新冠町議会 平成29年第3回定例会 2017年9月15日
科学的特性マップについて
2017年9月15日、新冠町議会の一般質問で、伹野裕之議員が「科学的特性マップについて」質問し、町長 鳴海修司が答弁しました。
- 質問者
- 伹野裕之 議員
- 答弁者
- 町長 鳴海修司
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 11番 伹野裕之
引き続き通告に従い、科学的特性マップについて、一般質問いたします。政府は、原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物核のごみを地下深くに埋設する最終処分場の建設候補地となり得る地域を示した全国地図、科学的特性マップを発表しました。火山や活断層の有無等科学的な条件に基づき、最も適正が高いと分類した地域は、国土面積全体の約30%に上っています。市町村別では、約9000の全26国の自治体の半数に最適地が存在することが分かりました。道内では、86市町村が最適地とされ、本町も含まれています。核のごみとは、原発の使用済み核燃料から、ウランやプルトニウムを取り出し、再利用する再処理によって出る廃液のことで、ガラスと混ぜたガラス化固体の形で管理するが、長期間にわたり非常に強い放射線を出し続けます。現在の科学力をもっても、この核のごみの放射線を無くすことができないので、政府は2000年に、地下300メートルよりも深い岩盤に埋めて、最終処分すると法律で定めています。地下深くは、地震等の影響が受けづらく、岩盤が物質を閉じ込める性質があることから、放射線が十分に下がる数万年から10万年先まで生活環境から遠ざける計画としています。これは、臭い物に蓋をする行為そのものであり、将来に現在のツケを回すようなものであると私は思います。国は、今後核のごみ処分の事業主体の原子力発電環境整備機構NUMOとともに、地図で緑色に塗られた海岸から20キロ以内の最適地で、重点的に地域住民への説明を行い、候補地選定を本格化させるとしています。候補地選定は、国が最適地に含まれる自治体に申し入れる方式と、自治体がNUMOの公募に手を挙げる方式の両方で候補地を探します。その後、複数の候補地を対象にした文献調査、地上からボーリングを行う概要調査、幌延新地層研究センターのような地下施設を作って行う精密調査を20年かけて行い、候補地を絞り込む予定としています。この第1段階の文献調査に応じるだけでも、自治体には2年間で最大20億円が交付されます。また、事業費は約3兆7000億円と試算され、原発を持つ電力会社等が負担するが、元を辿れば電気代を払う利用者が負担する形となります。当然、北電には泊原発があるので、私たち道民も負担する形となります。原発のランニングコストが一番安く安全であるという謳い文句は、福島原発の事故で証明されたようにでたらめ極まりないと思われます。海外では、日本と同じく地下深くに埋める地層処分を採用しています。しかし、反対運動等で各国の処分場選定は難航し、建設地を決定しているのは、フィンランドとスウェーデンの2か国だけです。最も事業が進むフィンランドは、1983年に段階的な選定調査を始め、2001年に処分場を決定し、2004年から原発のあるオルキルオト島で地価調査施設の建設に着手し、2015年に政府が処分場建設を許可しております。2020年代の操業開始を目指しています。スウェーデンにおいては、2009年に処分場が決定しただけです。このように、核のごみの処分に対して未だ操業が開始されていない現状となっております。道は、2000年10月に「核のごみは受け入れ難い」と宣言する都道府県で唯一の条例、北海道における特定放射性廃棄物に関する条例を成立させています。その内容は、私たちは、健康で文化的な生活を営むため、現在と将来の世代が共有する限りある環境を将来に引き継ぐ責務を有しており、中略 特定放射性廃棄物の持ち込みは慎重に対処すべきであり、受け入れ難いことを宣言するとしています。この条例は、幌延新地層研究センターの建設を受け入れるにあたり、研究は認めるが実際に核のごみの持ち込みは認めない担保として制定されました。しかし、国やNUMOの幹部からは、条例があっても候補地になり得るという発言が相次いでおり、高橋はるみ知事は記者会見等で条例は遵守するとしていますが、27今後道内市町村が候補地となった場合の対応については、明確な言及を避けております。経済産業省は、今回のマップ提示はあくまで地質等の特性を示した地図であり、候補地になるよう自治体に押しつけるものではない、と強調していますが裏を返せば候補地そのものにもなり得ると推察されます。条例が、将来骨抜きにされる懸念は拭えない状況と思われます。地図の公表は、処分場選定に向けて国民の議論を活発化させる狙いがあり、9月以降最適地である地域で重点的に住民向け説明会等を開き、候補地選定のための地質調査等への理解を求めるものとしています。国は、自治体や国民との間で慎重に情報と理解を共有し、合意を図る努力が不可欠です。最終処分については、まだまだ議論が必要と思いますが、私自身は核のごみを完全に最終処理できない状況で、原子力発電を進めた原発生活そのものに反対です。地域住民の安全安心のため、そして、このすばらしい自然に恵まれたふるさと新冠を守るためにも、道条例を支持する立場を貫き、町民の不安を払拭したいと考えます。町長の所見を伺います。
答弁 町長 鳴海修司(町長は2025年3月まで)
伹野裕之議員の、科学的特性マップについて、お答えいたします。経済産業省は、本年7月27日原子力発電に伴って発生する高レベル放射性廃棄物の最終処分に適した地域を示した科学的特性マップを公表したところであります。高レベル放射性廃棄物を将来世代に負担を先送りしないよう、現役世代の責任で、地下深くの安定した岩盤に埋設する必要があることから、地層処分の仕組みや日本の地層環境等について、1人でも多くの方に関心を持っていただき、理解を深めていただくために、科学的特性マップが作成されており、地層処分を行う場所を選ぶ際にはどのように科学的特性を考慮する必要があるか、それらは日本全国にどのように分布しているのかといったことを全国地図の形で示しております。科学的特性マップの作成にあたっては、地層処分にふさわしいかどうか見極めるために、火山活動や断層活動といった自然現象の影響や、地下深部の地盤の強度や、地温の状況等様々な科学特性を総合的に検討する必要があります。そうした科学的特性は、詳しくは現地調査を行って、把握する必要がありますが、既存の全国データからも多くわかることから、既存の科学的データに基づき、一定の要件、基準に従って客観的に整理したもので、科学的特性マップはそれによって処分場所を決定するものとなっておりません。公表された内容について、町に通知もありませんし、また説明も受けておりませんが、町内は海岸線から内陸に向かって好ましくない特性があると推定される地域、輸送面でも好ましい地域、好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域に色分けされております。経済産業省は、科学的特性マップの提示を契機に、地層処分を社会全体でどのように実現していくか、今後議論を高めていく狙いがあると思っております。一方、道では北海道における特定放射性廃棄物に関する条例を平成12年10月に制定にしているところでございます。道の条例の全文は、重複するので削除いたしますが、この条例では明確に持ち込みを禁じているようには読み取れない部分もございますが、私としては条例の後段に謳われている特定放射性廃棄物の持ち込みは慎重に対処すべきであり、受け入28れ難いことを宣言するとなっておりますので、道条例の趣旨を尊重してまいる所存でございます。
再質問 11番 伹野裕之
町長も私と同じように放射性廃棄物に対しては、持ち込みたくないという意思がはっきりわかりました。そこでですが、町村会等を通じて他の自治体と連携を取り、道条例が間違い無く遵守できるよう惜しみない努力をしていただきたいと考えますが、国からの指示もありません中で無理な質問かと思いますけれども、そのような状況になった場合は、そのような対応を望みます。また、町独自として、核を持ち込まない条例等を制定するような考えはないのか、この2点の部分でお答えを求めます。
答弁 町長 鳴海修司(町長は2025年3月まで)
お答えいたします。管内で統一して道条例を尊重する動きの働きかけは、科学的特性マップの公表後地域に対して国の動きが見られていない状況でありますので、何らかの動きがあった場合は、町村会で情報公開をしながら、十分な対応を検討してまいりたいというふうに考えております。また、条例につきましても、今申し上げたとおり、そういうものがある程度見えた姿の中て検討してまいりたいというように考えておりますので、よろしくお願いいたします。