みんなの議会

紋別市議会 平成22年第4回定例会 2010年12月13日

(1)環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加問題について/(2)農業経営支援システムの構築について/(3)農業試験場の跡地利用について/(4)森林・林業再生プランについて

2010年12月13日、紋別市議会の一般質問で、石田哲夫議員が「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加問題について」「農業経営支援システムの構築について」「農業試験場の跡地利用について」「森林・林業再生プランについて」について質問し、市長 宮川良一、農政林務課長 西脇満弘、産業部長兼まちづくり推進室次長 能戸邦博、農政林務課参事 野呂田厚司が答弁しました。

質問者
石田哲夫 議員
答弁者
市長 宮川良一、農政林務課長 西脇満弘、産業部長兼まちづくり推進室次長 能戸邦博、農政林務課参事 野呂田厚司

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 10番 石田哲夫

おはようございます。私は、未来の会の一員として、さきに提出しております一般質問通告書に沿って質問をさせていただきます。さて、宮川市長におかれましては、山積する政策課題の解決に向けて精力的な対応を図られており、これら日ごろのご労苦に心から敬意をあらわすものであります。私自身も8月の改選によって2期目の船出をさせていただきました。これに伴い、市民各位からお寄せいただいた貴重なご意志に感謝を申し上げ、地域の発展に微力ではありますが、誠意ある議員活動を展開する所存ですので、今後とも理事者及び職員の皆さん、そして議員各位のさらなるご指導、ご鞭撻をお願いいたします。それでは初めに、農業問題、とりわけ現在政治問題として議論が沸騰している環太平洋戦略的経済連携協定、以下TPPと表現させていただきますが、この問題から質問をさせていただきます。政府は、今年3月に新たな食料・農業・農村基本計画を閣議決定しました。新政権下初となる基本計画は、平成32年度までに食料自給率を現行の40%台から10ポイント上乗せをして50%にする目標数値を示したほか、戸別所得補償制度や農業の6次産業化、食の安全・安心などを基本として取り組むなど、農政の大転換を示しました。また、国際農業交渉への対応として、EPA、経済連携協定、FTA、自由貿易協定について、国内農業、農村の振興等を損なわない、このことを基本的なスタンスと位置づけました。このような中で、政府は包括的経済連携協定に関する基本方針を閣議決定し、TPPについて関係国との協議に向け、参加を検討するとしています。TPPは、国境措置として設定している関税化を100%撤退することが原則となっていることから、これが実施されますと、国内の農業のみならず金融、保険、医療などの幅広い分野における規制の廃止を前提とすることから、未曾有の危機的状況が発現してまいります。仮に、これら国境措置が撤廃された場合、国内農業への影響、さらに経済的影響について、平成19年2月に農林水産省が公表した試算では、国内における農業生産の主力作物であります米を中心として小麦、牛肉、乳製品、砂糖などの主力農畜産物で約3兆6,000億円の生産額が減少し、関連産業を含めた就業機会の喪失などで国内総生産、GDPの約9兆円が減少するとされています。これによって、食料自給率が現行の40%から12%と大幅に減少するほか、272万ヘクタールの農地が耕作放棄地化になるなど、農業の多面的機能への影響もはかり知れなく、日本農業への壊滅的な打撃によって地域社会、経済が崩壊し、食料の安全保障、安定供給に大きな不安を及ぼすことになります。こうした状況を踏まえ、我が国の農業生産基地である北海道では、道やJA北海道中央会、経済、消費者団体など18団体で構成する北海道農業・農村確立連絡会議は、政府や与野党に対し、TPPへ参加をしないように要請していますが、大部分を専業農家が占め経営規模の拡大化が進行している北海道農業でも、生産規模の大きいアメリカや豪州など複数国との交渉となることから、高いハードルを課せられる交渉環境となることは必至の状況にあります。そこで、第1点目の質問ですが、TPPへ参加は、農業をはじめとして地域社会の存続さえも脅かしかねない極めて深刻な問題です。私は、地場産業の振興が地域経済の原動力と考える立場で、宮川市長はこのTPP参加問題についてどのような見解をお持ちかお尋ねいたします。第2点目は、本市の主力農畜産物であります牛乳、乳製品や牛肉、砂糖の原料となるてん菜など、重要品目の関税撤廃の例外措置が認められない場合、北海道における農業生産額は5,600億円が失われ、農業者の約7割を超える3万7,000戸が営農困難になるばかりでなく、関連する産業従事者を含め17万人の雇用が消滅するなど、その経済的影響額は2兆1,000億円を超えると試算されております。これに関連して、このような状況に追い込まれた場合、紋別市にあっても甚大な影響は避けられませんが、地域における同様の農業生産額の減少などの影響額について試算されていればお知らせください。次に、農業支援システムの構築について質問をさせていただきます。本市の農業は、国の各種制度や地方行政の支援措置により網走総合振興局管内でも有数の農業生産高を誇り、地域経済の一翼を担っていることは周知のことと認識しています。しかしながら、昨年度に樹立いたしました第5次紋別市総合計画及び紋別市農業振興計画でもご指摘のとおり、農業分野においても高齢化の波が押し寄せ、同時に次世代の地域農業を支える担い手が極端に不足を来たしていることから、地域農業の安定的な継続を危ぶむ声も聞こえています。このような中で、地域の農業者並びに関係者は実態に甘んじて、ただ静観しているわけではなく、祖先が血と汗で開拓した農地を保全し、農業生産活動を通じて地域集落を維持しながら農村文化を継承していくとした一連の地域活動を実践することを主眼に、このたび数戸の農業者が団結して法人化による組織的な農業経営を実施しようとする機運が高まっています。これらの法人化への取り組みは、数年前に発足した沼の上地区の法人化による組織的農業経営の事例がありますが、これらの事業展開を図る上で経営の効率化が最優先されるために、経営拠点を集約するための施設建設や附帯する機械設備に多額の投資を必要とすることであります。この農業生産法人化構想が農業経営の継続と集落の存続、雇用の拡大や長期的な農地の保全など、まさしく農業が持つ多面的機能を発揮するもので、その事業効果は極めて大きいものと言えます。本市では、さきにも触れましたが、第5次紋別市総合計画並びに紋別市農業振興計画で農業振興に関する基本方針の1項目に営農組織の育成や法人化の促進などにより経営の効率化を図るとした推進方策を明示していますが、本項と現在取り組もうとしている当該法人化構想とも合致すると考えられますが、宮川市長のご見解をお示しください。また、質問の2点目として、法人化経営の取り組みについては、さきにも述べたとおり、多額の資金を必要とし、この投資額がその後の経営を圧迫しかねないことになりますが、これの支援策を措置していただけないかお尋ねいたします。私は、農業に法人化による組織経営を導入することがすべての農業経営形態に当てはめるつもりはありません。あくまでも農業経営の基本は、家族による労働力で農業生産にいそしむのが日本型の経営システムであることを理解しています。その上で、質問の3点目に、今後家族経営を含めて農業経営の効率化を図ろうとする意欲のある経営体への支援体制を整備し、農業者を誘導するのも有効な手段であると考えますが、ご見解をお示しください。次に、小向地区に所在する独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構北海道農業研究センター紋別試験地の撤退にかかわる跡地の利用問題について質問させていただきますが、当該施設の名称を以下試験場として呼称させていただきます。現在、さきにお示しした独立行政法人が運営し、かつては海岸線一帯を覆っている強酸性土壌の重粘土における畑作物の生育や肥培管理の研究を目的に、北海道農業試験場重粘地研究室として発足しました。この試験場は、地域農業との密接な関係を保ちながらその使命を担ってまいりましたが、今年3月末をもって十勝管内芽室町に所在する畑作研究室と統合となりました。これに伴って、研究スタッフと研究補助員、事務担当者などの職員も引き揚げて、現在は研究圃場における研究の継続と研究施設の維持管理のため、定期的に職員が派遣されている状況にあります。このような施設の維持管理等を含めて、独立行政法人では来年の9月ころをめどとして完全に撤退をするとした情報をお聞きいたしました。この試験場の撤退自体は、国の行財政改革や重粘地研究室の特異性と農業技術の変革などがあってやむを得ないものと理解ができます。しかし、当該施設は国が民有地の提供を受けて開設したと当時を知る方から聞き及んでいますが、その歴史的経過を踏まえた場合、施設を撤去してしまうのは地域としても、また今日まで当該研究施設にかかわってきた多くの関係者に申しわけない気持ちも一方であります。このことにつきまして、開設者の独立行政法人から試験場の撤退と跡地の処分について、紋別市に具体的な提案があったとお聞きしましたが、その内容、条件などをお知らせください。また、単に施設などを撤去せずに、その後の利活用について検討されてる内容があれば、あわせてお知らせください。次に、紋別市が推進する森林J-VERとカーボンオフセット事業並びに現在国が進める森林・林業再生プラン、とりわけフォレスター制度等の人材育成に関して質問をさせていただきます。紋別市は、ご案内のように実に8割の面積を広大な森林に覆われ、緑豊かな自然景観と地球的な環境の保全に寄与していると言っても過言ではないと考えています。特に、近年では地球上から排出される二酸化炭素が原因とされる地球温暖化現象に伴う論議において、京都議定書に見られるように先進諸国と発展途上国との論争にまで発展し、その対応策を模索していることが伝わってきます。このような状況にある中で、紋別市が推進しようとしている森林J-VER、これの取得はさきの森林認証林の間伐作業を行った森林を対象に、みずからの努力で二酸化炭素の排出削減が困難な企業などが、他の場所で削減量を購入する場合、売却できるとお聞きしましたが、今後に向けてどのような事業の展開を図ろうとしているのかお示しください。また、森林J-VERの活用事業として実施するカーボンオフセット推進事業について、温室効果ガス排出企業とカーボンオフセット協定を締結して資金の調達を行うとの内容ですが、本事業の趣旨としているように、これによって調達された資金を活用し、森林の保全や整備管理を推進すると伺っています。つきましては、この事業を活用して紋別市が推進しようとしている事業の規模並びに協定を想定しているカーボン・オフセット推進ネットワークとの関係、さらにネットワークを構成している企業体などと売却を予定している二酸化炭素排出量、これによって調達を見込む資金について、またこの事業展開が地球にもたらすだろう効果についても概要をお知らせください。次に、森林・林業再生プランの一部としてとらえられるフォレスター制度等の人材育成についてですが、国では林業を活性化させる一助として森林の管理を行うためのフォレスターやプランナー、森林オペレーターなどスペシャリストの育成を行う目的で本事業が示されているとお聞きしましたが、市場原理の導入やグローバル化が進行する第1次産業として、生産コストの削減と経営の効率化は何よりも求められることから、優先して取り組もうとするべきと考えますが、現時点で検討している内容があればお示しください。以上で私の質問を終了しますが、再質問は留保させていただきます。

答弁 市長 宮川良一(市長は2025年6月まで)

おはようございます。それでは、石田哲夫議員のご質問にお答えいたします。初めに、環太平洋戦略的経済連携協定参加問題についてでありますが、1点目のTPP参加問題に対する見解につきましては、本市の農林水産業は食品加工や流通、観光などの産業と密接に結びつき、経済、社会を支える地域の基盤産業として大きな役割を果たしており、TPPへの参加は地域経済や地域社会の崩壊につながる深刻な問題であると認識しております。私は、農業をはじめ紋別市の基幹産業が将来にわたって地域を支え発展していくために、国はTPPを含む国際交渉においては、食の安全、安定供給や食料自給率の向上、国内農業、農村の持続的な発展が確保されるよう慎重に対応することが必要であると考えております。また、日本の工業製品等の輸出拡大やそれに伴う経済効果を一概に否定するものではありませんが、各産業間のバランスのとれた発展を願うものであり、合意形成が図られず、明確な国内対策が示されない現状の中での関税撤廃を原則とするTPP交渉への参加は拙速であると言わざるを得なく、認めることはできないと考えております。2点目の本市における農業生産額の影響額につきましては、北海道と同様の手法で平成18年の農業産出額に基づき市内の主力品目であるてん菜、酪農、肉用牛の3品目について影響額を試算しております。農業生産の損失は、てん菜では安価な農産物が輸入され、品質面で輸入品との差別化が難しく、生産継続が困難になるため壊滅状況で1億3,000万円、酪農では生乳出荷はほぼ100%が加工原料向けであることから、これも生産が壊滅と判断して52億6,000万円、乳用種の牛肉は安価な外国産牛肉に対抗できず9億1,000万円になり、農業生産額では63億円と試算しております。また、関連産業、地域経済につきましては、オホーツク総合振興局の農業産出額をもとに推計した結果、関連産業で62億3,000万円、地域経済で104億6,000万円の影響を受け、総計で229億7,000万円の損失が見込まれることになります。雇用への影響は、具体的な数字は示せませんが、本市の農業関連産業は生乳等の集出荷を行う運送業、乳製品加工業の製造業や農協などのサービス業までそれぞれが連鎖的につながりがあるため、かなりの影響があるものと予測されます。次に、農業経営支援システムの構築についてでありますが、1点目の法人化による組織的な農業経営の実施に対する見解につきましては、地域の中核的な担い手となる農業生産法人の推進は、スケールメリットを活かした生産性の合理化はもとより、農地の集約、担い手の就業確保、雇用の創出、粗飼料収穫作業の受託などの相乗効果が生まれ、農業が持続的に発展をしていくために重要であると認識しているところであります。2点目の法人化に対する支援策につきましては、第5次総合計画並びに紋別市農業振興計画の主要施策に位置づけ、農協及び関係機関と連携し、機会あるごとに地域農業者に必要性を訴えてまいりましたが、設立には農業者がその必要性を十分認識し、法人設立に向けた地域的な結集による機運の醸成が重要でありました。今回の下渚滑、中渚滑地区における大規模農業生産法人の設立の動きは、農業者の揺るぎない意欲と情熱によるもので、明るい話題と受けとめております。このたびの大規模農業生産法人設立につきましては、10億円を超える多額の資金を必要とすることから、国の補助事業による支援が不可欠な状況であり、農協及び関係機関と十分な連携を図り、補助事業の採択を受けるために全力を尽くしてまいりたいと考えております。また、主要施策の実現を図るため支援策を講じる考えであり、具体的な支援内容は今後十分協議、検討を行ってまいります。3点目の家族経営農家に対する経営効率化支援の実施につきましては、本市における酪農は、規模の拡大に伴い家族労働主体での経営が限界に達しており、高齢化や後継者、配偶者不在を原因とする労働力不足に直面している状況であると認識しております。この問題を解決するため、現在計画がある農業生産法人等を設立するのも一つの方策でありますが、一方で意欲的な個別経営を行う農業者の育成、確保も地域農業の持続的な発展のために必要不可欠と考えております。そのため、労働力を補完するために、酪農ヘルパー組織の運営やほ育・育成広域預託牧場の建設などの支援を行っておりますが、従業員、実習生などの雇用労働力等を確保する受け入れ態勢が未整備の状況となっており、従業員等が入居できる住宅の確保や食と住に対応した宿泊施設の設置を農協や農業者から要請されているところであります。このため、その受け入れ態勢の充実を図ることは、多様な担い手の育成、確保にもつながることから、雇用労働力等の確保を重要な課題と位置づけ、農協及び関係機関や地域農業者と具体的な推進方法について今後協議、検討を行ってまいりたいと考えております。次に、農業試験場の跡地利用についてでありますが、1点目の具体的提案につきましては、本年10月につくばの機構本部と北海道農業研究センターの担当職員が来庁し、施設の現地確認と土地及び施設の処分についての説明をされたところであります。その内容は、土地及び施設の処分時期は作物収穫を終える来年9月以降と考えていること、処分に当たっては競売が基本だが、公共機関や農協等の農業関係機関には随意契約による一括処分も考えているとのことでありました。2点目のその後の利活用につきましては、処分時期が来年9月以降であることから、具体的な検討はしておりませんが、紋別市といたしましては土地及び施設の取得は難しいと判断しており、農協に対して情報提供を行い、取得の検討を要請したところであり、今後農協に対し購入の意思確認を含め協議を深めてまいります。次に、森林・林業再生プランについてであります。1点目の森林J-VERによる今後の事業展開と2点目のカーボンオフセット事業の概要と効果につきましては関連がありますので、あわせてお答えをさせていただきます。京都議定書の発効以来、地球温暖化対策が世界規模で取り組まれている中、国内では平成20年に環境省と林野庁が連携して、国内のプロジェクトによるカーボンオフセット・クレジットの活用のための制度としてJ-VER制度が創設され、間伐等の森林管理による二酸化炭素吸収量についてもクレジットの認証制度が始まったところであります。本市におきましても、市有林においてSGEC森林認証を取得し、持続可能な環境に配慮した森林施業に努めてきており、その間伐施業林が有する二酸化炭素吸収機能を認証してもらうため、昨年度カーボンオフセット推進事業を創設し、森林J-VERを取得してまいりました。現在、2,003トンのクレジットを取得し、保険的な意味合いを持つバッファー分3%を除く1,944トンのクレジットの取引が可能となっております。進行中のプロジェクトは、市有林の間伐林187ヘクタールを対象とし、年間平均約1,125トンの吸収量が見込まれており、その有効期間は平成20年度から24年度までの5カ年間とされているため、今後取得可能な吸収量は3カ年分、約3,300トンで、5カ年合計で約5,000トンを超えるクレジットの発行が可能と推計をされております。市では、クレジットを流氷の森クレジットと命名し、流氷の保全、森から海への連環、環境と交流、生物多様性の保全等をコンセプトとし、CSR活動、すなわち企業の社会的責任の一環としてカーボンオフセットに取り組んでおります全日本空輸株式会社を筆頭幹事とするカーボン・オフセット推進ネットワークに加入する企業や港区をはじめとする都市部自治体に対して、森づくり協定等を基本として交流や観光に結びつくような販売企画を検討しているところであります。さきに新聞等でも発表がありましたように、本年10月に名古屋市で開催されました生物多様性条約の第10回締約国会議、COP10のカーボンオフセットに応募し、200トンのクレジットを取引いたしました。この取引により約200万円の収入が見込まれておりますが、この事例を参考に計算いたしますと、クレジット5,000トンを取得し全量販売しますと、約5,000万円の資金の調達が見込まれることとなります。しかし、事業が開始間もないこともあり、各プロジェクトが設定する価格が一定しておらず、今回の公募のような場合には安価なプロジェクトが優先して選ばれるなど、今後市場の価格動向を見ながら販売することも必要であり、また流氷の森クレジットの地域特性を活用し、交流、観光等への副次的な効果をもたらすような企画には、価格にとらわれず積極的に取り組んでいくことも必要であると考えております。現在、全日本空輸株式会社と来年度実施予定のANAの森づくりに向けて協議を進めているところでありますが、この取り組みに流氷の森クレジットの活用を予定しているところであります。市は、地域おこしの取り組みとして環境に配慮した森林認証制度の活用を進めており、さらには地球温暖化対策に寄与するJ-VER制度による資金の調達が図られることで地域の森林整備をさらに進めることはもちろんでありますが、これらの取り組みにより多方面にわたる産業や経済の活性化につながることを期待しているところであります。次に、国が進める森林・林業再生プランに盛り込まれておりますフォレスター制度等の人材育成事業についてでありますが、国がさきに発表した森林、林業の再生に向けた改革の姿には、森林・林業再生プランを受け人材育成プログラムが示されております。その内容は、1つに地域の森づくりを支援するフォレスター制度の創設、2つに施業の集約化を図り、森林経営計画を策定する森林施業プランナーの育成、3つに作業道サクセスオペレーター等現場レベルの技術、技能を有する者の育成が明記されました。さらにはこれらの人材を育成するためには国、地方公共団体、大学等が連携して取り組む体制づくりが必要とされております。本市は、国有林2万5,000ヘクタールを含む6万5,000ヘクタールの豊かな森林環境に恵まれ、これまでに森林認証制度による環境に配慮した森林施業に努める一方、民有林においては集約化施業に向けた取り組みが進行中であり、さらには先進的な高性能林業機械の導入によるオペレーターの養成事業等の実践を積み上げているところであります。これらの財産を生かし、本市のフィールドを活用した人材育成プランが可能であるか現在調査研究しているところであり、国や北海道、さらには林業関係、大学等にも働きかけ、情報の収集活動を行っているところでございます。以上で答弁を終わらせていただきます。

再質問 10番 石田哲夫

それでは、何点か再質問させていただきたいと思います。初めに質問させていただきましたこのTPP問題であります。今議会でもTPPに参加をすることに反対をするというような意見書の提出もされているようであります。そのほかにまた、各道あるいは府県において反対をする、そういった運動の高まりも見せております。私、数日前の新聞を見ていたところ、全国町村会でもそういったTPPへの参加に反対をすると、そういった決議がなされたというような報道も見ております。全国市長会では、この関係について現在どのような対応を進めているのか、まず第1点目にそのことについて質問をさせていただきたいと思います。

答弁 農政林務課長 西脇満弘(農政林務課長は2011年3月まで)

お答えいたします。全国市長会でも全国町村会と歩調を合わせて同じような行動をとっているとお聞きしております。以上でございます。

再質問 10番 石田哲夫

わかりました。先ほど市長のご答弁の中で、いわゆる国内の農業政策、そういったものがまだ完全にできていない中でのこのTPPへの参加というのは、拙速であるというような内容の話を伺いました。私もまさしくそのとおりだというふうに認識しているものであります。このTPP問題、確かに今年あたりからこういった問題が報道もされ、農業団体を中心に非常に不安をあおっているっていう状況になっております。これは、何も今回このTPPの問題が改めてといいますか新たに出てきた問題でなくて、言うなればもう既に二十数年経過してますけれども、ガット・ウルグアイ・ラウンドっていうのがありました。このときに、いわゆる国境措置も含めた現在のスタイルが確立したわけなんでありますけれども、このガットの時点でもう既にこのような状況になるっていうことは国も多分考えていたんじゃないかというふうには思われます。したがって、その後出てまいりました4年前のFTAの問題、さらにEPA、これらの共通して言えることは、場面こそ違いますけれども、言うなれば現在関税化によって農業保護をとっている日本をはじめ諸国がそういう状況にあるっていうことでの、これを、関税を撤廃をして自由に物の流れをしようっていう機運は二十数年前にもう既にできておりました。この間、農業団体あるいは農業者がこういった状況を迎えるに当たって、国内政策をきちんととっていれば、こんな不安も広がらなかったんでないかというふうに考えているわけであります。したがって、過去の内閣、二十数年来の内閣はほとんどこういった問題についての対策を打ってこなかったっていうのが最大の問題でなかったかなっていうふうに考えております。そういった私の意見も交えて、この問題については終わらせていただきたいと思います。次に、法人化の関係であります。法人化につきましては、市長のご答弁にもあったように、農業者みずからがそういう工夫をして、その地域を守るだとか、あるいは農業生産を維持、拡大していくっていう、そういった農業者みずからの発想と努力が必要だっていう考え方であります。私もそのとおりだと思っておりますんで、一面ではそういう農業経営の拡大、組織的な経営を導入するっていう問題につきましては、今回中渚滑、上渚滑地区からそういった機運が高まっているっていうご答弁でありましたけれども、今後に向けては何とか対応していきたいっていう市長さんの前向きの発言、ご答弁がありましたので、ひとつそれに期待をさせていただきたいっていうように考えております。それから、3点目の試験場の問題でありますが、ご答弁では来年の9月以降、これは収穫時期っていいますか、試験の作物があそこにまだ植えられておりますから、それの収穫を待って、そういうふうにしたいっていうふうに言われていたと、そういうことだと思いますが、ここで1つだけ質問させてください。先ほど物件あるいは施設、畑もそうなんですが、これについては基本的には競売をかけてやることが基本だと。農業団体が引き受ける場合については、随意契約でもいいというようなご答弁だったと思うんですが、もう一度確認をさせてください。

答弁 農政林務課長 西脇満弘(農政林務課長は2011年3月まで)

お答えいたします。独立行政法人からは、今石田哲夫議員がおっしゃられたとおり、基本的には競売によるもので行いたいと。ただ、農業団体や関係する市町村などが購入を希望する場合には、価格等もあわせてご相談に乗りますよという返事をもらっております。以上でございます。

再質問 10番 石田哲夫

それともう一点は、9月以降にそういうような状況になるっていうことでありますけれども、先ほどご答弁いただいた内容では、これから農協あるいはそういった農業団体のほうと検討に入るんだっていうことでありますが、もし何か腹案があればひとつお教えいただきたいのと、もう一点は先ほどのご答弁の中に、これは法人化の関係と関連して出てきた話ですけれども、市内ではいわゆるこれから担い手の育成をするためのいわゆる研修施設というんでしょうか、そういった宿泊施設も含めてまだ未整備になってるっていうことも先ほどのご答弁で伺いました。今回のこの試験場の跡地をそういった施設、いわゆる研修施設だとか、あるいは宿泊施設と兼ねるような、そういった施設利用っていうものを兼ねてできないのかどうか、そこら辺も検討の中身に入ってるのかどうか、ひとつお伺いをしたいと思います。

答弁 産業部長兼まちづくり推進室次長 能戸邦博(産業部長兼まちづくり推進室次長は2011年3月まで)

お答えをさせていただきたいと思います。先ほどご答弁したとおり、独立行政法人のほうから原則競売という、こういうお話をいただいておりまして、ただ法人のほうも不動産鑑定士とか入れてるもんですから、現実実際にその作業に入ったときに不調に終わるのではないかなという、そういった想定をしてございまして、その際にはこの公的な機関、またはその関係の団体と随意契約、それなりの金額で購入をしていただいて、これまでこの施設をこういうふうに使ってきたものですから、それをうまく活用できるようなものにしたいということでございます。それで、ご質問のどういったものに使っていくのかということで、私どもは総合計画に合わせて農業の振興計画5年間つくってございまして、法人化も大規模の農業経営もそうですし、個人の魅力ある農業経営も大変必要なことだと思ってございます。ただ、今現況では高齢化の問題とか今後についての担い手の対策というのが急務であるということで、いろいろなご意見をいただいてございます。そういった中で、いろいろこの物件はどうだ、これはどうだとか、こういったお話もございまして、こういった物件の調査、あわせて近隣のまちではもう既にこういった担い手対策をとってるものですから、こういったことも勉強もさせていただきながら、農協さん等と具体的なお話をしながら、そういったことをイメージをしながら進めてまいりたいなと、このように考えてございます。

再質問 10番 石田哲夫

大変ありがとうございます。いずれにしましても、これから前向きにいろいろ検討していきたいっていうご答弁でありましたので、それらについては私も農業の関連で長い間携わってきましたんで、ひとつそういった方向でさらなるご検討をお願いしたいっていうふうに考えております。最後に、森林・林業再生プランについてご質問させていただきたいと思います。先ほどの答弁で、言うなれば森林、林業も随分以前から比べるとさま変わりをしてきたなっていうふうな私自身は印象でとらえております。何分にも私も山の中で生まれて育ってきた一人でありますから、この森林ていうイメージは随分変わってきて、最近では京都議定書にあらわれてるような状況の中で、いわゆる地球的な温暖化対策の一つとして森林の利活用が進んでいくっていう状況になってまいりました。特に、紋別市は森林認証っていう大きな役割もできてきましたんで、これからこういった事業を最大限活用して、この地域の森林を守ることとあわせてひとつ人の交流っていうことも市のほうではいろいろ考えてるようであります。その中で、確認のためにもう一度お聞きすることは恐縮でありますけれども、いわゆる流氷と森のクレジット、5年間でいわゆるCO2の吸収量が3,300トンで、この森林の面積からいうと5,000トンぐらいが発行可能だろうというようなご答弁でお聞きいたしました。それに伴う資金の調達でありますが、5,000万円ぐらい見込まれているっていうことであります。しかし、これも最低の単価が決まってるわけではないと思いますんで、これが市場の動向で需要と供給の絡みも当然この中に入ってくるんでしょうから、これらについてはこれからも変動して、上のほうに変動してくれればメリットはこちらもどんどん増えてくるんですが、市場性の問題でありますから、買い手がつくということはそれなりに価格を売りやすくするっていうことが入ってこようかと思います。これらについての将来的な見通し、わかる範囲でひとつご答弁をいただきたいと思います。

答弁 農政林務課参事 野呂田厚司(農政林務課参事は2010年12月まで)

お答えいたします。市長さんの答弁の中で5,000トンというお話ですが、これは現在2,000トンを保有しているんですが、これは平成20年と21年の吸収量分を認証してもらった分であります。京都議定書の範囲内での認定となるもんですから、残り3カ年分、今後取得することが可能ということで、それが1,000トンずつで合計5,000トンということでご理解をいただきたいと思います。価格につきましては、制度が正式に動き出してまだ間もないということもあります。当初1トン5,000円から3万円前後での大きな幅の中で価格が、各プロジェクトの価格っていうのが各それぞれで設定をして取引をすることが可能なものですから、そういう価格動向の中で動いてきたことは確かであります。それで、今回市のほうでCOP10のほうに応募をした段階では、市のほうで想定している価格、トン1万円というような価格で応募したところでありまして、これが大体中庸ぐらいの位置で採用されてるというのが実態であります。今後、現在この森林J-VER等、全国で100ぐらいのプロジェクトが発足しそうということでお聞きしております。こうなると、吸収量も今現在2万トン前後なんですが、これが10万トンまで供給が膨らむというようなことも予想されておりまして、今後価格は買い手市場になるのか売り手市場になるかにもよりますけれども、ある程度想定しながら、いいプロジェクトに対して、いい企画に対してこの紋別のプロジェクトを提供できればなというふうに考えております。以上であります。

再質問 10番 石田哲夫

ありがとうございました。それでは、最後の質問でありますけれども、フォレスター制度についてご答弁をいただきました。この事業、いわゆる森林、林業、これらを育成するあるいは今後伐採だとか間伐、そういったことでの総体的な考察というんでしょうか、そういった部分でのプランナーの育成をするだとか、あるいは現場のオペレーターの育成だとか、あるいは高性能の機械を導入するだとか、そういった部分での言うなれば人の育成にこういった事業が行われるっていうことでお聞きいたしました。そういった理解のもとで質問させていただきますけれども、具体的に、こういった制度にのったとしても、あるいはどういうふうな育成の仕方があるんだろうかっていうことで頭の中でちらっと今考えてみたんですが、なかなか具体的に進めようとすると、例えばそういう人材を育成するための逆に言うと施設だとか教材だとか、そういったものが当然必要になってくるんでないのかっていうふうに考えるわけであります。その点について、何かご答弁以外で、もうちょっと先を見越した、そういうような対応を考えていらっしゃるのかどうか、その点を最後にお聞きしたいと思います。

答弁 農政林務課参事 野呂田厚司(農政林務課参事は2010年12月まで)

お答えさせていただきます。当紋別市、森林認証ということでこの5カ年間認証制度の拡大普及ですとか、またそれに伴う低コスト施業の推進ですとかさまざまな取り組みをしてまいりました。昨年10月に地元の素材生産業者がドイツ産のコンビマシンという集材もできる高性能機械を導入して、それを道都大学のラグビー場のフィールドを使わせていただきまして、ここで実際木を切って木をまた運搬するというような、なかなか機械の展示だけのそういうようなイベントはどこでもできるんですけども、実際そういう木を切って効率のよさだとかを実践できるフィールドというのは、この紋別が一番適しているのかなというふうに考えております。現在、本年度事業でもその事業体は国の事業に応募いたしまして、現在フィンランドからハーベスタという機械を1台導入することとなっておりまして、これで伐木から集材、そして運搬まで一連した作業が高性能林業機械で賄われるということもありまして、これら事業を通してその機械を運転するオペレーターの養成の実践事業を今現在やってるところでありまして、これもまたその実践の成果というものを今後見据えていかなきゃなりませんので、我々としてもできるだけそういうものに一緒に参加しながら、こういうような国の施策に乗っかってこの地域でそういうような人材育成のプランが立てれればということで今調査してるところであります。

出典:紋別市議会 平成22年第4回定例会 2010年12月13日 議事録 PDF(5ページ) 間違いを知らせる