幕別町議会 平成20年第3回定例会 2008年9月10日
農業生産資材費高騰による町としての取組みについて
2008年9月10日、幕別町議会の一般質問で、前川敏春議員が「農業生産資材費高騰による町としての取組みについて」質問し、町長 岡田和夫、経済部長 飯田晴義、農林課長 菅野勇次が答弁しました。
- 質問者
- 前川敏春 議員
- 答弁者
- 町長 岡田和夫、経済部長 飯田晴義、農林課長 菅野勇次
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 10番 前川敏春
それでは、通告に基づきまして、質問をいたします。燃料、農業生産資材費高騰による町としての取組みについて。この7月のWTO農業交渉は中国、インドが、特別セーフガードを求めたことによって、交渉が土壇場で決裂し、回避されたということでとりあえず安堵しているわけでありますが、しかしながら、農業者にとって今後にむけて大きな気がかりの一つでもあります。今、燃料、とりわけ肥料の異常な価格高騰によって、農業を営むものにとって本当に危機的状況にあります。資材費高騰による農家負担の北海道試算が新聞で報道されております。この中で道が調査した畑作56戸、酪農59戸の担い手農家の平均値では、畑作平均33.1ヘクタールで、すべての資材や借地料、減価償却費などを含めた経営費は、2年前の2007年の2,897万円より、来年は342万1,000円増え、3,239万円となる。また、酪農については62.1ヘクタールで、経産牛80頭で5,974万円より206万8,000円、それぞれ負担が増加すると報道されております。以上を重ねた上で、幕別におきましては、今、非常に大規模経営、そして、畑作面積の増加により、約これより1割以上は経費が負担増になるのではないかなというふうに思ったりもしております。今の状況をふまえたうえで、来年度からは、それぞれの農業者にとって、経営費の削減は大きな課題の一つであると思います。とりわけ肥料の高騰によって農家それぞれが肥料の削減をどこまでできるか重要な課題でもあります。幕別町農業、農村振興計画の中でも示されておりますが、農地基本台帳の整備を進めて、合理的な栽培技術の実践の項目の中で、定期的な土壌診断に基づく肥培管理、これらを連動しながら、圃場ごとにデータが整備されれば、このデータの提供を受けて、それぞれの各農家が施肥設計ができることによって、大きな経営費の削減ができるだろうと思います。早急な検討課題だと思いますが、町としての考えはどうでしょうか。二つ目なのですが、エゾシカによる農林業被害について。近年、地球規模で自然の生態系のバランスが崩れているが今日の現状であると思います。これにはいろいろな要因が重なっている現実があるわけですが、今、我が町の中でも相当数のエゾシカが生息していると認識しております。エゾシカも5頭ないし6頭くらいで集団行動しているわけですから、最近顕著に農作物にかなりの被害がでている現状にあります。町としてどのような考えを持っておられるのか。1点目、農林被害の実態調査について。2点目、生息数の把握については。3番目、町として今後の対応と対策について。
答弁 町長 岡田和夫(町長は2015年3月まで)
前川敏春議員のご質問にお答えいたします。はじめに、燃料、農業生産資材費高騰による町としての取組みについてであります。農業を取りまく情勢は、原油高に端を発し、生産資材や肥料の高騰など、農業経営にとって非常に厳しい状況にあるものと認識いたしているところであり、このような状況の中、土壌分析による施肥設計を行うことは、無駄な肥料投入を防ぎ、農業経営費の削減につながることから、農業経営の安定に有効な手段であると考えております。平成17年から平成19年までの3年間において、町内の農業者の方が十勝農業協同組合連合会農産化学研究所に土壌分析の委託をした件数は、約1,250件ありました。このほか民間の肥料会社に分析を委託されている方もいらっしゃるようにお聞きをいたしております。こうして出された土壌分析の結果につきましては、関係農協、普及センターあるいは肥料会社など農業関係機関の指導のもとで、施肥設計や肥培管理に活かされているとのことであります。今後、土壌分析に対する農業協同組合連合会やホクレンの助成制度が創設されるとのことでありますことから、その件数が飛躍的に増加していくものと予想され、データ整理・蓄積の必要性は増していくものと考えております。しかしながら、土壌分析データを農地地図情報システムに反映させることにつきましては、土壌分析データが個人的な情報であることから、データ提供について農業者の協力が不可欠であるほか、現在の農地地図情報システムについて、分析項目に合わせたソフトの仕様の変更や追加などが必要となってまいります。さらに、農協などの農業関係機関との連携を図るためには通信回線や端末システムの整備に係る費用も必要となるなど多くの課題もあるところであります。このようなことから、今後におきましては、幕別地域と忠類地域の農地地図情報システムの統合も含め、国が進めます農地地図情報システム施策の動向も見極めながら、農業関係機関と協議を進めてまいりたいというふうに考えているところであります。次に、エゾシカによる農林業被害についてであります。エゾシカによる農林業に係る被害対策につきましては、猟友会の協力や町の有害鳥獣駆除作業員により、その捕獲、駆除に努めているところでありますが、農業におきましては農作物に係る被害、林業におきましては植樹後の苗木に係る被害が発生している状況にあります。特に農業においては、春先や秋口の農作物の食害や農業用被覆資材の踏害などが顕著であり、生産者の皆さんも大変苦慮されているものと推察をいたしております。ご質問の1点目、農林被害の実態調査についてでありますが、こうした被害の状況を踏まえ、本年度中に、ゆとりみらい21推進協議会が中心となり、全農家を対象に有害鳥獣による被害実態調査を実施する予定であります。これにより被害の実態把握に努めてまいりたいと考えております。ご質問の2点目、生息数の把握についてでありますが、エゾシカの生息数につきましては、平成12年に北海道がヘリコプターによる上空からの調査や社団法人北海道猟友会に委託をして実施いたしました調査推計によりますと、幕別町という狭い範囲の数値は推計されておりませんが、十勝、釧路、根室、網走の道東4支庁管内の生息数は約17万頭という状況になっております。北海道では、その後も毎年同様の調査を実施し、生息数の動態推計を行っておりますが、傾向といたしましては全道的に増加傾向にあるとお聞きをいたしております。また、本町周辺の状況といたしましても、駆除頭数や目撃情報から推測いたしますと、生息数は若干増加傾向にあるのではないかと考えております。ご質問の3点目、町として今後の対応と対策についてでありますが、当面の対応といたしましては、引き続き猟友会に協力を要請するとともに、町の駆除作業員につきましても、本年度より1名体制から2名体制に増員しており、さらに定期巡回やわなの設置場所を増やすなど被害防止に努めてまいりたいと考えております。また、ゆとりみらい21推進協議会と連携を図りながら、先ほど申し上げました被害の実態調査の分析を行い、その結果を踏まえた対策を検討してまいりたいと考えております。以上で、前川敏春議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
質問 10番 前川敏春
前段、前川雅志議員が同じような質問、趣旨でありましたことから、重複するところもあるかと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。今まさに肥料高騰によって、来年度は今までの通常価格の6割アップという形の中で、このままいきますと、本当に幕別町の農業者の半数ぐらい、営農中止という形が目に見えている現状であると思います。それで、1点確認をしておきたいのですが、17年から平成19年の3年間において、十勝農業協同組合連合会、農産科学研究所の土壌分析を委託した件数なのですが、これについては全幕別の総戸数のデータなのでしょうか。
答弁 経済部長 飯田晴義(経済部長は2013年3月まで)
町内全戸の数であります。ただ、正確な数字はなかなか掴めないものですから、農協からの聞き取りによって集計をしたものであります。
質問 10番 前川敏春
そうすると、忠類、4所属農協の合算の件数ということで。わかりました。それで、今、本当に町としても今、国にそういう対策関係の要請で、まだ国の対策の形がはっきり見えてこない中で、町としては非常に動きづらい面もあるかというふうに思っています。そんな中におきましても、今の化学肥料なのですが、世界の科学肥料消費量は、2009年に1億7,580万トン、1996年に比べて約36%需要が伸びているということであります。特に、中国やインドなどの振興国、途上国で増加が著しく伸びているという中で、大変メーカーが肥料製造というのはせいいっぱい動かしても100%でも、その増加には対応しきれないという形がありまして、大変、科学肥料はここ数年間は供給不足に陥るのでないかということも話をされております。特に、そういう今、振興国の中では、原材料を輸出してくれないという非常に気がかりなこともあります。そういう中で、大変厳しい状況でありますけれども、その中で、農地の、今年3月に策定されました農村振興計画の中で、この中で、今、担い手支援センターの中で、その農地の基本台帳というのは、もう早くに整備されているのだろうというふうに思います。それぞれ農家さんに配送したり配布されておりますから。そういう中で、今まさに土壌診断、これは必ずやっぱりやっていかないと、その経費の削減というのは絶対できないなというふうに、今、思っております。そういう中で、どうかそれと同時に、また将来的にもです。やっぱり農地の流動化を促進しながら、集約化もされるのだろうというふうに思います。それはその支援センターの中、農業委員会の中の情報の活用の中で行っていくのだろうというふうに思うのですが、それと同時に、こういうきちっとしたものがあれば、集約されたときに、他人が誰か、変わった人がそこをつくられても、こういう情報というのは活きてくるわけですから。これ必ず大事なものだろうというふうに思います。そして、できれば、この土壌診断というのは、分析なのですが、やっぱり3年に1回ぐらいの割合で診断をしていかないと、割合わかりづらいと思います。そういう中で、町も何か答弁書を見ると消極的なのですが、こういうところをやっぱり大事に、やっぱりきちっと整備をしていかないと、本当に農家にとっては大変な状況といいますか。国がどういう土壌診断についてでも、いろいろ助成というのあります。でも、私は、土壌診断費ぐらい個人負担してもいいですから、これはきちっとやっていかないと、一番大事なもとになる、適用ではだめなのですよ。もうこれから。何でも今、1回その分析データを、これ入れれば3年、4年とつながっていくわけです。ほとんど皆さん適量でやっていると思います。しっかりやっている方も確かにいるとは思いますよ。でも、そういうことでやはり。それと、やっぱり農協組織、今、所属農協が4つあるわけですけれども、なかなか4つの農協、まとまっていくのは大変。これはやっぱり町がきちっとリーダーシップをとって、一つにまとめてこういうデータの蓄積というのは行っていく必要があるのだろうというふうに私は強く思っている一人なのですが、その辺のところ、ちょっと、どう思っているかお聞きをさせていただきます。
答弁 町長 岡田和夫(町長は2015年3月まで)
おっしゃるとおり、新和の方に農業担い手センターができて、システムを導入して、そういったことはデータの蓄積をしようということでつくった施設ですから、それが十分活かされないでは、何のための施設だと、当然ご指摘を受けることになるのだろうというふうに思います。私も最初は、まずは土地台帳的なことの整備、その次には、その土地が基盤整備事業をいつやったかというような経歴が入力されるのだろう。さらにはこういったことが入ってきて、一つの情報がすぐ出せるふうになっていくのだろうというふうなことも聞いていたのですけども、先ほどちょっと申し上げましたように、なかなか今、プライバシーといいますか、個人情報がどうのこうのというようなことが一つあったり、それから、この土壌分析も、何々番地、明倫何番地、一つで一つの分析ということにはやっぱりならない部分が何かある。一つの明倫に、いくらかあると、明倫1番地のように、分析がいくらか出てくるとか、大変量も多くなってくる。それと、先ほど言いましたように、これから連合会やホクレンの補助制度が進んで、さらにこの分析が進んでいくだろう。そういったことを含めて、お話ありましたように、決して消極的だという意味ではなくて、何とか農協の方々、あるいは農業者の皆さんの協力もいただく中で、これから進めていくように、最大頑張っていきたいと、そういうふうに思っております。
質問 10番 前川敏春
今、町長から答弁をいただきました。前向きに考えていただけるということでありますけども、この個人情報、確かに個人情報って厳しいのですけれども、ただ、その個人個人のデータといいますか、圃場が1から10番まで、10戸の圃場ありましたら、その圃場番号だけでよろしいのでないかと。余計なもの付けなくても。名前付けなくても。誰々さんの圃場、何番何番って。大体平均600戸ですから、あれですよね。600戸でそういう圃場番号つけて、一人1戸10件にしたって6,000件ですもの。これ今6,000件って、これが全員ができなくても、4,000か4,500件ぐらいでおさまったとして、1年間に1,500件ぐらい。コンピュータに入力していけば。そんなにそんなに私は難しいものではないだろうと思いますよ。ただ、今、あれですよね。件数が1,250件。これに民間肥料会社、民間肥料会社は自分の会社経営するのに、やはりこれが足りないから高いもの売りつけるとか、そういう嫌いもないわけではないと思います。そんな中で、この中でいきますと、30%ぐらいはこの3年間にあったのだろうというふうに思います。そういう中で、今本当にこういう農業にとって本当に厳しい状況ですから、本当に真剣に検討いただくお願いをしたいと思います。以上で終ります。それから、鹿です。鹿も本当に最近頭数が増えたということで、これもやはり、豊頃、幕別境の道有林ですか。そういうところに生息地があるということで、大変集団行動で、畑に被害をもたらしております。そういう中で、ちょっと確認というか、お聞きをしておかなければならないことが3点ほどあるのですが、大体今の駆除頭数ですね。この3年間ぐらいはどういう頭数で推移してきているのか。それから、今、そういう鹿の被害ですね。町に何件ぐらいの年間苦情が寄せられているのか。そしてまた、今、駆除許可期間ですけれども、年間通して駆除期間が町であれしているのか。その辺について、確認といいますか、ちょっとお伺いをさせていただきたいと思います。
答弁 農林課長 菅野勇次(農林課長は2012年3月まで)
まず1点目の、ここ3年間の鹿の駆除頭数でございますけども、平成17年度が44頭、平成18年度が81頭、平成19年度が110頭というふうに増えてきてございます。これは忠類地域も含めた全町の頭数でございます。それと、鹿にかかわる苦情の関係ですけども、その関係につきましては、町の方にきている駆除の関係の数値しかわからないのですけども、直接といいましょうか、農協の方に苦情がいっているような場合もございまして、そちらの方の状況については把握はしていないのですけども、町の方にきている状況で言いますと、昨年、19年度になりますけども、15件ほどになります。それと、駆除の関係、年間通して駆除といいましょうか、狩猟期間含めて、年間通して駆除できるような形になってございます。
質問 10番 前川敏春
もう1点だけちょっとお聞きしたいのですが、要するに、被害の件数。情報件数なのですが、この対応については、ただ電話で我慢してくださいということだけで済まされているのか。何か対応されているのか。ちょっとその辺。
答弁 農林課長 菅野勇次(農林課長は2012年3月まで)
苦情に対する対応ですけども、町の方に苦情いただきましたら、即、有害鳥獣の駆除作業員の方にご連絡を差し上げまして、即その場に行っていただいております。場合によっては、作業員との連絡がつかない場合については、職員が現地に赴いて行っております。
質問 10番 前川敏春
真剣に対応されているということなので、安心をしました。そういう中で、大変今、駆除されるハンターの数も老齢化によって、ハンターの人数が減ってきているという状況の中で、なかなか駆除していくのも大変だろうと思います。まして、これ以上鹿の数増えないようにしてもらうのが、農家にとっては一番いいことなのですけども、1頭か2頭ぐらい離れているのはめんこいのですけれども、集団で走って歩くと本当に悪いこと、被害があるわけですから、その辺十分、これからも考慮していただきたいなというふうに思います。以上で、私の質問を終ります。