創出、国と地方自治体の連携などが基本理念として掲げられており、それぞれの自治体が自立につながるよう、地域の資源をどう生かし、また、責任を持って実効性のある戦略を推進できるかどうかが重要と考えます。このたび策定された小樽市総合戦略、人口ビジョンについて質問していきたいと思います。初めに、人口ビジョンについてです。ここでは、地域経済分析システム、RESASの活用をされておりますが、今回、人口ビジョンを策定するに当たり、RESASを用いたビッグデータの活用も含め、今後、本市でのメリットについてどのように捉えているのか伺います。次に、主な課題としては6項目挙げられています。この項目について質問しますが、①、「若年層の人口流出を抑制することが課題」としていますが、若年層流出の要因は何か説明してください。②、市外転出者の約5割が札幌で、そのうち4割が手稲区、西区だとのことですが、手稲区、西区に転出する要因はどのようなものか伺います。③、「交通の便の良さや、単に商業施設・医療施設などの充実に頼らない、札幌市とは異なる生活環境の良さ」とは何か、具体的にお知らせください。④、「流入超過に陥っていることから、市外からの通勤・通学者を住まわせるかが課題である」とのことですが、市内に居住せずに通勤・通学する理由についての調査はされているのか、調査をされていましたら、その内容、結果をお答えください。⑤、「合計特殊出生率の改善が課題」とのことですが、課題解決に向け、現在、一番重要と考えることは何か。⑥、「小樽公共職業安定所管内の有効求人倍率は、札幌圏や北海道より高い水準であり、希望職種や労働条件などをいかに求職者に合致させるかが課題である」とのことです。このような状況は以前からある傾向だと認識していますが、改善されない原因はどのような理由と捉えているのか、それぞれ伺いたいと思います。小樽市の将来的な人口推計を考える上で重要になってくるのは、本市のみの分析や周辺市町村の人口の転入・転出ばかりではなく、産業、雇用、観光、教育などさまざまな特徴についても把握することが大変重要と考えます。前述のRESASを活用し、周辺市町村などのデータの収集を進め、政策に反映するべきと考えますが、この点についてお考えを伺います。次に、小樽市総合戦略についてです。小樽市総合戦略は、人口ビジョンで得た課題を基に中期的な施策の方向性を示し、具体的な施策を取りまとめたものとのことですが、私の見る限り具体的な政策はほとんど見られず、あれもこれも盛り込んだ総花的なものとの印象を受けました。もちろん本市には課題が山積していることは承知しておりますが、限られた予算を効果的に執行するという意味でいうと、効果が半減するのではないかと危惧をしています。「1 まちづくりの考え方」の「(1)情報共有の推進」では、「市民が求める有益な情報について、できる限り情報をオープンにし、情報を共有する必要があります」とありますが、そもそも議会やマスコミからも市政のオープン化について市長の対応に疑問や不信感がある中、現市長の下でそのようなことが可能なのか、可能だというのであれば、市政情報のオープン化について、現在までのような不誠実な対応を改めるお考えがあるのか伺います。この点ができないのであれば、結局は総合戦略も絵に描いた餅、全く意味のない紙切れになってしまいます。議会と私の認識の違いだなどと切って捨てずに真摯に答えてください。次に、「1 まちづくりの考え方」の「(2)参加・協働の推進」についてです。「地域の課題を解決するため、市民、企業、団体、行政などが主体的に参加し、お互いの協働を推進することにより、それぞれが蓄積したノウハウや、構築したネットワークを地域で有効に活用することができます」「行政が積極的に市民、企業、団体などと連携し」とのことですが、連携について大きく2点の問題があると思います。1点目は、市民との信頼関係についてですが、今回の総合除雪に関する入札で、市長みずからの発案で2度の入札不調を招いた件について、北海道新聞の記事では、市民の方から「今年はたまたま雪が降らなかっただけの話。市民や業者に迷惑をかけたら謝るのが筋だし、自らけじめをつけない姿勢を、市民はちゃんと見ている」との意見が掲載されていましたし、私たちの会派にも同様の意見が寄せられております。市職員が業務で市民や企業、団体の方々と接触する際にもこのような苦情が寄せられているようですが、行政のトップである市長がこのように言われる中で、部下である市職員は、今後どう積極的に市民、企業、団体などと連携していけばいいのか、市長の考えを聞かせてください。2点目は、北海道新幹線の札幌延伸に向けた北海道新幹線新小樽(仮称)駅周辺まちづくり計画策定会議のメンバーから商工会議所を外し、アドバイザーという形での知見を示してほしいとの理由を市側が語ったと報道されている件で、この会議の出席者からも、会議が成り立つのか心配だとの意見も出たとのことです。市長が何と言おうと事実結果、現実はまちづくりの核となってきた商工会議所をないがしろにしているわけです。市長のこれまでの姿勢は、「積極的に市民、企業、団体などと連携」などとはほど遠いものであり、むしろ真逆とも言える姿勢であります。報道でも、このような状況になっていることに対し、北海商科大学の佐藤教授は、「道内の経済界が中心となって新幹線誘致を進めてきた経緯があり、経済界抜きのまちづくり議論はありえない。対立している場合ではなく、子供たちにどのようなまちを残すのかという視点に立って議論すべきだ」と苦言を呈しているではありませんか。たとえ市長が意図しなかった結果であったとしても、結局、政治は結果なのです。先ほどの市民の方が言っているように、迷惑をかけたら謝るのが筋だし、みずからけじめをつけるべきだと私も思います。本当に小樽市のことを考えるのであれば、市長、けじめをつけるべきと思いますが、いかがですか。また、市民、企業、団体や、とりわけ商工会議所との連携は具体的にどう進めるのか伺います。次に、地方創生交付金についてです。国は、人口減少対策で先駆性のある事業の財源として地方創生先行型交付金236億円の配分を決定し、北海道としては道と55市町村に約13億円が交付されるとのことであり、採択事業は道内で47件でありました。今回、本市が申請した事業は採択されなかったものと認識しておりますが、その理由についてお知らせください。後志管内からは単独事業で積丹町、広域連携事業では余市町、仁木町が採択されています。このことも踏まえ、どう考えているのか伺います。地方創生交付金の対象となるまちづくりの計画として商工会議所が以前より進めていた計画案があったと聞いておりますが、市と商工会議所の間では、これまでどのような調整、連携が図られてきたのか、計画案、連携内容についてお知らせください。今後、地方創生にかかわって交付金のスケジュールや事業計画の策定などスケジュールや申請予定事業がありましたら説明してください。
答弁 市長 森井秀明(市長は2018年7月まで)
ただいま、地方創生と小樽市総合戦略について御質問がありました。初めに、人口ビジョンについてですが、まず今後、ビッグデータを活用する本市のメリットにつきましては、地域経済分析システム、RESASは、主に将来人口推計への活用のほか、産業、農林水産業、観光などの分野について分析が可能なシステムであることから、地域経済の活性化及び雇用の創出のために地域経済の構造を理解し、効果的な施策を構築することが可能になると考えております。次に、若年層流出の要因につきましては、今年3月中旬から5月末までの期間で実施をした市外転出者に対するアンケート調査の結果によりますと、25歳から29歳までの男女の転出理由の約7割が就職、転職、転勤を理由としていることから、雇用に関する条件が主たる要因であると考えられます。次に、手稲区、西区に転出をする理由につきましては、アンケート調査等によりますと、小樽市に比べ商業施設、医療施設などが充実をしているため、よりよい生活環境を求める方が多いと考えられます。また、単身者向け賃貸物件については、本市に比べ物件数が多く、かつ家賃差がほとんどないことが転出の理由であると考えられます。次に、「札幌市とは異なる生活環境の良さ」とは何かにつきましては、まず本市には札幌市にはない海岸線を有しておりますので、マリンレジャーなどにより良好な生活環境が提供でき、海洋性の気候であるため、札幌市に比べると寒暖の差が少なく過ごしやすいことに加え、スキー場やゴルフ場、温泉などが市街地と近接をしているため、四季を通じたレジャーを楽しむことができます。また、中心市街地がコンパクトである上、公共交通機関が比較的充実をしていることや、徒歩でも日常的な用が足りること、市内の随所には市場があり、新鮮な食材を調達しやすいことも魅力であります。さらに、地盤がかたいため、地震や災害に強く、安心して生活できることや、古くから町会活動が活発で人情や温かみのある市民気質があること、運河保存運動に代表されるようにまちづくり活動が活発なまちであることなどが挙げられます。また、北海道開拓の玄関口として歴史的建造物が多く現存するまち並みや、商都として栄えたことによる文化性は、日々の暮らしを豊かにするものと考えております。次に、市外から通勤・通学する理由についての調査につきましては、対象者を正確に把握しきれないことや、市外に転出される方の転出理由の分析を優先すべきと考えていたことから、実施はしておりません。次に、合計特殊出生率の改善に向け、現在、一番重要と考えられることにつきましては、安心して子育てできる環境づくりのためには、まず出産、育児がしやすい環境づくりが必要であることから、周産期医療体制の確保が最重要課題と考えております。次に、求職者の希望職種や労働条件が合致していない状況が続いている原因につきましては、今年10月の新規求人状況を業種別に見ますと、製造業、小売業、宿泊・飲食サービス業、医療・福祉で全体の6割強を占めておりますが、厚生労働省の雇用動向調査や職業安定業務統計などによると、これらは離職率が高い業種、慢性的に人手不足のある業種、パート就労の多い業種であり、こうした業種が本市の求人の大半を占めているため、求職と求人が合致しない状況が続いているものと考えております。次に、RESASを活用し、周辺市町村のデータ収集を進め政策に反映させることにつきましては、特に民間企業の経済活動の範囲が市内にとどまらない場合が多いことから、産業施策や広域連携施策を立案する際には一定程度活用できると考えておりますが、現在、国においてRESASの機能拡充などを進めているところでありますので、その進捗状況を確認しながら活用の可能性を検討してまいりたいと考えております。次に、小樽市総合戦略についてですが、まず市民の皆様との情報共有につきましては、これまでも配慮をしてまいりましたが、協働のまちづくりを進めていくためには大変重要だと考えておりますので、今後もより丁寧に対応し、市政情報のオープン化に心がけてまいりたいと思っております。次に、職員が今後どう市民、企業、団体などと連携していくのかにつきましては、小樽市総合戦略の「Ⅱ.基本的な考え方」において「参加・協働の推進」を掲げているところでありますので、いわゆるオール小樽で事業を推進するに当たっては官民協働を基本とし、積極的に市民、企業、団体などと連携を図っていかなければならないものと考えております。次に、除雪の入札の件について、みずからけじめをつけるべきとのことにつきましては、けじめをつけるということではなく、現時点では市民の皆様とのお約束である公約を一日も早く実現していかなければならないという信念がありますので、そのことに向かって邁進をしていくべきと考えております。次に、市民、企業、団体、中でも商工会議所との連携をどう進めていくのかにつきましては、参加・協働によるまちづくりの実効性を高めていくためには、それぞれの方々が有する知識や経験がさまざまな場面で生かされるよう支援や協力体制の充実を図り、連携を深めてまいりたいと考えております。特に、商工会議所との連携につきましては、今後も機会を捉えて情報交換をしていきたいと思っておりますので、市民の皆様のためのまちづくりに向けて連携を図ってまいりたいと考えております。次に、地方創生先行型交付金についてですが、まず上乗せ交付分のタイプⅠ事業として提案をした本市単独事業であるまちなか観光にぎわいづくり事業が採択をされなかった理由につきましては、北海道を通じて確認をいたしましたが、観光分野では日本版DMOなど国の例示に従った事業が採択をされる傾向にあり、その中でも単独事業より広域連携事業のほうが採択されやすかったことが理由と考えております。次に、後志管内における他町村の採択をどう考えているかにつきましては、積丹町は、漁業系廃棄物資源利活用推進事業として、地域に埋もれた資源であるウニ殻を活用して新素材を開発するという先駆性が評価されたものであります。また、余市町、仁木町は、余市・仁木ワインツーリズム・プロジェクトとして、地場のワインを活用した広域連携事業が評価されたものであり、国の例示に従った先駆性のある事業や観光関連では広域連携事業のほうが採択をされやすかったと考えております。次に、地方創生先行型交付金の対象となる事業について、市と商工会議所の間でどのような調整、連携が図られてきたかにつきましては、地方創生先行型交付金のタイプⅠ事業については、短期間で事業化、予算化する必要があったこともあり、今回は商工会議所と直接調整、連携したものではありません。今後は、商工会議所の計画案で事業化が可能なものにつきましては連携、調整を図ってまいりたいと考えております。次に、今後の地方創生に関する交付金のスケジュールや申請予定事業につきましては、国は11月末に平成27年度補正予算として新たな交付金を創設する方針を発表いたしました。予算規模は最大1,000億円程度、今年度の地方創生先行型交付金のタイプⅠに近い先駆性のある取組などを支援するものと聞いております。詳細は不明ですが、今年度末までに申請、採択されるスケジュールと聞いており、現在、各部において単独事業や広域連携事業の申請に向け、事業計画の策定ができないか検討しているところであります。