小樽市議会 平成23年第4回定例会 2011年12月7日
(1)新幹線札幌延伸に伴う並行在来線経営分離問題について/(2)「ふれあい見舞金」について/(3)「福祉灯油」について
2011年12月7日、小樽市議会の一般質問で、川畑正美議員が「新幹線札幌延伸に伴う並行在来線経営分離問題について」「「ふれあい見舞金」について」「「福祉灯油」について」について質問し、市長 中松義治が答弁しました。
- 質問者
- 川畑正美 議員
- 答弁者
- 市長 中松義治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 8番 川畑正美
一般質問を行います。まず、新幹線札幌延伸に伴う並行在来線経営分離問題についてです。道は、新幹線着工に当たって、沿線自治体が並行在来線の経営分離に同意することが基本条件として、該当する自治体に対して経営分離に同意するよう求めました。道は、幹部を先頭に、後志管内8市町村を含む沿線 15 市町村に対して圧力をかけ、JR北海道の並行在来線の経営分離に同意するよう働きかけてきました。市長は、経営分離に同意する方向ですが、経営分離に同意しないよう強く求めます。市長が、道に対して経営分離の意向を伝える前に、少なくともその旨を全市民に明らかにし、市民の意思を確認すべきです。そしてまた、市議会にその旨を報告し、議論の上、市議会の意思を確認すべきです。市長の見解をお聞かせください。北海道新幹線札幌延伸に伴う建設費は、国土交通省が 2003 年に行った試算では、新函館-札幌間の211 キロメートルで約1兆 800 億円、その内、北海道負担分は 18 パーセントとされていました。現時点では、沿線自治体や地域住民への負担は明らかにされておりませんが、はかり知れない負担を強いられることが予想されます。駅が設置される市町村は、駅舎とその周辺の建設費の一部を負担することになります。当然ながら小樽市も負担を受けることになり、将来、市民に大きな負担となり、禍根を残すことになるのではないでしょうか。新幹線の小樽駅は、当初、新光に建設が予定されていました。時速 300 キロメートルで走る車両は、その時速に達するまで数十キロの距離が必要とのことです。札幌に近すぎることからか、天神に建設することになったと言われています。このように、道は、沿線自治体への財政の負担をはじめ、諸問題が多くある中でも、沿線自治体に対して強引とも言える手法で同意を求めています。新幹線延伸を担保として、先に在来線の経営分離ありきで沿線自治体にJR北海道の経営分離を迫る道の姿勢は異常です。小樽-札幌間は、通勤・通学などから高い乗車率を保っております。JR北海道は、小樽-札幌間については経営分離しないとしています。利益の上がっている部分は確保するという、まさにいいとこ取りであります。市長は、新幹線の建設で経済効果を期待しているようですが、財政的負担、新幹線の将来的利用の見通しなどの心配もあります。これらを対比してみた場合、小樽市民にどれだけのメリットがあるのでしょうか。市長の見解をお聞かせください。JR北海道は、並行在来線でも黒字の札樽間は分離せず、赤字が見込まれる小樽-函館間について経営分離としています。小樽から余市方面にかけての在来線は、北しりべし定住自立圏構想ビジョンからも貴重な公共交通機関であり、通学や通院などに利用される住民生活に不可欠な公共交通機関です。小樽市内においても、塩谷駅周辺では唯一の公共交通機関であり、蘭島地域の住民にとっても通勤や通学、通院などで貴重な交通機関であります。並行在来線がJR北海道から経営分離されることで、地域の衰退を招き、住民の貴重な足を奪うことになります。市長は、今、同意しなければ新幹線延伸は実現しないと言いますが、経営分離を認めさせる言いわけであり、おどしと受け止めざるを得ません。それまでして経営分離を認めようとする市長の見解をお聞かせください。次に、ふれあい見舞金について伺います。ふれあい見舞金制度は、昭和 50 年度に小樽市の単独事業として福祉灯油助成事業を実施しています。平成元年には、灯油価格が安定したことから福祉灯油助成を廃止し、この事業をこのまま終わらせることなく、低所得者に冬期支援対策として、共同募金会と共同事業のふれあい見舞金を新たに創設してきた経過があります。小樽市は、平成 20 年度に、ふれあい見舞金を社会福祉協議会・共同募金会の単独事業、福祉灯油は市の事業と仕分けし、整理しました。小樽市が、ふれあい見舞金を社会福祉協議会・共同募金会の単独事業として整理していることから、社会福祉協議会は共同募金会の原資が減少している中で、今後ふれあい見舞金の制度をどのようにしていくのかが大きな課題になっています。今年度の対応については検討中とのことでありますが、年齢を区切り、かつての敬老祝い金に類似した内容を検討しているとのことです。さきに述べてきましたが、福祉灯油の助成に始まり、冬期支援対策としてふれあい見舞金がつくられた経過、そして低所得者世帯への冬期支援制度という本来の趣旨からいっても、敬老祝い金事業とは性格と目的が根本的に違っております。これまで、市の厳しい財政を立て直しするためとして、市民サービスをはじめ職員給与や手当、管理経費などの削減を強力に進め、財政改善を図ってきました。財政が好転してきたこの時期に、低所得者への冬期支援をやめることは、市民への冷たい仕打ちであり、福祉政策を切り捨てる行為です。市長として、低所得者に対する、越冬支援に対する助成が必要ないと考えておられるのでしょうか。市長の見解をお聞かせください。次に、福祉灯油についてです。平成 19 年から灯油価格の高騰が続き、100 円を超え、翌年 11 月時点で 91 円 80 銭の高値になり、平成 19 年度と 20 年度に福祉灯油を実施してきました。本年は、灯油価格の高騰が続き、今後も値上がりが予想され、販売店によっては既に 90 円を超えています。後志管内の多くの自治体では、金額設定や灯油消費量の設定などで実施内容に多少の違いがありますが、福祉事業の一環として、低所得者への福祉灯油の支援を毎年実施しています。福祉灯油の実施について、灯油単価の動向、国や道の財政支援、市の財政状況を勘案して判断するとしていますが、支給基準として灯油価格を明確にすべきです。その上で、灯油価格が高騰した場合は上乗せすることが必要です。福祉灯油事業を福祉政策の重要な事業として毎年定着させることを求めます。市長の見解をお聞かせください。再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
川畑議員の御質問にお答えいたします。北海道新幹線の札幌延伸に伴う並行在来線の経営分離について、何点かお尋ねがありました。まず、市民の意思を確認すべきとのお尋ねですが、平成 15 年第3回定例会において、北海道新幹線の建設促進を求める意見書を全会一致で可決いただいており、新幹線の札幌延伸につきましては、市民の総意であるものと考えております。また、議会の意思を確認すべきとの御指摘ですが、北海道に対し、速やかに市の考え方について回答しなければならないことから、12 月1日に開催した総務常任委員会に本市の意向について報告し、御議論をいただいたところでございます。次に、新幹線の経済効果と財政負担についてですが、経済効果につきましては、平成 18 年に北海道経済連合会がまとめた報告書によりますと、新幹線の開業を契機に新たに生じる交流だけを見ても、北海道・東北エリアにおいて、毎年 1,436 億円もの経済効果が及ぶものとされております。本市においても、駅舎などにかかる固定資産税などの税収の増加や、工事に係る直接的な効果のほか、観光入込客数の増加など、観光や産業振興に大きな効果が期待されるものであると考えております。一方、本市の財政負担につきましては、新駅設置に伴い、整備する施設や規模などについて、今後整理されていくことになるため、現時点では試算するまでには至っておりません。次に、並行在来線の経営分離の同意についてですが、新幹線開業に当たっては、並行在来線のJRからの経営分離に沿線自治体が同意することが認可、着工の基本条件の一つとなっており、同意しなければ札幌までの延伸が見送られることになります。昭和 47 年の北海道新幹線建設促進後志・小樽期成会設立以来、後志管内の全市町村、議会、経済団体等で長年にわたり要望してきておりますので、まずは札幌延伸の認可をいただくことが重要であります。また、経営分離後については、北海道が中心となり、沿線自治体で構成する並行在来線対策協議会が設置されると聞いておりますので、私としても、その中で地域住民の足を確保するため、最大限努力してまいります。これらのことから、札幌延伸に伴う並行在来線の経営分離については、同意いたしたいと考えております。次に、ふれあい見舞金についてでありますが、この事業は、平成 20 年度において、社会福祉協議会と共同募金会の単独事業として整理されておりますので、今年度から市の補てんは行いませんが、灯油が高騰した場合の低所得世帯の方への支援として、灯油購入経費の一部助成する、いわゆる福祉灯油については、市が行う事業ということで考えております。本年度につきましては、現在のところ、灯油の価格は若干高めで推移しておりますが、価格の動向や他市の状況、国・道の財政支援、また本市の財政状況等を総合的に勘案し、実施の有無について判断してまいりたいと考えております。次に、福祉灯油について、支給に当たっての灯油価格の基準を明確にし、毎年実施すべきとのことでありますが、先ほども説明しておりますとおり、灯油の価格だけではなく、他の要素も勘案しなければ、この事業の実施は困難であることから、これまでどおり総合的な検討を行い、実施について年度ごとに判断してまいります。(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
再質問 8番 川畑正美
再質問いたします。我が日本共産党は、並行在来線の存続が担保されないうちは新幹線の札幌延伸計画を凍結すべきだと主張しているわけです。これは、本年の道議会議員選挙においても、市民の皆さんにお約束してきたところです。市長は、新幹線建設促進後志・小樽期成会の会長の立場で建設推進を強調されておりました。本日の答弁でもそういうふうになっておりますけれども、そのことは新聞にも写真入りで報道されておりました。しかしながら、小樽市民には、新幹線を懸念し、並行在来線の経営分離に反対している声も多くあるわけであります。市長は、期成会の会長の立場で経営分離に同意しない自治体に要請や説明の働きかけをしているのではないでしょうか。これまでの市長の話を聞いていますと、並行在来線については、札樽間が残ればよいと考えていませんでしょうか。小樽市は、後志における唯一の市であり、後志全体を勘案しなければならない立場だと思います。札幌に目を向けて、後志管内を大切にしていないとしか私には見えません。そういうことでは後志の沿線自治体に対して裏切りではないかと思うのですが、市長の考えをもう一度聞かせてください。実は、12 月4日の新聞報道では、3月の震災で函館港は、地震発生で最大 2.4 メートルの津波が押し寄せ、床上・床下浸水が 666 棟、車両の浸水被害が 800 台に上ったとのことです。こういう被害を減らすために、国土交通省は来年度予算に 304 億円を要求していました。しかし、施設整備が計画されるのは、東海、南海、そして東南海の大地震で被害が懸念される関東から九州にかけての太平洋沿岸だけです。こういう中で、国土交通省は、道内の港湾は津波対策が不十分と言いながらも、財源が限られている中で、地震の発生確率が高いところを重視せざるを得ないと新聞にも書いておりました。函館住民には到底不安をぬぐえない状況だと思います。このように、大震災被害対策、原発の過酷事故対策を差しおいて、新幹線の札幌延伸を先行させようとしていると思うのです。国民や道民の感情を無視してはいないでしょうか。これもあわせて意見を聞かせてください。それから、新幹線の建設着工条件として、在来線の経営分離に対して沿線自治体の首長の同意を求める根拠は、1996 年に合意された整備新幹線の取扱いについてでありますが、これは政府・与党間の合意事項であって、法律ではないわけです。政府の意向としながら、道が法律違反かのように沿線自治体に対して強引に経営分離の同意を求めていることが問題なのです。これまで、新幹線建設の討議には長い期間をかけてきています。私は、今ここに来て結論を急ぐべきではないと考えています。このような道の強引な姿勢に対して、市長は不満を持っていないのでしょうか。そのことを質問させていただきたいと思います。それから、ふれあい見舞金と福祉灯油の関係ですけれども、平成 22 年度の決算では、11 億円以上の黒字を出しています。例えば1世帯当たり2万円の福祉灯油を実施したとしても、6,000 世帯と見て1億 2,000 万円です。黒字額の約1割程度の金額であります。近隣の町村を見た場合、後志管内には 19町村があるわけですけれども、その中の 13 町村で福祉灯油を毎年実施しているわけです。現金支給では8,000 円から3万円程度、そして現物支給のところでは 100 リットルが最低で、最高は 400 リットルと、額や形式に違いはあるのですけれども、各町村独自の福祉事業として定着させています。町村の段階で実施している福祉事業が、この小樽市で行えないのは非常に残念です。本市ができない理由を改めて教えてください。
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
ただいまの川畑議員の再質問に私から答弁いたします。まず並行在来線の問題につきましては、先ほど答弁させていただきましたが、昭和 47 年に北海道新幹線建設促進後志・小樽期成会が成立して以来、40 年近くにわたって、何としても札幌までの延伸について、この後志管内の皆さんは強く望んでいるわけでございます。したがいまして、私は、この期成会の会長として、単に小樽のことだけではなくて、後志全体のことについて判断をしたつもりでございます。それから、経営分離することによって、何としても同意しなければ札幌までの延伸を認められないということでございますので、くどいようですけれども、やはり札幌延伸までが第一だろうというふうに思っております。それから、東日本大震災にかかわって、新幹線よりももっと先に整備すべきものがあるのではないかというような御質問かと思いますけれども、これにつきましては、国におかれましても、今回の東日本大震災における道路網あるいは交通網といったことについて、やはり新幹線が大変大事なのだと、重要なのだと、このように判断をしたものと考えております。一つは、物流の問題であるとか、いろいろな状況の中で言うと、この新幹線が必要だということですから、今回、今年になって、24 年度予算の中で、何とか北海道、北陸、九州、この三つの新幹線については早期に整備をしていく必要があるのではないかと、このように思って、このような状況になったというふうに私は判断をしております。それから、福祉灯油の問題でありますけれども、先ほども答弁をさせていただきましたとおり、灯油の価格の問題であるとか、いろいろな財政の問題であるとか、その実施については、総合的に判断をしていきたいというふうに思っております。ただ、今、議員がおっしゃるように、平成 22 年度決算で黒字を出しているから、あの黒字を考えたときには、これぐらいの負担は軽いのではないかというふうな御趣旨かと思いますけれども、一方では、何度も申し上げておりますけれども、他会計から、他の基金からの借入れを 50 億円以上も抱えている状況の中において、本当に健全な財政かというと、私は決してそうは思っておりません。これらを早く解消することが、本市における健全な財政だというふうに考えておりますので、そういった面も含めてトータル的に判断をしてまいりたいというふうに思っております。(「議長、8番」と呼ぶ者あり)
再質問 8番 川畑正美
並行在来線の分離については、市長の答弁には、なかなか私も納得できないところがあります。この後も、今後、委員会等でまた質問を詰めていきたいと思います。福祉灯油については、今、11 億円の黒字が出たから、それをしろと言っているのではなくて、福祉事業として定着させるべきだということなのです。このことを、何としても努力する、検討してもらいたいと、そのことを強く要望して、再々質問を終わらせていただきます。
答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)
並行在来線の分離については、繰り返しになりますけれども、まずは札幌までの延伸について認可をいただくということを、最初に考えていかなければいけないのではないでしょうかということを申し上げております。それから、認可をいただいたからといって、5年、10 年で新幹線は来るとは思っておりません、札幌まで。したがいまして、その後、もう少しみんなで知恵を出しながら、沿線住民の皆さんとともに、何とかその足を確保するためにもう少し議論してまいりたい、こういうことでございますので、御理解をいただきたいというふうに思っております。それから、福祉灯油の問題につきましては、私も、総合的に、トータル的に判断をしてまいりたいということですから、その福祉灯油はやめてしまうとか、そういうことを決して申し上げているつもりはございません。ですから、価格の動向であるとか、国や道の支援の問題だとか、当市の財政の問題ですとか、そういったことをトータル的に考えて判断してまいりたいということでございますので、御理解をいただきたいと思います。