ニセコ町議会 令和7年第7回定例会 2025年9月24日
ニセコ町所有の水道水源地の所有権訴訟の説明責任について
2025年9月24日、ニセコ町議会の一般質問で、斉藤うめ子議員が「ニセコ町所有の水道水源地の所有権訴訟の説明責任について」質問し、町長 片山健也が答弁しました。
- 質問者
- 斉藤うめ子 議員
- 答弁者
- 町長 片山健也
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 7番 斉藤うめ子
緑の党グリーンズジャパンの斉藤うめ子です。通告に従いまして、2 件質問させていただきます。1 件目、ニセコ町所有の水道水源地の所有権訴訟の説明責任について、町長に伺います。8 月初めに突然送られてきた「ニセコ町水道水源を守る嘆願書名」に町民の皆様は大変驚かれたのではないでしょうか。その理由はわずか 1 枚の紙に 1000 字ほどの文字で書かれています。しかし、これで町民の皆様は納得いかれるでしょうか。町は「ニセコ町まちづくり基本条例」の基本原則に則り、現在係争中の訴訟の説明責任があると思います。今こそ「情報共有」の原則に基づき、私たち町民がまちづくりに関する大変重要な情報である「水道水源」の裁判の経緯を町民の皆様に丁寧に説明し、理解を共有してもらう必要があると思います。町の今後の対応について伺います。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
おはようございます。どうぞよろしくお願いいたします。まず最初に、現在の所有権移転登記手続請求控訴事件におけるこのたびの嘆願署名におきまして4は、町民の皆様並びに町外からも多くの御署名をいただき、心から厚く感謝を申し上げる次第であります。それでは、斉藤議員の御質問にお答えいたします。御指摘のとおり、まちづくり基本条例第 2 条においてまちづくりに関する情報を共有することを基本とすることが規定され、これまでもまちづくりを進めるに当たり、情報共有と住民参加を基本に進めてまいりました。一方、条例第 9 条においては、個人情報の保護についても個人の権利や利益が侵害されないよう、町が必要な措置を講ずることも盛り込まれ、さらにニセコ町情報公開条例第 7 条では公開してはならない町政情報を規定し、その中に「個人の氏名・思想・宗教・身体的特徴・健康状況・家族構成・学歴職歴・住所・所属団体・財産所得等に関する情報、事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く」というのがありますが、こういうことがあって特定の個人が識別され、または識別されうるもののうち一般に他人に知られたくないと望むことが正当であると認められる情報は公開しない規定となってございます。今回の裁判記録には相手方の個人情報が記載され、町が公開することで個人情報が漏えいし、相手に損害を与える可能性や裁判に影響する可能性も踏まえ、代理人弁護士とも相談の上、必要最小限の情報を提供するに至った経緯がございます。確かに情報を全て共有することで町民の皆さんの理解がもっと進み、まちづくりを考える上で理解を共有できることかもしれませんが、裁判の詳細につきましては現在も係争中の裁判であることを踏まえ、個人情報がSNSなどで拡散され、誹謗中傷の窓となるリスクを防いでいくこと、また、裁判の適正な進行の確保、当事者双方の主張や証拠に関する情報が訴訟の結果への影響、和解協議への影響を及ぼす可能性があることなどを考慮して、必要最小限の情報提供となった経緯がございます。今後も町民の皆さんとの情報共有や公表の在り方については、事案ごとに丁寧に検討してまいりたいと考えておりますので、御理解をよろしくお願いを申し上げます。
議員の質問 7番 斉藤うめ子
ただいまの町長の説明で公開できないものもある、情報公開と言ってもできない事情があるという説明でしたけれども、その前にですね、ぜひ伺いたいことがあります。それは、今回のこの水道水源保護地域の所有権訴訟のことについて、嘆願署名を町民の方に 8 月の初めに配られました。町民の皆様はこれを読まれて、ニセコ町が所有してる水道水源地と水道水源保護地域を一体に考えられているのではないかと思われます。それが突然、ニセコ町が無断で売買した土地であるとの理由で強力な返還を求められ、返還したらもう水が止められるのではないかと不安に駆られた町民の方もいらっしゃることは、私も聞き取り調査で感じました。それから、メディアでも報道されてますけれども、そこのところの水道水源地とその周辺の保護地域の関係、それがまだ理解されてないような気がいたしました。それでこの嘆願署名を読んで、直ちに止められたら困るということで、もう水はまさに生命そのものですので、そういう不安を町民の方はお持ちになられたような気がしました。しかし、これもともとこの土地を買う前にですね、2011 年 5 月 1 日にニセコ町では水道水源保護条例というのが施行されています。そしてこの土地を買い取ったのは、それからほぼ 2 年後ですね、52013 年の 1 月 7 日ですが、以前からこの土地がなくても水道水は供給されていたわけです。ただ、この条例ができたのは、ニセコエリアでの開発がどんどん進んでいって、水道水源地周辺の土地が勝手に売買されたり開発されたりして影響されないようにという条件でこういう保護条例ができたわけですから、これがまさに今回町民にもう一度説明する必要があるのではないかなと私は思いました。その上で直ちに、水道が止められるとかそういう不安を町民の皆様に払拭していただく、これからどういうふうな展開をするか分かりませんけれども、そういう理解をしていただくことは必要ではないかと思います。そういう意味で、最低限プライバシーとか、先ほど町長もいろいろずらっと並べておっしゃられましたけれども、そういう問題を抱えているにしても、原告から所有権を訴えられ、また控訴するための予算を計上した。それは少なくても議会は説明を受けてます。全員協議会とか、それから臨時会でもありました。ただ、この問題というのは非常に複雑で、一応いろんな角度から説明はしていただいてますけれども、本当になぜこんなことになったのだろうとか、まだ私たちも本当に理解していないのではないかというところがあります。多分町もそうじゃないかと思うんですけれども、今裁判は高裁に控訴して続けているわけですけれども、まずそういう問題を払拭する、私は少なくても議会に裁判所からこういう訴状が来たことを公開してもよかったのではないかなというふうに思っています。この 2023 年の時点で。町長の今の説明ではそれはちょっと難しいという説明だったんですけれども、どこまで公開できるのか、何よりもこのまちづくり基本条例の中では、町民と情報を共有して、住民に参加してもらって、住民のそれこそ英知を集めて検討する住民参加のまちづくりですから、今回の問題はやはりそれを一番大切に生かす機会だと思っております。それで、これからどういうふうにするのか、その書類ですね、原告がニセコ町に送ってきた書類とか、それからかなり時間は経ちましたけれども、町民の皆様が閲覧できるように公開することが可能なのか。また、ニセコ町がそれに対して提出した陳述書ですか、どんな答え方をしたのか。町からはかいつまんで、町なりの解釈も含めて説明してるわけですから、そこを私たち一人ひとりがきっちりもう一度理解するというか、検討する必要があるのではないかなと思っています。ですから、公開していたいただけないかと思っています。それから、これ非常に複雑な経緯をたどってますので疑問はいろいろあるんですけれども、町からの説明に従いますとですね、この水道水源保護条例ができて、それとほぼ同じぐらいの時期ですか、持ち主さんからその周辺土地の売却の交渉が始まったわけですね。そして 2 年後の 2013 年、平成 25年にこれを購入したわけです。ところが、それから 10 年以上過ぎて、原告からその所有権は私たちのものであって、ニセコ町のものではないという訴えが来た。その流れをもうちょっと説明して住民と話合いをする。ニセコ町の中にも弁護士さんとか、そういう土地や家屋に詳しい行政書士さん、司法書士さんもいらっしゃることですから、また町外からも協力してくださる方にいろんな意見をお聞きして、打開策を検討されてはいかがかなと思ってます。今の段階では、和解策として所有権移転するために 5 億円を払ってくれという元の値段の 40 倍の費用を請求されているわけですけれども、あまりにも高過ぎるということでこれから検討されるかと思いますけれども、その辺のところをですね、もっときちっと町民の私たちに、少なくともまず議6会に詳しく説明していただいて、原本を見せていただく、そういうことはできないものでしょうか、町長に伺います。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
まず町民の皆さんにも一部水源地ではないかという誤解を生んだということで、説明不足に対しましては大変申し訳なく思っております。先ほど議員からも御指摘ありましたとおり、平成 23 年にニセコ町水道水源保護条例をつくらせていただきました。これには経緯がありまして、1999 年から私たちはニセコのまちをどうやって将来へ持続させるかという話合いをしながら、ニセコ町環境基本計画というのをつくらせていただきました。そのときのタイトルは「水環境のまちニセコ」でございます。徹底して水を守るまちにしようという決意を、ニセコ町の環境基本計画に取りまとめたという経緯があります。そういった流れの中で、平成 23 年 5 月 1 日に議会の皆さんの賛同を得て、この条例を施行させていただきました。それに当たりまして、当然私ども開発規制をしておりますので、この羊蹄の水源地はもともと町の土地でありますが、それに集水区域ってよく言いますけど、雨が降って流れて入ってくるいわゆる集水エリアを、この水資源保全審議会の中で専門家の皆さんにも入っていただいて御議論をいただき集水区域を決めました。その地域においては開発はできないということで、細かな規定も全部地権者に対して送らせていただきました。この中で、当然売買等困難になる事例もありますので、その中で打診があったところではこういうことなら町が買ってくれという中身の要望もありました。そういった経緯の中で、現在の訴訟になっている土地も 1 年強にわたっての売買交渉の結果、買わせていただいたものでございます。当然町の水道水源保護条例にも入っている土地でありますし、その 1 年後に北海道の水資源の条例ができました。今現在ここを売買しようとすると、北海道に届出を行うということになっておりまして、北海道から当該、私どもの町もこの地番も全部告示されているエリアでありますので、当然私たちに照会があって、それらの妥当性について意見を述べるというような手続になっているところであります。当然、土地の所有権は私どもは主張しているというのは我々の考えであります。このことは、先般札幌地方裁判所に私が行って、町としての考えを述べさせていただきました。過去の判例ではそこに建物があること、あるいはその土地に柵や塀を回して自分の土地だと主張していること、それが物理的な占有に当たるということでありまして、ニセコ町の場合は建物を建てていない、あるいは 17 ヘクタールにわたって塀というか柵をめぐらしていないので弱いと言われておりますが、私どもは議会で諮った条例で、私たちはこのエリアを守るんだと主張していると。ちゃんと告示もして道にも出しているということを、現在裁判所に訴えてきたところであります。過去の判例はどうあれ、そこはきちっと裁判官にも現在審議されていると思いますので、御理解をいただきたいというのが私たちの基本的な考え方であります。こういった面で住民の皆さんへの周知が足りなかったということについては、率直にお詫びを申し上げたいと思います。ただ、訴訟内容につきましては、当然裁判所の最終的な判断が出ていないわけでありますので、そこに裁判官の心証を含めて影響を与えてはいけないということもあって、弁護士さんのアドバイスもいただきながら、情報については現在までのような状況になっているということでありますので、斉藤議員御指摘の7公開につきましても、裁判の現在の進行状況を見ながら弁護士とも相談して、逐次対応してまいりたいと考えておりますのでどうぞよろしくお願いいたします。
議員の質問 7番 斉藤うめ子
町長からの答弁で道のほうにもこの水条例のことをお伝えしてると説明がありましたけれども、ちょっといろいろ調べてましたらね、これはニセコ町もちろんニセコ町だけの問題ではなくて周辺ももちろんですけれども、北海道全体の問題、ましてや国全体の問題ですから、ニセコ町が 2011 年にこの水道水源保護条例を出してますけれども、それから 2 年後の 2014 年に国が水循環基本法というのを交付してます。そして一番最近では 2021 年になってますけれども改定を経ていますが、この水問題というのは今現在は各自治体だけで管理するようですけれども、そういう問題じゃなくて、生命の源ですからやっぱり国全体で、国がやはり日本人の水を守るという方向にいかなければ、各自治体でいろんな問題が起こったときに不安になると思うんです。ですから、これはニセコ町として、やはり道はもちろんですけれども、国のほうにもこの水循環基本法をもっとしっかりと強固なものにして、日本人の水は必ず守るという方向に行けるよう働きかけをしてはいかがかなと思ってます。「水は生命の源である。絶えず地球上を循環し、大気・土壌等のほかの環境の自然的構成要素を相互に作用しながら、人を含む多様な生態系に多大な恩恵を与え続けてきた。また、水は循環する過程において人の生活に潤いを与え、産業や文化の発展に重要な役割を果たしてきた。特に我が国では国土の多くが森林に覆われている・・・」ずっと続くんですけれども、ニセコ町のような、日本がそうなんですけれども、直接このように安全な水を私たちが飲めるという国は世界では本当に指数えるほどないということも聞いております。ですからこの水問題というのは非常に大きな問題ですから、むしろ国のレベルに行くように検討されてはいかがかと思っています。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
ただいまの御質問にお答えさせていただきたいと思います。水資源保全全国自治体連絡会、私たち今 160 ぐらいの自治体が加盟して入っております。それだけ多くの危機感を持った市町村の首長の集まりでありますし、ニセコでも御承知のとおり全国大会も開かせていただいたところでございます。この中でも、この連絡会はこれまで私も副会長をやらせていただきましたが、国交省の水部隊の皆さんとも毎回意見交換をさせていただいてきたところであります。私ども自治体からも相当、国に対してこれまでの活動をお願いをし、水循環基本法ができまた。これまで水っていうのは土地に付随する財産的なものが多かったわけでありますが、初めて公共、国民の財産であるという規定が水に規定がされました。そして初めて水は公共のものだという概念が入ってきました。私たちはこれまでも、ニセコ町の水道水源保護条例、地下水保全条例つくらせていただいたときも、住民の皆さんと協議する中では、それはやっぱり国がつくるべきじゃないのかという話もありました。しかし、当時私もその場で答えさせていただきましたけど、日本の場合は、例えば公害防止自体を考えても、四日市が公害防止条例をつくる。そのあと、東京都がさらにそういったものをつくる、8それが普遍化をして公害防止を組んでいくというような流れが日本の場合多いので、やっぱりどこかの町が先導的に水を守るという決意を持つということが重要ではないかと。そのときに、あえて条例制定に当たっては単なる理念条例で終わっては駄目だということで、当時懲役と罰金も検察へ立件できるということでありましたので、検察とも協議をさせていただいて議会に諮ってこの条例をつくらせていただいたということであります。国に対しての働きかけにつきましては、これまでも実際何度も、水資源保全全国自治体連絡会、あるいは私がそういったところに行っても一貫してお願いしているのは、国の法律において各自治体の条例に横出し上乗せ含めて、財産権でもバッティングもありますが、自治体独自の規制についていいよという、いわゆる授権的な自治体に委任する項目を 1 項目入れてほしいということは一貫して言っておりますので、今後ともそういう発言は継続してお願いしていきたいと思っています。この水問題につきましては判決がどうなるかは私どもも正直言って分かりません。裁判官 3 名が合議して判断されると思いますが、水資源保全条例とか地域を自治体が指定をしてそこに建物を建ててはいけないとか、いろんな規制を設けるっていうのは日本で初めて、新たな概念なんですよね。町で立件までして懲役、今拘禁刑ですけど、つけることにしておりますし。判断としては、ひょっとしたら本当に新たな判例ができるようになるかもしれませんし、そこは法的な応援も得ながら、今を進めていきたいと考えておりますので、ぜひともその辺御理解をいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。