小樽市議会 平成26年第2回定例会 2014年6月17日
国の経済政策と小樽市の現状と対策について
2014年6月17日、小樽市議会の一般質問で、林下孤芳議員が「国の経済政策と小樽市の現状と対策について」質問し、市長 中松義治が答弁しました。
- 質問者
- 林下孤芳 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 16番 林下孤芳
次に、国の経済対策と小樽市の現状、対策についてお伺いいたします。私どもは、これまでも安倍政権の経済政策が大都市や大企業中心で、地方は経済も雇用も賃金も効果は見られず、国の補正予算や消費税導入前の景気対策、新年度予算編成時など、折に触れて地方に経済効果を波及させるための政策の実現を国に求めるべきと訴え続けてきました。市長も一定の理解を示し、全国市長会を通じて働きかけるとお答えになっておられました。また、経済の波及効果は地方に及ぶまでには時間がかかるので、もう少し見守る必要があるとの見解も示されております。期待していた消費税増税に伴う景気対策は、地方に手厚くという要望とは全く逆の、社会資本整備総合交付金などの公共事業関連予算が大半を占め、景気対策を隠れみのにした無駄の復活との厳しい批判を受けています。これでは、地方自治体がかつて経験してきた国の無駄の押しつけによる市民も国民も望んでいない事業が進められ、国からの押しつけによる財政の悪化を再び招くおそれがあります。国の2014年度の予算を見ても、国債の発行総額は181兆円に膨れ上がっており、今年度末には1,143兆円に達し、国民1人当たり900万円の借金となることを財務省が明らかにしています。しかも2020年には基礎的財政収支を黒字化するという国際公約の達成は絶望的であり、地方自治体へのますますのしわ寄せが心配されています。それでも大企業や東京周辺では空前の好景気で、これまでマスコミにたびたび登場していたブラック企業でも半数以上のパートを正社員化し、賃金の大幅アップなどが報じられています。外食産業では、東京を中心に人手不足が深刻化して、パート労働者の時給が深夜で1,200円を上回っても人が集まらないと言われるほどになっていると報道されています。こうした状況は、東京周辺では景気対策の効果は明らかに現れており、当然のことながら税収効果も期待されますが、地域間の格差の拡大はますます深刻な状況となっています。小樽市の経済の現状は、公共事業や観光を中心に好景気が伝えられていますが、原材料の値上げや人手不足などの影響から、業績の改善は進んでいないとされています。6月に入った現在に至っても、賃金の引上げが行われたとの情報はありません。市長は国が膨大な国債を発行しながら行っている経済対策の効果はいつ出ると考えておられるのか、お示しください。また、法人市民税の税収見通しも厳しく見込んでおりますが、建設業や観光産業でも企業収益が全く改善していないとお考えでしょうか。直近のデータに基づいてお示しください。5月16日、連合小樽・後志の組合員が「STOP THE 格差社会!暮らしの底上げ実現」を訴えて街頭集会を開催して市民に訴えております。この新聞報道によりますと、管内の有効求人倍率は0.82倍となっておりますが、その6割が非正規雇用、北海道の雇用労働者の42.8パーセント、95万6,800人が非正規雇用で、不安定な労働者の拡大が続いています。給与所得者の25パーセント、40万人近くが年収200万円以下のワーキングプアで、貧富の格差の拡大がますます進んでいることを訴えています。また、労働環境をますます悪化させる労働法制の改悪にも反対を訴えていると報じられております。政府は、消費税増税や年金、医療などでも国民に多くの負担を押しつける一方で、経団連などの要望を受け入れ、10パーセントの法人税減税の方針を打ち出しています。既に3月末には復興特別法人税を廃止し、企業交際費の5割を非課税にし、設備投資や研究機関の開発促進のために租税特別措置など多くの優遇税制を実施しているにもかかわらず、さらに企業のみを優遇すれば、格差と不公平が拡大することは間違いありません。最近、新聞各紙の社説でも、企業への優遇がすぎるとの厳しい批判が続いていることもあり、さすがに政府・自民党内部からも異論が出ていると言われますが、実効税率を10パーセント引き下げた場合、5兆円もの減収になり、消費税2パーセントに相当するとも言われており、消費税の増税分は本来の目的である社会保障にはほとんど回らないことになります。その分、介護保険制度の見直しなどを地方に押しつけてくることになります。総務省が5月30日に発表した4月の消費者物価指数は、前年の同月比で3.7パーセント上昇し、104.4パーセントとなり、北海道は東北と並んで全国最高となったと発表しました。つまり、消費税増税分の3パーセントを上回る値上がりがあったことになります。このまま賃金が上がらなければ、景気が回復する前に、さらなる落ち込みが心配されます。議案第5号では、小樽市税条例等の一部を改正する条例案として、法人市民税を2.6パーセント引き下げる一方で、軽自動車税などの増税が提案されていますが、国が決定したこととはいえ、市民の厳しい批判も結果的に小樽市に向けられることが懸念されます。問題は、国が決定した減税に対する地方自治体への措置が保障されず、結果的にしわ寄せだけが残ることであります。経済効果が現れず、貧困層が拡大する一方で、生活保護受給者数が過去最多を記録したと報じられていますが、小樽市の生活保護の現状をお知らせください。先般行われた小樽商工会議所との意見交換の席上で、小樽市の労働者の平均賃金は年収で200万円ちょっととの発言もあり、まだまだ小樽市は最低賃金レベルから抜け出すことが難しいことを知らされた思いでありました。これでは、賃金の高い札幌や他都市への人口流出は防ぐことができないばかりか、結婚や子育てにも悪影響を及ぼすことになります。何としても景気回復の遅れや賃金の格差を固定させずに貧困層から中間層へ引き上げる努力が求められています。そのために、今、小樽市として取り組むべきは官製ワーキングプアからの脱却しかないと私どもは確信に至りました。昨年10月、札幌市の上田市長は、公契約条例を議会に提出し、自民党などの反対で否決されました。労働者の賃金の下限額を市が決めることに経営圧迫を懸念する関係業界が反発したためとされていますが、これまで発注額の抑制を重視してきた行政と安い労働力を求めてきた事業者側は、ともに労働者の目線に立った賃金水準実現のために意識を変えるときだと思います。いかなる業界でも労働力は確実に減少している中で、人手不足は将来必ず深刻なものとなります。昨年10月、札幌市議会で議論が続く中でも、新聞の社説やマスコミ報道では、「公契約条例の制定を拒む理由は何か」「労働者目線への転換のとき」といった議会の否決に対する疑問の声が多くありました。小樽市は札幌市より賃金水準が現在も低く、あらゆる政策の推進の支障になっています。そうした小樽市を取り巻く環境を考えるとき、経営者も議会も小樽を消滅させないために、将来に責任を持つ立場で議論すれば、事業者にも必ず理解されるものと思います。公契約条例の制定について、市長の所見を伺い、2項目めの質問を終わります。
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
ただいま、国の経済政策と小樽市の現状と対策について御質問がありました。初めに、貧困層から中間層への引上げについてですが、まず国の経済対策の効果が地方に現れる時期につきましては、本市の平成25年度観光入込客数が前年を大幅に上回り、5年ぶりに700万人を超えており、また北海道財務局小樽出張所による直近の管内経済の総括判断として、持ち直している状況としております。このことから、これらの全てが国の経済対策の効果とは考えておりませんが、景況感は地方にも徐々に広がりを見せているものと感じておりますので、今後、さらに国の経済対策が進捗することにより、その効果が地方にも十分実感できることを期待しております。次に、直近データに基づく建設業や観光産業での企業収益の状況につきましては、小樽商工会議所で行っている平成25年度第4・四半期小樽市経済動向調査によると、建設業では業況DI、採算DIはともに8期連続プラスで推移し、売上DIもプラス幅を拡大しております。また、観光・サービス業では、業況DIは5期連続プラス、売上DIは8期連続プラスで推移しているものの、採算DIはマイナス幅を拡大したことから、収益状況が悪化しているものと考えております。次に、本市の生活保護の現状につきましては、平成26年4月の生活保護受給世帯数と人員数でお答えしますと、3,832世帯5,336人であり、前年4月と比べ、4世帯55人の減少となっております。次に、公契約条例の制定についてですが、賃金等の労働条件については、労働基準法や最低賃金法など国において関係法令を整備し、個々の労使当事者間で自主的に取り決められることが基本と考えております。公契約条例を制定するとした場合に、最低賃金法を上回る具体的金額を設定することなどが関係法令との整合性が図られるのか、また全国的にも制定に至った事例が少ない状況であるので、現時点では札幌市など他都市の事例などを調査してまいりたいと考えております。