ニセコ町議会 令和8年第4回定例会 2026年6月17日
ニセコミライ事業に関し、町が適切に果たすべき役割について
2026年6月17日、ニセコ町議会の一般質問で、高木直良議員が「ニセコミライ事業に関し、町が適切に果たすべき役割について」質問し、町長 田中健人、企画環境課参事 川埜満寿夫、副町長 山本契太が答弁しました。
- 質問者
- 高木直良 議員
- 答弁者
- 町長 田中健人、企画環境課参事 川埜満寿夫、副町長 山本契太
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 3番 高木直良
はい、4 つ目の質問です。ニセコミライ事業に関し、町が適切に果たすべき役割について。ニセコミライ第 2 第 3 工区の事業説明会が 5 月 7 日、株式会社ニセコまち主催で開催され、参加町民からその内容についての疑問や意見が多く出されました。今後の事業の町民理解と事業の持続性を確立するために、以下質問いたします。①第 3 工区に予定されている会員制プライベートレジデンス計画を見直し、町として地元金融機関との協調を図り、資金面での不安解消を主導すべきではないでしょうか。②ニセコミライ街区では、UH0.20、等級 7 を標準としていることで建築コストが高額とならざるを得ないため、町民の取得が困難になっていると思います。今後の分譲、賃貸建物の全てをこの基準としないで、等級を下げた物件も混在させるように助言してみてはいかがでしょうか。
答弁 町長 田中健人
高木議員の質問にそれぞれお答えしてまいります。まず 1 点目についてでございますが、株主総会での報告及びニセコまちによる今年 5 月 7日における地域の方向けの事業説明会、あるいは 5 月 21 日においては議会議員の皆様へニセコまちのほうから説明をする場があったかと思います。現時点において直ちにニセコまちの資金繰りに支障が生じるという状況ではないということは認識をしております。なお、このニセコミライ事業については、住宅不足という長年の町の課題解消を一つの目的に取り組んでいるものでございます。現在第 1 工区が完成し、町内外からの需要に対し 5棟 41 戸の住宅供給となっているというところです。今後も順次整備を計画しているというところですが、近年の経済状況、社会状況の変化などにより、金融機関からの新規の資金調達の壁のハードルがどんどん高くなっていると聞いております。このため、繰り返しですけども、資金面で不安があるからではなく、資金調達のハードルをクリアし、かつ経営の安定性、また、議員御指摘の持続性を担保しながら地域住民向けに住宅供給を着実に進めるために、今回質問にある会員制プライベートレジデンスという方法も含め、事業手法の見直しを行っていると説明を受けているところでございます。次に 2 点目についてです。ニセコミライ事業について、当時SDGs街区とも呼ばれておりましたが、国からSDGs未来都市の選定を受ける際に中核事業に本事業が位置づけられたというものでございます。この事業は地域の持続性を高めるために、単に住宅供給に限らず、環境負荷軽減対策、域外流出を抑え、地域に資産を残す域内経済循環の向上、住民自治による活発なコミュニティー活動の推進など、町がこれまで取り組んできたものを土台27としつつ、これらのさらなる前進に向けてチャレンジをしていく性格を有するものと認識をしております。さらに付け加えると、その成果はこの街区に限らず、町内のそのほかの地域あるいは社会全体へと波及をさせていくことを目指している事業となっております。御質問の環境性能に関する技術的な基準についてでございますが、前述のニセコみらい事業の目的や使命に強く関係する部分と認識をしております。この基準については、ニセコ町の気象そのほかの条件において経済循環の機能があり、環境負荷を軽減させ、同時に健康被害を軽減させるものであると考えております。このことは室内環境を最大限に良質にすることができる建物性能を長期間に担保しつつ、現状の本町の他の分譲価格の実態よりも実質的には安く実施されており、これは従来これまで実証実験等から見いだしてきた実績でもあると受け止めております。このようにニセコミライの取組については、決して高価で、いわゆる贅沢な住宅を供給することではなく、確かに物価高騰や原価の高騰によって高額になっている部分もございますが、日本においては近い将来スタンダードな住環境として受入れられるものであると認識をしております。このため、町として事業の方向性についての見直しや助言をしていくことについては、現時点では想定をしていないというところでございます。ただし町民や町外の交流人口に対し、既に 5 棟 41 戸の住宅供給も進んでいるというところを含め、今後は需要の多い賃貸住宅の建設を早めて、町からも町民が活用しやすい何らかの支援を検討していきたいと考えております。環境負荷が低減された高品質で耐久性の高い住宅を地域に多く早く提供できるように、今後も引き続きニセコまちに申入れとあわせて協議を行っていきたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
議員の再質問 3番 高木直良
1 点目について再質問です。ちょっと紹介したいと思います。会員制プライベートレジデンス計画というのは何か。これは今コマーシャルがホームページ上に出されておりますけれども、概要をちょっと紹介させていただきます。敷地面積 1094.09、土地権利は一般定期借地権で供用開始日から 50年間、建築面積は 371.19 平米、延べ床面積 751.43 平米。構造・階数、木造の 3 階建て、合金メッキ鋼板吹き、販売の代理と施設運営は株式会社ニセコまちですが、売主と広告主は別会社となっております。広さや回数で異なるつのタイプの物件を販売するもので、年間一口で 10 泊の会員権が取得できます。そのほか費用としては、この会員権分の費用と年会費、借地料、火災保険料、固定資産税、宿泊税が実費負担となっています。そのほか会員権を購入のときに償却保証金を預けることになっております。3 階部分のペントハウスと言われる部分は、年間の契約、会員権ですね、これが 3,685 万円。そのほかに年会費 79 万 2,000 円、宿泊料金 1 泊 5 万 9,400 円。以下、ランクが 3 つあります。これに年間一口 10 泊、但し書きがありまして、10 泊のうち 12 月 1 日から 3 月 31日の雪のシーズンは 3 泊に制限されています。なぜ私がこれを紹介するかというと、見直しを求める理由の一つとして、これが果たして富裕層にとって魅力的な物件と言えるのか。特28にこのニセコに来て、シーズン中 3 泊しかできない。3,000 万以上 4,000 万近いお金を出して、これが事業として成り立つのか、非常に心配です。非常にリスクのある事業ではないかということが一つございます。広告見ますと「相互扶助の 100 年を現在の建築言語で継ぐ試みです」というような宣伝文句もあります。一定の裕福と思われる人が買うわけですけども、こういった宣伝文句が心に響いて、この物件がいいなというふうに本当に思うでしょうか。私は非常に疑問です。理由の一つが、販売によって得た利益といいますか収益を、何のためかっていうと、賃貸住宅を建設するには 1 棟約 2 億円ぐらいかかるけれども、今お金がないんですっていうことをはっきり言ってるわけです。ニセコミライは今紹介したレジデンスを販売して、その販売額によって賃貸ができるんですということを、7 日のときも繰り返し言ってましたよね。そういうことでいうと、本当に売れるものなのかっていうのは私はもう本当に疑わしく、この広告を見て感じました。そういうことで、一つは事業性に非常に疑問があると。それと同時に私がもう一つ疑問なのは、先ほど町長からニセコミライ街区の目的について述べられましたが、その目的の中には含まれない物件だと私は思います。街区の中に宿泊税を取るような宿泊施設、しかも町民を相手にはしてないわけです。どこか都市の富裕層を相手にして、広告を打って売却しようということでありますけれども、私はそういった物件をこの街区の中に賃貸と並べて、賃貸の向かい側のエリア、確かに羊蹄山の眺望がいいところでありますが、そういうところ、街区の中につくってということに私はものすごく違和感を感じておりますし、当初の街区の目的からは逸脱してるものだと考えます。私は一刻も早く町民が買い取ったり、あるいは借りたりする分譲の住宅や賃貸住宅を安定的に供給するということは、絶対に必要だと思っております。株式会社ニセコまちは資金面では困っていないかのような説明がありましたが、7 日の説明では売上によってしかできないと。それであれば、町の役割は地元の金融機関に対して、この事業は町民のため、それから持続性可能性のある大事な仕事である、決してリスクが多い仕事ではないんだというプランを会社と一緒になって、金融会社に長期安定した融資をしてくださいとお願いすべきだと思います。そして必ず融資を引き出すと。そのことが町の役割だと私は思っております。その点についてどのようにお考えでしょうか。
答弁 企画環境課参事 川埜満寿夫
高木議員の質問に私のほうから御説明させていただければと思います。まず会員制プライベートレジデンスの事業性というところでございます。こちらについてはニセコまちとしても、事業計画の見直しの中で様々マーケティングだとかをした上で、こういった事業の見直しをしたものと伺っております。例えばですが、ニセコミライ、ニセコまちの取組に対して賛同・協力したいのですが、今回は 10 日というところで長期間滞在することは難しいけど、もう少し短い期間であれば検討できるといったような声も伺った中で検討しているということは聞いております。あと売れなかった時のリスクは確かにゼ29ロにはできないことで、いろいろマーケティング調査をしても結果がどうなるかというところは、実際に販売してみないとわからないところではあるかと思います。ニセコまちとしてのリスク管理分散というところで申し上げますと、今回のプライベートレジデンス事業だけではなく、これまで 3 棟 21 戸完売している分譲住宅についても、引き続きニセコまちとして整備し販売していくという従来やってきたものも継続したうえで、今回のプライベートレジデンスと呼ばれる事業に取り組んでいるということがまず一つ。もう一つは、高木議員からもありましたとおり、この事業についてはニセコまち単体ではなくて、従前から協力連携している事業者との協働事業という形で、それぞれ役割分担を定めて行っているところでございます。そういった部分でリスク分散を図っているものと考えてございます。あと、今回の共有性別荘とニセコまちでは呼んでいますが、形態によってどうしても旅館業といいますか宿泊業を取得する必要があるということで、今回宿泊税がかかるというものとなってございます。しかし、いわゆるリゾート地で展開されているコンドミニアムのような形態ではないということは、改めてお伝えしたいと思っております。今後、町として地域の金融機関と連携協力してというところはごもっともかなと思っておりますが、2018 年からニセコミライの計画づくりをしており、その計画づくりの当初から地元金融機関 3 行の方々に協議会等に入っていただき、一緒に計画づくりを議論した経緯がございます。ですので、我々としては地域金融機関の方々にもニセコミライのプロジェクトの意義や方向性、そういったものを共有していただいているものと考えてございます。その上で、実際に金融機関からは、特に賃貸物件は通常の融資よりも長い期間で融資を受けられるというふうにも伺っております。これについては、まさに地元金融機関の方がニセコミライのプロジェクトを評価して、通常より長い貸付け期間を設定していただいて、それによって賃貸物件の入居者が払う月々の家賃を低く抑えられている結果にもつながっているものと思っております。ちょっと別の話になるかもしれませんが、そういった資金調達の円滑化というところで申しますと、今年 5 月に事業性融資促進法という法律が施行されております。この法律については、特に事業開始初期のニセコまちのような新しい会社の資金調達を円滑化するためにできたものでございます。従前の融資環境では資産を持っているとか、経営者保証がないとなかなか融資しづらいというような環境があったのですが、この法律では事業全体を評価するとか企業価値を評価するとか、企業の将来性を評価するということで、資金調達を円滑化できないかという趣旨の法律となっております。この法律による融資がニセコまちにすぐ適用されるかということは別として、社会全体として将来性のある、価値のある事業に対して資金を円滑に調達できるようにするという動きがありますので、今後ニセコまち、ニセコミライのプロジェクトを含めて、社会性公共性がある事業に地域の金融機関から資金がスムーズに提供されるようになることを期待しているというところでございます。以上です。
議員の再質問 3番 高木直良
UHの話に入る前に、トータルで私はこの街区に宿泊事業施設をあえてつくるのはふさわしくないということははっきり言っておきたいと思います。その上でUH値 0.20 という 7 級、最高級の建物、これは目的から合致するという町長のお話ですけれども、一番重視すべきは適切な価格のものを住宅として提供する、それで町民が助かる、そこだと思うんですね。確かに 7 級の最高級のUHでエネルギーを消費しませんと言っても、買えなければ住めなければしょうがないんです。ですから、私は全部をそうするのでなく、一部見直しをして等級を 6 級 5 級ぐらいに下げた賃貸なりもつくっていいのではないかということを聞いたわけです。以上について答弁願います。
答弁 企画環境課参事 川埜満寿夫
環境基準も含めたところについて、お答えさせていただければと思っております。まず、ニセコまちでの販売価格が高くなっているというところについては、御指摘のとおり住宅性能を高いものにしているということも確かにあるところかとは思っておりますが、近年そもそもの建築資材の高騰、人件費の高騰といったところの影響もあるのではないかと思っております。実際市場での販売価格等を見ても、ニセコミライに限らず、そのほかの戸建て住宅・分譲住宅においても価格が高くなっていて、残念ながら地域の方が取得したり入居しづらくなっている環境もあるのではないかと思っております。御指摘のとおり、環境性能を少し抑えたら具体的にどれぐらい金額が安くなるかということは、いろんな建築条件、設計条件があるので定量化してお答えしづらいところではありますが、例えばの試算でお伝えできるものがあるとすれば、これまでニセコ町で環境負荷低減モデル集合住宅整備促進補助事業という町の補助事業がありまして、一定の住宅性能を持つ集合住宅に対して戸当たり 150 万円の補助をするという支援を設けたり、今年も行ってますが町の脱炭素再エネ推進事業補助においては、こちらも新築の戸建て住宅に対して住宅性能が高いものについては戸当たり 150 万円を補助する制度がございます。一戸当たり 150 万というところを環境性能を高めるためにかかる経費として仮説しますと、家賃にすると大体 6,000 から 7,000 円ぐらいの軽減効果になると思っております。この家賃の低減効果が高いか低いかというのはいろいろ判断があるかと思いますが、仮に 6,000~7,000円安くなってきたと同時に住宅の環境性能が下がりますので、暖房費がよりかかることになります。そういう点で考えると、実際に居住される方に環境性能を下げることで大きな経済的効果、経済性が発揮されるということについては言いがたいのではないかとも思っているところでございます。
答弁 副町長 山本契太
議長のお許しを得ましたので、先ほどの高木委員の最後の御質問について、補足をさせていただきたいと思います。答弁の担当者がこの事業に対するやる気と思いにあふれておりまして、貴重な高木委員の質問時間が少し短くなったということについては、結果として申し訳なかったということでお許しいただきたいと思います。それから、答弁の中で少しお答えしきれていない部分があったかと思いますので、そこの部分をちょっと付け足しで説明をさせていただきたいと存じます。今回のニセコミライのレジデンスが、計画としてふさわしくないのではないかというようなお話をいただいてたかと思います。このレジデンスに泊まられる方は、いわゆる宿泊税の該当にはなるものの、観光客というようなイメージの方々ではなく、町としては交流人口が増えるという捉え方をしてございます。計画当初からこのニセコミライについては、コミュニティ形成のための混住を促進するですとか多様性を重視していくというような考え方の中で進めておりますので、私どもとしては計画を逸脱しているとは捉えていないところでございます。それから、レジデンスを売って賃貸に振り向ける手法ということについては、こちらもちょっと改めてということになりますが、お金がないということではなくて、分譲を売って賃貸に振り向けるという当初から用いている手法で、今回については交流人口を増やすレジデンスを売ってその分で賃貸を増やすという考え方でございます。最後に、賃貸住宅を適切な価格で早くというところでございます。これは私どもも同じ思いでございまして、そのために町からの支援というものも今後検討をさせていただきたいと考えているところでございます。以上でございます。