小樽市議会 平成19年第2回定例会 2007年6月25日
(1)市内経済の現状と展望について/(2)景観計画の概要と今後の進め方について/(3)北運河・手宮地区再生プランの概要と今後の進め方について
2007年6月25日、小樽市議会の一般質問で、山口保議員が「市内経済の現状と展望について」「景観計画の概要と今後の進め方について」「北運河・手宮地区再生プランの概要と今後の進め方について」について質問し、市長 山田勝麿、建設部長 嶋田和男が答弁しました。
- 質問者
- 山口保 議員
- 答弁者
- 市長 山田勝麿、建設部長 嶋田和男
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 18番 山口保
一般質問を行います。私は、議会の役割は、行政のチェック機能はもとより、議論を通してよりよい政策を実現するための場でなければならないと常々考えてまいりました。したがって、今回も3点の質問を通して、本市の抱える課題について議論をさせていただきたいと思います。今年2月、小樽信金、北海信金が中心となり、信金中央金庫総合研究所から本市経済の調査分析と活性化に向けた若干の提言が取りまとめられております。今回の調査研究は本市のさまざまな統計資料の分析とそれを基にした将来の予測、また、小樽市内、後志・札幌圏の信金所在地の事業者及び消費者アンケートを基に本市経済の現状と課題を抽出し、その克服に向けて幾つかの提言をまとめられたものであります。読ませていただく中で一番目を引きましたのは、本市の5年後、10年後の将来をこれまでの統計数値などを基に推計したところでありました。人口の将来推移については、議員定数の削減など、昨年の本議会の議論の中でも近年の年間2,000人を超える減少から類推すれば、10年後人口で12万人程度まで減少するのではないかと心配しておりましたから特に驚きませんでしたが、同様に製造業、建設業など、サービス業を除いて軒並み15パーセント以上の減少と予測をしております。特に驚きましたのは、かつて隆盛をきわめ、商都小樽の象徴であった商業も、近年はその面影もなく、その衰退ぶりは承知をしておりましたが、この調査の現状のまま推移すると仮定しての将来予測値によれば、本市の卸・小売業の10年後の販売額が現在よりほぼ半減するとしているところであります。ちなみに卸売業では、2004年の年間販売額1,606億円は2014年には830億円と、実に10年で48パーセントも減少をするとされております。小売業は、2004年の1,592億円が2014年には951億円で、約40パーセントの減少。卸、小売合わせて販売額は、2004年の3,199億円に対して、2014年には1,782億円へとほぼ半減をし、また、売上げの減少に比べて店舗数は15パーセントの減少にとどまるとしていることから、ますます厳しい経営環境を強いられると予測をしております。他の業種もほぼすべてで売上げ、事業所数、従業員数などが15パーセント程度減少するとされております。これほどまでに厳しい予測をされますと正直大変ショックであります。1990年以降、日米構造協議を受け、大店法など数々の規制が緩和され、地方には大量に大手量販店などが進出し、地域の商業は壊滅的な打撃を受け、各地にシャッター商店街を生み出しております。本市でも90年以降、91年のホーマック、マックスバリュ、ウイングベイ小樽、デンコードーなど、1,000平方メートルを超える大規模小売店舗が13店舗立地しております。さらにコンビニエンスストアなど既存店舗のチェーンストア化が進み、地域に所得が残らない経済構造ができ上がってしまったと感じてはおりましたが、確かに近年の統計指標の推移を見てみますと、これらの予測値は手をこまねいていては本当になってしまうのではないかと、私も心配になったところであります。そんな中、本市工業統計調査では、2005年、本市の製造品種価格1,600億円の43パーセントを占める食品の出荷額が約6.3パーセント増加に転じておりました。2004年には前年比で7パーセントの減少でしたから、少しはほっとしたところであります。私は、さきの信金総研の将来予測値は、本市が観光も成熟をしきり、都市としての発展の可能性が閉ざされているとすれば受け入れざるを得ないと考えますが、本市が観光都市として出発してからわずかまだ20年足らずであり、観光の経済波及効果も市内総産出額の35パーセントを占める主要産業に育ってきているとはいえ、まだ全国都市魅力度ランキング7位に位置づけられている本市のブランド力を生かしきることが十分にできていないことや、本市の持つ地形を生かした眺望や夜景などの自然景観、自然資源、そして何よりも先人の築いてこられたまち並み景観や港、手宮鉄道施設など数々の近代化遺産、そうしたまだ生かされていない歴史資源や自然景観を豊富に有していること、そして私たちにはこの他の都市が持ち得ないかけがえのない財産をひたすら磨き続け、それらを経済資源へと生まれ変わらせることができるということ、そしてまた、卸・小売業や食品などの製造業を政策によって観光にさらにリンクをさせ、観光を文字どおり、すそ野の広い産業として育て上げる余地が十分に残されていることなど、私は将来に向けてこれだけの可能性を残しているまちは、全国的に見てもまれではないかと期待をし、考えております。さらにこのまちの持つ人的資源であります。まちづくりに対する熱い思いを共有し、進んでボランティア活動に参加される多くの市民がおります。厳寒の2月、10日間もの長きにわたり連日雪あかりの路に参加される延べ1,500人もの市民の皆さん、堺町地区と花銀地区の回遊性を高めようと資金を募って、市民自身の手で妙見川沿いに昔ながらの柳の並木を復活させようと、2年がかりで柳の植樹を行ったばかりではなく、川沿いの味気のなかった白いパイプさくをまくら木のさくに取り替え、れんが歩道などの土木工事までも完成をさせた皆さんなど、市民参加のまちづくりを実践する数々の市民組織があるわけであります。だからこそ、私は今年4月の市議選に際して、夕張市の破たん以来、本市も破たんをしてしまうのではないか、また、新病院を建設しても本当に大丈夫なのかと不安がられ、戸惑っておられる市民の皆さんに対して、このまちをあきらめないでほしい、もう一度自信と誇りを取り戻してほしいと訴えてきたところであります。そして、本市行政も近年、観光基本計画が策定され、また地域経済活性化会議などを経て、新たな具体的な取組が始められようとしております。特に産業政策の立場から民間との連携が図られ、新たな商品の開発や既存商品の見直し、ブランド化への取組などが進められてきていると承知をしております。そこでお尋ねいたします。これまでの取組の状況と成果、また今後どのように進められていくのか、取組に対する決意も含めてお示しください。ところで、本市の観光は入り込み数が500万人を超えた平成4年、実は平成元年ごろから本格的に観光都市へと急速に変ぼうを遂げてきたと言えると思います。北一硝子の昭和57年の堺町立地を機に、小樽オルゴール堂、ルタオ、ホクレンふうど館、北菓楼、六花亭、最近の利尻屋みのやの活動など、堺町の場末の倉庫問屋街が、一気にほぼこの20年で本市の一大観光ゾーンへと変ぼうを遂げてきたわけであります。この間、この地域を中心に大小の投資が次々と続けられてきました。そして、今、その投資が途絶えようとしております。次々と新たな魅力をつくり出していくことで集客を維持してきた地域が力を失いつつあるわけであります。私はかねがね運河と堺町という狭いエリアだけの観光はいずれ衰退をすると申し上げてきました。先ほど例に挙げました信金総研のアンケート調査の中でも、札幌や後志など市外に住む人の来樽の頻度を聞いております。小樽へ行く頻度が年3ないし4回が40.3パーセント、月に一、二回が31.3パーセント、月3回以上が10.5パーセントと、実に8割を超える人が年三、四回以上来樽していると答えております。リピーター、特に札幌圏の人々に支えられた観光とこれまで言われてきましたが、それを裏づける結果となっております。しかし、近年、来樽の頻度が増えたと答えた人より減ったと答えた人の割合が、一方は38.2パーセント、そしてもう一方58.4パーセントと増えており、リピーターが離れていく傾向が出始めていると読むことができるのではないでしょうか。また、滞在時間も7割の人が変わらないと答えておりますけれども、短くなったと答えた人の割合が19.2パーセント、増えたと答えた人は8.5パーセント、減ったという人の方が多くなっており、心配であります。滞在時間はおおむね消費金額に比例すると言われております。この調査でも、滞在時間が二、三時間だと5,000円以上消費する人の割合は25パーセント、半日だと34パーセントにも上昇する結果になっております。私は機会あるごとに、新たな本市の交流観光の拠点創出の必要性について訴え続けてまいりました。新たな魅力を生み続けること、このことが観光客を引きつけ、また、都市としてのブランド力の維持向上につながると信じております。魅力ある商品の開発などのソフト面はもちろんでございますが、新たな魅力ある拠点づくりは滞在時間の増加につながり、来樽の動機を高めるばかりではなく、宿泊率も高めることにつながるからであります。私は、かねてより旧国鉄手宮線こそが次の拠点になり得ると主張してまいりました。それは本市の中心を横に貫き基点となる手宮地区には、国の重要文化財である手宮機関車庫3号と旧手宮鉄道施設、旧日本郵船と、往時をしのぶ北運河と石造倉庫群、また中心部には市場や中心商店街、日銀通に隣接する現存する日本最古の鉄道であります。この歴史資源に必ず経済的価値を見いだす人がいると私は信じているからであります。ところで、市長は今議会の冒頭、提案説明に先立つ3期目、今後4年間の指針ともいうべき所信の中で、財政再建を第一として、次に豊かな自然、先人が築いてきたまち並みや景観など小樽の特徴を生かしたまちづくりを進めると述べられ、次に述べられました五つの基本目標の中で、新たな観光資源の発掘、外国人観光客の誘致、滞在型観光への移行など経済波及効果の高い小樽観光を推進するとともに、建設当時の姿を残す北運河、点在する石づくり倉庫群、旧手宮線など数多くの地域資源をつなぎ、生かした新たな魅力づくりを進めると、さらに具体的に述べられております。財政困難な中でも昨年12月には旧手宮線の取得に踏みきられたこととあわせて、その決意と意欲に私は敬意を表するものであります。私は昨年7年ぶりに本市景観条例による特別景観形成地区の大幅な拡大、特に旧手宮線沿線をその範囲に含められたことを評価してまいりました。これ以上の景観の荒廃を食いとめるという強い意志と、新たな景観形成を期待する意図が感じられたからであります。また、平成17年6月の国の景観法施行に伴い、本市も昨年11月には景観法に基づく景観行政団体となり、本年度中の景観計画の策定に向け作業を進められていると承知をしております。私は本市景観条例の特別景観形成地区については、景観法による景観形成重点地区に指定されるよう求めたいと考えておりますが、今後の作業のスケジュールはどのようになりますか。また、現状どのような進ちょくぐあいなのか、お答えできる範囲で結構でございますので、お示しください。いずれにしましても、本市の景観行政は、今大きくその歩を進められようとしております。特に景観計画の策定の意図は景観保全ばかりではなく、新たな景観の創造、すなわち「創景」への期待が含まれているはずであります。特に歴史資源である旧手宮線沿線での歴史的まち並みの再現など、「創景」事業を誘発するものと期待するものであります。また、私は平成16年の第2回定例会以来、先ほど来述べさせていただきました旧手宮線と旧手宮鉄道施設、北運河・手宮地区の新たな観光拠点化、特に旧手宮鉄道施設については、列車宿泊施設化を含む私なりのプランを提供させていただいております。また、旧交通記念館は第三セクターの手を離れ、議論の末、今年7月より科学館を含む新たな社会教育施設、新博物館として、私はこの名前は認めておりませんが、スタートしようとしております。また、重要文化財であります手宮機関車庫3号は、修復作業が9月には終了するとお聞きをしております。また、広大な敷地内については、当面新博物館で現状のまま使用するものの、将来の利活用については二、三年かけて市民議論を重ね、プランをまとめると教育長の答弁もいただいております。旧手宮線の今後の整備を考えるとき、また、特に手宮地区の旧手宮線沿線の新たなまち並み整備を考えますと、この鉄道施設内の活用は一体として計画される必要があると申し上げてまいりました。そして、それが北運河一帯に集客をするかぎになると考えております。この北運河・手宮地区の基礎的再生プランは、市独自に関係地区市民や市民団体などと協議をしながら進めると、平成17年の第3回定例会でお答えをいただいております。その後、手宮地区の方々からヒアリングをされたり、庁内でも議論をされ、基本的な考え方についてはようやくまとめられ、今後、関係市民団体などと協議を始められるとお聞きをしておりますが、今後どのように進められていくのか、内容などもお示しください。これは先ほど紹介しましたように、市長も今議会冒頭、北運河や点在する石づくり倉庫群、旧手宮線など数多くの地域資源をつなぎ、生かした新たな魅力づくりを進めると決意を述べられており、多くの市民も大きな期待を持って見守っている課題でありますので、私もこれからもさまざまな提案や議論をさせていただくつもりであります。よろしくお願いを申し上げて、私の質問を終わります。なお、再質問は留保いたします。(拍手)
答弁 市長 山田勝麿(市長は2011年3月まで)
山口議員の御質問にお答えいたします。まず、市が民間と連携して進めている商品開発やブランド化についてでありますけれども、東アジアに向けた地場産品の販路拡大を図るため、平成16年度から、東アジア経済研究会がマーケットリサーチ事業を実施しております。この3年間、継続して香港や台湾の百貨店の物産展へ出展するとともに、市場調査や商談会を開催した結果、現地企業から商品の引き合いがあり、継続的な取引を行う企業が生まれております。また、将来に向けて、こうした国際商取引や新たな商品開発を実践できる人材の育成を目的としたセミナーを開催するとともに、既存商品の付加価値を高めるため、北海道の道産食品登録制度を活用した「おたる小箱」の製作にも取り組んだところであります。このように小樽のブランド力や伝統的な技術、さらには産業遺産など小樽の強みとなり得る地域資源を活用し、商品の差別化や高付加価値化を図り、また、商圏の拡大を図る企業や団体を支援することは、企業の競争力を高めるとともに、まちのイメージアップにもつながることから、有効な産業施策の一つであると考えております。市といたしましては、今後とも地場産品の販路拡大やブランド化にかかわる取組を支援するとともに、経済産業省の中小企業地域資源活用プログラムなど国の新経済成長戦略に基づく各種施策と連動させながら、地域経済の活性化に努めてまいりたいと考えております。次に、景観計画についての御質問でありますけれども、初めに今後の景観計画策定の作業のスケジュールでありますけれども、昨年11月に景観行政団体になってから、景観審議会の中にワーキンググループを設置して鋭意作業を進めております。景観計画は本年12月に概要をまとめ、その後、市民などからのパブリックコメントの募集や都市計画審議会からの意見をお聞きし、年度内に景観計画を策定したいと考えております。また、この景観計画の実行性を担保するため、現行景観条例に景観計画の要素を盛り込むための条例改正作業につきましても、引き続き行ってまいります。次に、景観計画策定の進ちょく状況でありますけれども、ワーキンググループでは現地調査や資料の分析などの基礎作業を終えて、現在、景観計画の対象区域を小樽市全域とすることや、特別景観形成地区については引き続き重点区域として指定する方向で検討しております。今後は、景観計画区域内の建築物などの形態、色彩、その他の意匠の制限について検討を行う予定となっております。次に、北運河・手宮地区の再生プランの進め方と内容でありますけれども、北運河・手宮地区の再生に向け、昨年度より手宮地区の方々などとの懇談会を開催し、議論を進めてまいりました。その中でこの地区は、建設当時の姿を残す北運河、重要文化財の旧日本郵船小樽支店、旧手宮線など近代化遺産、歴史遺産が数多くありまして、まちづくりや観光振興にとって重要な位置を占めていることから、地域資源の活用方策についてさらに検討する必要があるとの意見が出されました。そのためこれらの意見を踏まえ、今後旧手宮線をはじめ数多くあります地域資源をつなぎ、それらを生かした新たな魅力づくりを進めるための方策について広く市民の方々と協議する場を設けて、北運河・手宮地区の再生に取り組みたいというふうに考えております。(「議長、18番」と呼ぶ者あり)
質問 18番 山口保
詳しくは予算特別委員会でやりますけれども、1点だけです。北運河・手宮地区の再生プランについてはお答えいただきましたけれども、これまでの答弁では二、三年をかけてということでスケジュールを示されておりますけれども、おおよそまとめられるめどはいつごろになるのか、もしお答えできればお願いします。
答弁 建設部長 嶋田和男(建設部長は2009年3月まで)
山口議員の再質問にお答えいたします。北運河地域の再生プランにつきましては、今、鋭意作業をやってございまして、できるだけ早くというふうに考えております。今考えているスケジュールとしましては、できれば19年度中に方向性を示したいというふうに考えてございます。