新冠町議会 平成29年第4回定例会 2017年12月15日
主伐期を迎えた町有林と今後の林業政策について
2017年12月15日、新冠町議会の一般質問で、竹中進一議員が「主伐期を迎えた町有林と今後の林業政策について」質問し、町長 鳴海修司が答弁しました。
- 質問者
- 竹中進一 議員
- 答弁者
- 町長 鳴海修司
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 10番 竹中進一
10番竹中です。議長より、発言の許可を得ましたので、町有林の林業政策について一般質問いたします。新冠町の町有林は、約4000ヘクタールでその内約1300ヘクタールが人工林となっていると思いますが、この里山とここから生産される木材資源は新冠の町民全ての貴重な財産であります。質問の1点目ですが、人工14林の樹種には育てやすく生育も早いカラマツが占める割合が多いと思いますが、その多くが主伐期を迎え、現在皆伐による出荷が順次行われております。植栽された当時は、出荷時の木材相場の価格にもかなりの期待を持っていたと思いますが、その後、一時は伐採するにも余りにも相場が安く、手のつけようがないような時期もございましたが、植林当時と現在の価格についてお伺いいたします。この林が生育いたしていく過程には、野ネズミの被害やハチの類による被害、さらにはシカの角による被害等がございましたが、この頃は野ネズミやハチの類による被害はあまり聞かれませんが、これは適切な対応策が取られた結果なのか、シカの被害以外について今後もし再発生いたした際には、十分対応いたすことができる状況であるかについてお伺いをいたします。また、戦後復興時には山の木が無秩序に伐採され、荒廃した山には当時はカラマツ造林が奨励され、その当初は主に坑木や電柱材等を目的に約25年から30年生育の目途とされ相当の面積が植栽されましたが。その後、炭坑の相次ぐ閉山、コンクリートや鉄製電柱への転換等急速な資材状況の変化があり、植栽当初の様子とは大きく変化いたしてきました。各種関係機関が研究を重ね、合板や集成材、日高では牧柵等への利用が有効になり相場もかなり回復基調ですが、今後の将来性についてお伺いいたします。質問の2点目ですが、森林が持つ多様性については今更申し上げるまでもございません。今後とも里山を守り、町民の貴重な財産である町有林を有効かつ効率的に活用していくために収穫いたした山には順次植林が行われる訳ですが、主伐期を迎えるまでには相当の時間と人手が必要となります。一世代あるいはそれ以上の期間を見据え、樹種の選択や新しい林業の技術等を取り入れ後世に受け継いでいくことと思いますが、今までの植林を見ますと、ある程度成木となりつつある状況下では単位あたりの植栽本数が多いのではないかとも感ずる訳ですが、下枝払い等のことも考慮しながら現在の間伐の方法が列状間伐方式ともなりましたので、木の種類や伐採の時期、利用目的により違いはございますが、今後は単位あたり何本で植栽するのでしょうか。また、補助制度等への縛りがないか、あるいは緩和措置等がありましたら単位あたりの植林本数を一昔前の数から、そしょくの傾向にして間伐の回数や労力軽減を図ることを考慮してはいかがかをお尋ねいたします。3点目。広葉樹は山の保全、製品としての高価値が期待できます。町有林のうち海岸近くにある木の生育状況はかなり厳しい状況が見受けられますが、それ以外の町有林は私達森林・林業・林産業活性化新冠町議会議員連盟でも数年間枝打ち作業を経験いたしましたが、生育は大変良好であった訳ですから、広葉樹の管理育成には難しいとは思いますが、最近行われるようになった天然更新造林を見据え、広葉樹の栽培に取り組むことは考えられないか伺います。また、最近は、新冠町内の南部森林管理署林地でアオダモ造林が行われており、植樹にも数回参加いたしましたが、近隣に数年前に植樹された苗が元気に育っている様子も見ることができました。今はバットの原材料需要が供給に追いつかず、多くを輸入に頼らざるを得なくなり原木による製品では足りずやむなく集成材としての製品化もされているようですが、成木となり製品になるまでに80年から100年と言われ1世代、または2世代にわたるような気の長い事業となり、100年15後の情勢までは確約はできないかもしれませんが、現在の状況から見て町の財産である町有林を有効に活用し、後世に大きな財産として残していくために林業政策等について、どのように取り組んでいくお考えかについてお伺いいたします。
答弁 町長 鳴海修司(町長は2025年3月まで)
竹中進一議員ご質問の、主伐期を迎えた町有林と今後の林業政策についてお答えいたします。ご質問のありました1点目の植林当初と現在の価格の状況でございますが、農林水産省が公表している統計資料によりますと、昭和45年のカラマツ中丸太の価格は1立米あたり1万600円でございました。これに対し、直近の平成29年11月現在の単価は、1万1900円でございます。この間、木材単価は大きく変動しておりますので価格動向について申し添えますと、昭和45年以降は、価格の上昇が続きピークとなる昭和55年には1万9100円にまで達しました。しかし、56年以降になりますと、外国産木材の輸入増加の影響等から下落が続き、平成18年には9300円まで落ち込みましたが、木材関係者らの努力もあり国産材の価値観やニーズが高まり、現在の価格にまで回復した経過にあります。また、育林過程でのネズミやハチ類による被害につきましては、以前には食害や葉が枯れ落ちる等の被害を受け、防除等の対策を行った経過がありますが、現在は特段目立つような被害は発生しておりませんので、駆除対策は実施してございませんがそのような事態になった場合は、適切に対応してまいります。また、カラマツは主に住宅用の建材や梱包材、パルプ材等に利用され、近年ではバイオマス燃料としての活躍される等多くの用途に使用されております。今後も、同様の利用が見込まれておりますが、カラマツの新たな利用価値として、一般の建材よりも強度を増し、耐熱性や耐火性等に優れるCLTへの加工技術が開発され、実証されている段階にきておりますので今後の普及拡大に期待をしているところでございます。2点目にご質問のありました植林の際のヘクタールあたりの本数につきましては、北海道が定めた日高地域森林計画の基準により、ヘクタールあたり2000本で植林しております。補助制度では1500本から3000本が採択要件とされておりますが、低密度で植栽した場合には間伐等の作業率が低くなるデメリットも想定されますので、今後につきましても2000本を基本に取り進めてまいりたいと考えております。3点目の広葉樹の植栽につきまして、議員からの提案は理解いたしますが、現実的に針葉樹から広葉樹への転換を進めるということになりますと、管理作業の煩雑化やそれに伴うコストの増大、周辺の人工林に及ぼす病虫害や野生動物による食害のリスク等様々な課題がございます。何より、これまで自然の状態を単純化して管理しやすくした状態にあるものを元の複雑な自然の状態に戻すという仕事になりますので、広葉樹の生態に関する多様な知識や体制整備が必要となりますし、技術的にも確立している段階ではございませんので、新用地の伐採後に広葉樹を植林することについては今のところ、考えてございません。なお、針葉樹を植林した急傾斜地については、皆伐における林地崩壊のリスクが考えられますので、そのような場合については広葉樹との複層林化について今後の検討課題と捉えております。また、アオダモの植栽につきまし16ては、エゾシカの食害を受けやすく育林技術につきましても確立しておりませんので、植林については控えたいと考えておりますが、国有林や関係機関が実施するアオダモ植樹祭には積極的に協力してまいりたいと考えておりますので、ご理解をいただきますようよろしくお願いいたします。