ニセコ町議会 令和3年第9回定例会 2021年9月14日
政府のデジタル化推進と町の地方自治の立場について
2021年9月14日、ニセコ町議会の一般質問で、高木直良議員が「政府のデジタル化推進と町の地方自治の立場について」質問し、町長 片山健也が答弁しました。
- 質問者
- 高木直良 議員
- 答弁者
- 町長 片山健也
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 8番 高木直良
3問目であります。政府のデジタル化推進と町の地方自治の立場について。政府は9月1日、デジタル庁を立ち上げて業務を開始しました。行政手続きのオンライン化など、国や地方自治体のデジタル化を加速させることが狙いとされておりますが、総務省は「カスタマイズは想定していない」、「国が定めた標準に自治体が従うことは努力義務ではなく義務としたい」旨の発言をしています。自治体が独自の施策や独自の住民サービスを行うためのカスタマイズは、極めて困難となるとも報じられています。以下お尋ねします。(1)「地方公共団体情報システムの標準化法第 10 条」では、国による自治体システムの標準化・共同化・集約化について、自治体の努力義務を掲げております。こうした国の施策について、民主主義や地方自治の観点から町長の所見を伺いたいと思います。(2)デジタル庁の発足によって、町の業務に当面どのような変化が起きてくると想定していますでしょうか。これまで利用しております「北海道自治体情報システム協議会」、ここにニセコ町も加盟しておりますが、その各種システムとの関係、例えば土木積算とか徴税の計算、町営住宅家賃徴収、上下水道料金徴収、GISも含まれているのかと思いますが、これはどのようなことになっていくでしょうか。(3)町独自で政策的に実施している各種サービスの独自軽減措置等はどうなるんでしょうか。統一・標準化によってシステムに業務内容を合わせる結果になってしまわないか。(4)町独自サービスの維持のためのカスタマイズを保障するように、山麓あるいは後志町村全体で政府に要請すべきと考えますがいかがでしょうか。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
ただいまのご質問にお答えいたします。1 点目の質問でございますが、自治体システムの標準化につきまして、この共通化は現在国が基幹システム系の住民基本台帳など 17 の業務において、原則 2025 年の実施を目指して、その標準仕様の作成などの作業を進めているというような状況でございます。これまで地方自治体が法律に基づいてシステムを独自に整え、住民に利用していただいておりますが、国で法整備された仕組みは本来国の責任のもとシステムなどを整備し、自治体に対し提供すべきものと考えております。今回の標準化・共通化する 17 業務においても、国で整備した法律に沿って整備されるものと考えており、その取組自体は良いことというふうに私は考えております。ただ、具体的な作業に関しては、例えば国と地方の協議の場をはじめ、自治体の現場実態に即したものとなるよう、地方自治体の参加のもとに実施されることが不可欠であるというふうに考えております。26次に 2 点目の質問でございますが、デジタル庁が 9 月 1 日にされたばかりで、詳しい内容の制度設計はこれからのことというふうに承知をしております。今の段階で想定されるものは、国が示している地方自治体DX推進計画及び手順書により、まずは計画に示されたステップを踏み、必要な措置を取り進める必要があるものと考えております。標準化するシステム 17 業務につきましては、まだその標準仕様がどうなるか全く決まっていないという状況ですので、具体的にどのようになるかが見えてくる段階で、そのシステム移行に伴うデータの移行作業であるとか、職員の操作はどうなのかとか住民との関係はどんなかたちになるのかというものを、一つ一つ検証しながら考えて進めていきたいというように考えております。次に 3 点目と 4 点目の質問でございますが、独自軽減措置について現在標準仕様やシステムの仕組みが定まっていないため、具体的にどうなるかは不明ですので、これについてはなかなかお答えしづらいというところであります。国との情報協議を進めながら、必要に応じて国に対して意見などは伝えていきたいというふうに考えておりますが、今般の取組は全自治体のことでありますので、全国町村会や全国市長会を中心に国との協議が進められるものというふうに考えております。今後ともこれらの情報を収集に努めてまいりたいと考えておりますのでよろしくお願いをいたします。
議員の質問 8番 高木直良
現在、北海道自治体情報システム協議会には 30 ちょっとの組織が加盟してると思います。それで今年の 4 月ですか、片山町長がこの協議会の会長になられました。その中で挨拶をされておりますが、社会の要請に応え、デジタル化が地域に根づき、デジタル化が進み得ることのできる恩恵をどのようにとらえ、情報の力によってどのように地域をデザインしていくのか、共同体である協議会会員市町村の皆様と常に将来を考え、新たな時代の実現に向け一歩一歩着実に歩んでいきますというご挨拶が載っております。その上で、今ある北海道自治体情報システムに道内の 30 ちょっとの組織が加入しておりますが、これとの関わりが標準化によってどうなっていくのかという事によっては、非常に行政の内容に影響が出てくるんではないかという危惧をいたします。例えば、これは国がやってるわけじゃないのですが、富山県の事例なんですけれども、富山県としてシステムを一つにしてるらしいんですけれども、その中である市がカスタマイズ、つまり自分のところ独自の行政内容でカスタマイズしようということで求めたんですけれども、これには相当お金がかかるんですよっていうことで困難になったという事例が起きてます。それから私自身が経験した中で、これは国のデジタル化とは違うんですが、この北海道の自治体情報システムを使ってる中で、例えば私の質問したのは国保の来年度からの実施の軽減措置の前倒しができないかといったときに、200 万円相当のカスタマイズの費用がかかりますという話があって、だから難しいんですというお話がありました。こういった事例のように、町独自のいろんな福祉策で経年措置がありますけれども、そういうものにブレーキがかかってしまうんじゃないかっていう恐れがあります。そういう意味で全国市長会とか町村長会からの申入れとか、そういうやりとりは今後あるかもしれませんが、そういった今の北海道自治体情報システム協会の会長としての立場からも、ぜひこの国が進めているデジタルガバメント実行計画、25 年までにつくるということでありますが、先回りしながらこの要望をあげてい27く、間違っても地方自治体が自治として進めようとしてる中身にブレーキがかかるというようなことがないように、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。いかがでしょうか。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
先般全国自治体交流会、私が共同代表をやらせていただいたり、それから提言実践首長会の合同会議がありまして、この総務省の制度設計をしている担当官に出席いただいて、その中でこの議論をさせていただきました。その中で私のほうから強く総務省にお願いしたのが、私ども北海道では独自に情報システム協議会をつくって、みんなで共同でできるだけ安くして簡便な方法でということでこれまでシステム開発してきたと。それが極端に言うと、国のものを導入することによって、二重三重の投資になるようなことは避けてほしいと。それは国がある程度応援するにしても、自治体の人的負担あるいは経費的な負担も相当発生する恐れがありますので、その辺の標準様式をなるべく早めに提示してほしいというお願いをしました。それとこれまでの国会議論を見ていますと、例えば厚生労働省の岡崎審議官が国会における答弁において、自治体の独自政策を制約するものではないということを言っておりますし、そういう面では私は標準化っていうのは本当に大事なことだと思います。全国の国民の皆さんが等しくアクセスできる、自宅にいても見られるような仕組みというのはやっぱり標準化をしないと無理だと思いますが、そこはその標準化をカスタマイズするっていうよりは、例えばニセコ町で独自軽減をしているとすれば、そのことのシステムを町独自で持っていくという今ある制度をうまく活用する中から、独自のものをこれから整備していくってことも重要かなというふうに思っていますので、今回の標準化にあたって全部国の制度設計のとおりやらなきゃいけないとなると、地方自治体の自己自立っていうのは全く吹き飛んでしまいますので、そこはニセコ町に合わせたものをきちっと残していく、そのような制度設計でできるように、国に対して引き続きお願いといいますか、要請 をしていきたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
議員の質問 8番 高木直良
やはり地方自治を動かさないようにっていうか、むしろ地方自治を充実させていくっていう方向で、これを捉えていくというお話だったと思います。その上でデジタル庁が今進めようとしている地方や全国の国の行政、これを一元化しようという流れがやっぱりできてしまうのではないかと。その中の一つとして、今政府行政庁が昨年 10 月から運用を開始しているクラウド化は、外資のアマゾン傘下のAWSという企業に発注されたようです。そして、デジタル庁が前から盛んに言っていますマイナンバーカードを普及させて活用していくというのが前提で構成されていきます。現在、ナンバーカードは全国では 36%程度、ニセコ町の場合 7 月末現在 33%ぐらいかなと私はみたわけですけれども、これは政府が思うようには進んでないんですよね。なぜかっていうと、やはり今の政府に対する不信感といいますかね、自分のデータを預けることについての不信感がやっぱりブレーキになっていると思います。将来例えば、銀行口座に全て紐づけされちゃうとか、あるいは情報の漏えいとか不正使用とか、そういった個人情報が不正に使われたり、あるいはいろんな意味で監視されてるんじゃないかとか、やっぱり政府の今までの情報の扱い方に対する不信があるもんですから、非常にそれはある程度やむを得ない状況になっていると思うんです。い28ろいろ自治体あるいは個人生活にデジタル化が浸透していって便利になる側面がある一方で、やはり情報漏えいとか不正使用とか、そういったマイナスの側面、それをいかに防ぐかということも大きな課題になっております。その意味で本当に先程言った統一仕様でやっていくということが地方自治体の自治の本当にプラスになっているかどうかっていうのは、注意をしながら進めていかなければならないというふうに考えます。その意味で繰り返しになりますけれども、ぜひ今後の、これから 25 年度までにはつくっていくということでありますが、機会を捉えてニセコ町、あるいは山麓、後志全体で、自治さらなる発展のために不安な要素については除去するよう、強く発信していただきたいと思います。もし所見があればお願いいたします。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
現在、国で様々なデータと言いますか、そういった共有化の仕組みをつくっておられますけれども、今回のコロナワクチン関係のV-SYSというシステム自体も大変使いづらい制度でありまして、例えばワクチンだったりお薬手帳みたいのものは、既に日本社会にいっぱいいいシステムがあるにも関わらず、国が独自開発することによって逆に使いづらいというものがあると思います。現在の住民票のマイナンバーカード自体もFeliCaを初め様々な仕組みが既にあるにも関わらず、独自なものを使った結果、汎用性が非常に何といいますか、限定的になっているというような実態がありまして、このことを国のそれなりの皆さんとお話しするときは、いつもそういった現場で既にもう動いていること、例えば今回の標準様式も全国の自治体でそれぞれのグループを組んで、もう既にいいものがあるんですよね。まずそこの現場実態を見て、これなら全国展開してもいいよねというもの、作業しやすい状況のものを選ぶなり、確保するなり検討いただきたいということは先般の会議でも総務省の方に申し上げたところであります。高木議員がご懸念の情報の管理で紐づけされて、集中的なことで個人のプライバシー、あるいは自治体 の自己決定権が阻害されることがないかということは、私自身も地方自治の立場としてはきちっと検証しながら、またいろんな場で情報共有させていただければありがたいと思っています。よろしくお願いいたします。