訓子府町議会 平成27年第4回定例会 2015年12月9日
TPP大筋合意について
2015年12月9日、訓子府町議会の一般質問で、西森信夫議員が「TPP大筋合意について」質問し、町長 菊池一春が答弁しました。
- 質問者
- 西森信夫 議員
- 答弁者
- 町長 菊池一春
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 8番 西森信夫
8番、西森信夫です。通告書に従い、一般質問をいたします。TPP大筋合意について、町長に伺います。環太平洋連携協定交渉は、10月5日大筋合意しました。日本政府が打ち出した交渉結果に対し農林水産業者はもとより各方面より国民の疑念は深まっております。このTPP交渉結果に対して伺います。一つ、TPP交渉に対する日本政府の説明不足を感じます。町民の不安、疑心暗鬼にどう対応するのか伺います。二つ、これから将来の訓子府を担っていく担い手に対する5年、7年、10年後の関税撤廃に対する数多くの諸問題が想定されます。本町としての施策について伺います。
答弁 町長 菊池一春(町長は2023年3月まで)
ただいま「TPP大筋合意について」2点のお尋ねをいただきましたのでお答えをいたします。まず、1点目の「TPP交渉に対する日本政府の説明不足、町民の不安、疑心暗鬼にどう対応するのか」についてのお尋ねでありますが、大筋合意後にまず札幌で開催された説明会では、水田および畑作、園芸、畜産の3分野に分けて合意内容の説明がありましたが、概要のみにとどまりまして、その後、農産物に関するより詳細な合意内容公表までにしばらく時間を要し、そういった対応に不満の声が上がっていることを認識しているところでございます。また、農業関係機関に対する説明会以外に農業者を対象とした説明会が開催されているものの一部にとどまっており、いまだに説明が不十分であると感じておりますので、国に対して合意内容の全面公開と農業者への十分な説明を要請してまいりたいと考えております。さらに、合意による重要5品目への影響部分に関して、引き続き再生産が可能となるような所得補償をはじめとする体質強化策を積極的に要請してまいりたいと思います。次に、2点目の「中長期的な関税撤廃により数多くの諸問題が想定されるが、これから将来の訓子府を担っていく担い手に対する本町としての施策」についてのお尋ねでありますが、TPPに関しては工藤議員の質疑の際にも答弁しましたとおり、その動向を見極めながら、北海道、関係市町村、JAきたみらいとも連携し、検討してまいりたいと考えております。また、TPPに限らず、本町農業の課題として農業経営者の高齢化、担い手不足などによる農家戸数の減少や遊休農地の発生等が懸念される中で、就農者支援をはじめとする施策を積極的に展開していく考えであり、農業従事者の確保ならびに人材を育成してまいりたいと思います。以上、2点についてお答えをしましたので、ご理解賜りたいと存じます。
質問 8番 西森信夫
10月5日にTPP交渉大筋合意から毎日のごとく報道される関税撤廃論、2か月過ぎても新聞報道はやみません。非常に不安が重視され、解消されず増すばかりです。異常とも言うべき社会問題となっています。また国の説明不足を感じます。TPP関税撤廃に関しましては全ての農林水産物の8割が最終的に関税撤廃される。重要品目も3割で関税をなくす。TPPは全ての関税の撤廃が原則で対象が広範囲に及びます。自動車など工業品目も含めた全品目で関税撤廃する割合は95%で過去最高になります。農林水産物は81%にあたる1,985品目の関税を最終的に撤廃する。野菜は全て関税がなくなる。全農産物の半数がTPP発行時に即時撤廃される。こういう非常に厳しいTPP交渉の結果となっております。日本政府は自動車、工業製品、加工業、IT産業など、さまざまな輸出品の関税撤廃による国益を考えていて、その交渉の中で我が町はもとより、北海道が産地となる農林水産業の2,328品目のうち8割の関税を撤廃し、半数を即時に撤廃する。いわば国益のためなら農林水産業を犠牲にしても構わないという交渉内容で大筋合意をしました。また交渉の状況を一切公表しなかった。これらの件に関して町長の見解を伺いたいと思います。
答弁 町長 菊池一春(町長は2023年3月まで)
昨日の工藤議員に対する質問とも重複する部分もあると思いますけれども、私はいろんな意味で問題点というのは、これは西森議員がおっしゃるとおり問題を持っているというふうに考えている一人でございます。とりわけ情報の公開はこのTPPの審議ならびに結論を見てもおわかりだと思いますけれども、ほとんどされていない。そして結果についても小出しのような関係が出てくる。そして7年後、10年後には、また今の関税が守られている部分についても見直しを図るだなんてことが後から起きてくるという状況がもう出ています。各地域の農業団体に対する説明会は行っておりますけども、残念ながら市町村長に対するこのTPPに対する基本的な考え方、それから状況はどういうことなのかということの一切の説明がないというのが現状です。私どもは、私はと言った方がいいんでしょうか、少なからず農業新聞やあるいは我が家でとっている朝日新聞や道新なんかの切り抜きをしながら、この今のTPPの状況をやはり非常に問題なのではないのかというふうに捉えておりますので、これらは改めて、昨日も申し上げましたとおりアメリカの大統領選挙は来年の11月ということですから、それまでに国会の批准等が当然、国会の決議等がございますので、やはり改めて全体を明らかにしていただきながら、その上で私どもが積極的な意見を申し上げてまいりたいというふうに考えているところでございます。問題点はもう言うまでもなくたくさんございます。識者が指摘しているように、まず食の安全が保たれるのかと。これは環境基準からいっても日本の環境基準というか、それから見たらアメリカなんていうのは非常に甘い。こういったことで食の安全が守られるかどうかということも大変私は気にしている問題であります。そして、さらにまたこのISDSというこの条項が経済の民間企業というか民間のグローバルな企業たちが犯しているいろんなさまざまな問題について国がまた保護的なことをやると、それに対して訴えることができるということですから、我々の地方自治や国の食に対する主権という問題が非常に危険な状態に私は置かれていくのではないのかなというふうなことを考えますし、もちろん医療の自由診療の問題や、保険の問題、それから今言ったISDSのある意味では大企業が儲かるような仕組みがやっぱり明確だというふうに私は捉えています。さらに申し上げますと、やはり何と言ってもこれはTPPのあれは秘密ということがですね、私はすごく問題点をはらんでいるのではないのかなと思います。その点で言うと西森議員がある意味では、お怒りになるというか、不満という状況というのは、私自身も共通する認識だというふうに思っています。参考のために時間があまりありませんから、私が入手している内閣府と東京大学の農学部の鈴木教授の試算の状況からいいますと、例えばTPP大筋合意の日本経済への影響の算定試算というのが出ております。GDPの増加率でいくと、大筋合意では0.069%、全面の関税撤廃で0.184%ですから、GDPの増加率もかなり減ってきている。それから農林水産物の増加額は全面関税撤廃とした場合はどうなのかという点では2.1億円だったのが大筋合意で1兆円は間違いなく関税の大筋合意によって影響が出てくるだろうと。それから食料加工品の生産増加額でいくと全面関税撤廃の場合は2.1億円だったのが1.5兆円は影響が出てくると。それから最も期待されていた自動車生産増加額ですけれども、全面関税撤廃されたら日本の自動車産業は2.8兆円のプラスになるんだという試算をしておりましたけど、どうやらそれもアメリカやいろんな国の抵抗があって思うように自由化というのは、撤廃というのはうまくいっていない。だからこのTPPの大筋合意が日本の経済に非常に影響があるという、プラスになるんだという宣伝はしていましたけども、実際に自動車生産の増加額をみてもマイナスの0.4兆円になっていくということですから、総体としてもこのTPPの合意が果たして本当に国益にかなっているのかどうかということも含めて私は疑問を呈さなければならない。単なる農業だけではなくて、やはり先ほど言いました保険や医療、そして薬の問題やいろんな問題含めてですね、情報を明らかにしながら国民的な議論をしていく必要があるというふうに思っています。
質問 8番 西森信夫
TPP問題が発表されまして、この問題を考えると私は元々農業ですから日本で農業をやっているということで、2年前に経営移譲をしているんですが、将来のことを考えると、やはり後継者等のことを考えると非常に毎日眠れないような状況でありました。私はこう発言できる、TPPに関して発言できるのは、この議会だけであって、道庁にも国会にも行って知事や国会議員に簡単に会って話すという、困っているんだと訴えることにはなりません。唯一今日のこの場所で町民の方々、農民一人一人の声を発言できる場だと思っています。町政執行者の町長には実情を理解していただき、関係省庁ならびにこの状況を国政に訴えていただきたい。町民に不利益とならないよう方策をとっていただきたいというふうに考えます。また農政の不信感、それから現政権への怒りということも当然ありますが、今はそう感じてはいないTPP問題もじわじわと各所に関税撤廃の影響が出てきて、この町で生活ができなくなるのではという心配と、また収入がなくなるのではとの心配があります。この町民が非常に農業だけでなくて、関連産業含めて不安を抱いている。口に出さなくてもやはり不安を抱いている。これに対してやはり町、町政執行者、町長としてのこれからとるべきだろう施策をお聞かせ願いたいと思います。
答弁 町長 菊池一春(町長は2023年3月まで)
どうも雰囲気的には全中、自由民主党、それからJA関係もどうもやはり条件闘争に入ってきている。これはいろんな農業新聞を見ても明らかですし、各報道なんかを見ても明らかでございますので、少なからずやはりこのTPPに関係して情報を明確に公開をすべきだと。こういう声はやはり出していかなければならないだろうと。それから私はかつて高橋俊一さんが組合長のときに日豪EPA(経済連携協定)の断固反対の集会を北見駅前でやった記憶がございますし、その後の日米FTA(自由貿易協定)についても反対をしておりました。いつの間にか10年もたたないうちに、それよりもっと日本の構造全体を変えていくような、このTPPに対しても非常に物腰が弱いなという感じを率直に言いまして私はもっています。私は市町村長の中でも原則的にこういったことに対する農民の農家の方々の声をきちんと伝えなければいけないということで発言もしてきましたけれども、私はそういう点ではこれからもですね、やはり訴えていく必要があるし、自給率の向上含めてですね、農業を国の産業としてやはりちゃんと守っていくということの意味でもTPPのありようをもう一回議論する必要があるのではないのか。とりわけ私はもちろんそうですけれども、ぜひまた新たなる議会での議決としてですね、議長の名で従来2度ほどやっていると思いますけれども、私は議会にも各省庁や内閣総理大臣に対するTPPの今の状況について意見書を出していただきたいという願いでもございます。もちろんその後、今のご質問にもありましたように訓子府町としてどうするのかということであります。体を張ってでも若者たちが農業をやっていくことに対する不安感を与えないような努力を町長としては全面的に実施していきたいと。今、具体的にじゃあ何をするのかというと、それはまだ即答はできませんけれども、少なからず私は今、27年度補正と28年度当初予算でさまざまな政策を打ち出してきていますから、やはり農業者の方たちが安心して農業をできるような予算獲得のために、やはり全力投球をしていかなければいけないだろうということが、まず一つであります。それから、これからの農業をどうするのかということを含めて、やはり消費者との関連のことをやはりもうちょっとこう強くしていかなければならないとか、いろんな思いはありますけども、改めてこれはJAきたみらいや関連関係団体とも一緒になってこうした声を上げながら地域農業全体を高めていくということを進めていかなければならないと思っておりますので、ご理解賜りたいと思います。
質問 8番 西森信夫
町長から大変前向きな答弁をいただきましたが、本町の担い手、せっかく農業の担い手となりUターン、Iターンで、ぜひ訓子府町、本町で農業をやりたいということで後継者が大変多く育っている本町です。その本町が根幹から崩れだすTPP問題だと考えます。コメ、麦、ビート、馬鈴しょ、玉ネギ、これらは本町の本当の基幹作物であります。関税撤廃され安価な外国農産物との競争の土俵に上がっては負けるのは目に見えています。その過度期に立たされている農業が駄目になれば商工業も飲食業も全てが、町が崩壊する。本町の担い手後継者に対する町長の見解を伺うとともに、先ほど、これからJAきたみらいなど関係機関との話し合いをもって将来の農業をどうするのかという答弁をいただきましたが、やはり若者に対して定着できるような政策をぜひ町長にとっていただきたいなというふうに思います。町長の雑ぱくな今の感想を一言お願いします。
答弁 町長 菊池一春(町長は2023年3月まで)
今回、提案させてというよりも条例の説明をさせていただきましたけれども、ある意味では新規就農者に対する、農業者に対する支援もやはりカードを切っていかなければいけないと思っています。それから若者が改めて後継者として、農業経営に参入してくるといいましょうか、後継者としてスタートするときの祝い金も含めた、まずは町としても激励していくんだよということをやはりこれから最大限に生かしていかなければいけないのではないかと。それから、TMR関係でいいますと、北訓やいろんなところが、一つは開盛で行っているそういったものも非常に成果を上げているところでございますので、こういったことにも力を貸していきたいと思いますし、当然でありますけれども、農業基盤をはじめとしている事業をできるだけ前に進めていかなければいけないだろうと。少なからずやはり生産額を上げて安心してやっていけるような。さらに6次産業化についても、いろんな芽が出てきておりますので、これは消費者とも結びつきを高めながら、農業がより一層地域に支持されていくような農業というのを、どうやってつくっていくのかということ。これはJAきたみらいも含めてですね、一緒になってやっていかなければいけないというふうに思っています。今の段階で小麦でいいますと2030年ですから、地方消滅がいわれている30年のときの自給率は今からみても大体もう9.85ぐらいの維持しかならない。大豆でいったら6%、野菜でいったら52%、今71.なんぼあるんですけど、それから、果樹なんかにしても30.1%ぐらいまで自給率が落ちてくるだろう。馬鈴薯も今60.35ですけれども43.89だと。生乳も64.22が56.62だと。牛肉も37.64の自給率から27.19だと。豚肉も34.46から10.96だと。鶏肉は49.72から21.23ですけど、これ軒並み自給率が落ちてくるんですよ。これ今40少々を切る自給率ですけれども、おそらく2030年度TPPが完全実施になっていったら、このままでいったら自給率はやはり20%ぐらいにいってしまうのではないかというふうに私は踏んでいますので、何としても声を届けていきたいというふうに考えていますし、そして、着実に私どもの担い手対策を進めていきたいと考えているところであります。
質問 8番 西森信夫
ただいま、町長の答弁にありました自給率20%、これは私も18から20%に落ちるだろうと非常に危惧をするところであります。また町長の話にもありましたが、TPP交渉にはJA、全農中央会が非常に当初反対をしておりました。昨今、反対を唱えるのが農民連盟団体、それからJAはあまり口を大きく開かない。反対闘争をやりません。なぜかというと、やはりJA、全農は実を取る。やはり国の政策に従いつつ、本来であれば入れてもらっては困る。しかし、あまり反対すると農業予算がつかない。非常にジレンマがここに起きております。やはり本町もそこら辺、他町村、北海道の他町村、自治体と足並みを揃え、不利益を被らないような施策をとっていただきたい。そして、若者が本町から去らない政策を考えてほしい。これを町長にお願いをしたいと思います。いかがでしょうか。
答弁 町長 菊池一春(町長は2023年3月まで)
全く西森議員のおっしゃるとおりでございますので、それらについては、心して私ども職員も含めて具体的な政策的な提案も含めてこれから進めていかなければならないと思います。最初に戻りますけども、私は5月20日のTPP交渉をめぐって北海道農民連盟が道内の市町村長130数名の市町村長のTPP反対の署名を代表して私は町長の一人として農水大臣に要請に直接お会いしたいということで行ってまいりました。その時、政務官が中川郁子さんでございましたので、政務官に次の点について、私は強く彼女に申し上げたところであります。1点は、TPP国会決議の遵守を先頭に立っていただきたいということが1点目であります。2点目は、地域農業のみならず地方自治の崩壊につながるTPPは公約に掲げた代議士の政治生命に関わる大事な問題だと。3点目は、豊かな農村や農業の発展は自由民主党にとっても国是であり、食料自給率の向上をはじめ、農業基盤整備、土地改良事業の予算確保を後退させてはならないということを申し上げました。4点目です。最近の農業政策、国の農業政策は例えば農業委員の公選制を廃して任命制にしていく。それから耕作者主義を廃した土地管理制度、農協組織の一方的な改組等々、農業の実態や農業者の要望からかけ離れていると私は理解していますと。もっと農業者の生活や声に寄り添っていただきたいという要望をしました。私はこの姿勢はこれからも変えない。変えるつもりはありませんし、言うべきことは言うし、そしてまたお願いすべきことはお願いしながら先頭に立っていきたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと思います。
質問 8番 西森信夫
大変力強い答弁をいただきましたが、国、政府、また衆議院議員、農林水産省に対する陳情ならびにお願いに関しまして、町長に町を代表してやはり実情を伝えていただきたいということをもって、この質問を終わりたいと思います。質問を変えたいと思います。