幕別町議会 平成18年第2回定例会 2006年6月20日
先日、成立いたしました農政の関連法もそうでありますが、これについて
2006年6月20日、幕別町議会の一般質問で、杉坂達男議員が「先日、成立いたしました農政の関連法もそうでありますが、これについて」質問し、町長 岡田和夫が答弁しました。
- 質問者
- 杉坂達男 議員
- 答弁者
- 町長 岡田和夫
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 27番 杉坂達男
私は、国の農業施策が地域の取り組みと整合しているか。農政の現状が地域計画とかい離はしていないか。このことについて、町長の所信を伺いたいと思います。私は、今、国が進めております農業政策は、本町をはじめそれぞれの近隣地域が取り組んでおります農業施策との整合性が保たれているか、非常に不安なところがあります。先日、成立いたしました農政の関連法もそうでありますが、これについては、本年度私も初めて本町の予算編成に参加をさせていただきましたが、一般会計予算に占める農林業費が、構成比で約 13%、金額にいたしまして 20 億円であります。極めて大きな額の計上であり、このことは町長が本年度の行政執行方針で述べられておりますとおり、「地域振興が農業を核」として進めているということを如実に物語っております。もちろん、行政規模は大きく違いましたが、合併前の忠類村の一般会計総予算 25 億円でありましたから、この対比でもいかに本町が農林業にかける行政の力、大きいことがよく理解できるところであります。しかも、今後、これまで本町が進めてまいりました、あるいは培ってまいりました諸施策、それらが将来的に確固たる力をもって進められていくということにつきましても、心強く感じたところであります。しかしながら、これからこの農業生産、合併いたしましたら管内では4位のランクになりました。この生産を安定的に将来振興発展を指揮する。そのためには、いうまでもなく農業者一人一人の自助努力、そして、それを支援をしていく地方行政の持てる力。それには自ずと限りがあり、いかに国の政策に依存せざるを得ない、いわば行政主導の農業であるかは言を待たないところでもあります。国は昨年の春、新しい日本農業の将来像と国民の食糧供給の目標を改めて示しました。それは、食糧の受給率という大きな問題を掲げ、それを高めるという具体的な方策であり、遅々として進まない景気回復、そして将来の農業の担い手対策を網羅した農業政策の見直しであろうと私は思います。とりわけ 40%で低迷しております国民の食糧自給率を 45%に高めようと、そういうことであり、そのためには新しい担い手づくりの手法や農地の有効利用策を掲げ、食糧の増産を基調としたものであります。しかし、現実的な農政推進を見る限り、年々農業の国際化が進んでおります。それに起因する生産抑制、あるいは今回の新しい制度・政策の中にも営農集団化による小規模経営体の淘汰。今、地方が進めようとしております農業振興計画からは大きくかい離していってしまっているのではないかと、そのように不安を払拭しきれないところであります。今、農業生産を高め、食糧の受給率を向上させなければならないという声を大きくしている矢先、農業生産物が世界貿易の戦略物資になりかねない。そんな様相も呈していることは否めないところであります。これら国内農政の現状と本町農政の推進についての町長の思いを伺いたいと思います。
答弁 町長 岡田和夫(町長は2015年3月まで)
杉坂議員のご質問にお答えいたします。国の農業施策と地域の取り組みとの整合性についてであります。国は、日本農業の厳しい情勢に鑑み、平成 11 年に新たな農業基本法となる「食糧・農業・農村基本法」を策定し、各種課題の解決に向けた取り組みを強化したところであります。昭和 20 年以来、農地改革をはじめ農村民主化と食糧増産を基調として農業の振興が図られてきたところでありますが、昨今、農業従事者の減尐・高齢化、あるいは耕作放棄地の増大、さらには国際貿易ルールの確立など課題が山積する状況にある中で、平成 17 年3月に閣議決定された「新たな食糧・農業・農村基本計画」におきまして、平成 19 年産農作物より品目横断的経営安定対策を導入し、品目ごとの価格に着目して講じてきた対策から対象を担い手に絞り、経営全体に転換する方向で、日本の農政を根本から見直しを図ったところであります。しかしながら、緊急的な課題としての品目横断的経営安定対策、生乳の生産調整の対応、WTO 農業交渉の行方、また、BSE や食品表示偽装問題など消費者の信頼を得るための食の安全・安心にも対応が必要になるなど、農業者にとりまして大きな負担になっているのが現状であり、私どもといたしましても大変憂慮しているところであります。このような情勢の中にあって、私は農業を振興するためには国・道・市町村の行政体が一体となり、それぞれの役割を十分に果たすことが重要であろうというふうに認識をしているところであります。それがひいては国民の食糧確保、そして農業生産者の所得保障、労働力の負担軽減などにつながっていくのであろうというふうに思っております。本町といたしましては、このような観点から国の農業施策の趣旨に基づいて、平成6年に策定いたしました当初計画を平成 12 年 12 月に見直し、新計画であります「農業新時代、幕別町農業・農村振興計画」を農業振興施策の拠りどころとしているところであります。この見直し後の新しい計画では、土地基盤の整備、農地流動化の促進、担い手の確保・育成、さらには高付加価値化の促進などを柱といたしまして、その計画に沿った形で事業を推進してきたところでありますが、その中でも特に重要な事業として、平成 14 年に財団法人幕別町農業振興公社を設立するに至ったところであります。公社事業におきましては、一つの大きな柱として、農地の有効利用を促進するため、マッピングシステムを導入し、農業委員会との連携の中で農地の集積を図ること、また、農業者の人材育成ということでは「まくべつ農村アカデミー」を開設し、農業後継者、新規就農者の育成やパソコンなどの研修内容の充実にも努めているところであります。これらのことは、いずれも持続的・安定的な経営体を育成するための、町としての重要な役割であろうというふうに認識いたしております。今後におきましても、幕別町の基幹産業である農業が、厳しい自然条件や様々な農業制度の変革を乗り越え、道内有数の農業主産地として貢献できるよう農業振興公社や農業委員会、あるいは農協など関係機関との連携を密にし、幕別町の農業がさらに発展できるよう施策の推進に意を用いてまいりたいと考えているところであります。以上で、杉坂議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
質問 27番 杉坂達男
私はこれまで、合併前は幕別町の農業につきましては傍観者の立場でありました。目につくとすれば、地続きの駒畠、糠内地区、かつては私どもが子供のころ、あの辺り、葦原であったし短い榛の木がたくさん生えていた湿地帯であったように思います。それが現在、非常に基盤整備がなされ、あれだけの肥よくな農地に生まれ変わり、長いもができるというのはもうそれは農地としては一番の土地柄であると、そんなふうにも認識をしております。ただいま、町長からお話のありましたように、平成6年に策定をしました農業振興計画を、さらに平成 12 年に見直しております。それを拠りどころとして、この町の農業振興が進められているということでありました。これまでの国の事業を導入するにつきましても、当然のように地方に負担が義務付けられておりますその負担額についても、きっと莫大なものがあったであろうというふうに推察するところであります。私は先ほどの質問で申し上げましたように、今後の農業振興が農業者の自助努力や地方の財政力に限りがあり、自ずと国主導の政策に依存をしなければならない。そのように申し上げました。当面、国が示しました新しい農政関連の政策をみましても、果たしてこれで国の農政の最重要課題である食糧の受給率の向上に結びつくことができるのか。極めて不安であります。例えば、WTO いわゆる世界の国際機関の中での農業交渉、これなんかにつきましては、どちらかというと市場開放につながっていきはしないか。あるいは、2005 年の農業センサスの統計を見ますというと、北海道の農業経営者が前回 2000 年の調査、これは5年ごとでありますが、比べましたら1万160 戸減っているそうであります。1万戸であります。非常に私もこの数字を見まして驚きました。この水準で減り続けることではもちろんありませんが、この5年間に1万戸減ったと。これは私一人が驚く問題ではなくて、我々のこの地方もそういう実態にあるのかということを再認識せざるを得ない数字でもあります。そしてまた、ただいま申し上げましたように、新しい経営安定対策では、自主経営を集団化すると言っております。先ほど来、何人かの同僚議員の方々からもこの類のご質問があったようでありますけれども、これが小規模経営の淘汰という言葉は語弊がありますが、そういったことにつながり、ひいては離農という現象に変わっていく。先ほどのお話では、21 戸がいわば早く言えばその対象にもう既になっている状況にもある。こういうようなことであります。これら将来の農業を考えるとき、国の言う攻めの農業どころか、守りの農業、いわゆる輸入を中心としなければならないような食糧政策になりはしないかと。そういう心配は私一人ではきっとないはずです。WTO で話がおかしくなって、それは先に申し上げましたように、市場開放につながってはしまわないか。このことを考えてみましても非常に不安定な要素を持っております。しかしながら、このことを国の責任として求めるばかりではなく、私たちも国民として、また、農業者としての責任を果たすことについて、真剣に考えていかなければならないと思います。思い返せば、平成5年でありましたが、国の自給率向上政策に呼応しました全国の市町村、都道府県、そして一斉に国内の自給率向上の推進の声を上げ、議会もそれぞれこれを議決した経緯があります。今なお、町村役場のこの庁舎の壁に、自給率向上推進の町、あるいはそれに類する文言で横断幕が張ってありますし、本町でも要所要所に看板でもって、これを広く世間にアピールする。そういう運動の一つとして、今なおその姿をとどめております。これらそういったことを私たちは今一度思い返して、私たちの責任の上でこの自給率の向上という今の日本の最重要課題としての一大国民運動を展開する責任があるのではないかと、そのように考えるところであります。これはもう国がやるとか地方がやるとかという問題ではなしに、日本全国がそういう食糧自給率の向上に向けて、すべてがそういう方向に向かない限り、今幾ら 40%低迷、45%に引き上げようとする国の努力は全うしないような気がいたします。これは部分的な問題ではありません。国全体の生産から流通、それぞれが網羅した形の中で、一生懸命このことを考えていかないと大変な農業の姿に変わってしまうのではないかと。日本の国民それぞれの食糧の自給率がさらに低下をすることすら考えなければならないような、そういう状況ではないかなと私は思うところであります。今、担い手の対策、そういったことも国では真剣に考えておりますが、私どもは従来から担い手というと、どちらかというとその家その家の当主でありまして、じいちゃんからお父さん、父さんから孫にというふうなそういうことを担い手として考えてまいりましたが、今、国の押さえ方は違います。担い手は外から求める。こういう考え方が底辺にあります。このことを考えてみましても、今のこの政策というものに非常に不安要素を抱え込んでいる。そういう思いがいたします。先ほど申し上げましたように、国民が挙げてこの運動に徹するということは、もう日本の国は省庁の壁を越え、政党の主義主張を超え、それは確かに様々な重要な問題もあります。福祉の問題も教育の問題もみんな重要なことばかりでありますけれども、それと同じように、なおそれよりも重要なのが食糧生産である。そのことを一生懸命考えていくというのも、今、私たちはもう一度考え、この生産現場から考え直す必要がある。また、生産現場がリードする、そういう国内世論を喚起させる必要があるのではないかなと、私は実直にそういうことを考えるところであります。未だ地方の持つ真剣な考え方を、それが国の政策ときちんと整合するように、十勝でいえば町村会もあります。それから、十勝圏の活性化推進期成会でしたか、これもあります。我々には議長会もあります。我々、この主産地から上げて、その声を上げる。国にそういう声を伝えていく。そういう運動の展開が今こそ必要ではないかなと思います。今回、示された一連の政策、我々が参加した政策ではありません。いわば、官僚がつくったものにも等しいと私は思っております。非常にあの政策の中に心が入っておりません。全部数字のいわゆる積み上げ、あるいは縦横の計算、それだけがきちんとしている内容でもあります。今、私が主張したいのは、そのことについても、そういう政策づくりについても、我々この地方が参加をしていけるような、そういう形づくりを必要としているのではないか。そういうふうに思うところであります。今、こういった事態を迎えたときに、この私が考えているような思いをされている皆さんがたくさんおられるとしたら、これは将来の日本の食糧生産に必ずや結びつくものだし、自給率の向上にも必ずや直結していくものだと思います。これらに対して、主産地の理事者として、町長として、その思いを伺いたいと思います。
答弁 町長 岡田和夫(町長は2015年3月まで)
いろいろお話をお聞かせいただきまして、御高説に対して私も同じ思いをはするわけでありますけれども、ただ、難しいのは、今、地方の声を上げて、それを国政に、あるいは農業施策に反映していくために、いろんな手法を考えていかなければならないのだろうというふうに思います。ましてや、WTO 交渉ですとか FTA というのでしょうか、いわゆる外国を相手にしたような農業交渉、まさにこれは国の段階であります。しかし、その国の段階に農業者の声、あるいは地方の我々の声をどうやって届けていくか。そして、具現化していくか、反映していくか。これが、今杉坂議員が言われる一大運動であったり、いろんな関係機関の連携を密にする中での運動であろうというふうに思っております。町村会でも農業問題は毎年取り上げられてはおります。しかし、それは広い意味での農業振興ということであって、具体的な自給率の向上ですとか、例えば、先ほどから話題になっております品目安定云々というような、そういう具体的なものを取り上げて、国への要請というのは現実的にはなかなか尐ないのかなというふうに思っております。大きな BSE だとかいろいろな問題が出れば、その都度の対応は、これはもちろんありますけれども、自給率を向上させるために、それでは具体的にどういうふうな手法があるのかということになってくると、現実にはまだまだ国と地方自治体、あるいは農業を営む方との開きといいますか、考え方の相違というものは当然あるのだろうというふうに思います。そしてまた、いつも私ども申し上げますことは、農業というと北海道から沖縄まで国一つの中で農業施策が論じられる部分があるわけで、恐らくそれぞれの特徴というのが都道府県卖位で、あるいは地域卖位にあるのだろうというふうに思いますけども、それらもなかなか国の段階へいきますと、一律な法改正だったり一律の施策であったりする。それとよく聞かされるのは、やはり水田と酪農、畑作といった対立とは言わないのでしょうけれども、それぞれの抱える課題に相違がある。さらには北海道のような大規模畑作地帯と、また、本州方面の非常に小さな面積での営農者、そういったことの違いなどもある。そういういろいろなそれぞれの持つ課題を集積した中で、やはり国政の中で農業施策が求められていく、つくられていくのだろうというふうに思いますから、私どもとしては、今言いましたように、杉坂議員が言われますように、尐なくとも地元の農業者の皆さんの声が、行政を通じて国政へつながる。そして、それが施策に反映されるような活動を、行動をしていくことが大事なのだろうというふうに思っております。私ども一番つらいのは、農業者の皆さんがせっかく農地を広げた、流動化で集積したといいながら、毎年つくるものが縮小されていく。生産が縮小されていく。大変残念なことだというふうに思いますし、先般の牛乳を捨てるというような全く我々が想像もつかないようなことが現実に起きる。こういったことも踏まえながら、私どももまた農業者の皆さんももちろんそうですけども、関係機関、団体、あるいはお話ありました町村会、活性化推進期成会共々、十分論議の中でまたお話をさせていただきたいというふうに思っております。
質問 27番 杉坂達男
最後に、ちょっと一言だけ私も残念に思うことばかり申し上げましたが、もう一言だけ申し上げたいと思うのですが。実は新しい基本法を示したときに、これは主産地に向けてか都道府県に向けてかはわかりませんが、それぞれ酪農肉用牛近代化計画というものをつくる義務を課せたのかどうかそれはわかりません。しかしながら、それは議会だとかそういうところが議論する問題ではなかったのでありますけれども、北海道にも平成 27 年を目標とした生産計画がありますし、それに基づいて、もちろん私どもの旧忠類村にもありましたが、本町にもそれがございます。27 年度に向けた牛乳生産、17 年の起点から数えて 10 年後でありますけれども、90 万トンの増産計画であります。私はこれが発表されたときに、私のうちで喜びました。大丈夫だなと。そういうふうに思ったことをあえてここで申し上げて、我々が計画していることと、果たして国が今進めようとしているそのはざ間、かい離が非常に大きいのではないかということを残念に思いますから、あえて申し上げました。終わります。