みんなの議会

小樽市議会 平成23年第3回定例会 2011年9月13日

(1)議案第22号について/(2)原発政策に対する市長の見解/(3)食の安全について/(4)小樽市の子育て支援について/(5)野生動物の増加に伴う影響と対策について

2011年9月13日、小樽市議会の一般質問で、林下孤芳議員が「議案第22号について」「原発政策に対する市長の見解」「食の安全について」「小樽市の子育て支援について」「野生動物の増加に伴う影響と対策について」について質問し、市長 中松義治、保健所長 秋野恵美子が答弁しました。

質問者
林下孤芳 議員
答弁者
市長 中松義治、保健所長 秋野恵美子

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 16番 林下孤芳

第3回定例会に当たり、民主党・市民連合を代表して質問いたします。まず、議案第 22 号小樽市特別職に属する職員の給与の特例に関する条例案が提案されたことに関して質問をいたします。政治資金規正法違反問題に関しましては、議会の調査特別委員会などの取組を通じまして、市民各層より厳しい御批判をいただき、私ども会派としても厳粛に受け止め、しっかりとした再発防止策を確立し、市民の信頼回復に全力で取り組む決意を明らかにしてまいりました。関係各部長に対する刑事処分や行政処分、市長の給与の減額措置やこの間の社会的制裁を踏まえて、処分は評価するとの態度を明らかにしてまいりましたが、このたび再び条例案が提案され、市長から所信表明も出されておりますが、同じ案件での再度の措置は大変に異例と考えます。再発防止に対する決意は理解されるものですが、再度の措置に至った市長の思いが大変伝わりにくいと思いました。改めて市長の思いをしっかりと伝えていただきたいと思いますが、いかがですか。次に、私ども民主党・市民連合は、第2回定例会の代表質問で、福島第一原子力発電所の事故による被害の拡大を踏まえて、泊原発から 40 キロメートルに位置する小樽市としての地域防災計画を見直すことを求め、市長の見解を求めました。当時の答弁は、「泊原発事故を想定した小樽市地域防災計画の見直しについては、原子力防災計画を作成しなければならない市町村は、北海道地域防災計画の原子力防災計画編において、泊原発を中心として半径 10 キロメートル以内の4か町村とされておりますので、本市では作成されておりませんが、このたびの東京電力福島第一原発の事故を受け、国の原子力安全委員会が範囲拡大に向けて検討しております。範囲が拡大になった場合には、まず、北海道の計画が変更となりますので、それに基づき、本市の防災計画も見直しをしてまいりたいと考えております」と答弁されておりました。その後、国においても、道や多くの地方自治体でも、さまざまな動きが目まぐるしく起きております。それは、事故発生以来6か月経過した今日も、なお放射線による被曝被害が拡大していることへの懸念があるからであります。そこで、この間の幾つかの事例を申し上げ、EPZをはじめ原子力政策のあり方について、市長の考え方について見解を求めたいと思います。まず、原発の安全性の確保をする上で、これまで地震や津波に対する防災計画については多くの議論があり、遅ればせながら、今、徐々に対策が進みつつあると思っております。しかし、自民党の町村代議士は、かねてから原発に対するテロ攻撃の危険性を指摘しております。私も、この指摘は原子力発電所の安全性を確保する上で、極めて重要な示唆を与えるものとして注目してまいりました。つまり、完璧な自然災害に対する防災対策がもし確立したとしても、テロ攻撃によって電源喪失や冷却機能を失うことによって、福島第一原発事故をはるかに上回る災害が想定され、しかも暴走を始めた原子炉のコントロールは不可能とさえ指摘されています。このことは、外務省が 1984 年に我が国の原発がテロなどの攻撃を受けた場合の被害予測を極秘に研究し、報告書が作成され、8月3日付けの一部の新聞で報道されていますが、反原発運動への影響を勘案して部外秘扱いとされ、当時の首相官邸や原子力安全委員会にも報告されず、原発施設の改善や安全対策に活用されず、このたびの原発事故と同じ電源喪失というシナリオが想定されながら、27 年間全く対策がとられなかったことになります。また、この報告書によると、人が住めなくなる地域は平均で 30 キロメートル圏内とされ、最大で 87キロメートルと想定しています。これも、今日の被害状況とかなり近い予測と思われます。以上の現状を踏まえて、市長に対して質問いたしたいと思います。内閣府原子力安全委員会は、8月 11 日に北電泊原発3号機の営業運転にゴーサインを出しました。ストレステストなど二重チェックの看板とは名ばかりで、議論はわずか 30 分足らず、その短さと内容の薄さに傍聴席からやじと怒号が飛び交ったと報道されました。北海道の高橋知事は、地元の意向を無視するもので容認できないと激しく反発していたものの、8月 17 日、突然容認するコメントを発し、泊原発3号機は、同日、営業運転に移行されました。泊3号機は1月5日から定期検査を開始し、3月7日からは調整運転に移行、原発事故発生によって営業運転移行前に必要な最終検査を受けず、実質的なフル稼働での運転を5か月余り続けてきたもので、経済産業省は再稼働に当たらないとの見解を示すものの、定期点検で停止中の他の原発の再稼働への道を開くものと注目されています。この一連の動きの中で、高橋知事は管内の4町村とは別に、小樽市長に対し、事前に情報提供をしたと報道されていますが、中松市長に対し、知事から、いつどのような内容の情報提供がありましたか。また、中松市長はこの情報提供に対し、どのような受止めをされましたか、お知らせください。また、知事は8月3日、泊原発周辺4町村の全世帯を対象にアンケートを8月中に実施するとしていましたが、後志管内の首長から、4町村に限定せず、周辺町村もアンケートは実施すべきとの声や、逆に道議会与党から、アンケート結果で不安意見が多数を占めた場合、泊原発3号機の営業運転に影響しかねないとの懸念の声が噴出し、道はアンケートの実施を延期したとされています。私も、現状の防災計画を見直し、安全性を高めるためにも、アンケートは小樽市でも必要と考えておりましたが、不安が噴出したら対応に困るというのは本末転倒であり、速やかに実施すべきものと思いますが、市長は道が行おうとしていたアンケートに対し、どのような認識をお持ちなのか、お示しをお願いしたいと思います。次に、北海道原子力防災センター、いわゆるオフサイトセンターについてお伺いします。これまで国の規定によって、オフサイトセンターは原発から 20 キロメートル未満の位置に設置されることになっているため、泊原発のオフサイトセンターは原発から2キロメートルの地点に、道が 2001年に 20 億円をかけて設置、国が運営していると言われています。福島第一原発事故では、半径 20 キロメートルが警戒区域に指定され、福島第一原発のオフサイトセンターは全く使用できなくなっていると言われています。高橋知事も記者会見で、泊のオフサイトセンターは大変近いところに設置され、だれが見てもおかしいと、移転する考えを示したと報じられています。今、国や道においても、地域防災計画の全体的な見直しを進めていると言われていますが、これまでの国の基準や条件は全く実態をかけ離れたものであったことが明らかになった以上、早急に対策が求められます。オフサイトセンター設置の経過をたどると、本来の目的から離れて地元対策が優先してきたことが、こうした事態を招いたとも言われています。高橋知事も、移転場所などについて、国の議論と並行し、地元の思いも慎重に見極めながら議論を進めたいと発言しています。オフサイトセンターは、原発の事故に備えて、住民の避難指示や放射線の影響予測などの対策拠点となる施設であり、福島第一原発の事故で明らかなように、最低でも 30 キロメートル以上なければ施設の機能を果たすことができません。放射線の監視や住民の避難態勢や物資の支援と、風向きなどの自然条件を総合的に判断した場合、オフサイトセンターを設置する条件が一番整っているのは小樽市だといった意見もあります。私も、泊原発が稼働している限り、オフサイトセンターは必要な施設として小樽に設置するべきと思いますが、市長の考え方について見解をお示しください。次に、小樽市としての防災拠点の整備についてお伺いいたします。東日本大震災は、原発事故の影響もあって、復興の遅れが大きな問題となっています。その原因は国会でもいろいろな角度から議論をされておりますが、前片山総務大臣や前枝野官房長官は、これまで進められてきた市町村合併により、自治体の範囲が拡大され、地域的に管理が行き届かないなどの弊害が生じていることを認めた上で、自治体のデータが津波や火災によって失われ、自治体の機能が大きく低下していることが復興の遅れの原因となっているとの見方を示しています。特に、このたびの震災で大きな被害を受けた岩手県大槌町は、町の防災センター自体が津波の被害を受け、保存されていたバックアップ機能までが流出し、町長まで失う事態となり、復興に伴うあらゆる作業に遅れが生じ、義援金の扱いまでもが混乱があったと言われています。この教訓を踏まえ、国や各自治体でも防災拠点の整備が検討されていると聞いておりますが、現在、小樽市のデータのバックアップはどのように行われており、今後、災害などに備え、どのような対策をとっていこうと考えているのか、お伺いいたします。また、小樽市においても、あらゆる災害に対応した防災センターの設置は必要不可欠な施設であると思いますが、市長の見解をお伺いいたします。この項最後に、原子力発電に対する市長の見解を求めたいと思います。福島第一原発事故以来、市民の間にも脱原発の機運が高まりを見せています。政府も、7月末に、原発依存の見直しに向けた工程表を作成する方針を政府の統一見解として明らかにしました。しかし、まだ経済界を中心に、原発を停止すれば電力不足が生じ、経済への影響が大きいとの理由から、原発の必要論が大勢を占めているとも言われています。原発のない社会の実現は、今や国民の生存権の問題として、国民一人一人が真剣に考えるべきテーマであります。これまで原子力政策は、原子力発電所の新設や増設のための税制度や法の整備のみが行われ、万が一の事故のときに国民を守るべき対策や法律の整備、EPZや補償などを含め、あらゆる面で不備だらけでありました。また、これまで原発の優位性とされてきた発電コストも、使用済み核燃料の最終処分の費用負担や事故の補償費用などを考えると、極めて高いものになると思います。法律的にも電力会社は地域独占が認められ、政策によって保護され、国民が意思を示す機会や判断する機会も否定されてきたように思います。そうした意味で、原発が必要か否かを判断するのは、広い意味での地域住民や電気料金を支払う側と事故の際のリスクを負う道民全体であるべきものと思います。北海道電力は、これまでトラブルや不祥事の際に見られたように、国の指示で動くのみで、道民や市民の意見を聞く姿勢がないばかりか、反対勢力を押さえ込むことに力点を置いてきたのではないかと思います。そうしたことの積み重ねから、このたびのプルサーマル発電をめぐるやらせにもつながったと思われます。そうした背景の中で、札幌市は国の方針変更を待たずに、福島第一原発事故の教訓を踏まえた独自の原発事故防災計画を策定する方針を明らかにいたしました。札幌市は、防災計画の見直しの理由として、現実の問題として原発から 60 キロメートル離れた福島市でも実際に市民生活に大きな影響が生じている、泊原発から同じ距離に位置する札幌市として対策を検討するのは当然とコメントしています。また、北海道新聞の調査によると、石狩管内の市町村の8人のうち7人の首長がEPZの拡大を求める考え方を示しているとのことであります。後志管内の首長からも同様のメッセージがあり、小樽市としても従来の枠組みにとらわれることなく、市民の安全・安心を確立するために、EPZの拡大や原発政策の見直しについて、市長のメッセージを発すべきときだと思いますが、市長の考え方をお伺いいたします。次に、食の安全についてお伺いします。8月 11 日、小樽市保健所から、放射性物質が検出された稲わらを与えられた疑いのある岩手産牛肉が、札幌市内の食肉販売店から小樽市内の食肉販売店に持ち込まれ、既に5月 11 日から5月 19 日までの間に、トレイパックに包装された国産和牛切り落としと国産和牛焼き肉セットとの商品名で、1.76 キログラムが販売されたとの報告がされました。その後も、小樽市内の食肉処理業者が江別市の食肉処理業者を通じて、4月7日から5月 20 日にかけて 78.1 キログラムを入荷、既に在庫はなく、市内や近郊の小売店で販売された可能性があると報道されました。小樽市保健所として追跡調査をしているとのことですが、原発事故以来、核物質による水、大気、土壌などの汚染が深刻な広がりとなっている今、食に対する市民の関心も大変に高まっています。特に、小樽市はセシウム検出量が国の基準を下回る場合は非公表としていることに、市民からさまざまな意見が寄せられております。小樽市内の食肉小売店や処理業者は大都市の札幌と違い、小規模の事業者が多く、公表による業者のダメージが大きいとコメントしたことに対して、事業者は家庭などで保存されていれば、購入店で回収すると言っているのに、公表しなければ対応ができないではないか、情報は市民の立場で公開すべきではないか、たとえ基準値以下でも毎日いろいろな食品を食べることを考え、買うか否かは消費者が判断すべき問題で隠すことはよくない、また市内の食品販売店の関係者からや卸売関係者からも、たとえ大手の会社から納入された食品といえども、汚染の検査体制が不備と言われる中で、万が一汚染物質が検出された場合、販売店としても責任は免れず、その影響ははかり知れない、中小業者としては取引相手を信用するしかなく、行政が汚染された食品は絶対に流通させないシステムや検査体制を早く確立してほしいとの声が多く寄せられました。小樽市としては、国において公表基準を示すべきとの判断とは思いますが、市民の関心が高く、安全・安心を確立するために、公表基準の見直しと、検査体制と機器の整備が必要と考えますが、市長の見解をお伺いいたします。また、このたびの事故によって、大気中に放出された放射性物質は、セシウム 137 が広島原爆の 168.5個分に、ストロンチウムが 2.4 個分に相当すると、衆議院科学技術・イノベーション委員会に報告されました。原爆との比較は単純にはできない面もありますが、これだけ大量の放射性物質が放出されたことにより、必ずどこかで高濃縮化される危険性が指摘されてきましたが、それが稲わらに出、汚染された稲わらを食べた牛の肉から、国の暫定基準を大幅に超える放射性物質が検出され、チェックされる前に全国に流通してしまった、これがこのたびの汚染牛のてんまつと言われています。水産物では、福島県沖で 16 魚種、50 件ほどの基準値を超える水産物が確認され、まだ回遊魚などには基準を超えるものは出ていないと言われていますが、食物連鎖を通じてすべての海洋生態系に拡散することが懸念されており、東京築地市場からも検査の徹底を求める動きが広がっていると言われています。食の安全は市民の関心も大変に高く、微量の放射性物質だから安全と言うが、体内に入って長い時間とどまることによってどのような影響があるのか、立証されたものがあるのかといった疑問や、子供に食べさせる食品には特に注意を払っているが、学校給食に使われている食材はどのようなチェックがなされているのかなどの問い合わせも多くなっています。そうした現状を踏まえますと、小樽市として国の暫定基準にとらわれることなく、正確な情報は積極的に開示することが、結果的に風評被害を食いとめ、市民の安心にもつながると確信するものですが、いかがでしょうか。次に、小樽市の子育て支援についてお伺いいたします。長期化する景気の低迷などから、低賃金と長時間労働などが定着化し、子育て世代の生活環境は大変に厳しい状況に置かれています。政府も、各自治体でも、子育て世代に対するさまざまな支援策に知恵を絞りながら取組を進めていますが、まだ将来の不安などから、少子化対策としての成果を上げるまでに至っておりません。本市におきましても、保育環境に恵まれているにもかかわらず、子育て世代が小樽に定着するまでの成果は得られておりません。本市では、公立・私立の保育所はほぼ定員が満たされており、認可外の保育施設では定員を割り込んでいる状況が続いていると言われています。幼稚園でも少子化の影響で定員割れの状況にあり、小樽市の待機児童はゼロとなっています。私は、これまで札幌市が待機児童の解消に苦しんでいることから、小樽市は子育て支援の政策を前面に打ち出した子育て支援のまちとして子育て世代の流出を食いとめ、小樽に呼び込むことができないかとの質問をした経緯がありますが、当時の答弁では、仕事や住宅など多くの環境整備も進めなければならず、待機児童ゼロだけでそうした政策を打ち出すのは難しいとのことでした。しかし、この間、子育て支援の環境も少しずつ変化し、国においても幼保一体教育などの政策も変化しつつあると言われております。実態に合わせた形での規制緩和も進められていると承知しております。そこで、休日保育について質問いたします。現在、日曜・祝日においても、保護者が就労などのために保育に欠ける子供を対象に、中央保育所で市の補助事業として実施をされております。定員は 20 名で、利用料金は児童1人当たり1回 1,500 円とされております。しかし、利用条件として、市内の認可保育所を利用している児童という条件が付されております。また、1歳以上3歳未満の児童では、定員が8名となっております。現状の雇用情勢などを考えると、休日保育は認可外保育施設も含めた児童の利用を可能にしていただきたいとの要望が寄せられております。規制の見直しが進んでいる今こそ、本市においても見直すべき課題と思いますが、御見解をお伺いいたします。次に、認可外保育施設については、以前にも支援策や利活用について伺っておりますが、少子化が進行する中で、小樽市は今後も児童数が減少することが見込まれる中で、認可外保育施設に対する行政の支援は限界があるとの御見解でありました。一方で、認可外保育施設も保護者の多様なニーズにこたえ、保育行政に一定の役割を担っており、今後も可能な限りの支援をしていくとの御見解も示しておりました。しかし、認可外保育施設の経営は大変に厳しく、現状で推移すると、存続が難しいところが出てくる可能性も否定できません。私も主な認可外保育施設の方々のお話を伺ってまいりましたが、確かに一部の保育施設では、少子化の影響が改善されなければ、認可外保育施設の役割は終わると考えている方もあるとのことですが、大半の認可外の保育施設の方々は、独特の保育方針やしっかりとした理念に基づき、しっかりと地域と保護者に信頼され、長い歴史と実績を積み上げてこられていると確信をいたしました。これまでは認可外保育施設を認可保育所とするためには、面積や保育士の数、給食などの条件が厳しく、本市では一定の規制緩和の方向が示され、認可外保育施設の認可保育所への転換も行政のサポートにより可能性が高くなったと思われますが、小樽市として認可に向けた行政のサポートができないか、検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。次に、小樽市における野生動物の増加に伴う影響と対策についてお伺いいたします。最近、道央圏でもエゾシカなどが増加し、交通機関にリスクが広がっており、都会のシカ対策急務というレポートが新聞報道されております。私自身もこの間の経験から、小樽市内でこれほどエゾシカを身近に感じたことは過去にありません。数年前まではエゾシカの生息地は道東や日高などの積雪が少ない地域に限定され、積雪が多い道央圏で生息するエゾシカはごく少数と考えられてきましたが、近年、札幌市の市街地にシカが入り込んで騒ぎになっている様子が再三報道され、一般市民の関心を集めていますが、これまでの生息に適した地域で生息数が高密度化してきたことや、農業や林業などの食害を防止するための対策が徹底されたことにより、生息地域は一気に全道に広がり始めており、道内のエゾシカの生息数は推定で 65 万頭に達すると言われています。そのうち、狩猟や市町村による有害鳥獣駆除によって、10 万 9,000 頭が捕獲されていますが、道央圏では狩猟や有害駆除の条件が悪いことや、市民の理解が進んでいないことなどもあって、捕獲実績はほとんど上がっておりません。エゾシカは繁殖力が強く、捕獲されなければ年間で 20 パーセント増加すると言われ、四、五年間で倍に増える計算になり、道央圏でのエゾシカは急増していると推定されます。現在のところでは、山沿いや河川、緑地の近くに住む住人がエゾシカを目撃したとの話が中心で、一般市民が目撃する例はほとんどありませんが、農業、林業の被害ばかりでなく、高速道路や一般道、鉄道でも事故が急増傾向にあり、札幌周辺の高速道路だけで3年間 17 頭のシカが回収され、昨年 10 月には、札樽道新川-銭函間の上下線がエゾシカの侵入によって3時間も通行止めになり、JRも札樽間で毎年数件の衝突事故が発生していると言われています。一般国道や道道、市道についてはあまり詳しいデータがありませんが、死骸の回収数は増加しているとされ、事故の届出がなかったり、シカが衝突後に逃げ去るケースも想定すると、事故の災害件数は数倍になると推定されています。小樽市においては、専業農家が少ない上、農地の点在化などによって、農業被害は他市に比べて少ないと思いますが、事故や狩猟の実績などから、エゾシカの生息数は確実に増加していると思われます。小樽市は自然環境に大変恵まれていることから、山林の被害が広がっていることは意外と知られていませんが、小樽市としては、農業被害状況をどう把握されていますか。また、今春、道によるエゾシカ被害防止緊急対策越冬調査が行われ、小樽市も調査対象となっていると聞いていますが、調査の目的と結果についてお知らせください。一方で、農林水産省は全国的に広がっている野生動物や外来動物による被害の拡大を踏まえて、鳥獣被害防止のため、法整備と財政支援、人材の確保に向けた取組を強化しているとされています。鳥獣被害防止の予算額は、平成 20 年度で 28 億円だったものが、23 年度予算では 112 億円と大幅に拡大されています。人材育成に対する費用は 100 パーセント補助され、団体による一斉駆除費用も 100 パーセントの補助がみなされます。市町村に被害対策の実施隊を設置すれば、公務災害が適用になるなど、画期的な改正となっております。小樽市は、これまで田畑での食害の申告に基づき、道に有害鳥獣駆除捕獲の免許申請を行い、猟友会との契約に基づき、2万円の出動契約によって対処してきました。しかし、同じ食害でも、最近、被害が急増傾向にある外来種のアライグマやキツネやタヌキなどの場合は、免許申請がわなになるなど、見極めに時間や専門的な知識と経験が必要なことなどから、免許申請に時間がかかるなど、被害農家からも不満の声が聞かれ、また委託を受ける猟友会も規制の強化とともにメンバーが減少し続け、高齢化が進み、後継者不足が深刻化しておりますので出動するメンバーも限定され、活動にも限界があるとの声も出てきておりました。そうした意味で、このたびの農林水産省の法改正は駆除を効率的、効果的に進める上で期待され、自治体の負担も国の交付率が5割から8割になったことと道の補助もあることから、大幅な軽減となります。改正された鳥獣被害防止特措法では、駆除経費として、防護さくや電気さくの補助が中心であったものから、捕獲のための消耗品購入や捕獲した鳥獣の買上げや輸送、駆除を依頼した場合の費用の負担や広報費として大型獣との出会い頭の事故などの防止の啓発をする費用も認められ、調査研究費なども自治体の裁量の幅と国からの支援策も格段に改善されました。この改正は、増え続ける鳥獣被害、緊急総合対策としてソフト対策、ハード対策を盛り込み、恒久的、効率的な事業となるように、自治体にも被害防止計画の作成が求められておりますが、既に多くの市町村で設置済みか計画中と言われています。小樽市におきましても、計画の作成に向けた取組を早急に進めていただくことを要請し、現状の進捗状況の報告をお願いいたします。以上、再質問を留保し、代表質問を終わります。(拍手)

答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)

林下議員の御質問にお答えいたします。初めに、私の給与の減額措置に関する条例案について御質問がありました。私の給与の減額措置に関する条例案を再度御提案するに至った経緯などについてですが、これまでの私の責任といたしましては、本年5月の第2回臨時会におきまして、あくまでもその時点での責任のとり方ということで、給料を 10 分の1、3か月減額する措置をとらせていただいたところであります。先般、刑事処分を受けた8人の部長の懲戒処分を行い、最大で6か月の減給処分という結果を受けまして、私としてもこれを大変重く受け止めており、また現時点で副市長人事が決まっていないことも含め、今回の一連の件に関しまして非常に責任を痛感しているところであり、このたび私の給料の減額措置につきまして、さらに 10 分の1、3か月を加算し、合計で6か月の減額措置をとり、これに加えて本年 12 月の期末手当を 50 パーセント減額したいと考えているところであります。市民の皆様には、この間、大変な御迷惑、御心配をおかけし、まことに申しわけなく思っているところでありまして、これらに対する私の責任のとり方として、今回、このような形で給与の減額措置にかかわる議案を御提案させていただいたところでございます。次に、原発政策に関して幾つか御質問がございました。初めに、泊発電所3号機の営業運転移行に関する情報提供についてですが、本市には8月 17 日に後志総合振興局を通じて情報提供がありました。内容は、道としては国からいただいた回答については理解できるものと判断したところであり、したがって国において最終検査の手続を行われることについて異議はない旨、国に伝えたというものでした。北海道知事がこれまでの国からの回答を基に安全性を評価し、さらには道民の生活や経済活動に配慮した電力の安定供給の観点から、最終検査の手続に異議なしとしたことについては、理解できるものであります。次に、北海道が行おうとしていたアンケートにつきましては、泊原発周辺4町村を対象に行うということだったと聞いておりますが、私としては、北海道の防災計画の見直し内容が小樽市にもかかわるものであれば、周辺4町村だけでなく、本市も対象とすべき場合があるのではないかと考えております。次に、緊急事態応急対策拠点施設、オフサイトセンターに関するお尋ねですが、平常時の役割として、施設の安全な運用を確認するため、原子力防災専門官と原子力保安検査官が常駐しており、異常事象が発生した場合には、この原子力防災専門官などが情報収集や連絡を行い、国や地方自治体と連携して迅速な初期動作や災害を最小限に食いとめるための対策や対応の拠点となっております。北海道のオフサイトセンターの設置場所については、今回の福島第一原発の事故を受けて、そのあり方について議論されることと思いますので、推移を見てまいりたいと考えております。次に、データのバックアップについてですが、現在、ホストコンピュータで管理している住民記録などのデータは、定期的に磁気テープに複写後、庁舎内に設置している耐火金庫に保管をしております。今後につきましては、電源や回線の二重化や耐震化など災害等の対策をとったデータセンターにおいて、行政情報システムを稼働させる予定としております。さらに、別のデータセンターにおけるデータのバックアップやシステム環境の復元について、今回、システムを契約した事業者から提案されておりますので、市としてはこれを受けて、災害時などに備え、市民の貴重なデータの保管やシステム復旧の対策に努めてまいりたいと考えております。次に、防災センターの設置についてでありますが、現在、新たな防災センターの設置は考えておりませんが、本市においては、停電時における電源の確保や非常時通信回線の強化など、本庁舎を防災拠点とする必要な整備を順次進めているほか、消防や警察などの関係機関とより緊密な連携体制をとりながら、さまざまな災害に対応できる体制に取り組んでいるところであります。次に、EPZの拡大などについてでありますが、現在は泊原発を中心として半径 10 キロメートル以内の地域がEPZの範囲となっておりますが、このたびの事故では、半径 20 キロメートル圏内が警戒区域に指定されるなど、今までの範囲を超えて被害が及んでいることから、北海道市長会を通じて、道と北電に対して、国の防災指針と道の防災計画の抜本的な見直しを意見として提出させていただきました。現在、国の原子力安全委員会で、範囲拡大等に向けた検討がされておりますので、この動向を注視してまいりたいと考えております。次に、食の安全についてですが、公表基準の見直しにつきましては、本市では従来より食の安全を守る観点から、異常が発見された場合に公表するという方針で臨んでおります。今回の放射性物質の汚染に関する公表については、国の公表基準がない中で、札幌市のように異常がなかった場合でも公表する立場をとった市町村もありますが、本市といたしましては、この件についても特別の取扱いとはせず、異常が発見された場合に公表するという方針を変えることなく進めてまいりました。今後も、国や道の方針を見守りながら、適正な公表をしてまいります。また、検査体制と機器整備につきましては、放射性物質にかかわる食品の検査は都道府県が中心となって実施しており、対象食品は野菜などの農産物、牛肉をはじめとした畜産物、水産物、加工食品など多岐にわたっております。こうした検査を効率的に実施するため、厚生労働省では必要な検査機器を有しない都道府県等に対し、検疫所、研究所、大学等を紹介する仕組みを構築することとしております。現在、札幌市を除く道内自治体の放射性物質の検査は、道立衛生研究所で一元的に実施しており、本市の検査についても、道立衛生研究所での実施を道に依頼してまいりたいと考えております。次に、暫定基準にとらわれることなく、情報を開示することについてですが、この基準は食品衛生法に放射性物質の基準がないため、国が原発事故後に原子力安全委員会の指標値を暫定規制値として示したものであります。現在、食品安全委員会からの答申を受けて、国で見直しを検討していると聞いております。本市といたしましては、その結果を待って、適切な情報の開示に努めてまいりたいと考えております。次に、子育て支援に関する御質問ですが、初めに休日保育についてでありますが、本市では、平成 19年8月より、中央保育所で休日保育を実施しております。認可外保育施設を利用している児童についても、休日保育を利用できるようにとの御提案でありますが、このニーズがどの程度あるのか、また受け入れる側の保育所の体制整備などの課題がありますが、今後、検討してまいりたいと考えております。次に、認可外保育施設の認可に向けての行政のサポートについてでありますが、現状では認可を受けるためには、施設の設備や保育士等の配置などについて、国の示す最低基準を満たす必要があります。現在、国では、「子ども・子育て新システム」において、保育所や幼稚園などの垣根を取り払い、こども園とすることを目指しており、この中で認可外保育施設においても、一定の基準を満たすことでこども園に移行できるものとされておりますが、まだ具体的な基準、内容等は示されておりませんので、今後も国の動向等を見ていく必要があるものと考えております。なお、認可外保育施設から認可に向けての御相談等があった場合には、このような状況を踏まえて丁寧に対応させていただきたいと考えております。次に、野生動物の増加に伴う影響と対策について何点か御質問がありました。小樽市のエゾシカによる農業被害の状況についてでありますが、平成 21 年度は被害件数4件、被害額17 万円、平成 22 年度は被害件数5件、被害額 18 万円、平成 23 年度8月現在で被害件数2件、被害額10 万円であります。次に、北海道によるエゾシカ被害防止緊急対策越冬地調査の目的と結果についてでありますが、調査の目的につきましては、エゾシカによる農林業等被害が深刻な状況にあることから、エゾシカが集中している越冬地の生息情報を収集し、各地で効率的かつ確実に捕獲数の増加を図ることを目的として、平成 23 年1月から3月にかけて、全道規模での調査を実施したものであります。小樽市も調査対象となり、猟友会会員に対する聞き取り調査及び6区域の現地調査が行われました。調査の結果につきましては、北海道に確認しましたところ、10 月までには公表したいとの回答を受けております。次に、被害防止計画作成の進捗状況についてでありますが、小樽市におきましても、近年、エゾシカ等による農業被害が増加していることから、被害防止計画の作成に向け、現在、データの収集を行っております。今後は、庁内関係部、市内関係機関との連絡調整を行い、24 年度に被害防止計画を作成したいと考えております。(「議長、16 番」と呼ぶ者あり)

再質問 16番 林下孤芳

何点か再質問をさせていただきます。原発問題については、私はあえて第2回定例会での代表質問の例を示しまして、この間の動きも訴えたつもりですけれども、残念ながら答弁は前回とほぼ同じ内容だったというふうに受け止めております。市民の関心がこれほどまでに高まっている今、国や道の判断を待ってという考え方では、やはり市民の安全・安心を守ることはできないのではないかというふうに思いますし、後志や石狩市の首長やあるいは札幌市からもそれぞれ具体的な意思表示が示されていることもあります。そうしたことを考えますと、やはり小樽市長として、原発問題に対する独自の判断や考え方や対策について、しっかりとメッセージを発していただきたいものだというふうに私は思います。何か答弁は非常に慎重になされておりまして、市長が意思表明をすることに何かこだわりや制約があるのではないかというふうに疑問まで生じるわけでありますけれども、小樽市民を守るために、市長のメッセージというのが非常に大切だと思います。原発政策やEPZの問題点は、市長の生の声で再度答えていただくことはできないのか、再度、質問させていただきます。それと、オフサイトセンターの関係につきましても、国が移転をさせる、あるいは範囲を拡大するといった決定をしたら動くという考え方であったというふうに思いますけれども、これまでの国の規定や道の方針のまずさによって、オフサイトセンターの機能が果たせないという現実が示されております以上、やはり機能を最大限に発揮していただくためには、今、小樽市として声を上げる時期ではないかと、そういう必要性があるのではないかというふうに思います。高橋知事も移転に言及する一方で、地方の声を尊重してというようなことを言っておりますから、こうしたことではまた本来の目的からかけ離れたオフサイトセンターになってしまう可能性が非常に高いというふうに私は懸念をしております。小樽市では国の合同庁舎も新築をされて、今度は新市立病院もオープンするとなりますと、やはり万が一の事故の際に、非常にこうした小樽の機能に対する期待も高まってくると思いますので、そうした意味でも市長の判断として、今、意思を示す考えはないのか、もう一度お伺いをしておきたいと思います。それと、食の安全で放射性物質の検査体制は、北海道では道にしかないということで、万が一、市民から相談なり、その検査をしてほしいと持ち込まれても、なかなか対応が難しいというのは大変よくわかるのでありますが、今まではこの検査機器というのは非常に高額で、その検査にも非常に時間がかかるというふうに指摘をされておりましたけれども、現在は大手メーカーも非常にこの機器の開発に力を入れておりまして、先日も価格が大変安くて処理能力が高い機器が紹介されておりました。そうした意味で、まだガイガーカウンターを買うような値段にはなってはいないと思いますけれども、市民の要望にこたえるために、機器の整備についてはやはり不可欠ではないかというふうに思いますので、その点について市長の見解をお伺いしたいと思います。

答弁 市長 中松義治(市長は2015年3月まで)

林下議員の再質問にお答えしたいと思います。なお、食の安全については、保健所長のほうから答弁をさせていただきたいと思います。まず、私は、今回の原発の問題だけにかかわらず、市民の安全・安心ということについては、あらゆる場面でしっかり取り組んでいかなければいけない問題だというふうに思っております。そういった中で、林下議員からの御質問でありますけれども、今、国や道が原発についての安全対策であるとか、安全性について、いろいろと検討しているところでございまして、そういった中でなされた結論について、小樽市としてはしっかり取り組んでいかなければいけない問題だろうというふうに思っております。そのためには、やはり管内の町村長との連携であるとか、あるいは北海道市長会において、道や北電にお願いしていることなどいろいろあります。そのようなことを踏まえて、市民の皆様が安心して暮らせるまち、安全に暮らせるまち、そういったことに今後とも取り組んでいきたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。それから、オフサイトセンターの問題については、やはり状況をもう少し見守っていかなければいけないのかというふうに思っておりますので、そのあたりについても、決して否定するとかそういうことではございませんので、御理解をいただきたいと思います。(「議長」と呼ぶ者あり)

答弁 保健所長 秋野恵美子(保健所長は2016年3月まで)

林下議員の再質問にお答えいたします。食に関する放射性物質の検査について、最近開発された機械もあるので、それを用いてはいかがという再質問かと思いますが、福島第一原発での事故以来、小樽市におきましては、食肉の検査はすべて道立衛生研究所に送りまして、迅速に結果をいただいてきているところでございます。当面、この体制で推移していきたいという考えでおります。もちろん、今後、この検査体制あるいは国の考え方、道の考え方等々が、今も変化している最中でございますので、その推移を見守りながら、適正な判断を迅速に行っていきたいというふうに考えております。(「議長、16 番」と呼ぶ者あり)

再質問 16番 林下孤芳

あと、詳細については、予算特別委員会で議論させていただきます。

出典:小樽市議会 平成23年第3回定例会 2011年9月13日 議事録 PDF(76ページ) 間違いを知らせる