幕別町議会 平成30年第4回定例会 2018年12月12日
今こそ自然・再生可能エネルギー政策の充実をについて
2018年12月12日、幕別町議会の一般質問で、板垣良輔議員が「今こそ自然・再生可能エネルギー政策の充実をについて」質問し、町長 飯田晴義、防災環境課長 寺田治が答弁しました。
- 質問者
- 板垣良輔 議員
- 答弁者
- 町長 飯田晴義、防災環境課長 寺田治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 板垣良輔
通告に従いまして、質問を行います。今こそ自然・再生可能エネルギー政策の充実をについてであります。エネルギー政策の見直しが求められています。9月に発生した北海道胆振東部地震の直後、全道規模の大停電が起こりました。幕別町でも最長で2日間にわたり電気が使用できず、スーパーやコンビニ、ホームセンター、ガソリンスタンドには長蛇の列ができ、また、災害情報が行き渡らず町民は不安な日々を過ごしました。病院で治療中の患者の中には、施術を受けることができず、命の危機を感じた方も多くいました。このたびの停電で、私たちは幾つかのことを学びました。電気に依存した生活をしていること、そして苫東厚真火力発電所で北海道の電力需要の半分が賄われていることなどです。従来の一極集中型の発電システムでは、今回のような事故があった際、対応し修繕を行い復元するのに大変な手間と時間を要します。一方、北海道の送電線の容量の都合で売電できないという懸念から、地方の発電施設建設計画が相次いで足止めされており、十勝ではこの事態を受け協議会を設置し、地域で利活用するための分散型電源を検討していると聞いております。地域は今こそ自立して、電力を生産し消費することが可能な小規模分散型のシステムに切りかえるときが来ているのではないでしょうか。以下のことについて伺います。(1)幕別町におけるバイオマス、バイオガスや小水力など自然・再生可能エネルギーの賦存量及び実際に利活用している資源の量。(2)実現に向け課題を検討し、さらなる調査を行うこと。以上です。
答弁 町長 飯田晴義
板垣議員のご質問にお答えいたします。「今こそ自然・再生可能エネルギー政策の充実を」についてであります。本町では、自然エネルギーの地産地消の推進や、エネルギーの効率的な利用、環境負荷の軽減に向け、化石燃料に頼らない新たなエネルギーの導入に向け、平成 18 年に幕別町地域新エネルギービジョンを策定し、住宅用太陽光発電システムや木質ペレットストーブの導入に対する助成を行い、再生可能エネルギーの導入促進を図ったところであります。また、環境への負荷軽減や安定した電力の確保のため、保育所や学校施設等の公共施設においても、太陽光発電を採用するとともに、近年は役場庁舎、札内コミュニティプラザにおいて、地中熱ヒートポンプによる再生可能エネルギーにより、自然環境に優しい公共施設を整備しているところであります。ご質問の1点目、「本町におけるバイオマス、バイオガスや小水力など自然・再生可能エネルギーの賦存量及び実際に利活用している資源の量は」についてであります。本町における自然再生可能エネルギーの賦存量については、直近では算定しておりませんので、平成 28 年度に実施した「幕別町地域新エネルギービジョンの検証結果報告書」の新エネルギー4種別の賦存量及び太陽光発電については、同ビジョン策定時の計算根拠に基づき算出した賦存量を例に申し上げます。一つ目の雪氷熱エネルギーについては、年間賦存量が 7,523 万トンでありますが、町内にはこうした施設がありません。二つ目の家畜ふん尿バイオマスについては、年間賦存量4万 1,750 トンのうち、9割に当たる3万7,575 トンが堆肥として利活用されております。三つ目の木質バイオマスについては、年間賦存量1万 561 トンのうち、1万 508 トンがエネルギー利用や農地還元等に利活用されております。四つ目の廃棄物発熱利用エネルギーについては、町内から排出される一般廃棄物のうち、可燃ごみの総量を賦存量とした年間賦存量 3,280 トンのうち、幕別地域分の 3,058 トンをごみ焼却施設で全量焼却し、熱エネルギーとして利活用されております。また、太陽光発電については、年間賦存量が4万 8,400 ギガワットアワーであり、年間 29.5 ギガワットアワーの利活用があります。ご質問の2点目、「実現に向け課題を検討し、さらなる調査を行う考えは」についてであります。本年9月6日に発生したブラックアウトにより、従来からの大規模集中発電設備のあり方や、道東方面の送電系統の脆弱性の問題が重要視されるようになり、9月 28 日付で道内 10 町村及び酪農学園大学等で構成する「北海道家畜バイオガスプラント事業推進協議会」が北海道電力株式会社に対し、エネルギーの分散と固定価格買取制度、いわゆる FIT の認定がスムーズに受けられるよう、送電線の強化について要望しております。また、十勝管内においても、10 月 10 日に帯広市、十勝町村会、十勝地区農業協同組合長会、帯広商工会議所、帯広畜産大学、金融機関等で構成する「十勝バイオガス関連事業推進協議会」が設立され、11 月2日付で農林水産省及び資源エネルギー庁に対し、酪農畜産の再生エネルギー源等による地産地消型エネルギーシステムの構築や、バイオガスプラントの建設資源などの要請を行っているところであります。今後も十勝市町村会の一員として、引き続きバイオガスプラントによる再生可能エネルギーの利用促進に努めてまいりたいと考えております。以上で、板垣議員のご質問への答弁とさせていただきます。
再質問 1番 板垣良輔
それでは、再質問を行いたいと思います。9月頭に北海道胆振東部地震が起こりまして、その直後に全道で停電が起こりました。想定外の大規模なブラックアウトということで、こういう災害時にこそ、住民の要求とか要望というのは噴出するものだと思います。その際の町長の苦労は大変なものがあったのではないだろうかというふうに想像するところです。まずは、広く町長のお考えを伺いたいと思います。今回の9月頭のブラックアウトを受けて、その前後で変えられた思い、考え、あるいは強められた思い、考えなどありましたら、お聞かせください。
答弁 町長 飯田晴義
今回のブラックアウトについては、我々の力ではいかんともしがたい、ほとんど無力さを感じたわけであります。せいぜい役場庁舎、札内コミプラ、ここは非常電源がありましたので、ここでなるだけ平常業務をやっていこうと。ただ、住民の方が要望しておられた充電については、いつまでこのブラックアウトが続くかわからない中で、なかなか電源を提供することができなかった、そういうつらさも実はあったわけであります。それで、今回一番感じたのは、このブラックアウトに関連して、下水道の札内ポンプ場が機能しなくなったわけでありまして、もうあと 10 センチぐらいで本当にあふれるかという非常に危機的な状況になったわけでありますけれども、その際に、動かなくなった時点でなるべく水を使わないでくださいといった周知を図ったわけなのですが、何しろ広報車であったり、ホームページに出しても電源がない、通じるところ、通じないところもあって、なかなか行き渡らないわけで、ともかく一戸一戸、各家庭に正確な情報が伝達できなかった、あるいは水の問題でデマが飛び交っておりましたけれども、その正確な情報も出せないということがありましたので、やはりこういう災害時に備えて、住民の方に的確で迅速な情報伝達システムというものが必要なのだなということを痛感したわけであります。
再質問 1番 板垣良輔
私も地震、ブラックアウト直後に町の中といいましょうか、住宅地といいましょうか、入りまして、いろんな意見を聞いてきました。今、町長がおっしゃったこととほとんど同じようなことを考えていらっしゃる町民の方多くおりました。電気がなかったら、テレビもラジオも視聴できない。それで、もう被災状況というのがわからないですし、この停電がいつまで続くのかわからない。それで、断水するぞというデマが流れて、それの真偽を確かめるすべがないし、今度は下水道が危ないぞという、これは本当なのだというので、非常に情報の伝達の方法について危惧されている方が多くおりました。幸いと言っていいのか、2日間というふうなことでありましたので、大事には至らなかったというふうなところであります。幕別町だけでなく、今回のブラックアウトについては、全道、北海道に住む方々、もう皆さんがこのように感じたのではないかなというふうに思っております。ほかに、もしも住民の方から困った声で、町に寄せられたもの、また、町で把握しているもの等がございましたらお聞かせください。
答弁 防災環境課長 寺田治(防災環境課長は2022年3月まで)
ほかにということですけれども、ほとんど町長がしゃべってしまったのでないのですけれども、今回のブラックアウトを受けて、きのうもちょっと答弁させていただいたのですが、十勝総合振興局で即座に十勝管内の全市町村あるいは北電、NTT、あと金融機関ですとか、農協関係者、運輸関係の方を集めて、この震度4の地震に対して一体何が起きたのかと、記憶が新しいうちに1回整理しようということで、みんな集まって話し合いをしました。その中で出たのが、やはり情報なのですね。正確な情報が伝わらなかったために混乱を招いたということで、十勝総合振興局のほうで、ホームページ上で十勝の情報を1か所に集めて、今後このような間違った情報が流れないような、正確な情報を十勝管内全域に伝えるという対策をとったところであります。以上です。
再質問 1番 板垣良輔
日本は地震大国ということで、地震が頻発する地勢的な条件がそろっておりますので、10 年後、20 年後に今回と同じような規模、あるいはさらにそれを上回るような規模での地震が起こり得るというふうに考えております。電力会社が発電の方針をこのまま変えなければ、また先ほどの情報伝達のすべがないであったり、デマ情報に混乱するとかというようなことが、いつか再び起こってしまうのではないかというふうに考えております。電気も今となっては、暮らしに欠かせない社会的なインフラであります。災害があってもすぐに復元できるように手だてをとっていくこと、これは何としても 10 年後、20 年度、いつやってくるかわからない災害に向けて今からやっていかなくてはいけないのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
答弁 町長 飯田晴義
それは全くおっしゃるとおりでありますので、ただ、我々はお願いするばかりでありまして、電力会社が専門的な技術も駆使しながら、二度とこういったことのないように、今回の反省を踏まえて私はやってくれているというふうに思いますし、本当に二度とあってはならないなというふうに思っております。
再質問 1番 板垣良輔
おっしゃるとおりだと思うのです。なのですが、僕は町長より多少悲観的に考えているというのかな、このような地震があってブラックアウトというふうになって、多数の生活に不安を与えるような事態になっても、あるいは先ほど質問の中で言いましたが、病院で入院されている患者の中には命の危機を感じるというような、そういった事態となったにもかかわらず、今のところ、この大規模集中型の電力のシステムを変えるというようなことを、電力会社は特段表明していないように感じております。多分これからも見直すことはないのではないかなと思っているのです。というのも、福島原発事故が起きても、なお原発再稼働を推進していくというような立場なわけですから、苫東厚真は、きっとこれからも北海道の電力需要の半分を発電していくのではないかなというふうに考えております。現在の電力の体制で、発電所にエラーが起こった場合、自治体行政や、あるいは個人ができることといったら、病気やけがで言うところの応急処置程度なことしかできないというふうに思います。発電機を貸し出したりとか、ホームセンターでラジオと電池を大急ぎで買ってくるとかというような、そういったことしかできないのではないかというふうに思っております。私が今回の質問でただしているのは、こういった応急処置をより強めろというふうに言っているのではなくて、こういった全道的なブラックアウトがそもそも起こらないようにする、停電したとしても局所的、限定的であって、2日間とかと長期に起こらないようにする。つまり予防をしていくという発想が必要なのではないかと思っています。町長の先ほどの答弁の中で、もう既に幾つかの推進協議会が設置されて、地産地消のエネルギーシステムについて検討しているというふうな答弁がありました。これまでの電力の制度を大きく変えていくというふうな十勝での取組になりますので、乗り越えていかなくてはいけない制度とか、技術の壁というのは多くあるのだろうと思いますが、その中にあって、町長には文字どおりエネルギーの分散型電源を推進していく協議会となるように、前向きに進めていくべく今以上に認識を強めて参加していただきたいというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
答弁 町長 飯田晴義
バイオガス関連事業の推進協議会、十勝産学官金の構成で、十勝を挙げてバイオガスの受電をしていただくようにというような、そういうお願いもしているわけでありますけれども、これがその分散型、十勝におけるエネルギーの主翼を担うかというと、そこまでの発電量はないのですね。もちろん地産地消という部分はありますけれども、農業振興面での役割も非常に強いわけで、そこを永続的に農業をやっていく中で、労働力の問題があります、省力化の問題もあります。そういう中で、いろんな畜産が抱えている課題を解決する一つの手法として、今バイオガス発電所の推進をお願いして、受け入れをお願いしているということでありまして、北海道全体あるいは日本全体のエネルギーというふうに考えたときに、そこまでは担えない。ただ、ベースロード電源になることは間違いないけれども、発電量からすると、そこまではいかないだろうなというふうに思っています。ただ、やることは電力も地産地消もありますし、農業、酪農業の振興という観点からも、しっかりとこれは、私は力を入れていかなければならないなというふうに思っております。
再質問 1番 板垣良輔
おっしゃるとおりだと思うのです。ベースロード電源にはなるけれども、それだけで全ての電力を賄う、生活に一切不安なく安定的な供給が行えるというふうな規模になっていないというふうなことは重々わかっているつもりです。それでもなお進めていくということが何よりも大切なのだろうというふうに考えるわけであります。FIT システムですね、固定価格買い取り制度によって、全国的に自然エネルギー、再生可能エネルギーを普及することができました。なのですが、自然エネルギー、再生可能エネルギーが、まるで投資の対象、投機の対象、売電益をもうけるためにやるのだというような、そういったものになってきてしまって、そういうものに取り扱われてきている現状がございます。今回、送電線の容量の問題と、今般のブラックアウトによって、自然エネルギー、再生可能エネルギーはそういった色眼鏡を抜きにして、本来の可能性がちゃんと注目されてきているのではないかというふうに感じているのです。もちろん課題があります。今、町長がおっしゃったような絶対的な規模ですよね。そういったものであったり、制度や技術の壁とかというのがもちろんあると思いますが、ぜひとも進めていっていただきたいというふうに思います。繰り返しになりますが、これから推進協議会で始まろうとしている取組は、さまざまな主体がかかわる、長期にわたる取組になるかと思います。ですので、今すぐ具体的な施策をというふうに求めるつもりはございません。地域分散型電源によって、その程度はありますが、電力が地域で循環するということ、また、電気料金を通して経済が循環していくということ、また、環境負荷の低減になって災害のリスクを分散することができるということで、非常に積極的に進めていくべき政策だと思います。ぜひ、前向きに実現に向けて検討を行うことを求めます。同じようなことを聞くかもしれませんが、もう一度答弁をどうぞよろしくお願いいたします。
答弁 町長 飯田晴義
十勝が抱える畜産の課題を解決する、においであったり、労働力不足であったり、あるいはお金をかけて堆肥をつくったのが、逆にお金をもらえるという、さまざまなメリットがあるわけでありますので、しっかりとここは取り組んでいかなければならない。ただ、先ほど申し上げましたように、地域における主要な電力を担うというところまではいかないわけで、やはりそこは私は農業振興のためにやっていかなければならない。絶対量からして十勝全域をカバーできるような電力にはならないので、そこはそれぞれの町が抱えている農業上の課題として、それが課題がかなうような、解消できるような形で、十勝を挙げて取り組んでいくべきだというふうに思います。
再質問 1番 板垣良輔
わかりました。さまざまなそういった課題あると思います。同じことを言いますが、何はなくとも多くの市町村、十勝の市町村が一丸となって、これに取り組んでいって進めていこうと思ったことは、まず何よりも喜ぶべきことだなというふうに思います。ぜひ、これを前向きに実現できるように進めていただきたいということを求めまして、私の質問を終わります。