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ニセコ町議会 平成28年第6回定例会 2016年9月14日

地熱発電について

2016年9月14日、ニセコ町議会の一般質問で、木下裕三議員が「地熱発電について」質問し、町長 片山健也、企画環境課長 山本契太が答弁しました。

質問者
木下裕三 議員
答弁者
町長 片山健也、企画環境課長 山本契太

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

議員の質問 1番 木下裕三

通告に従いまして、2件質問させていただきます。1件目、地熱発電についてです。今年度に入り、民間事業者が当町含めニセコ火山周辺地域、この近隣4町に地熱発電に向けた地表調査を計画し、そして実施しておりますけれども、全国で多々こういった火山地帯がある中でニセコが地熱発電の調査対象地域となったのはなぜでしょうか。そしてまた、今後どのようなスケジュールで進む予定なのでしょうか。

答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)

木下議員のご質問にお答えいたします。昨年7月に資源エネルギー庁では 2030 年度のエネルギー自給構造の見通しを示しました。これによると、気象条件に左右されない安定的な運用が可能な地熱については、総発電電力量の 1.0 から1.1%を目指すこととなっており、これは現状の日本の地熱発電量の約3倍に当たるもので、今後さらなる地熱開発を国として推進していくという考えであるということが表明されました。こうした国の方針を受け、JOGMECと通称言っておりますが、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構というJOGMECがニセコアンヌプリ山系についても熱資源の可能性がある地域の一つとして捉え、このことが今回の調査につながっております。平成 27 年9月には、JOGMECが事業主体となり、ニセコ町、蘭越町、倶知安町、共和町の4町にまたがる山岳エリアで、ヘリコプターによる空中物理探査を行い、その調査結果が公表されました。この調査結果を受けて、民間事業者の日本重化学工業株式会社と三井石油開発株式会社が共同でニセコエリアでの地熱発電に向けての調査を行うこととなりました。事業者が想定しております現在の経過と今後のスケジュールにつきましては、ことし、本年平成 28 年3月に各温泉事業者への地熱開発に向けた調査を行うことへの説明と同意をいただき、4月には住民説明会を開催しております。その後、8月から国の補助金を活用し、地熱地表調査に着手しているところでございます。地表調査は、平成 29 年度まで行い、平成 30 年度からは調査のための試験掘削を予定しております。今後の調査結果によって、地熱開発の適地と選定された場合、発電が可能になるのは順調にいって平成 37 年度となる見込みでございます。ニセコ町としても、地熱資源の調査に関することについては積極的に協力をしてまいる所存でございます。なお、今後の作業については、この民間事業者などが毎年翌年度に行う事業内容について町や関係者への説明と了解を得ながら進めるということになってございます。また、来年、平成 29 年度の秋ごろには、自治体や温泉事業者、学識経験者などによるこの地熱に関する協議会を設立し、関係町及び庁内における合意形成を図ってまいる予定となってございます。なお、今年度におきまして、民間事業者による地熱発電についての理解促進のための勉強会に本町ほか関係町も参加し、講演会や先進地視察を通し、これら地熱の情報を共有すること、そして知見を深めていくこととしているところでございます。以上でございます。よろしくお願いいたします。

議員の質問 1番 木下裕三

地熱発電に関して、いろいろな今メリット、デメリットというのが言われていまして、メリットの中で最も言われているのが、火山がたくさんある日本で大きな電力を生み出せる可能性があるだろうと。可能性が高い方法であろうと言われていますが、ほかにも化石燃料を必要としないで二酸化炭素の排出量が少ないことですとか、再生可能エネルギーだとか、純国産のエネルギー資源であるとか、あと先ほどもおっしゃっています枯渇の心配がないこととか、あと季節の変動とかの影響を受けにくいというのもありますが、片一方でデメリットに関しても結構言われております。それというのは、先ほどもちょうどこのまま順調にいけば平成 37 年とおっしゃっていましたけれども、地表調査や発電所の建設作業など実際に長い時間がかかって非常にコストパフォーマンスがよくないことですとか、あと発電所がまだまだ少なくて、地熱発電に関するそのもの自体の知名度が低いということ。それとあと、ここからあれなのですが、候補地の多くが温泉地ですとか温泉地の周辺、国立公園、国定公園に指定されていること、あと温泉への影響とか温泉地の景観の影響が懸念されること、あと地熱発電に利用しない熱水を地下に戻すことで地下水の汚染が懸念されること、こういうことが言われております。日本は火山をたくさん有しますので、地熱発電に向いていると思うのですけれども、まだ総発電量の、先ほどおっしゃっていたような 0.1 から 1.1、今後ということになりますけれども、今その3分の1ということですけれども、正直実際なかなか進んでいないというのが現状だと思います。その理由の大きなものとして言われているのが、この地熱発電に適している場所というのが、先ほどもちょっとデメリット申し上げましたけれども、温泉地ですとか国立公園、国定公園の中ということが多くて、将来的に温泉が枯渇しないか、影響受けないかということを懸念して地元の合意を得られない、得づらいというのが現状というふうに聞いております。実際国内外で温泉に影響が出たという実例も発表されております。近年では、当時全国ニュースもなりましたけれども、平成 24 年の5月に阿寒湖周辺の地熱開発事業者からの調査要望に対して釧路市が阿寒湖観光協会ですとか地元観光関連団体からの意見を踏まえて、実情の反対意見を出しております。表明しております。ことし4月に行われた、今度ニセコ町以外の地区の住民説明会も何カ所か行われているのですが、その中の質疑によりますと、地下 2,000 メートルからくみ上げられた熱水というのが熱交換した後に排水を地下 700 メートルに戻すというふうに言われたそうです。その熱水には砒素だとか水銀だとかの有害物質が含まれているのですが、地下に戻すので一切影響がないというふうに説明があったと聞いております。地下 2,000 からくみ上げて地下 700 に戻すということで、果たしてそれで有害物質が本当に環境に影響ないのかと非常に疑問に思っております。また、出す蒸気には硫化水素が含まれ、大気中に放出されますので、周辺の森林は恐らく硫化水素の影響を受けるのでないかなというふうに思われます。巨大な地熱発電所を建設することによって、送電用の鉄塔ですとか送電線だとかも出現して美しい自然景観が損なわれてしまうという、そういったまた懸念もあります。二酸化炭素をほとんど排出しないで、純国産の再生エネルギーというメリットも大きな地熱発電なのですが、このように温泉への影響面だとか環境面、景観面に将来影響が出てくる可能性というのが否定できません。今回の開発予定地、まだまだもっと先にはなりますけれども、ただ言われているのがニセコ町と蘭越町にまたがる、そのエリアというふうになっておりますが、これまさに温泉施設が集積している周辺ということになります。ニセコ町は環境創造都市でありますが、一方で観光を主要な産業としておりまして、中でも温泉というのは非常に重要な観光資源だというふうに私は思っております。それで、私はこの地熱発電のメリットとデメリットを考えた際には、このニセコ町にとってほかの自然エネルギーとかと比較して環境に優しい発電システムではないのでないかなというふうに思っています。先ほども町長のほうから積極的にその調査に関しては関与していくというお話を伺いましたけれども、その地熱発電に関して将来的な増に向かってニセコ町としては今後どのように向き合っていくのか、教えていただきたいなと思います。

答弁 企画環境課長 山本契太(企画環境課長は2020年11月まで)

さまざま今ご指摘いただいたところについては、現状ことしから、先ほどちょっと町長のほうからも申し上げましたが、地熱の理解促進事業というものにのっかって、掘削の事業者、それから温泉の関係者の皆さんで構成した中で勉強会を開いて、その中でメリット、デメリットというものを我々自身もきっちりと把握した中での対応をしてまいりたいと考えているのが1つでございます。それから、現状でことしは地質の調査ですとか、現在既に湧出している温泉の成分調査ですとかいう形を実施しておりまして、試掘という形で実施するのが3年後という形になりますけれども、そのときには……そのときにといいますか、調査の内容によって毎年毎年事業者さんからの了解をいただくという過程を踏んでまいりますので、ニセコ町も発電そのものに対して現状でもうここに発電所ができることにもしなったとしても、すぐに了解ですよというような体制で取り組んでいるのではなく、可能性調査というところについての可能性をじっくり吟味して、すばらしいものであれば対応していきたいという意味での調査についての了解をしているというのが現状でございます。以上です。

答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)

今回につきましては、先ほど申しましたとおり調査について積極的に関与して応援をしていきたいということでありますので、その調査の結果によってはニセコはやらないということの選択肢当然あります。ただ、調査も何もしないで難しいですねというのは、我が町の環境モデル都市という形で自分たちのエネルギーを自分たちでと言っている中では逆行するのではないかというふうに考えております。それと、地熱発電、ご承知のとおり日進月歩で、今世界の技術もどんどん変わっている。やり方も 20年前とは全く違う方法で今熱処理もやられているということでありますので、そういった総合的に判断をして、具体的に本当にニセコ町で可能性あるのかどうかもまだわかりませんので、ニセコ町内であればまた具体的にそのメリット、デメリット、あるいはつくらないほうがいいのかどうなのかという判断をきちっと議論の中でやっていきたいというふうに考えております。よろしくお願いをいたします。

議員の質問 1番 木下裕三

ありがとうございます。あともう一つ申し上げたかったのが、段階、段階で判断していくということは非常にもっともだと思います。ただ、仮に例えば、では大丈夫だから進めましょうという結果になったとしたときに、そのときにいざ動き出したときに温泉や周辺環境とかに何らかの影響があった、そういったときに補償だとか対策求めて発電事業者を訴えようとすることも中には出てくる可能性も否定できないと思うのですが、その場合今の日本の法律ではその因果関係というのを訴える側が立証しなければならないという、そういった高いハードルがあります。つまり何かあっても 1,000 メートル以上地下の地熱開発が原因だということを証明することというのはほぼ不可能だというふうなことです。さらに、そういった経済的な体力もないので、事実上訴えられないというのは同然です。そういった意味では、今いろんなところで情報も公開しながらということですが、ぜひいろんな場面で協議会だけに限らず、町民の方のほうにもメリット、デメリットをしっかりと伝えていただきたいということと、あとあわせて当初段階からある程度、先ほども何らかの補償や対策、何かあったときのとありますけれども、そういったことを当初段階から事業者に対して何らかの影響あった際に、例えば補償のあり方ってどうあるのかとか、何らかちょっとそういったものを話し合う必要が最初から出しておく必要があるのではないかなと思いますが、その辺いかがでしょうか。

答弁 企画環境課長 山本契太(企画環境課長は2020年11月まで)

そこのところは、私どももそのように考えますし、そのように進めてまいりたいと存じます。ちなみに、これまでなかったのですが、ちょっと細かい年限は今わからないのですけれども、国の支援の強化ということで、温泉に影響が出た場合は代替の温泉の井戸を国が掘削するというような支援制度もできたということもありまして、ある程度その辺の支援体制も確立されつつあるのかなというふうには押さえております。先ほどのご指摘の中で、ではそれをちゃんと証明できるのかというところももちろんあると思いますので、それについては今後の勉強会の中でも十分に我々のほうも事業者のほうにもぶつけてまいりたいと思いますし、それから専門家の入った中でもその辺のところもきっちりぶつけてクリアしたいなと考えます。それと、ちなみになのですけれども、例えば試験の井戸を掘るといった場合も、その周りの温泉の成分ですとか、それから温泉の泉位の高さというのでしょうか、それから試験的に掘って水の影響が出ないだとかというところのある程度の試験的な調査の穴みたいなものはつけるということは確認をしております。その制度が、ではどの程度本当に何かのときに役に立つのかどうなのかというあたりの詳しいところについては、今後も専門家や事業者の方にきっちりとぶつけてまいりたいと思います。以上です。

出典:ニセコ町議会 平成28年第6回定例会 2016年9月14日 議事録 PDF(38ページ) 間違いを知らせる