幕別町議会 平成29年第3回定例会 2017年9月6日
平和推進事業のさらなる充実をについて
2017年9月6日、幕別町議会の一般質問で、板垣良輔議員が「平和推進事業のさらなる充実をについて」質問し、町長 飯田晴義、教育長 田村修一、長調 飯田晴義が答弁しました。
- 質問者
- 板垣良輔 議員
- 答弁者
- 町長 飯田晴義、教育長 田村修一、長調 飯田晴義
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 板垣良輔
通告に従いまして、質問を行います。平和推進事業のさらなる充実をについてであります。ことしは、国連で核兵器禁止条約が採択された平和の記念の年です。戦後 72 年間、被爆者とその思いに賛同するたくさんの人たちの地道な運動が結実し、国際社会を動かすことになりました。幕別町議会は、昭和 60 年に平和非核宣言を制定し、町では町内3カ所に宣言が書かれた看板を設置しております。また、幕別町は平和首長会議に加盟しており、これまでもさまざまな事業に取り組んでおりますが、今こそ平和推進事業を発展させるべきではないでしょうか。よって、以下のことを伺います。(1)本町のこれまでの平和事業の取り組み。(2)平和の啓発事業について。①日常的に平和を意識する機会を提供する事業を多様に展開させるべきだと考えるがどうか。②平和な未来を子供たちに引き継ぐため、平和教育を推進させるべきだと考えるがどうか。以上です。
答弁 町長 飯田晴義
板垣議員のご質問にお答えいたします。ご質問は、町と教育委員会にわたるものでありますが、私からは平和教育にかかわる質問以外の質問につきまして、答弁をさせていただきます。「平和推進事業のさらなる充実を」についてであります。世界の平和と安全を実現することは人類共通の願いであり、本年7月7日、国連本部において、国連加盟国の6割を超える 122 カ国の賛成により「核兵器禁止条約」が採択され、核兵器のない世界の実現に向け、その一歩が踏み出されたところであります。本町におきましては、昭和 60 年 12 月に「世界で唯一の被爆国として、核兵器による悲劇を二度と繰り返してはならず、非核三原則を完全に守り、美しい郷土の自然と豊かな文化を守り、平和な未来を子供たちに引き継ぐ」とした「平和非核宣言」が決議され、この精神のもと、毎年、平和事業を実施しているところであります。ご質問の1点目、「本町のこれまでの平和事業の取り組み」についてであります。平和に関する事業といたしましては、これまで平和非核宣言の看板を町内3カ所に設置したほか、平成 22 年には、被爆体験者をお招きして「平和祈念講演」を実施するとともに、これを機に千羽鶴を被爆地である広島市及び長崎市に贈る運動を町民に呼びかけ、終戦記念日に合わせて、広島の「原爆の子の像」と長崎市の「原爆資料館」にささげており、この運動は現在も継続して実施しているところであります。また、毎年8月には、幕別地区、札内地区及び忠類地区の3地区を順番に会場として、平和と非核を願う原爆パネル展を開催し、原爆被害の実態を風化させないよう取り組んでおります。さらには、原水爆禁止平和行進活動や原水爆禁止世界大会に参加する民間の方々との懇談・激励や活動に対する支援を初め、「平和首長会議」の一員として国連に対する核兵器廃絶に関するアピールや署名活動など、加盟都市と連携を図りながら取り組んでいるところであります。ご質問の2点目、「平和の啓発事業について」であります。初めに、「日常的に平和を意識する機会を提供する事業を多様に展開させるべきだと考えるがどうか」についてであります。町では、日本の被爆 70 周年、町の平和非核宣言から 30 周年という節目の年でありました平成 27年度に、次代を担う子供たちへ平和の大切さを伝える取り組みとして、平和非核に関する標語の募集や平和非核宣言の紹介を広報を通じて行ったところであります。また、町民独自の活動として、毎年、原爆が投下された8月6日と8月9日に「平和の鐘」の意味合いを持って、お寺の鐘を鳴らすという取り組みがなされているとお伺いしております。町といたしましては、小中学校で身につけた平和のたっとさを思う気持ちをいつまでも忘れずに心にとどめておくことが肝要であると考えており、そのために戦争の悲惨さや核兵器の恐ろしさを訴えかけ、町民の皆さんに平和の大切さを再認識していただけるような機会を設けてまいりたいと考えております。以上で、板垣議員のご質問に対する私からの答弁とさせていただきます。
答弁 教育長 田村修一(教育長は2018年3月まで)
板垣議員のご質問にお答えいたします。ご質問の2点目、「平和な未来を子供たちに引き継ぐため、平和教育を推進させるべきだと考えるがどうか」についてであります。小中学校における平和教育につきましては、学習指導要領に基づき、「伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」ことを目標として定められており、児童生徒の発達段階に応じた教育活動を行っております。社会科においては、「社会に対する理解や関心を高め、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て、国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う」ことを目標に学習しております。また、道徳においては、「人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、学校、社会生活の中に生かし、豊かな心を持ち、伝統と文化を尊重し、個性豊かな文化の創造を図るとともに、公共の精神をとうとび、民主的な社会及び国家の発展に努め、国際社会の平和と発展や環境の保全に貢献し未来を開く主体性を養う」ことを目標に学習しているところであります。平和に関する教育は、我が国と郷土を愛する態度や国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うとともに、命の大切さを知り、自他を大切にする思いやりの心を育てることにつながりますことから、学校の教育活動を通じて、適切な学びの機会を設けることが重要であると認識をいたしております。教育委員会といたしましては、今後とも各学校において、教育基本法及び学校教育法に定められた目標の達成に向けて、学習指導要領に基づく平和に関する教育活動が、着実に実施されるよう指導してまいりたいと考えております。以上で、板垣議員のご質問に対する私からの答弁とさせていただきます。
再質問 1番 板垣良輔
それでは再質問を行います。平和を願う市民が、平和の実現のために行動するからこそ平和な社会が継続していきます。私自身も含めまして戦争を知らない世代がふえてきているからこそ、平和について考える取り組みがますます大切になってきているというふうに思います。行政には、市民の啓蒙が活発になるよう平和を意識する機会を、今まで以上にふやす役割が一層求められているというふうに感じます。町長に伺います。自治体行政が市民、町民に平和を啓発、啓蒙していくことの大切さについてどのように考えていらっしゃるでしょうか。
答弁 長調 飯田晴義
戦後、日本が発展するに従って、だんだんと平和が根づいてきたということがありますので、特に最近においては、平和ぼけと言うと言葉が悪いかもしれませんけれども、この安全な安心する世の中が当たり前だといった気持ちを、私は国民の皆さんみんな持っているのだろうというふうに思っております。したがいまして、その平和が当たり前ではなくて戦争がいかに悲惨なことなのか、あるいは核兵器が本当に恐ろしいものなのだということをわかっていただくことによって、平和の大切さを認識してもらうということが私は大切だろうというふうに思っております。
再質問 1番 板垣良輔
そうですね。同じような思いを共有することができていることをうれしく思います。では、そういった平和への思い、戦争の悲惨さを、そしてこれからの平和についての思いを、啓発をどのように行っていくのかの具体化が肝心なのではないかなというふうに思っております。これまでの平和事業の取り組みについて伺いました。千羽鶴、折り鶴を広島、長崎に贈る事業でありましたり、原爆パネル展、町民に平和の大切さを再認識してもらう機会を設けていくといった答弁もありました。十勝の中で、最も平和推進事業に注力している自治体の一つに帯広市が挙げられると思います。帯広市は、さまざまな平和の事業を行っております。平和の詩であったり絵、あるいはそれを用いてのカレンダーもつくっております。原爆写真展、平和コンサート、あるいは語り部の会、そして非核平和自治体協議会が行っております、親子で長崎に行き平和を学んで、実際に「ナガサキ・ピース・タイムズ」という新聞をつくるという親子記者事業、それの応募及び派遣など行っております。平和推進事業というのは、多額の予算を必要とするものはそれほど多くありません。帯広市のさまざまな事業を行っておりますが、その平和事業の予算、平成 28 年度の予算で 44 万円であります。幕別町におきまして、戦時中、新田ベニヤ工場、爆弾が 15 発投下される空襲被害がありました。現在も大きな穴があいております。空襲被害の過去を持つ幕別町は、平和推進事業をさらに発展させ、具体的に取り組むことができるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
答弁 町長 飯田晴義
先ほど申し上げましたように、この世の中、本当に今は平和があふれているわけでありまして、平和って何と考えたときに、結局、今の世の中が平和なわけで、そのことに対して当たり前だと思っている、そういう方が大勢いるというか、ほとんどの方がそうだろうというふうに思いますので、やはり今おっしゃいましたように戦争で被害を受けた場所であるとか、あるいは悲惨なパネルを見て、本当に戦争って怖いのだな、だから今この平和な時代がすごく大切なのだな、すてきなのだなというふうに思ってもらえるように、そういった反対というか、平和ではなくて平和でない悲惨さ、戦争の怖さというものを認識してもらうこと。それは実は小中学校においては十分認識、教育がされているわけでありまして、それをいつまでも私はそういう気持ちを持ち続けることが必要であろうと、いつの間にかなくなってしまうわけです。それを思い出していただいて再認識していただく、その機会としてそういった平和事業を実施していくべきだというふうに思っておりますし、今言われたことも含めて考えていかなければならないというふうに思います。
再質問 1番 板垣良輔
おっしゃるとおりだと思います。戦争の怖さを身近なものとして捉えていくこと、あるいはおっしゃいました、小中学生では持っていた思いが少しずつ年を重ねるにつれて風化していくといいましょうか、埋没していくといいましょうか、そのようなことになっていかないように具体的な取り組み、ぜひ進めていっていただきたいなというふうに思います。それでは、教育委員会、教育長について伺いたいと思います。教育長の答弁で、適切な学びの機会を設けることが重要だというふうな答弁がありました。これまでどのような平和教育、平和学習を行ってきたのかお聞きしたいと思います。
答弁 教育長 田村修一(教育長は2018年3月まで)
これまで行ってきた学習ということで、まず先ほど申し上げましたとおり学習指導要領の中に平和に貢献するような人材を育てる、平和を守る態度を養うというようなことが書いております。それに基づいて学校の教育現場ではいわゆる平和教育、平和の大切さを理解させるという教育を行っているところでございます。具体的に申し上げますと、道徳、国語、社会で主にそういうような授業をやっている状況でございます。例えば道徳においては、各校で学校経営計画というのを冊子にしてつくっているのですけれども、その中で道徳教育の中で、平和を求める努力の大切さを考え、平和な世界を実現しようとする態度を育てるだとか、平和で民主的な社会の構成員として、他国を尊重し、国際平和に貢献する人間を育成するという目標を定めて、子供たちみんなで考え合って授業を進めるというようなことを行っております。また、一例といたしましては、小学校の国語で戦争に関連した題材の教材、教科書に載っているものを活用して、戦争の悲惨さだとか戦争という事実、情景だとか、当時の人たちの感情というものをどうやって感じているのかというのを読み取るような授業も行っているところでございます。いずれにいたしましても、各学校の教育現場で学習指導要領に基づいて、今、何例か挙げましたけれども、具体的にそういうような授業を進めているという状況でございます。
再質問 1番 板垣良輔
学校経営計画に基づいて、道徳や国語あるいは社会の授業で行っているということでありました。また、その中で、国語の中では感情を読み取る、そういった相手の気持ちになる、そういうことで平和を追求していく、平和の担い手といいましょうか、というものをふやしていくといったことだったと思います。平和教育、平和学習に熱心に取り組んでいる自治体の一つの例なのですが、2カ月とか3カ月ぐらいのスパンでフィールドワーク、学校の外に出て自治体の中にある例えば戦時中の暮らしや雰囲気といいましょうか、に触れる、あるいは戦争の跡、住民が戦争で受けた被害について学ぶ、知る、実際に手にとってみて、より具体的に平和について思いをめぐらせるといった平和の学習の例がありました。被害者としてだけではなく加害者として、また、戦時中はどうしてこのような生活を強いられていたのだろうかというようなことに思いをめぐらせるといった自治体の平和学習の例があります。このようなほかの自治体の例を参考に、平和学習、平和教育に取り組んでいっていただきたいなというふうに考えているところではありますが、いかがでしょうか。
答弁 教育長 田村修一(教育長は2018年3月まで)
そういう事例、私も聞いたこともございます。今、十勝では、十勝教育研究所というのが、これは十勝管内の町村で構成して、学習の方法ですとか教職員の研修とかというのを進めておりますけれども、その中におきましても平和教育というか、平和の大切さをどうやって伝えていくか、子供たちに理解させるか、身につけさせるかという授業の手法に関する資料をつくっております。学校ではそれらを参考にして、今、授業を進めているところでありますので、また、ただいまのご意見も参考にして、今後も引き続き平和教育を継続していきたいなと思っております。
再質問 1番 板垣良輔
ぜひ継続していっていただきたいというふうに強く思うところです。昨今、国際情勢が緊迫してきているというふうに思います。その中にあって私たちは、町長の答弁にもありました、唯一の被爆国としてふさわしい振る舞いを意識しなくてはいけないのかなというふうに思います。平和というのは、同じくらいの軍事力同士がにらみ合って抑止し合っている、そのために戦争が起こっていない一時的な状態のことを指すのではないと思います。幕別町、空襲の経験を持ち、非核平和宣言を行い、平和首長会議に加盟しております。そういった幕別町で十勝、北海道の中で先進的な平和の取り組みを行うことができるものだというふうに考えております。今後の平和推進事業に期待して、質問を終わります。