小樽市議会 平成25年第3回定例会 2013年9月10日
小樽市自治基本条例について
2013年9月10日、小樽市議会の一般質問で、佐々木秩議員が「小樽市自治基本条例について」質問し、市長 中松義治が答弁しました。
- 質問者
- 佐々木秩 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 17番 佐々木秩
民主党・市民連合を代表して質問します。最初に、議案第 22 号小樽市自治基本条例案について質問します。まちづくりの基本となるルール、小樽市自治基本条例案が提案されました。まちづくりの基本姿勢などを明らかにし、それを進めるための仕組みを保障するための条例を制定することは、有意義なことと考えます。これまでの市民とのまちづくりの実績を基礎として、情報共有と住民参加の原則に立脚してつくられた本条例案は、市民と行政、議会、相互の信頼関係を今まで以上に求めているのではないでしょうか。まちづくりの目的は、そうした信頼関係に立って、まちの特徴や伝統、規模を生かして、市民一人一人が心豊かに温かみのある、住みやすい、安全・安心なまちをつくっていくことと考え、私たち民主党・市民連合は基本的に本条例案に賛成の立場をとるものです。その上で、実効性ある条例、生きた条例にするために、質問、提案を以下のようにいたします。1点目、この条例に期待するさまざまな市民や団体の皆さんの関心は高まっています。また、逆にこれまでたくさんの自治体がブームに乗るように自治基本条例、まちづくり基本条例をつくってきて、大変残念なことに、つくっただけで形骸化している実情を見て、本市においても同じ轍を踏むことになるのではないかと危惧する声もあります。市長はかねてより、市民力の活用、市民との協働によるまちづくりを提案されてきました。その思いを具現化したものが本条例案だと思います。改めて、市長の思いや意気込みをお聞かせください。また、この条例を制定することによって、何を目指すのか、本市や市民の生活の何が変わるのか、その効果についてもう少し具体的にお聞かせください。続いて、条例案第 12 章、条例の位置付け等で、「この条例を最大限尊重し、この条例との整合性を図ります」としていますが、なぜこれを最高規範としないのか、お聞かせください。多くの自治体の自治基本条例は、最高規範性があることを規定しており、その下に環境分野や教育分野などの各種基本条例の制定を目指すとともに、既存条例との整合性や整理、体系化を進めています。そうしたほうがわかりやすく、違反状態にならないように条例間を調整する際も混乱が生じないのではないでしょうか。本市においても、既存条例との整合性や整理、体系化も今後重要になり、不断に条例、規則等の制定、改廃、チェックを行い、タイムラグや矛盾が生じないようにすることも求められます。市は、具体的にはどのように進められますか。自治基本条例に密接に関連する主な既存条例名と、その関連性について説明をお願いします。また、基本条例制定により、今後必要になると考えられる新規条例はありませんか。あくまでも可能性としてで構いませんので、お聞かせください。例えば、市民の権利利益保護救済のための第三者機関を設置するためのオンブズパーソン条例、市民投票条例、子どもの権利条例が考えられますが、いかがでしょうか。次に、総合計画との関係について伺います。本条例案では、総合的な計画策定と他施策との整合性を図ること、必要に応じて見直しについて検討することを規定しています。総合的な計画をこの条例で定める意義、自治基本条例と総合的な計画との関係性について説明をお願いします。施行後、現総合計画を条例に沿って見直す考えはありますか。続いて、参加及び協働の中で、住民投票についてなぜ市民ではなく住民なのでしょうか。市民は定義で「市内に住所を有する者並びに市内において働く者、学ぶ者、事業活動を行う者」としていますが、小樽商大生をはじめ、市においてさまざまな活動に参加する大事な構成要員ではないでしょうか。本案ではなく、事案ごとに定める投票条例で投票者を定めることは可能ではないでしょうか。続けて、コミュニティについて伺います。コミュニティの中でも町会活動の果たす役割は重要です。ところが、住民、とりわけ若年層の人口減、働く世代の労働環境悪化、多忙化で町会活動まで手が回らない状況で、住民自治活動への理解不足や無関心化が一層進み、固定化した高齢の役員が実質活動を支えておられるのが、大方の現状です。条例制定に当たり、市の町会活動に対する今後の構想や働きかけについてお考えをお聞かせください。また、「各コミュニティの情報交換のための体制整備、活動拠点の確保その他の必要な支援を行うよう努めます」となっています。まちづくりのための市民活動の拠点についての基本的な考え、設置、整備、運営について市の展望をお聞かせください。札幌市では、市民まちづくり活動促進条例を制定しています。その中での大きな柱は、さぽーとほっと基金という市民まちづくり活動促進基金の設置です。これは市民から寄附金を募り、町会、ボランティア団体、NPOなどが行うまちづくり活動に助成することで、札幌のまちづくり活動を支える制度です。これにより、寄附を通じてまちづくりに参加するという新しい参加協働の仕組みを生み出しています。本市においても、検討の余地があるのではないでしょうか。行政組織運営については、まずは条例制定を機に縦割り行政の解消を進めていただきたい。市民生活は縦割りにはなっていません。市民活動も一つの活動が多岐にわたることがほとんどです。そのたびに、市役所の窓口、担当者がかわり、市役所内をさすらうことになります。また、本市の地域住民活動は制定後はもっと活発になるはずです。行政としても、この住民活動を支援していくために、コミュニティ同士や道、その他の公的機関とをつなぐ事務局としての役割が求められます。例えば、現在、それに近い役割を担う建設部に所属するまちづくり推進課では、ハード面が主で、これからのソフト面での役割には対応が難しくなります。そこで、条例案にも示されている効率的かつ機能的な組織の編成に当たる機構の改革や新設についての具体的案をお聞かせください。続けて、提言書の策定委員会としての附帯意見の扱いについてお聞きします。策定委員の皆さんもせっかくつくられた条例が絵に描いた餅にならないように心配されたのでしょう。附帯意見として何点か指摘されています。多くの事例を研究された皆さんからの御指摘ですから、真摯に受け止め、具現化すべきと考えます。まず、附帯意見の中で、提言の内容に沿った自治基本条例の制定を望まれていますが、提言書からの主な変更点があればお示しの上、変更の理由をお聞かせください。この件に関する市民からのパブリックコメントは2件と、必ずしも関心が高いとは言えません。わかりやすくさまざまな手段で市民のあらゆる世代への周知が必要です。今後の周知方法をお示しください。周知、推進及び検証を行う市の部署を創設することを提言していますが、さらに条例見直しも含め、やはり条例の趣旨に沿って、市民、行政、私たち議会の代表と第三者による自治基本条例の実効性を高めていくための機関の創設を提案いたしますが、いかがでしょうか。また、市が市民目線に立ったまちづくりを行うことが重要なことから、地域と行政がより密接な協力体制を構築するための制度の創設を求めています。このことに対する見解をお聞きします。そして、この項最後になりますが、どれだけすばらしい仕組みをつくっても、やはり肝心なのは市民やかかわる団体、個人、市、議会、全ての人がここに示された理念に共感し、まちづくりに参加していこうという意識を持てるかであり、これは実効性を高めるかなめであると考えます。その観点で実効化についての市長のお考え、決意をお聞かせください。
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
佐々木秩議員の御質問にお答えします。ただいま、小樽市自治基本条例案について御質問がありました。初めに、条例案の体系についてですが、まず条例に対する思いや意気込みにつきまして、私も市長就任前には自治基本条例の懇話会委員や策定委員として協議に加わっておりましたので、この条例の必要性を強く感じております。自治基本条例の制定は到達点ではなく、今後のまちづくりの出発点となります。自治基本条例が決して形だけの条例とならないよう、常に市民との協働、参画を念頭に置いた市政運営を進めてまいります。次に、条例を制定することによる効果についてですが、この制定により市民生活において直ちに変化が現れるものではありませんが、市民、議会、市がそれぞれの情報を共有することにより、まちづくりに対する意識の醸成が図られることや、審議会等の設置に際し、公募による委員を加えるといったことにより、市民の意見が行政に届く機会が増えるといった効果が期待できます。また、市民との協働や説明責任に対する職員の意識が向上することで、市民の視点に立ったサービスの提供が一層図られるものと思われます。次に、なぜ最高規範としないのかについてですが、条例の実効性を高めるという考えの下、自治基本条例を条例の頂点に位置づけている自治体もあり、最高規範とすることに対してさまざまな考え方があります。本市では自治基本条例も市の条例の一つであり、形式的には他の条例と並列の関係にあると考え、最高規範という表現は用いておりません。次に、既存条例等との整合性などを今後どう進めるかについてですが、他の条例や規則などの制定又は改廃に際し、本条例の担当と法制担当との連携を図ることはもちろんですが、本条例の庁内周知を行い、職員一人一人に条例の目的や趣旨を十分理解させ、自治基本条例と他の条例との整合性について意識が高まるよう努めてまいりたいと考えております。次に、自治基本条例と密接に関連する主な既存条例名とその関連性についてですが、既存条例ではまず小樽市情報公開条例と小樽市個人情報保護条例が本条例と密接に関連するものとして挙げられます。関連性につきましては、本条例にまちづくりの原則の一つとして情報の共有を掲げ、その具体的内容については別に条例で定めるとしておりますが、その条例が小樽市情報公開条例と小樽市個人情報保護条例となります。また、小樽市総合計画審議会条例をはじめとした各種審議会条例には、本条例に委員の公募について規定していることから、この条例が尊重されることとなります。次に、条例制定により今後必要になると考えられる新規条例についてですが、現段階で想定している条例はありませんが、仮に住民投票の規定に基づき、市政に関する重要な事案について直接住民の意思を確認することとなった場合には、その事案ごとに必要な事項を規定した条例案を議会に提出することとなります。次に、総合的な計画をこの条例で定める意義や関連性、現総合計画の見直しについてでありますが、平成 23 年5月の地方自治法の改正により、基本構想の策定義務が削除されましたが、本市では将来展望に立ち、市の施策を総合的に示す計画が必要であると判断して規定しました。本条例との関連性として、総合的な計画が将来へ向けたまちづくりの指針であるのに対し、そのまちづくりを進めるための基本的なルールを定めたものが自治基本条例であります。次に、現総合計画の見直しについてですが、条例案では社会状況に大きな変化があった場合には、必要に応じて計画を見直すとしておりますが、現総合計画の策定以降、条例案を規定するような状況にはありませんので、現時点で現総合計画の見直しについては考えておりません。次に、参加及び協働についてですが、まず住民投票における投票者につきましては、住民投票は市や住民全体に大きな影響をもたらすような事案を対象に行うものであることから、市内に住所を有する方に限定しています。次に、町会活動に対する今後の構想や働きかけについてですが、昨今、町会活動においては、高齢化や会員の減少などにより活動に支障を来していると聞いておりますが、その一方で、防犯や防災など、さまざまな分野で地域における取組が重要になってきているものと認識しております。私としましても、公約の一つとして市民力の活用を掲げており、町会をはじめとしたコミュニティは重要であると考え、本条例にその旨を規定しておりますので、今後とも町会が行うさまざまなまちづくりの活動に対して支援してまいりたいと考えております。次に、まちづくりのための市民活動の拠点についてですが、地域コミュニティの主体性、自立性及び地域性を尊重し、支援を行っていくためには、コミュニティ活動拠点の確保は必要であると認識しております。そのため、現在、町内会館の整備について助成を行うとともに、生涯学習プラザなど、公共施設における活動の場の確保を図っているところであります。現在の本市の財政状況から新たな施設の整備は難しい状況にありますが、今後も市民の皆さんの活動に支障が生じないよう、既存施設の維持・管理に努めるとともに、地域の拠点となる施設に対して支援してまいりたいと考えております。次に、寄附によるまちづくりを応援する仕組みの検討についてですが、札幌市のさぽーとほっと基金と同様の制度として、本市でも寄附金を財源として公共性の高いまちづくり活動へ助成を行うふるさとまちづくり協働事業を実施しております。御指摘の札幌市の助成制度につきましては承知しておりませんが、本市の制度との違いなどを調査してまいりたいと考えます。次に、効率的かつ機能的な組織の編成についてですが、本市の組織・機構については、スリムで効率的な行政運営や市民サービスの一層の向上を目指して機構改革を行い、部の統廃合などを進めてきた一方で、社会経済情勢の変化に伴うさまざまな課題に対応できる体制を維持してきたところであります。現時点では今後の具体的な機構改革などの考えをお示しすることはできませんが、条例案や要望の趣旨を踏まえ、今後とも市民ニーズや行政課題に対応できる組織・機構の見直しを図ってまいりたいと思います。次に、策定委員会附帯意見の扱いについてですが、まず提言書からの主な変更点とその理由につきまして、庁内での議論により、第 10 章の安全で安心なまちづくりの条項について自治基本条例策定委員会の提言内容に自助と共助の規定を加えました。その理由としましては、市民の皆さんもみずから防災対策を講じていただくことや、互いに協力して地域の防災対策を進めることにより、減災につながると考え、規定したものです。なお、本条例案については、策定委員会の提言内容を最大限尊重して作成したものであり、この加えた項目を除いては提言のあった項目を全て盛り込んだものとしております。次に、今後の周知方法についてですが、市民との協働によるまちづくりを進めていくため、この条例の趣旨を十分御理解していただくことが必要であると考えております。これまでも条例について、広報おたるや市ホームページのほか、フォーラムの開催などでお伝えしてまいりましたが、今後は新たにパンフレットを作成するなど、多くの皆さんに御理解いただけるよう努めてまいりたいと考えております。次に、条例の実効性を高めていくための機関の創設についてですが、条例案では5年を超えない期間ごとにこの条例が小樽のまちづくりに適しているか検討を行うとしており、その際には市民の皆さんから御意見をいただくことも考えておりますので、現時点では御提案のあった機関の創設は考えておりません。次に、市民目線に立ったまちづくりを行うことについてですが、職員に対してこの条例の周知を図ることで市民との協働や説明責任に対する意識の向上につながり、市民の目線に立ったサービスの提供が一層図られるものと期待しているところです。次に、地域と行政が協力体制を構築するための制度の創設についてですが、協働のまちづくりを進めていくためには、市民の皆さんとの意見交換の場の充実に努め、認識を共有していくことが重要ですが、そのための協力体制として、どのような制度などが考えられるか検討してまいりたいと考えております。次に、条例の実効性を高めていくことについての考えと決意についてですが、まずは小樽市自治基本条例の趣旨を多くの市民の皆さんに理解していただき、みずからがまちづくりの主人公であることを認識していただくことが重要であると考えます。私自身もその認識を共有し、本条例の制定目的である豊かで活力ある地域社会の実現に向けて市民の皆さんと協働してまちづくりに取り組んでまいります。