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小樽市議会 平成21年第4回定例会 2009年12月9日

成年後見制度及び社会福祉協議会について

2009年12月9日、小樽市議会の一般質問で、大橋一弘議員が「成年後見制度及び社会福祉協議会について」質問し、市長 山田勝麿が答弁しました。

質問者
大橋一弘 議員
答弁者
市長 山田勝麿

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 5番 大橋一弘

成年後見制度と社会福祉協議会の活動に関連して質問をいたします。3月に策定された小樽市高齢者保健福祉計画の中に、認知症高齢者支援対策の推進がうたわれています。その中に、「判断能力が十分でない認知症高齢者の生活を支援するため、『成年後見制度』の周知を図り、利用促進に努めます」と記されております。2000 年に成年後見制度が導入されたのは、介護保険法施行と同時期であり、福祉を受ける権利、施設への入居が措置から契約に変更されたことに伴います。契約締結能力が必要となり、契約締結能力のない人には後見人をつけることになりました。認知症の方は、市内に 4,700 人と聞いております。契約能力のない人々の施設への入居、病院の入院等において、身内のいない場合の契約において、代行できる人の明確な線引きができておらず、また代行し得るに足る資格者の数も不足し、介護、医療現場ではさまざまな混乱が生じており、時には入居者の権利が損なわれる事例もあると聞きます。また、2006 年施行の障害者自立支援法により、「小樽地域障がい者相談支援センターさぽーとひろば」が開設されていますが、障害を疑われる方の相談を 2年間に 2,000 件受けていると聞きます。住み込みの職場で退職どきに今までの給与を会社が使い込んでいた事例、先天性聴覚障害で知的能力が形成されないままに成長したが、カードを知人が使い、500 万円の借金ができていた事例、また高齢者で、息子がパチンコ狂あるいはアルコール中毒で、母親の年金を取りに来て、渡さないと暴力を振るっているケースは、私どもの周囲で数多く見聞きいたします。それらの弱い立場の人々のために成年後見制度がつくられたものと思います。成年後見制度について解説している出版物において、市民が成年後見について相談するときは、弁護士会や社会福祉協議会の法律相談に行くようにと書いてあります。本人が自分で社会福祉協議会と契約できる状態である、いわば成年後見制度を利用する以前の日常生活に不安を覚えるようになっている人においては、社会福祉協議会の日常生活自立支援事業、つまり地域福祉権利擁護事業を利用できることになります。援助してくれるのは、社会福祉協議会の専門員、生活支援員ですが、業務内容は福祉サービスの利用援助、日常的金銭管理サービス、書類等の預かりサービスを行うとされております。例えば、大きな金額の通帳は社会福祉協議会に預け、本人は年金の入金される通帳だけを持ち、それによって悪質な訪問販売、振り込め詐欺から高齢者を守ることができると言われております。この権利擁護事業が市民に周知不足で、あまり利用されていないと言われておりますが、小樽においてはどのような状況となっておりますでしょうか。新潟県の燕市社会福祉協議会では、福祉後見・権利擁護センターを 2008 年5月に発足させました。これは、権利擁護事業による支援を受けていた人に判断能力がなくなった場合に、認知症に対応できる成年後見制度へ移行させる役割が期待されております。成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度がありますが、法定後見人制度は家庭裁判所が、成年後見人、補佐人、補助人を選任し、財産管理、身上監護を事務とするもので、弁護士、社会福祉士、司法書士、行政書士から選任されております。小樽市においては、後見人業務を受任している弁護士等は8人と聞いており、一人で4人から6人の後見をしていますが、有資格者の数は少なく、資産の多い人の後見に限られていると考えられます。現状では、障害のある人、高齢者、家族のない人の後見をし、権利を守ることはできません。東京都品川区では、社会福祉協議会内に品川成年後見センターを設置し、スタッフ7人で年間 2,000件の相談に応じ、約 70 人の成年後見を務めていますが、手いっぱいの状況となっております。そこで、NPO法人市民後見人の会が発足し、財産管理が複雑でないケースは市民後見人の会に委任できるよう活動しています。横須賀市では、身寄りのない認知症のお年寄り等の生活を法的に守る成年後見人が不足している問題で、市民後見人の養成講座を市が直営で行いました。20 歳から 65 歳の研修員を募集し、専門知識を学ぶ 52 時間の講座を受講し、その後、支援員として実務研修を行い、2009 年の認定を目指しました。本年5月に、市民後見人5名が裁判所に選任され、認知症の男性の後見人となりました。3年間の準備期間を経て第一歩を踏み出したところです。小樽市においても、後見人報酬を支払うことのできない高齢者の方の生きる権利を守るためのボランティアによる市民後見人を実現する試みが市民の手で自発的に模索されております。「杜のつどい」において、市民後見人養成講座が開講され、1回につき3週間で 18 時間の基礎講座を既に3回実施しております。その場には、小樽商大の片桐教授、社会福祉士の関口由紀子氏等8人の講義を熱心に学ぶ多数の市民の姿がありました。来春には、専門知識を学ぶ 52 時間の本格的な講座を計画しております。しかし、市民後見人としての専門知識を有し、ボランティア活動を始めようとしても、個人では家庭裁判所の選任を受けることはできません。市民後見人を監督する公的な機関が存在することが第一の選任条件となります。当市においても成年後見センター開設を検討していると聞きましたが、それを踏まえて以下6点についてお尋ねします。一つ、なぜ成年後見センターが必要とされると判断されるのか、どのような利用事例が想定されるのか。二つ、センターの開設に当たり、どのような計画を持っているのか。社会福祉協議会を事業主体と考えるのか。三つ、センターの業務概要はどのようなものになるのか。四つ、必要とされる予算についてはどのように考えているのか。五つ、開設へ向けてのタイムスケジュールはどのようになると考えるのか。六つ、市民後見人養成講座について、横須賀市では2年間、市直営で後見人養成を行いましたが、杜のつどいにおける市民後見人養成講座への支援をどのように考えているのかについてお尋ねいたします。次に、成年後見センターの受皿の候補として考えられる社会福祉協議会の現在の活動についてお尋ねいたします。11 月 28 日、社会福祉協議会より、小樽市の福祉の学習ボランティア活動推進協議会の案内を、町会長としていただきました。予定があり出席できませんでしたが、松ケ枝中学校と6校の協力指定校による児童・生徒実践発表が行われたとのことですが、発表内容はどのようなものでしたでしょうか。また、協力校事業費助成額は、6校の合計で幾らでしょうか。この事業に対する評価はどう考えましたでしょうか。教育にかかわる事業まで社会福祉協議会の守備範囲であることに驚きました。全国的に見ても、社会福祉協議会の活動範囲は広く、多種多様な活動を行っていると聞きます。10 月 23 日、東京都葛飾区の産業フェアの視察を行いましたが、人でにぎわう会場で社会福祉協議会のコーナーがあり、ジャンパー姿のボランティアたちが福祉活動のPRチラシを手渡していました。当市におきましても、10 月2日にマリンホールにおいて、松戸市常盤平団地地区社会福祉協議会の「孤独死ゼロ作戦」についての講演が行われ、孤独死問題への取組と松戸市の「いきいきサロン」の活動が報告されました。私が社会福祉協議会を強く意識した最初は、以前、ホームヘルパーが市の直営であったとき、夜間のヘルパー派遣に支障があり、社会福祉協議会への移管が論じられたときでありました。当時は、社会福祉協議会の事業内容は何を目的とし、何をしているのかよく理解できませんでした。先年から市職員2名が幹部として派遣され、活動への充実の姿勢が示されたものと考えますが、今回、成年後見制度の中心として社会福祉協議会を意識しておりますので、お尋ねいたします。社会福祉協議会事業の主なものは何でしょうか。予算額と、その内容はどうですか。職員数について、総職員数と、内訳として市職員数、市OB再雇用者数、中部地域包括支援センターの職員数、ホームヘルパーの要員数はいかがでしょうか。市内3か所の地域包括支援センターのうち、中部地域包括支援センターを社会福祉協議会が運営している意義と必然性をどうとらえているのでしょうか。ふれあい見舞金について、募金減額分を市が補助することにつき、募金減額金額の予想は幾らなのか、そして減額要因に職員の使い込みがあったことに対する市民感情の影響があったと考えるのか、その後の管理体制がどうなっているのか、お尋ねいたします。全国的に社会福祉協議会の活動が市民を巻き込んで活発化する中、小樽においても、社会福祉協議会の役割は何なのか、どのような組織であるべきなのかを考えなければいけないと考えますが、それを議論していくのは、どの場になるのでしょうか。市主導なのか、社会福祉協議会の自主性に任せるのか、どのように考えますでしょうか。今年、私の周辺で不幸な事件がありました。数年前に退職し、夫婦でつつましく暮らしていた人ですが、妻が亡くなり、葬儀費用のため預金を引き出そうとしたら、全額引き出されていました。軽い障害を持っていたため、近所の親切な人が通帳の管理をし、そこから月々の生活費を受け取っていると1年前に聞きましたが、大丈夫なのかと思った記憶はありますが、ごみ捨てまで依存している生活とのことで、私も格別に親しいわけでなく、聞き流しておりました。退職金、年金をすべて失いました。権利擁護事業について私が正確な認識を持っていたら、あるいは周囲に市民後見人がいたらと、大変悔いの残ることになりました。今回、市民後見人制を迅速に導入することを求めているのは、この事件の反省によります。市民後見人により、少し時々のサポートと、機動力がきき細かい目の行き届く高齢化社会であってほしいと望んで、質問を終えます。再質問を留保いたします。(拍手)

答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)

大橋議員の御質問にお答えいたします。初めに、成年後見制度及び地域福祉権利擁護事業について何点か御質問がございました。まず、地域福祉権利擁護事業につきましては、北海道社会福祉協議会の事業で、支庁単位に設置されています地域福祉生活支援センターが実施しており、小樽市におきましては、社会福祉協議会がその窓口となっております。具体的には、北海道社会福祉協議会に登録されています生活支援員が、判断能力の低下してきた高齢者や障害者に対して、福祉サービスの利用や日常的な金銭管理の援助を行うものであります。この事業の利用状況につきましては、平成 21 年3月末現在の利用者数は8名で、活動中の生活支援員は3名となっております。次に、成年後見センターの必要性でありますが、当市の高齢化率は 30 パーセントを超え、認知症の高齢者数は約 4,700 名と推定しておりまして、ほかに知的障害者や精神障害者を含め、成年後見制度の利用ニーズは潜在的に多いものと考えております。現在、判断能力が不十分な方々の財産管理や身上監護などの後見業務を受任している専門職が市内に8名しかいないため、受任に限りがあり、今後の利用ニーズに対応できなくなる可能性があります。将来にわたり、認知症や知的障害者、精神障害者の方々が安心して生活するためには、財産管理や身上監護に対する不安を解消する必要があることから、法人後見を受任する公的な成年後見センターを立ち上げる予定といたしました。また、成年後見制度の利用事例でありますけれども、認知症のため、預金を引き下ろすことができず支払ができないため電話や電気がとめられたり、施設に入所したいが契約ができない方などが成年後見制度を利用することが想定されます。次に、成年後見センター開設の計画でありますけれども、当市の成年後見制度については、第4期介護保険事業計画の中で制度の利用促進を図り、さらに第6次総合計画の前期実施計画で具体的な設置を位置づけする予定であります。また、事業主体につきましては、先進都市において社会福祉協議会が主体となって事業展開している事例が多く、また家庭裁判所からの選任を受ける法人後見は法人格が必要であることから、地域福祉に実績のある社会福祉協議会が適任と判断したものであります。次に、成年後見センターの業務概要でありますけれども、後見を必要とする人の財産管理、身上監護等の総合相談窓口、家庭裁判所から選任された法人後見の受任、市民後見人の活動の推進と養成、市長申立ての相談や、申立て書類の作成などが考えられます。次に、必要とする予算でありますけれども、センター長や常勤の社会福祉士の人件費に加え、運営委員会などの事務経費等を予定しております。次に、開設に向けてのタイムスケジュールでありますけれども、平成 22 年度の早い時期の開設を目指しておりまして、先般、社会福祉協議会に外部の専門家を含む成年後見センター設立検討会を立ち上げたところであり、今後の具体的なスケジュールについて、設立検討会で協議していく予定であります。次に、杜のつどいの市民後見人養成講座への支援でありますが、成年後見センターでは、弁護士などで協力していただける専門職8名と市民後見人とが連携して法人後見業務に当たることを想定しており、業務を遂行していく上で市民後見人が重要な役割を担います。このため、市といたしましては、市民後見人の養成が急務であると認識しておりまして、自主的に活動しております杜のつどいに対し、何らかの支援をしてまいりたいと考えております。次に、小樽市の福祉の学習ボランティア活動推進会議についての御質問でありますけれども、まず実践発表の内容でありますが、社会福祉協議会に確認しましたところ、地域との交流活動と生徒会によるエコキャップ収集活動、地域の方々やPTAと一緒に実施したクリーンアップ活動などの発表があったとのことであります。また、北海道社会福祉協議会から今年度指定を受けている協力校は、銭函、潮見台、松ケ枝の各中学校及び手宮、潮見台、桂岡の各小学校、計6校であり、助成額の合計は 60 万円となっております。この事業の評価についてでありますが、北海道社会福祉協議会に設置されております福祉教育専門委員会の委員からは、「小樽市のように教育や福祉関係者ばかりではなく、地域の方々も多数参加して、生徒を中心に会議が開催されるケースはほかにはなく、地域と学校のネットワークづくりにもなっている」、また参加された学校教諭からは、「児童・生徒がみずから考え、大勢の大人の前で発表することが本人にとって大きな自信となり、よい機会であった」などの評価を受けたと聞いております。市といたしましても、このような会議によって児童・生徒の社会福祉への理解が高められ、ボランティア精神を養うためにも役立っているものと考えております。次に、社会福祉協議会の業務内容や組織などについての御質問でありますが、まず平成 21 年度の主な事業と予算額の内容でありますが、総合福祉センターや各児童館などの指定管理業務のほか、給食サービス、福祉除雪、ボランティア・市民活動センターの運営などの事業を行っており、予算額は1億 5,200万円となっております。このほか、訪問介護や通所介護などの介護保険事業を行っており、予算額は2億 5,300 万円であります。次に、職員数についてでありますが、職員総数は、会長ほか理事などの役員を除き、事務局長以下で122 名となっております。その内訳ですが、介護保険事業関係で、たんぽぽ介護事業所 64 名、銭函デイサービスセンター16 名、中部地域包括支援センター12 名、合計 92 名となっております。また、介護保険事業以外では、総合福祉センターや各児童館、点字図書館などの指定管理業務で 18 名、管理運営・事業部門で 12 名、合計 30 名であります。なお、市職員については、122 名のうち、派遣職員が2名、元市職員が3名となっております。次に、中部地域包括支援センターを社会福祉協議会が運営する意義と必然性でありますが、地域包括支援センターは介護保険法により市町村が設置することとされ、その業務を在宅介護支援センターの設置者や社会福祉法人等に委託することができるため、平成 18 年6月に市内7法人に対して、受託の要請をいたしました。その結果、5法人から受託の意向が示され、小樽市が設置した地域包括支援センター運営協議会が評価基準に従い、3地域のうち、中部地域については社会福祉協議会を選定したものであります。次に、ふれあい見舞金に関連しての御質問でありますが、まず募金減額の予想でありますが、ふれあい見舞金は、12 月に実施している歳末たすけあい義援金を財源に充てており、昨年度の実績は約 1,300万円でありました。今年度については、現在、募金運動の期間中でありますので正確な予測はできませんが、10 月から実施しております赤い羽根共同募金の状況から推測しますと、15 パーセント程度の減少となり、募金額は 1,100 万円前後を予測していると聞いております。募金の減少要因でありますが、長引く景気低迷の影響が大きいものと考えておりますが、このたびの着服事件による市民感情の影響についても、否定はできないものと思っております。また、管理体制につきましては、北海道共同募金会小樽市支会に確認しましたところ、通帳と印鑑を別々の職員に管理させることとしたほか、事務局長が毎日の入出金を他の証票類と1件ずつ点検、確認し、検印しているとのことであります。さらに、全職員を対象とした外部講師による倫理研修や、定期的に内部研修を実施しているほか、会計監事による検査を複数回実施することとし、再発防止に努めているとのことであります。最後に、小樽市社会福祉協議会の役割、組織体制でありますが、社会福祉協議会は、社会福祉法第 109条に基づき、市民のほか、民生委員・児童委員、ボランティア団体、社会福祉施設などの関係者、保健、医療、教育など関係機関の参加、協力の下組織され、地域福祉の増進を目的とする団体であります。実態としては、民間の自主的立場をとりながらも公共性と中立性を有し、その活動財源についても、行政からの補助金や委託金などが大きなものであり、各種福祉サービスの受託など、福祉行政の補完的な性格を強くあわせ持つ組織であります。市といたしましては、社会福祉協議会の業務が多岐にわたってきておりますので、活動がより円滑に進むよう、他都市の状況も参考にしながら、今後、社会福祉協議会と協議をしてまいりたいと考えております。(「議長、5番」と呼ぶ者あり)

質問 5番 大橋一弘

成年後見センターについて、後見センターの設置についての位置づけとか、時期とか、かなり具体化してきたなという感じがしております。ただ、市民後見人の部分で横須賀市は、市のほうが直営で養成しているとか、そういう事例の中で質問させていただいたのですけれども、御答弁のほうは、何らかの支援をしたいという御答弁でありました。春からでも市民後見人制度の育成とか、そういうことが行われていくわけですけれども、何らかの支援というのは、非常に期待もできるのかもしれないし、全く期待もできないのかもしれないし、もう少しイメージのできる御答弁をちょうだいしたいと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)

杜のつどいに対する支援ですけれども、具体的にまだ要請がないものですから、それで、これから杜のつどいのほうといろいろな協議をしながら、どういった支援が必要なのか、そのあたりを明確にしてやっていきたいと思っております。

出典:小樽市議会 平成21年第4回定例会 2009年12月9日 議事録 PDF(105ページ) 間違いを知らせる