幕別町議会 平成16年第1回定例会 2004年3月4日
学校の危機管理体制について
2004年3月4日、幕別町議会の一般質問で、中野敏勝議員が「学校の危機管理体制について」質問し、教育長 沢田治夫が答弁しました。
- 質問者
- 中野敏勝 議員
- 答弁者
- 教育長 沢田治夫
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 16番 中野敏勝
先に教育委員長の教育行政執行方針でも若干触れられていましたが、通告に基づきまして、質問いたします。学校の危機管理体制について。児童生徒や学校に関する危機は、予知・予見がある程度可能なものから、全く予測できないものまで、形態はさまざまです。学校や通学路で子供が襲われたり、連れ去られる事件が全国に相次いで発生している。昨年の暮れ、京都府宇治市では二人の児童が切りつけられ、兵庫県では児童一人が棒で殴られる事件が起きた。2001年6月の大阪教育大付属池田小学校の事件を思い起こさせた。報道によると、昨年12月から今年の1月にかけて、17件の事件が発生している。さらに昨年1年間、全国の小学校で、不審者が侵入して児童に危害を加えたり、加える恐れのあった事件は22件。このうち、11件が校門に施錠がされていなかった。一方、昨年1月から10月までの間に、15歳以下の子供が連れ去られたとして、警視庁に寄せられた報告によりますと、略取誘拐事件、未遂も含めて126件もあり、このうち58件が下校時間に発生している。我が町にはこれら忌まわしい事件や事故が起こらないことを誰しもが願っているところですが、いついかなるときに起きるかわかりません。これらの事件や事故を未然に防ぐために、さまざまな対策や方策が求められている。児童生徒の安全を確保し、安心して通える学校をつくることは、何よりも優先すべきと考え、次のことについて質問いたします。①生徒が登校した後の校舎の出入り口は施錠されているのでしょうか。②危機管理マニュアルは学校ごとに作成されているのでしょうか。③教職員の危機管理研修や、訓練は行われているのでしょうか。④子供の防犯や犯罪に対する教育の取り組みはどのようになされているのでしょうか。⑤防犯ブザーの必要性と貸与の考えは。⑥不審者侵入後に対応する護身対策はなされているのでしょうか。以上でございます。
答弁 教育長 沢田治夫(教育長は2005年9月まで)
中野議員のご質問にお答えをさせていただきたいと思います。最初に、校舎出入り口の施錠につきましては、これまでも学校関係者・PTA等の意見交換から、地域に「開かれた学校」を目指す学校として、出入り口を完全に遮断することは、教育環境を閉鎖的にするという問題や、火災や地震など、非常時における避難口確保の関係などから疑問があるとの観点から、今現在、実施はしておりません。その一方で、各学校の不審者対策といたしましては、来校者名簿の記載奨励、教職員が朝の打合せでの来校予定者の確認、来校者に対する声がけ、職員室からの来校者の目視などの対応や、学校独自で出入り口に鈴を付け来校者を確認する、あるいは教職員が定期的に校内巡視する、さらには防犯カメラやセンサー等の設置など、各学校の施設状況に応じて、不審者対策に、今、努めているところでありますが、ご質問の施錠については、管内でも実施している町もあるということも聞いておりますので、実態を把握するとともに、学校をはじめ保護者等の意見を聞くなど、検討してみたいと考えております。2点目の、危機管理マニュアルの作成でありますけども、池田小学校の悲惨な事件後、文部科学省や北海道教育委員会の通達や指導を受けながら、それまでのマニュアルの見直しや点検・整備に努め、さらに教職員が共通認識の中で防犯対策が講じられるよう体制を整えているところであります。次に、教職員の危機管理研修、訓練につきましては、不審者侵入を想定した避難訓練、集団下校訓練、あるいは災害を想定した避難訓練をそれぞれ実施しておりますが、教育委員会では来年度全教職員を対象とした、児童生徒の突発的事故・怪我等に伴う「救急・救命教室」や、校舎・教室内に侵入した不審者を想定した「防犯教室」、さらには、これらに対応できる体力づくりのための「体力維持・健康増進教室」を開催する予定であります。次に、子供たちに対する防犯や、犯罪に対する教育の取り組みにつきましては、学校の教育課程の中で、常に「命の大切」や「善悪の判断」など、それぞれの学習を通して学んでいるものと認識しております。幕別町においても不審者の出現や不審電話などが発生しており、これらの情報を児童生徒・家庭等に周知し、注意を促すことは、より防犯・犯罪に対する認識が促されているものだというふうに考えております。なお、具体的には、一つには、人通りの少ない場所を避け、可能な限り複数での登下校。あるいは、不審者に遭った場合には大きな声を上げること。さらには、近くのコンビニや住宅に逃げ込むこと。3点目としては、危険なことはいつでも社会の中には秘められていることから、児童生徒には「絶対の安全」は身の周りにはない、したがって、危機予測、危険防止の力を高める指導も一方では行っているところであります。このことは、学校だけでなく、家庭においても同様に、しつけ指導していただくことを期待するものでもあります。5点目の、防犯ブザーの必要性と貸与の考え方であります。これにつきましては既に保護者個々の考えにより、平成 13 年度以降も子どもに携帯させている実態や、貸与した場合の管理責任、故障の場合の修理義務などの課題、また、ブザー付きランドセルが、今、市販されていることなど、緊急時における対応の一つとして、防犯ブザーの必要性は私どもも認識はしておりますけども、これまでの関係者の話からは、原則、各家庭で準備するのが適当ではないだろうかと、こういった意見もありまして、現在、町からの貸与・無償配付は現在のところ考えておりません。しかしながら、引き続き各市町村の実態なども把握、さらには効果と問題点。こういったものを調査するとともに、学校関係者等の意見を聞きながら検討してみたいというふうに考えています。なお、平成 13 年に発生した池田小学校の事件後、直ちに幕別町の各学校には教室数に応じた防犯ブザーを配付し、備え付けをしておりますし、本年は防犯用の催涙スプレーを各学校に配付するとともに、全教職員にホイッスルを配付し、緊急時には他の教職員に知らせることができるような対応を、今、しているところであります。次に、不審者に対応する護身対策についてでありますが、教職員に対する防犯教室の開催については先ほど若干述べさせていただきましたが、今、予定しております防犯教室は、帯広警察署の協力を得ながら校舎・教室内の備品類、例えば、机・椅子・掃除用モップ、こういったものを有効的に活用した護身対策等の防犯研修を考えておりますので、研修を受けた教職員の指導により、児童生徒に対する護身対策につながるものと考えております。また、幕別町においては、平成 14 年 10 月からの1年間で、不審者の出没 15 件、不審電話 13 件が学校や保護者から教育委員会に報告されております。これらの中で悪質な場合は直ちに警察や町の防犯担当者に通報しておりますし、場合によっては危険箇所の巡回・巡視を依頼するなど、常に学校との連携・情報交換によって対応をしているところであります。しかしながら、全国的に児童生徒に対する誘拐、連れ去り事件や殺傷事件が続発している中で、児童生徒、学校、家庭の個々で安全が保たれるものではなくて、学校と家庭と地域を含めたネットワーク化によって、全体で子どもたちを守る取り組みが、今、必要だというふうに考えております。幕別町では本年度、文部科学省の指定によって「地域ぐるみの学校安全推進モデル事業」、これを実施し、危険箇所の把握、子ども 110 番の家マップ作成、事件発生時緊急対応マニュアルの作成や、困った時・悩みごとがあった時に相談できる関係機関等の電話番号が記載された「防犯カード」、これらを全児童生徒に配布するなどの事業を実施しております。来年度以降は当事業を生かしながら、通学路での地域パトロールの実施や子どもへの声かけ運動、これが展開できるよう、関係機関・団体と、今、協議を進めているところでもあります。いずれにいたしましても、子どもたちが安心して、安全に教育が受けられる環境づくりのため、学校、家庭、地域が一体となった取り組みによる地域・社会づくりに努めなければならないものと考えております。以上で、中野議員の質問に対する答弁とさせていただきます。
質問 16番 中野敏勝
今、ご丁寧にすべてのことについて答えていただきましたけれども、地域の父兄の方とも相談しながら、あるいはそのPTAの方とも相談しながらというようなことでありますので、ある程度の理解はいたしました。そこで、児童生徒の安全確保、あるいは安心して通える学校をつくることは、何よりも優先していくべきことだと思います。学校というのは多くの児童生徒が学び、保護者や地域の人が出入りすると。避けたくても避けられないこの事件、事故というのが発生する可能性もあるわけです。総合的な学習のために、校外に出て学習することも増えてきているわけです。そこで、教職員のみならず、保護者や地域住民の協力、これも当然必要と思います。いつでもどこでも誰でも、この危機管理に対する意識を高めることこそ、安全・安心の学校づくりになるものと思います。そこで、具体的な安全対策の一つとして、愛犬家に呼びかけて、地域のパトロール活動に参加をしてもらう。今、朝となく、昼となく、夜となく、犬の散歩に出かける人が非常に多いわけです。新たなボランティア活動として、この犬の登録のときに、腕章や犬に付ける、何かこのグッズを作り、それらをつけて地域のパトロール活動をしていただくというようなことを考えてはどうかと思います。さらに、ジョギングとか、ウォーキングをしている方にも協力を呼びかけ、児童生徒の登下校ばかりではなくて、地域の防犯や犯罪に対しても、住民意識も高まってくるのではないかというふうに思います。事件や事故の未然防止にもつながり、安全で安心なまちづくりにもつながっていくのではないかというふうに思います。関係者のご意見を伺って質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。
答弁 教育長 沢田治夫(教育長は2005年9月まで)
今、お話しのありました地域の中で子供を守る運動、これにつきましては、単に幕別町だけでなくて、1市19カ町村の教育委員会、揃ってこの運動をやろうではないかということで、先日いろんなお話し合いをしたところであります。今のような提案、幕別町でも先ほどモデル事業をやりながら、来年度以降ぜひともやりたいなというのが、いわゆる地域の中で、「ながらパトロール」、「ながらパトロール」というのは、今言った犬の運動なんかもありますでしょうし、買い物に行きながら、あるいは散歩をしながら、庭の手入れをしながらとか、そういった「ながらパトロール」なんかを地域の中でできないか。このことを学校とPTAと、それから保護者、地域の人と一緒になって話し合う機会、これを求めていこうということでありますので、ぜひともそういった意味では、単に教育委員会だけではできるものではありませんので、やっぱり地域の方々の理解を求めながら、子供を安全な形の中で、みんなで守ろうと、これをぜひとも展開したいというふうに考えておりますので、先ほどのご提案なんかも一つの形として受けながら、進めていきたいというふうに考えております。