ニセコ町議会 令和7年第7回定例会 2025年9月24日
メゾンカカオの有島地区進出計画について
2025年9月24日、ニセコ町議会の一般質問で、木下裕三議員が「メゾンカカオの有島地区進出計画について」質問し、町長 片山健也、副町長 山本契太が答弁しました。
- 質問者
- 木下裕三 議員
- 答弁者
- 町長 片山健也、副町長 山本契太
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 8番 木下裕三
通告に従いまして 1 件質問いたします。メゾンカカオの有島地区進出計画についてです。先月、お盆の真っ最中に「メゾンカカオ株式会社」による有島記念館向かいの町有地(牧草地)での開発計画に関する事前意見交換会が行われました。しかし、この計画は町民の共有財産である町有地であり、農地でもあるにもかかわらず、町は議会にも町民にも一切説明せず、協議を経ずに事実上容認・推進してきたと受け止められる状況にあります。これは町政の根幹であるべき説明責任、情報公開、住民参加を著しく軽視したものであり、町民の信頼を損なう重大な問題と考えます。とりわけ有島地区の住民からは「なぜ私たちに知らせないのか」、「いつの間に決まってしまったのか」という強い不信と不安の声が上がっています。これらを踏まえて、以下伺います。①今回の計画に至るまでの協議内容や、町の関与の範囲について説明を求めます。また、町がこの計画を「歓迎する立場」に立ってきた事実があるならば、その根拠と判断基準は何でしょうか。②町有地でもあるにもかかわらず、事前に議会町民及び有島地区住民への説明はなく、なぜ事前意見交換会という既成事実化が進んでいるのでしょうか。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
木下議員の御質問にお答えいたします。1 点目の経過につきましては、高木議員への一般質問で説明したとおりでございますが、令和 6 年度に町内事業者からの推薦でつながりを持ち、町として歓迎する立場から町有地の選定をする中で、25当該地区が会社における希望の候補地となったものでございます。また、町のこの計画についての想いは、近年有島武郎の知名度の低下に危機感を持っている中で、有島の相互扶助の思想や作品を後世に伝え、有島記念館の維持に資する事業として、全国で優良事例のある企業の進出は本町のニセコ町地域未来促進基本計画の趣旨からも前向きに検討できるものであると考えているところであります。当該企業におかれましては大変人気のある会社であり、チョコレートを介した女性層の記念館来館、有島にちなんだ商品づくりなど幅広い展開に期待ができることから、誘致について総合的に判断し、歓迎していきたいと考えているところでございます。2 点目につきましては、できるだけ早い段階での事前説明会を行ってほしいとお願いをし、8 月 16日に有島記念館で開催された事前意見交換会がこの構想段階における最初の事前説明会に当たるものと考えており、今後これらについての計画の熟度がさらに上がっていくものではないかと期待をしているところであります。また、当該用地の貸付を行うことにつきましては、もし決まりましたらルールに基づいて、適宜議会議員の皆様へも説明を行い情報を共有してまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
議員の質問 8番 木下裕三
行政として企業誘致するにあたって、企業として優良なのはもちろんなんですけども、その会社が果たしてニセコ町の方針に合うのか、オーナー企業の場合はその人柄がどうなのか、地域に溶け込んで事業を進めてくれるのか、また、信用調査サービス会社やそれらの業界の口コミなどあらゆる角度から慎重に調べて進めなければいけないと思います。ただ有名だからとか大企業だから、テレビで紹介されたとか、人気があってよさそうだからとかではなく、今申し上げたようなことを踏まえて総合的に判断すべきだと考えます。副町長がメゾンカカオに対して、有島の地域住民に事前に話すよう以前から何度も促していたと聞いています。しかし、同社がそれに応じてこなかったということは、残念ながらニセコ町としての進め方を理解してない企業と言わざるを得ません。同僚議員が先ほど質問しましたが、その中で副町長はスタートだと言いましたけど、もうこれ完全スタート失敗しております。今回の有島開発事業に関しては、景観条例の改正に先立って事前意見交換会が同社の都合でお盆の最中の 8 月 16 日に行われましたが、有島地区の地域近隣住民はわずか 8 名しか参加できませんでした。そのため、同じ内容で有島地区の方々の都合を考慮して、後日改めて意見交換会をするという約束を取付けました。事前意見交換会では、同社が既に町から土地を借りることが決まっているかのような説明を受け、有島地区住民はこの件を受入れなければならないと感じ、今後の同社との関係や地元施工業者との関係を考え、声を上げることができませんでした。議会や農業委員会との協議を経なければならないことを知らない人が多数いて、既に決定していると誤解していました。その 2 日後、今回の件が北海道新聞で取上げられ、町民の多くがこの計画を初めて知ることになり、同様の誤解が多くの方から来ました。新聞報道の翌日、有島町内会有志 10 数名で集まり、意見交換会の内容を改めて協議し、景観条例に基づき 8 月 28 日付けで有島記念館周辺住民一同として 30名の署名を添えて意見書を同社に郵送し、あわせて担当である都市建設課にも提出しました。あくまでも意見書なので、善意で反対という意見はあえて封じております。その意見書を読み上げさせてい26ただきます。メゾンカカオ株式会社代表取締役様へ宛てております。「メゾンカカオニセコプロジェクトの事前意見交換会に対する住民意見書。趣旨、本事業は商業的な利用がされる前提の民有地における開発や建設ではなく、町有地かつ農地でもあるにもかかわらず、そもそも町民や議会、農業委員会及び地域住民への一切の説明や合意形成がなされないまま進められ、突然建設することが前提の事業構想が提示されたことに対し、地域住民はショックを受け、同時に強い疑問を抱いています。町有地の利用は公共性が極めて高く、地域住民の理解と納得を前提に進められるべきです。その点で現状の手続きには大きな問題があると考えます。また、本事業はニセコ町が大切にしてきた景観形成の取組に大きな影響を及ぼす可能性があり、周囲との調和を欠いた開発は地域の価値を損なうことが懸念されます。具体的意見で、3 点提出します。①対象地は町有地であり、農地として位置づけられてきた土地です。しかし、その利活用に関する意思決定過程や方針について、地域住民に対して一切説明がありません。公共性の高い土地利用においては、透明性の確保と地域住民への説明責任が不可欠です。②計画されている建築物などは有島地区の景観との調和を損なっており、ニセコ町が推進してきた景観形成の理念に反する恐れがあります。③事前意見交換会は本来、事業者と地域住民が直接意見を交わす場であるはずですが、実際には施工事業者による一方的な説明が多く、地域住民が理解し納得できる十分な意見交換が行われていません。以上、令和 7 年 8 月 28 日、有島記念館周辺住民一同。」提出者代表の名前を添えて、30 名書いてございます。ところがその後、2 度目の地域への意見交換会は行われず、9 月 8 日月曜日に議会の説明が初めてありました。しかしその計画は前回から修正され、なぜか有島のシンボルでもあるめん羊舎が取り壊され駐車場になってました。これは一体いつどのように誰と合意形成が図られた結果の取壊し計画なんでしょうか。有島地区住民はもちろん、有島記念館にも知らされていませんでした。また、議会での説明資料に、8 月の意見交換会のときの質疑応答欄に農地転用は可能かという住民の質問に対して、「役場とは協議済み、妥当な計画であれば農地転用は可能」と回答が書かれていました。役場と協議済みとは誰が誰と協議した結果なんでしょうか。農業委員会に確認しましたが、農地にも関らずこの件は協議されておりません。議会の説明資料には、有島地区住民からの意見書は掲載されておらず、先ほど読み上げた意見書ですね、観光協会社長個人の意見としてすばらしいプロジェクトだと称賛する意見のみ取り上げられていました。しかし、当人は有島地区住民として意見書にも署名していて、どこからかの圧力がかかり、このような文書を出さざるを得なかったのかと疑っております。様々な意見や疑問が出ようと地域から反対が出ようと、進め方がどんなにおかしかろうと、今回の計画を推し進めようとする談合を疑わせるような強引な意思を感じざるを得ません。このような進め方は、説明責任や情報公開、住民参加の観点で適切だったと言えるのでしょうか。これは今回の有島地区の問題だけではなく、今後の企業誘致における情報公開、合意形成のプロセスや景観条例にお27ける事前意見交換会の在り方などについて、見直す必要があると思います。以前、有島記念館周辺整備で話し合われたことがあります。この町有地で本気で企業誘致をするのであれば、その予定を地域住民に伝えて同意を得て、全国に広く公募し計画を集め、地域住民を入れた委員会などで十分に協議し、ニセコ町の方針に沿って相互扶助の精神が息づき、農場開放が行われたこの有島の地域に合った企業に来てもらう。これこそが本来の進め方なのではないでしょうか。私は議員として平成 27 年の初当選から 10 年になります。片山町長の 4 期 16 年の半分以上、議員の一人として参加させていただきました。片山町長は情報共有と住民参加を基本として、また、まちづくり懇談会などでは本当に膝詰めで町民に寄り添った政治をしていただいたと思っており、感謝の気持ちでいっぱいです。そういった気持ちを込めて、これを最後の質問とさせていただきます。来月 9 日からは、対話を重視した新しい町長による町政が始まります。私は、今回の有島の町有地であり農地でもある場所に関して、あらゆる面で丁寧さに欠けた進め方であり、このようなことは次の町政に引き継いではいけないものと考えております。片山町長はどのように考えておられるか、最後にお聞かせください。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
今回の事前説明会、構想段階、なるべく早い段階から地域住民の御理解を得ながら、ある程度熟度が上がった段階では議会も含めて、皆さんに公表して進めるということは、ルピシアさんの時もそうでありましたが、今までもある程度熟度が上がってそういった企業との合意形成がなされたら公開をして、皆さんで話し合って、貸付なりいろいろなことをやってきたという経緯であります。手法としては同じような内容だったと私は理解していますし、それ以上に早く、実際上は 1 回目をやっていただいたものと考えております。たぶんいろんな想いが先走って、あたかも決まってるような形での説明があったのではないかと思いまして、そこは我々のほうの指示ですとかあるいは、同席するときの体制ですとかそういうものに不手際があったのではないかということで本当に申し訳なく思っております。当然我々はいろんな場でできるだけ民主的な手続を経て物事を決めていきたいと考えておりますが、企業誘致に関しましてはこれまでもそうでありますが、ルピシアさんや八海醸造さんに来ていただきましたが、最初からこういうのが来るんですけどどうですかということは、皆さんの想いもそれぞれたくさんありますので、ある程度熟度上がってから公表するということでありましたが、今回新聞にも載ったということで随分誤解を招いたと思います。例えば、北栄地区に 80 メートルのホテルができますとか、あるいはそれ以外のところにもいくつか高層のホテルが計画段階で打診ありましたが、それは私のほうで何か相談するという話でもありませんし、企業も当然非公表で私どもに打診をしてきているので、それらは一切表には出せない。しかし、経過としてはニセコ町の眺望を駄目にするのでお断りしますということでお答えをしてきました。東山地区に行くミルク工房さんに上がる交差点に高いNTTの鉄塔を建てることについて、地権者との合意も得て全て決まっていたものも、眺望を駄目にするのでやめてくれということでお願いをし、実際上の事業を中止していただいたこともございます。それはケースバイケースによって、全て事前に公開の中で決められることと、当然そうしなくてもなかなか決めれないこともあります28ので、その辺はぜひお含みおきをいただければありがたいと思っております。次になられる若い町長も、そういった面では住民の皆さんとの意見交換を通じてまちづくりを進めるということを明確に訴えておられますので、しっかりとそういったニセコ町の情報共有や住民参加の手続を経て、次のステージに行っていただけるものというふうに思っております。それで、今の件につきましては決定して何か動いてるってことはありませんので、構想段階から皆さんとの話し合いと思って動いたということがあたかも決定されて、全てどんどん動いているように判断されてしまったということは、ひとえに私の不徳のいたすところでありますので、今後につきましてもまたそういった民主的な手続とか合意形成については十分に引継ぎの中でも書いてまいりたいと考えておりますので、どうか全体のまちづくりのことも御配慮賜ればと思っております。あと 1 点、先ほどの高木議員の質問でも申しましたが、本当に有島記念館の将来については危機感を持ってございます。今大体 4000 万前後でしょうか、以前議会から冬季閉めてはどうかという御議論もいただいたり、そもそもそういった維持することがどうかという御意見も行財政改革の中では議会議員さんからも御指摘をいただいたところであります。この有島武郎の作品を含め相互扶助の理念というのは、今私ども今回SDGs未来都市を申請させていただいて 1 回目でとおり、しかも事務事業についての 10 本の町に選ばれて、3 年間については国の全面的な支援を受けてSDGs街区の構想に入ったわけでありますが、そのときSDGsをなぜニセコ町でやるのかということに関し、まさに誰一人取り残さない社会というのは有島武郎の相互扶助の理念そのものではないかということが国連の機関で認められ、日本政府も推進しているのではないかと。ニセコ町がこのSDGs未来都市に申請しなくてどうなるのかっていう想いもあって出させていただいたものでありますし、ニセコ町のまちづくりの根幹だと思っております。将来子どもたちに向けてどうやって維持していくかということも、ぜひ皆さんの中で御検討賜ればありがたいなと思っております。先ほど申しましたとおり、財政力をもう少しやっぱり伸ばしていかなきゃならない、自分たちが自分たちの町で意思決定するには、もう少し税収を含めて自分たちで使える財源を増やすためには、やっぱり住民の皆さんあるいは企業の皆さんが活力を得て税収を増やす、その税収によって町が少しでも潤っていくという好循環を、地域循環型社会をつくっていく必要があると思いますので、その辺の優良企業の進出についてはできるだけ門戸を広げて還元するということをやっていかないと町自体が持続しないのではないかという危機感を持ってございます。どうかその辺も総合的な御判断を賜れば大変ありがたいと思っております。それと木下議員さんから公募すべきではないかというお話がありました。これはほかの町も公募手続は随分やっておられます。しかし、ある程度内部で決まっていて公募してるところがいっぱいあります。私どもも過去公募して失敗したこともあります。全て公募というあたかも公平性の手続をやりながら、実は裏では決まってるみたいな、そういったことは私は卑劣なやり方だと思っていますので、純粋に私どもがいいと言ってくれるところに対しては、もちろん先ほど言われたとおり審査もきちっとするという中で、任意にどんどんやっていくということも必要ではないかと私はこれまで 16年の行政経験を得て考えておりますので、御理解のほどどうぞよろしくお願いをいたします。
答弁 副町長 山本契太
ちょっと付け足しでございます。前回 9 月 8 日に全員協議会の中でも御説明をさせていただきましたが、先ほど木下議員のほうから様々御指摘をいただきました。特に 9 月 8日の段階では、有島で説明したときよりも小さい計画に縮小されたもので説明をしたということでございました。それにあたって、めん羊牧舎が取り壊されるというような計画になっているということでございましたが、確かにそのような画にはなってございます。小さくなったのも確かですが、めん羊牧舎についてはあのまま残すということについてもお金がかかってということもありますし、あれを取り壊すといってもまた相当なお金がかかるものですから、今回の計画に伴って取壊しというのも一つ考え方としてあるのではないかという考えが一部あって、ああいうふうにはなりました。ただ、あれも含めて何か決定してる事項ということではございませんので、そこについて誤解を招いたということについては改めましてお詫びを申し上げなければならないところだということ。それから、9 月 8 日だったと思いますけど、説明の際に木下議員から本来地元住民と話すときは計画の図面があるとかそういうことではなくて、まず企業さんが来て膝詰めで本当にここでこういうことをしてみたいんだというお話から始まるのが本来ではないのかというような御指摘を、その時だったかどうか分かりませんけどいただきました。まさにそのとおりだと思ってそこも反省したのですが、これは言い訳になるかもしれませんけれども、初めての懇談会ということなので、何かたたき台がなければやはり話合いにならないと。我々も話合いのために何も持たずに行くと、何にもない中で何を話せるんだとよく怒られるものですから、そういうことも含めて逆にある程度こういう感じでいかがかという本当にたたき台としてという意味で書かせていただいているものですから、これについても確定した内容ではないということを改めてここでまた申し上げて御理解をいただきたいと思います。