幕別町議会 令和6年第2回定例会 2024年6月19日
幕別町アイヌ文化拠点施設と関連する諸課題について
2024年6月19日、幕別町議会の一般質問で、内山美穂子議員が「幕別町アイヌ文化拠点施設と関連する諸課題について」質問し、町長 飯田晴義、教育長 笹原敏文、都市計画課長 松井公博、生涯学習課長 石田晋一が答弁しました。
- 質問者
- 内山美穂子 議員
- 答弁者
- 町長 飯田晴義、教育長 笹原敏文、都市計画課長 松井公博、生涯学習課長 石田晋一
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 4番 内山美穂子
通告に従いまして、質問させていただきます。幕別町アイヌ文化拠点施設と関連する諸課題について。アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律(アイヌ新法)が施行され5年がたちました。新設されたアイヌ政策推進交付金を活用して、幕別町アイヌ文化拠点施設の建設が決まり、令和8年に国道 38 号線沿いの千住地区に開館予定です。千住地区は、かつてチロットコタンがあった土地であり、ここに「蝦夷文化考古館」が昭和 34 年に、アイヌ民族の交流施設「千住生活館」が昭和 38 年に建てられ、町が管理運営してきました。蝦夷文化考古館には、チロットコタンのアイヌの指導者であった吉田菊太郎氏が収集した文化財が納められており、建物とともに町に寄贈されております。特にアイヌ民族自身が書き残した文献は極めて重要なものであり、民具は製作者や保有者が特定されている資料価値が高いものと評価されており、幕別町総合計画にも、歴史文化の保存・伝承として施設整備の必要性が位置づけられてきました。しかしながら、両施設とも老朽化が激しく、建て替えできない状況が長く続く中、アイヌ新法の制度によって幕別町アイヌ施策推進地域計画が国の交付金事業に認定され、施設の更新に至ったわけです。その上での質問になりますが、これら幕別町の文化財を守り、歴史を後世につないでいくため、アイヌの方々はもとより、いかに多くの方に活用していただくかが問われるところですが、将来人口や町の財政状況などを踏まえると、施設の維持管理や運営に関わった大きな課題があり、懸念される町民も多いと認識しております。アイヌの方々の思いや主体性を尊重しながら、将来にわたって同施設が共有の財産となり、地域振興につながっていくよう、丁寧に情報共有し、町民理解を深めていくべきと考えます。現在、整備が進められているアイヌ文化拠点施設について、本町の財政状況などを鑑み、関係する諸課題について下記のとおり伺います。1、生活館棟工事入札中止の経緯について。2、アイヌ文化拠点施設の建設費について。3、幕別町公共施設等総合管理計画との整合性について。4、施設の屋根の形状と維持管理について。5、ソフト事業をどう展開していくのか。6、施設の管理運営についての考えは。7、施設の果たすべき役割について。以上です。
答弁 町長 飯田晴義
内山議員のご質問にお答えいたします。ご質問は、町と教育委員会にわたるものでありますので、私からはご質問の1点目と4点目につきまして、答弁をさせていただきます。「幕別町アイヌ文化拠点施設と関連する諸課題について」であります。令和元年5月、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律、いわゆる「アイヌ施策推進法」が施行され、市町村は政府が定めるアイヌ施策の総合的かつ効果的な推進を図るための基本方針に基づいたアイヌ施策推進地域計画を作成することにより、アイヌ政策推進交付金の交付を受けることが可能となったものであります。本町では、令和4年3月に幕別町アイヌ施策推進地域計画を策定し、4年度から8年度までの5か年の計画で、アイヌ政策推進交付金を活用した各種事業に取り組んでいるところであり、アイヌ文化の伝承・情報発信と交流の拠点として、アイヌ文化拠点施設の整備を進めているところであります。ご質問の1点目、「生活館棟工事入札中止の経緯について」であります。アイヌ文化拠点施設は、多機能型交流施設として、本年度に生活館棟を、来年度に展示館棟を建設する計画の下、生活館棟の建設を年度内に完了させる予定で、4月 24 日に建築主体、電気設備、機械設備の各工事の入札を執行することとしておりました。また、生活館棟の躯体がある程度進捗した段階で、駐車場部分の外構工事に着工し、外構工事についても年度内に完成させる予定としていたため、入札公告後に建物と外構の工事内容および工程について再確認したところ、建築主体の工程のうち、地盤改良に必要な土と固化剤の配合試験等に 14 日間と、屋根の下地工事に 21 日間の計 35 日間が追加で必要となり、当初想定していた建築主体の工期内での調整が困難となったことが判明したものであります。このため、生活館棟の建設工事から外構工事までの工程全般について、工法の変更を含む工事内容・工期の見直しおよび内閣府や道との協議を行うため、4月 19 日に建築主体、電気設備、機械設備の各工事の入札を中止したところであります。配合試験等の期間および屋根の下地工事期間を工程に加えて再度算定したところ、工事期間が 52日間ずれ込むことになり、防水性能の高い工法を採用した屋根工事は、外気温が5度以上で施工する必要があることから、当初9月中旬から 11 月中旬までの間で施工を計画しておりましたが、工事期間の見直しにより 11 月上旬から 12 月下旬までの冬期間にずれ込むことになり、性能が確保できる外気温での施工が困難となったため、生活館棟の工事を2か年に分割して実施することとしたものであります。見直しに当たっては、工事費を縮減するためにできる限り冬期施工を減らす方法を選択することとしたことから、本年度の建築主体工事は、基礎、床スラブおよび壁などの鉄筋コンクリート造の躯体部分までを1件の工事として本日入札を執行済みであり、電気設備工事および機械設備工事は、躯体と同時施工が必要な配電や配管等と屋外に設置する設備等の工事を、6月 26 日、来週に入札を執行する予定としております。このことから、来年度は屋根、外壁などの仕上げおよび内装に係る工事および電気設備と機械設備に係る仕上げの工事を発注する予定であり、生活館棟の完成は、展示館棟と同時期の令和8年3月となる予定であります。次に、ご質問の4点目、「施設の屋根の形状と維持管理について」であります。はじめに、施設の屋根の形状でありますが、本施設はアイヌ文化の保存・伝承の拠点として、アイヌ文化を象徴するデザインとなるよう、伝承室部分の屋根を大型の三角屋根とすることで、背の高いチセの母屋に見立て、その周りの連続した三角屋根を複数の附属建物が配置されているようなイメージを醸し出すことで、施設全体をアイヌの方々の集落であるコタンとして表現したものであります。また、敷地内の堆雪スペースが限られているため、屋根の雪は落とさずに載せておく構造としており、雪による巻き垂れの発生や雪の重みによる軒先の劣化防止のため、屋根面を南側・中央・北側の3分割にすることで雪の荷重を分散できることも今回の形状を採用した理由の一つであります。このような屋根の形状によって、屋根の谷となる部分ができますが、雨水や雪解け水が軒先へ流れるように勾配を設けており、さらに、屋根全体には防水性能の高い工法を採用することで、雨漏りやすが漏りの防止に配慮した設計としているところであります。次に、施設の維持管理についてでありますが、屋根や壁の仕上げ材は耐用年数が長く、維持管理費用などのメンテナンスコストを抑えることのできる材料を選定しており、屋根材は 45 年の耐用年数が見込まれるガルバリウム鋼鈑と粘着ゴムシートを併用した工法を採用し、外壁材は 60 年の耐用年数が見込まれるセメントを原料とした外壁パネルを採用することで、塗装の塗り替えや張り替えなどの維持管理費の低減を図ろうとするものであります。また、本町ではゼロカーボンシティを表明しておりますことから、生活館棟は外壁と屋根の高断熱化を図るとともに、高効率な省エネルギー設備を備えた建築物としており、建築物エネルギー消費性能の向上等に関する法律において、300 平方メートル以上の非住宅の建築物に適用される一次エネルギー消費量基準に対して、60 パーセント削減した建築物となっております。以上で、内山議員のご質問への私からの答弁とさせていただきます。
答弁 教育長 笹原敏文
内山議員のご質問にお答えいたします。ご質問の2点目、「アイヌ文化拠点施設の建設費について」であります。アイヌ文化拠点施設の建設については、令和6年度に生活館棟の一部建設を、7年度に生活館棟の残り部分と展示館棟の建設および宝物堂の改修を予定しておりますが、建設費としましては、6年度および7年度合わせて約 12 億 7,500 万円となっており、その他外構工事を合わせますと約 14 億 700万円と見込んでいるところであります。ご質問の3点目、「幕別町公共施設等総合管理計画との整合性について」であります。幕別町公共施設等総合管理計画については、本町が保有する公共施設等の管理に関する基本的な考え方を定めたものであり、公共施設やインフラ施設の建設時期や耐用年数などを考慮し、平成 28 年度から令和 37 年度までの 40 年間の計画期間のうち、当面 20 年間の目標として二つの数値目標を掲げております。一つ目の数値目標は、必要な機能を維持しつつ、利用されていない施設等の廃止、施設の複合化、民間や近隣市町村との連携により施設の総量を縮減する等、平成 29 年3月の計画策定時から公共施設の延べ床面積を 10 パーセント縮減するとするものであります。二つ目の数値目標は、施設の長寿命化を基本とし、計画的・効率的な改修による管理運営費用や更新費用の縮減に努め、公共施設の更新費用を 20 パーセント圧縮するとともに、受益者負担の適正化などによる財源の確保に努めるとするものであります。このたびのアイヌ文化拠点施設の建設に当たっては、基本計画の段階から、幕別アイヌ協会やマクンベツアイヌ文化伝承保存会の会員のほか、北海道アイヌ協会の方々との協議を重ね、アイヌ文化資料の保存や文化の伝承活動を推進するため、事業実施に必要な検討を進めてきたところであります。こうしたアイヌ関係者の皆さんとの検討結果等を踏まえ、生活館棟には地域住民との交流だけでなく、全道各地のアイヌ関係団体とも交流することを目的として、室内での儀式等に取り組めるよう、常設の囲炉裏を配置するとともに、文化伝承等の活動を行うことのできる伝承室や、伝統料理教室を開催できる調理室を整備することとしております。また、展示館棟には、これまで蝦夷文化考古館で展示、保存していた約 1,700 点の資料を収蔵する収蔵庫のほか、資料の中でも特に貴重な十勝地方の文様が刺しゅうされたチヂリや十勝地方で唯一完全な形で残る丸木舟など、十勝地方独特のアイヌ文化を展示するための常設展示室、さらには特別展示などが開催できる企画展示室を整備する予定であります。特に、資料の適切な保存のためには、温度・湿度などを適正に管理する空調機器を備えた収蔵庫が必須であり、貴重な資料を後世に伝え残すため、従前の施設にはなかった設備を設けることとしたものであります。なお、このたび整備するアイヌ文化拠点施設は、幕別で長きに渡り伝承し受け継がれてきたアイヌの伝統文化や、吉田菊太郎氏が多くの方々の協力により残した学術的価値の高い貴重な資料を後世に引き継ぐため、これまでの施設に不足していた機能を備えた新たな施設として整備するものでありますが、設計に当たっては、維持管理費用の低減を図るべく、高効率な省エネルギー設備や耐用年数の長い資材の使用など、公共施設等総合管理計画の考え方に基づいた建物としております。ご質問の5点目、「ソフト事業をどう展開していくのか」についてであります。幕別町アイヌ施策推進地域計画で認定されたソフト事業については、計画期間の初年度である令和4年度から、アイヌ文様の木彫講座やアイヌ文化の学習およびオヒョウニレの植栽を行う小中学校への出前講座のほか、アイヌ文化に係る講演会を幕別、札内、忠類の3地区で開催するなど、地域住民等がアイヌ文化に触れ、その理解が深まるよう、事業を推進してきたところであります。さらには、すでに十勝では途絶えてしまったアットゥㇱ作成技術の伝承事業として、マクンベツアイヌ文化伝承保存会の会員により、幕末、十勝地方の産物でありましたオヒョウニレの木の内皮から糸を紡ぎ、アットゥㇱを織る技術の伝承に取り組んでいるところであります。施設の完成後は、生活館棟の研修室では地域住民はもとより全道・全国から広く受講者を募集し、アイヌ語の保存・普及に重点を置いた全国初の公設アイヌ語講座を開催するほか、刺しゅうやアイヌ文様の木彫り体験講座、外部講師を招いたアイヌ文化講演会等を、伝承室ではイチャルパ等の儀式のほか祭司の養成講座を、調理室ではアイヌの伝統料理教室等を開催し、また、展示館棟の企画展示室で道内外の博物館等との連携協力による特別展や移動展等を開催する予定であります。なお、これらのソフト事業については、アイヌ文化を次世代へ承継するため、継続して実施していく必要がありますことから、現地域計画終了後の令和9年度以降も引き続き交付金を活用して事業を展開すべく、新たな地域計画の策定を予定しているところであります。ご質問の6点目、「施設の管理運営についての考えは」についてであります。本町のみならずアイヌ民族全体として、曾祖父母あるいは祖父母の世代でアイヌの伝統的な生活様式や言語、文化の伝承が途絶えた家系では、「民族的な文化に接したことがない」、「アイヌ語が話せない」という若いアイヌの方々が数多くおり、アイヌ文化等の次世代への承継が大きな課題となっております。本町といたしましては、これまでアイヌであることを積極的に名乗ってこなかった方々を含め、アイヌの人々が民族の誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会を実現することが自治体に課せられた責務であると考えております。このたび整備するアイヌ文化拠点施設は、幕別町を含めた十勝地方におけるアイヌの人々が歩んできた歴史とアイヌ文化に対する住民理解を促進するとともに、先祖代々培われ、受け継がれてきたアイヌ文化を、広くアイヌのみならずアイヌ以外の方々も一緒になり、尊敬の念を持って後世に伝えていく役割を果たすものであります。そのためには、アイヌの伝統的な儀式や舞踊、刺しゅうやアットゥㇱ制作といったアイヌが持つ固有の知識や技術を深く理解するなど、アイヌ文化に精通した者による管理運営が最も適しているため、アイヌ関係者が組織する団体によって指定管理方式で管理運営をすることが望ましいと考えているところであります。ご質問の7点目、「施設の果たすべき役割について」であります。本町では、幕別アイヌ協会やマクンベツ文化伝承保存会の活動を通じてアイヌの歴史を学ぶ場や伝統文化を体験する機会が一定程度あるものの、蝦夷文化考古館の老朽化が著しいことから、建物と収蔵資料の保存修復、適切な環境下における資料の展示と収蔵、収蔵資料の調査研究とその成果の情報発信が急務となっております。また、アイヌ関係団体の会員の高齢化や活動拠点となっている千住生活館の老朽化により、アイヌ文化を承継する担い手の育成や施設の日常的な利用にも支障を来していた状況にありましたことから、資料の保存、研究と伝統文化の伝承を結び付け、多くのアイヌの方々が誇りをもって活動できる拠点として、「第2のウポポイ」を目指し、アイヌ文化拠点施設を整備するとしたところであります。当該施設は、アイヌの方々が誇りをもって築き上げてきた伝統文化を広く地域住民や道民、さらには国民に伝えていくため、アイヌの歴史と文化に対する理解の促進と、先祖代々培われ、受け継がれてきたアイヌ文化をアイヌのみならず地域住民も一緒になって、尊敬の念を持ち次世代に伝えていく役割を担うものにしなければならないものと考えており、その役割を果たすべく、今後におきましても、当該施設においてアイヌ文化を伝承する各種事業に取り組んでまいります。以上で、内山議員のご質問に対する私からの答弁とさせていただきます。
再質問 4番 内山美穂子
再質問させていただきます。1番からです。公告の後に配合試験と屋根の下地工事が漏れていたことが分かったわけですが、請負業者の指摘があったので、再確認して入札中止に至ったということでしょうか。
答弁 都市計画課長 松井公博
工事の中止に伴います工事の工程の見直しの関係でございますけれども、今回、建物と外構を併せて年度内に完了させるということから、各外構と建築の工事にそれぞれ支障が生じないように、公告の後にはなりましたけれども、工事の中身の、工事の進捗がスムーズに行くように再チェックを行った際に、今回、地盤改良に必要な配合試験と、それから屋根の下地工事について工程に含まれていないということが分かりましたものですから、新たにその期間を追加しなければならないということが生じたものであります。以上です。
再質問 4番 内山美穂子
それでは、請負業者の指摘があって見直ししたわけではないのですね。伺います。
答弁 都市計画課長 松井公博
入札公告後ですので、指名業者さんにはなりますけれども、そちらからの指摘ということではなく、あくまでも発注者側のほうで確認をして分かったということでございます。
再質問 4番 内山美穂子
それは、公告前に確認することはできなかったものなのでしょうか。
答弁 都市計画課長 松井公博
今回の生活館棟の実施設計でございますけれども、令和5年度の業務としまして、業務の完了が令和5年度の年度末ということで業務期間を設定しておりました。それで、今回の生活館棟の建設工事の入札につきましては、4月 24 日に入札の執行を予定しておりましたことから、委託業務の完了しました時期から入札の公告、これ4月3日になりますけれども、それまでの短いスケジュールの中で設計の内容を確認しておりましたので、工程の確認不足が生じたものでありました。以上です。
再質問 4番 内山美穂子
公告後に入札が中止になるというのは、なかなかないと思います。今後においてチェック体制の強化も必要だと思いますが、それは強く求めていきたいと思います。冬期養生を避けて事業費を抑えるとのご答弁でしたが、確かに養生費はないでしょうが、工事が分割して遅れることによってトータルで工事費が増えることになり、交付額の総額に影響が及ぶのではないかと心配しております。この点について伺います。
答弁 都市計画課長 松井公博
交付金の交付額の総額に影響があるかということでございますけれども、交付金につきましては、生活館棟につきましては、建物として交付金が上限2億円ということになっておりますので、そちらの交付金については影響がないものと考えております。工事を分割することによる工事費の増額ということでありますけれども、こちら試算をしましたところ、当初計画しておりました工事費から 1,650 万円ほど増額となる計算でございます。
再質問 4番 内山美穂子
二つ目の質問にいきます。最近、大きな話題を集めましたが、人口戦略会議において消滅可能性自治体が公表され、厳しい現実が浮き彫りになりました。人口減少は、担い手、消費の両面から地域経済にも影響を与え、施設の老朽化や高齢化の進行は進み、財政への影響が避けられないと思います。そこで、本町の財政状況ですが、令和4年度決算で見ると、類似の 99 団体との比較では、財政力指数は 0.35 で 96 位、将来負担比率、実質公債費比率ともに最低付近のランクとなっています。住民1人当たりのコストを見れば、維持補修費は何と類似団体の中で最も経費がかかっている自治体になっています。私は大変厳しい状況であり、相当な危機感を持っていかなければならないと考えておりますが、まずは町長に、このような財政状況をどのように捉えているか、お伺いします。
答弁 町長 飯田晴義
類団の 99 というのは、私は全くどこを指して 99 といっているのか分からないわけで、幕別町はⅤ-2類型で、そんな類団はないはずなので、ちょっとそこの 99 分の 96 というのは何を言われているのかちょっと分かりませんでした。ただ、財政状況については決していいとは思えません。やっぱり非常に、綱渡りまでいきませんけれども、当初予算で財調等の基金を崩して、それをいかに戻せるか、戻し切れるかどうかという状況にありますので、苦しいことは間違いないわけであります。ただ、そういう中で何に重点を置いていくか、重点化をしながら予算編成をしているわけでありますから、これを財政再建団体みたいになってしまうと全く何もできない、そうならない中で重点化をしながら、選択をしながら事業を実施しているというのは現状であります。
再質問 4番 内山美穂子
99 団体というのは、幕別町のホームページから財政計画、財政のところをクリックしていくと、その資料が全部出てきますので、後で確認していただきたいと思います。やはり同じような財政規模の自治体と比較しなければ、自分の財政状況がどうなのかということを客観的に見ることが乏しいのではないかということで、99 で見させていただきました。先日、北見市内の老朽化した 14 の小学校プールが財政難で改修を断念したとの報道がありました。こうしたことを前提に新たな施設の整備に当たっては、建設の財政負担や継続される運営管理費を見通して、ほかの行政サービスへの影響も十分考えていく必要があると思っております。加えて、どのような運営をして地域の活力につなげていくのか、また町民としっかり情報共有されているのかの観点で幾つか質問させていただきます。施設整備に関わって、地域住民への説明会などを含めどのような手法で周知されたのでしょうか。私は町民の理解が不足しているのではないかと思いますが、町としてこの点をどう思うか、お聞きします。
答弁 生涯学習課長 石田晋一(生涯学習課長は2024年6月まで)
施設の整備に当たりましては、地域の住民とどのように情報共有してきたかということだったと思いますが、千住の公区の方々、もともとありました千住生活館は近隣センター的な役割もございましたので、そういった方々との総会にも足を運んで説明をさせていただきました。また、さらに千住生活館を利用していましたアイヌ協会ですとか、マクンベツアイヌ文化伝承保存会の会員の方々が活動している中にも行きまして、こういった施設の整備について事細かく今まで説明をしてきたという経緯がございます。以上です。
再質問 4番 内山美穂子
持続的に地域をつくっていくのは町民の意思だと考えていますので、今後も丁寧な説明をし、町民が納得できるよう進めていくことを求めたいと思います。そこで、改めてですが、この計画や建設費などの編成に関して幾つか疑義がありますので、少し長くなりますが、時系列で説明した後に質問させていただきたいと思います。まず、初めて具体的な構想が示されたのは令和3年8月の委員会ですが、ここでは資料の学術的価値の説明から始まり、幕別アイヌ協会やマクンベツアイヌ文化伝承保存会との意見交換などを踏まえて、アイヌ文化や生活館の再生支援など、目的に沿った事業が展開され、そのための器として多機能型交流施設を整備するといったものでありました。私としては、関係者との議論も含めて大変丁寧な検討がなされていると評価していたところです。その後、令和4年1月、全員協議会で交付金を活用した施設整備と展示計画が示され、アイヌ文化拠点空間整備事業という名称で空間全体をアイヌ文化の情報発信、交流拠点にするといった整備内容が出てきました。丁寧にご説明いただき、どのように事業が進んでいくのか、より具体的にイメージすることができました。そして、この計画が内閣府から認定され、令和4年4月1日付けで交付が決定し、同じ4月 28 日の第2回臨時会で基本計画策定業務に関連する予算の議案が提出され、可決しています。ところが、この1年後、基本計画になりますが、これについては議会でも二つの常任委員会への説明にとどまっています。ということは、建物がどのようなものになるのか、施設規模や具体的な計画の内容が議員全員に示されないまま、不透明にステップが進んでいたという印象を私は持っています。建設費ですが、先ほど一応 14 億 700 万円と示されましたが、基本計画での想定では、施設の建て替え、展示収蔵品の修復など総工費9億 6,200 万円が示されております。そうであれば、当初計画から4割近く増加していることになります。さらに、新たな施設整備の財政負担を考える場合、建設コストだけの議論では不十分であり、実際は、運用コスト、保全コストなどを合わせると、建設コストの4倍くらいかかると言われています。特に、建物の形状が複雑になればなるほど管理が難しいですし、維持管理経費の増加を招くことになります。この施設については、基本計画をベースに令和5年1月、パブリックコメントを行っています。一つ紹介しますと、収益を求めるような性質の施設でないことは理解しているが、財政状況などを踏まえると、将来にわたって発生するコストを明らかにし、コスト低減策や収入増の政策を盛り込んでいただきたいというご意見でした。これに対して、整備等の詳細が決まっていないので、現時点では将来的なコストを明示できないが、今後も厳しい財政状況が続くと認識しているので、将来の財政負担を極力低減できるよう、建築方法と運営方法に工夫を凝らしていくと町は答弁しています。現在の姿はこうした意見をしっかり取り入れた上で、設計業者と協議をしてきた結果と思われますが、発注者側である町の対応が大事であります。仕様書にも各項目に定めた業務の詳細な内容は、委託者の指示によるものとし云々と書かれています。なので、当然、設計業者主導ということはなかったと思いますし、パブリックコメントや関係者などの意見を踏まえて、設計に至るまで何を重視してきたのか、そのポイントだけ簡潔にお示しいただきたいと思います。
答弁 教育長 笹原敏文
答弁の中でも触れておりましたけれども、この施設につきましては、このアイヌ施策推進法に基づいて国に計画を認めていただき、アイヌの方々の誇りを尊重される社会の実現を目指すといった目的で施設の整備をするというものであります。そういった中にありまして、これまでもアイヌ関係者の方々と複数回、この施設のあり方を協議させていただいて、内容についてどうあるべきなのかご検討いただいて、この設計に反映してきたというものであります。その都度、その中において基本計画、基本設計、そして実施設計という中で、その時々、可能な限り分かる資料を基に事業費の積み上げをしてきたということで、工事費についても含めてその事業費の精度を上げていった結果、現在のあの事業費になったものだろうと考えております。いずれにいたしましても、この施設の目的といたしましては、アイヌの方々のこれまで保存、伝承してきたそういったものを広く地域の方々、または道民、国民の方々に知っていただく、そしてまた、アイヌの方々とこうした場所で交流をしていただくということが目的でありますので、そうした観点に基づいてこれまで進めてきたものであります。
再質問 4番 内山美穂子
目的は私も十分承知しております。実施設計の内容を見ますと、この施設規模にしましても、これがベストなのかと感じる面が多々ありまして、それはこの春のことなのですけれども、現在の建設費は町の財政負担を極力低減された金額になっていると考えてよろしいのですね。
答弁 教育長 笹原敏文
先ほど答弁したとおり、この施設のあり方、規模も含めてですけれども、アイヌの方々にどういった活動ですとか、事業ですとかを行うべきなのかということも含めて検討を重ねてまいりました。その結果、こうした施設の内容が必要であろうということで設計も進めてまいりましたので、その結果、こうした事業費になったものについては適正なものであると考えております。
再質問 4番 内山美穂子
建物全般に関わって、維持管理コストをお示しいただきたいのですけれども、博物館、文化財を保存しているような施設というのは、文化財の退色とか腐食を防ぐため、徹底した温湿度管理はもちろん必要だと思います。国立科学博物館では、光熱費の高騰で危機的な状況になり、クラウドファンディングを行いました。東京国立博物館も同様であり、国立でさえこのような状況になっており、幕別でも起こり得るのではないかと危惧しております。維持管理費用含めたコストをお示しいただきたいと思います。
答弁 教育長 笹原敏文
維持管理コストについてでありますけれども、今の時点で積算しているものはございませんので、お示しすることはできません。ただ、答弁にありましたとおり、極力建設後の経費の負担を抑えるような資材ですとか、設備を整えるという観点で設計を進めてきておりますので、少しでも維持管理コストのかからないような運営になるように努めてまいりたいと考えております。
再質問 4番 内山美穂子
私も建築のほうは詳しくないのですけれども、ただ、ああいうふうに設計書が出来上がってきた時点で、将来的な維持管理コストも踏まえた上の内容になっているのかなと思っていましたので、今の時点で答えられるものがないということでしたので、分かりました。これまで、初期投資につきましては、ほとんど国の交付金と地方財政措置で賄われるというイメージがあって、そのような説明がされてきたと承知しています。初期投資の段階で交付金が 10 分の8とされ、補助裏の半分は地方交付税措置があるとのことだったと思います。しかし、令和4年度の予算では、整備事業費が7億 4,732 万円と示されており、財源としてアイヌ政策推進交付金4億 4,871 万円になっています。地方債が4億 1,110 万円も計上され、そのほかは道の補助金と森林環境贈与税の繰入金などとなっています。交付金は建設費の3分の1程度しか計上されておりません。令和4年度と令和5年度も7割になっています。この交付金については、先ほどご答弁でもありましたが、上限が年間2億円ということだったのですけれども、ということは、10 分の8ということの補助対象外はどのくらいあるものなのか、お示しいただきたいと思います。対象外も多分あると思います。
答弁 生涯学習課長 石田晋一(生涯学習課長は2024年6月まで)
対象外、事業自体は内閣府の交付金の対象なのでありますが、先ほども申し上げたとおり、施設につきましては1施設2億 5,000 万円、事業費で2億 5,000 万円が上限とされております。それの8割ですから、2億が交付金の上限となっています。対象か、対象でないかということではなく、それを超える部分が町のほうで財政というか、財源を確保しなければいけないということになってきます。ただ、ソフト事業に関しましては、うちのほうで今進めています事業全体が限度額は設けていませんので、全て8割、国からの交付金で対応できる事業となっています。以上です。
再質問 4番 内山美穂子
ということは、建物に関してはかなり町の持ち出しが増えていくということになるという理解でよろしいのですか。将来負担がさらに悪化することを懸念しておりますが、どのような認識をお持ちか、お聞きしたいと思います。
答弁 町長 飯田晴義
生活館棟、展示館棟、全体事業費、事業内容については、当初から議会に対して丁寧に私は説明して意を尽くしてきたと思っております。ただ、その事業内容はどういったことをやる施設にするのだ、どういったものを展示する施設にするのだということが決まれば、おのずと面積であったり、それに合った資材を使うということになってきますので、特にこの施設については、アイヌでありました吉田菊太郎さんが自ら集めて、自ら建てた蝦夷文化考古館、これが老朽化して、非常に貴重なものが 1,700 点も収蔵されているにも関わらず、それが自然のままではどんどん劣化していくと。それを今しっかりと温度管理、湿度管理をしていかないと、そのものの価値がなくなってしまう、そういう危機感があるわけでありますから、これはやっぱり収蔵品をしっかりと保存していく、適温、適した湿度の中で収蔵していくとともに、この施設で事業展開していくアイヌ文化の保存振興、これは私は、幕別の施設でありますけれども、これは十勝地域全体のアイヌ文化をリードしていく施設にしたいと、そういう思いを持っているわけであります。それは何かというと、冒頭の答弁でもあったように、もうアイヌ語がしゃべれるアイヌの方はほとんどいないのですね。これちょっと古い統計でも言うと、北海道庁が実施したアイヌ語がしゃべれるかどうかということをアイヌの方々に聞いた調査では、全道で5人しかいないです。アイヌ語しゃべれる方が5人しかいないという、そういうもう惨たんたる結果でありましたので、私はこの中でアイヌ語の全国で初めての公設の講座を実施して、アイヌ語、ここで途絶えさせてはいけないのだということを考えておりますし、またアットゥㇱもそうです。これは、今はオヒョウニレの皮を取ってきて、それを糸にするところまでしかいっていない。これを着物にするまで工程が完成していないので、これをしっかりと工程を完成して着物ができるということになれば、この後の言ってみれば生活の糧にも結びついてくるであろうということもありまして、しっかりとアイヌ文化を確立していく、伝承していくということによって、そこに生活の糧というものもついてくるだろうという思いもここにあるわけでありますし、また、この管理運営については、指定管理を考えているわけですよ。やはりアイヌの方々でつくっていただいた団体に管理していただくのが一番であろうということで、今まさにその作業を行っているわけでありまして、そのことによって、指定管理をすることによって、そこで働く方の生活の足しといったらちょっと悪いですけれども、生活の糧にもなるでしょうし、あるいはアイヌの方をそこで講師になってもらうことによって、そこも収入が得られるということでありますので、この施設全体を通して、アイヌ新法の中には生活支援という概念がありません。これまさに5年たって、今アイヌ新法の見直しをやっている時期でありますけれども、そこは全くないわけで、私はそれはこの事業を通じて、ソフト事業も含めてその事業を通じてアイヌの方々の生活、暮らしぶりが向上すること、あるいは教育が向上することにつながっていくことを望んでいるわけでありまして、そういう思いの中でこの施設の内容、取り組む事業内容についてご説明をしてきて、それがよしとなった上で、では必要な面積が決まる、使う部材もそこに当然ついてくるわけでありまして、ただ、建物の建て方、意匠については、箱物を建てればいいというものではないというふうに思っています。やっぱりアイヌの何か表現をしなければならない。ということを考えれば、冒頭説明したコタンをイメージしたような屋根の形状にしていくと。ただ、そこには特殊工法が入ってきますので、多少高い。ただ、これは将来とも非常に耐用年数が長いという配慮をしているわけでありますし、また断熱においても優れているということがありますので、これは恐らく 70 年、80 年使っていく、ひょっとすると 100 年使うということになりますから、そういうスパンの中で、ランニングコストのかからないような、そして今イニシャルコストもできる限り抑えた整備をしている、その結果としての 14 億円ということでありますので、そこは高いとか安いとかというのではなくて、この資材費が高騰している結果、14 億円になったということも理解していただきたいと思います。
再質問 4番 内山美穂子
町長のこの施設の整備に対する思いは大変理解しました。私もそういう思いは持っていますけれども、過度な設備投資になっているのではないかなというところで質問させていただいたわけです。3番目の総合管理計画もありますが、計画はある意味、その時点で策定したものであり、その後の状況の変化もあり、いたずらに計画の目標を墨守してくださいと言っているわけではありません。しかし、一番心配している財政に対する基本認識や管理計画の趣旨、目的をきちっと踏まえた上で、個別の施策について検討がなされるべきなのですけれども、ご答弁では検討されたということでしたので、今後の施設整備に関わっては管理計画の考え方に基づいて進めていただくことを強く求めます。屋根の形状です。ガルバリウム鋼鈑、45 年の耐用年数ということでしたが、これ 45 年間全く何もしなくてもいいというわけではなく、ある程度メンテナンスは必要になってくると思いますが、いかがですか。
答弁 都市計画課長 松井公博
今回採用します屋根材のガルバリウム鋼板でございますけれども、こちらにつきましては、メーカーのほうの耐用年数としまして、25 年の耐用年数があるということになっております。それからその下地材の、今回、金属屋根防水工法という工法を使って高い防水性の工事を行うのですけれども、今申し上げましたように、ガルバリウム鋼板で 25 年、それからその下地材になりますけれども、その下地材につきましては、表面のガルバリウム鋼板が劣化をしない限り、半永久的に使用することができるということになっております。また、そのガルバリウム鋼板が劣化した場合にも、紫外線に露出してしまうわけなのですけれども、それでも 20 年間はその状態で対応できるということで、合計 45 年ということで考えております。
再質問 4番 内山美穂子
屋根の形状につきましては、やはり供用開始後にいろいろな自治体の公共施設においても、不具合が生まれて大変なことになっているということがありますので、心配するのは国道側の 36 メートルの長い横ぶきの切妻屋根なのですけれども、屋根の勾配が大変緩いのですね。屋根の勾配が大変緩いということは、春先に凍ったものが、雪が凍って、そこに水がたまって、鋼板の劣化を招いたりですとか、すが漏りの原因になったりですとか、いろんな不都合が出てくるのではないかと心配しています。ある自治体では、同じような長い切妻屋根の形状で、もう供用直後にそういう問題が起きて、バケツを置いたりして対応しているという話を聞いたので、今回は文化財を保護する建物なので、大変心配しております。先ほど、受皿の話を町長がされましたが、今の段階での進捗状況でお話しできることはないでしょうか。
答弁 生涯学習課長 石田晋一(生涯学習課長は2024年6月まで)
この施設の計画を進める段階から、いろいろと町内の幕別アイヌ協会ですとか、マクンベツアイヌ文化伝承保存会の方々と話してきて、そこにも北海道アイヌ協会の役員の方も入っていただいて話を進めてきました。その中で、どういった管理方法がいいかというところを検討してきた中では、新たな団体の設立、それは当然十勝の方々で、幕別だけでは全然ニーズ的にも賄えるものではありませんので、十勝の方々の協力をいただきながら進めていこうということになりました。1度、団体の代表者集まった中に私も参加させていただきまして、おおよその事業のほうは説明させていただいております。それに対しまして、今、団体の設立に向けて主だった各町の協会の会長さんを含めて検討しておりまして、今度新たにまたその方々を集めていただきまして、私どもも含め、直接町長から思いを伝えていただいて協力をお願いしようというところまで今進んでおります。以上です。
再質問 4番 内山美穂子
いろいろ聞きたいこともあったのですけれども、ソフト事業のほうとかも聞きたかったのですけれども、最初のほうに時間が取られまして、別の視点で、財政的な視点で質問させていただきました。過度な施設規模と運営資金の投下で、結果として、本来、町が必要とされている事業が後回しにならないのかということを懸念した上です。この施設は、同化政策や差別など、過去の正しい歴史をしっかり伝えていく役割もあります。これから持続可能な社会の実現に向け、町民一人ひとりの主体的な活動も求められてきます。だからこそ、町民への説明と理解が必要と思います。このようにして、この施設を一つの核にして地域振興、まちづくりが進んでいくものと考えています。まちづくりにどうつなげていくか、町長に最後にもう一度お話しを聞きたいと思います。地域振興にどのように。