訓子府町議会 平成18年第4回定例会 2006年12月19日
守る手立てについて
2006年12月19日、訓子府町議会の一般質問で、田中與士信議員が「守る手立てについて」質問し、町長 深見定雄、福祉保健課長 佐藤純一が答弁しました。
- 質問者
- 田中與士信 議員
- 答弁者
- 町長 深見定雄、福祉保健課長 佐藤純一
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 田中與士信
町民の生存権を支え、守る手立てについてということで、最初に質問の通告をしています。ここ数年、特に小泉政権の5年、それから現在の安倍政権。この何年間かの間に「ワーキングプア」、働く貧困層とでも言いましょうか、そういう人たちが、若者を始めとして契約派遣社員、あるいはアルバイト雇用などに代表される非正規雇用の増加という形になって雇用されると。がんばっても救われない。このような労働ルールが破壊された社会になってきていると。このような状況の中で、若者さえ今の状況に展望を持てないと。そのような状況になってきています。年金や医療、福祉、障害者福祉、介護などの社会保障費の削減や庶民に対する増税、反面、大企業には減税と。このようなことになっておりまして、誰の目で見ても逆立ちした税の制度、あるいは格差社会を増幅するような状況になっています。これらが貧困の根源の所在にあるのだということを、今、多くの人が気付き始めてきていて、ごく最近政権の座についた安倍内閣の支持率も、確かに郵政での反対票を投じた人を復党させるという形の批判もありますけれども、それだけではなくて、これらの状況に対する施策的な対応と言いますか、それらも内閣支持率低下の要因の一つになっているというふうに言えると思います。庶民の懐具合と同じように、自治体の懐も交付税、補助金の削減などや過去の景気対策として押し付けられ起債償還などで、例外がないほど青息吐息の状況に置かれています。特に代表的な例は、昨今絶えずテレビで報道されるような夕張の状況と言いますか、それが代表的な状況でないのかなと、このように考えております。このような状況でも、住民と身近にかかわり、その命と暮らしを支える責務を地方自治体は地方自治法を規範として負っています。そこで、2点について伺いたいと思います。まず1点は、今年に入って、公営住宅に居住の町民の1人が、死亡数日後、変死体となって発見されるというケースがあったと聞いています。町民の生存権を守り、支える立場から同様の事故、事例を再び招かないように、事例から自治体として何を学んだかと。また、セーフティーネットの構築をどのように行うのかということで、所見を伺いたい。2点目は、高齢者などの環境が医療制度の改変、介護保険制度の改変、税制改革などの影響で激変していますけれども、生活に困窮する状況などが発生した場合、その対応は生活保護の手段が一般的でありますけれども、この最後の生活保護という手立て、この保護制度にどう導くのかと。また、それまでのつなぎ対策のあり方について、所見を伺いたい。
答弁 町長 深見定雄(町長は2007年3月まで)
ただいま、町民の生存権を支え、守る手立てについて、2点のお尋ねがありましたのでお答えいたします。まず、1点目の「町民が死亡数日後に発見されたことについて、同様の事故、事例を再び招かないように、自治体として何を学んだか。また、セーフティーネットの構築をどのように行うか所見を」とのお尋ねですが、このような事故があったことは非常に残念で、悪い偶然が重なった結果だったとはいえ、防ぐ手立てがなかったものかと悔やまれるところです。今後、このような事態が発生しないよう、今まで以上に民生委員の皆様や町内会、あるいは実践会など、行政と地域が一体となった一層の福祉施策を進めていく必要があると考えております。次に、「生活に困窮する状況が発生した場合の対応について、生活保護制度にどのように導くか、保護を受けるまでのつなぎ対策について」とのお尋ねですが、介護保険制度や医療制度改革、さらには税制の改正などにより、高齢者の負担感は増してきていると感じているところですが、現在のところ、こうした理由で生活に困窮したという相談が増えているという状況にはないものと考えております。また、生活に困窮したときは、生活保護を受給する場合が一般的ではありますが、所得が低くても生活保護を受けずに日々の生活にご努力されている方もおり、こうした方々を保護制度に導くということは適当ではないものと考えます。しかし、真に生活に困窮する方につきましては、生活保護に頼らざるを得ないと考えますので、適切な対応を図ってまいります。また、生活保護に至るまでの“つなぎの対策”につきましては、生活保護制度の中での対応は難しいと思いますが、社会福祉協議会の福祉資金貸付事業などの利用により、対応していくこととしております。日頃の生活に不安を感じるときは、福祉の窓口や地区の民生委員などを通じて、早めに相談していただくことが問題の解決につながるものと思いますので、町としましても町民の皆様が気軽に相談できる体制の充実に努めてまいりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
質問 1番 田中與士信
今回の私がこの質問で指摘をしたケースも、気軽にはたぶん相談をしてないと思うのですけれども、いわゆる生活が困窮していると。医療費が払えないと言いましょうか、そのような状況の中で、何とかその生活を支えるために生活保護を受けられないかという相談が事前にあったというふうに伺っています。本来から言いますと、生活保護法の第9条では、いわゆる生活保護に関する基本的な考え方として、必要、即応ということを規定しています。つまり必要な人に対しては、即対応すると。これが生活保護法の基本原理になります。そういう点からすると、明らかに事情はそれなりの事情がどうもあるようですけれども、いわゆる法律を正規に理解した対応ではなかったのかなというように考えられるのです。今回のケースは、詳しいことはわかりませんけれども、例えば一つの生活保護を受ける基準から言いますと、訓子府はたぶんそれなりの一定の基準をつくって、それを基に運用していると思うのですけれども、それはある面では個別化の否定につながるのではないのかなと。要するに、標準的なその考え方で対応するために、はじめから一定の基準に合わないものは受け付けないと。あるいは、その生活保護からの対象から外すというようなことが行われている可能性があるではないのかなというように思わざるを得ないのです。確かに、対、周りの状況と言いますか、その状況から見ますと、いろいろ今まで生活保護のあり方でも、特に特徴的な批判を受けるような事例は確かにあるのですけれども、それは保護を受けている人の中のほんの一部に過ぎないのだと思うのです。大多数の方は一生懸命真面目に働いているけれども、なかなかその生活ができない。あるいは、病気のために働くことができない。そういうような状況の中でやむなく生活保護の申請をすると。特に病気の方などは、例えばそのあと生活保護を受けたあと自立をするという前提として、今、一定の基準の下にその生活保護を認めるかどうかと。あるいは、そのハードルとして持っているもので縛るという形でほぼ受け付けないというようなことが、あとのその自立を妨げていることもあり得るのではないのかなと思ったりもするのですけれども、そのようなことはこの町の今までのその窓口対応としてなかったのかどうか伺いたい。
答弁 福祉保健課長 佐藤純一(福祉保健課長は2011年6月まで)
生活保護の関係でございますけれども、まず、基本的に生活保護の申請と言うか、そういう相談があった場合、最終的な決定権というのは町村にはないものですから、網走支庁のほうに連絡をいたしまして、ケースワーカーとその対応をするというようなことで進めております。制度的にいけば、市では福祉事務所がございますから、独自に生活保護の決定をするということになりますけども、町村に関しましては全くその権限というものを有しておりませんので、町が一方的に町の基準に当てはめて、その保護申請を受け付けないとか、そういう相談に乗らないというようなことは一切ないということで、ご理解をいただきたいと思います。
質問 1番 田中與士信
私が言っているのは、最後の決定権は確かに支庁です。ただ、その受け付けるかどうかという点から言いますと、窓口は訓子府の住民であれば訓子府の町になるわけですから、そういう点から言いますと、住民が生活保護を受けたいと、受けざるを得ないのだというような状況が発生した場合に、必ず受け付けのために町の窓口へ来ると。しかしながら、今の厚生労働省ではなくて、厚生省時代の123号の通知に「生活保護の適正実施の推進について」というような通達が出てから、特に申請のためのハードルを高くするということでの水際作戦と言いますか、そういうのが多くとられるようになったと。そういう点から言いますと、たぶん訓子府も同じようなことが大いにしてあるのではないのかなと。その点が、今回の事例の中に特徴的に現れたのではないかと思うのですけれども、そういう認識はありませんか。
答弁 福祉保健課長 佐藤純一(福祉保健課長は2011年6月まで)
大変申し訳ないのですけども、今おっしゃられた旧厚生省です。その123号通知というのは、私承知をしておりませんけれども、基本的にその生活保護制度は級地が決まっておりまして、全国的に1級地から3級地までということで、級地が決まっておりまして、それぞれの地域の実情に合わせまして、保護の基準額というのが最初から決められておりまして、収入額がその基準を上回っていれば基本的には生活保護、特殊な事情がなければ受けられないというような基準がありますので、私どももそういう生活保護が受け付けてもらえるのかどうかというのは、一定程度そこら辺を収入の状況がどういうふうになっているかということをお聞きしまして、それなりの対応をとらせていただいているということで、ご理解いただきたいと思います。
質問 1番 田中與士信
要するに、保護の制度に乗せることが出来るかどうかというのは、これは一定の収入があくまでも基準になりますから、そういう点から言いますと、そこら辺がどうなのかというのがこれ当然申請のときに必要でしょうけれども、例えば個別にいろんな事情があると、生活保護でなければ対応できない状況になっているということであれば、基本的には先ほど申し上げました生活保護の第9条に基づいた事務処理を本来すべきだし、そういう対応をとらないとうまくないのではないのかと。その点が、今回の事例を除いても、今後やっぱり起こりうることなので、そこら辺やっぱりちょっとその生活保護のあり方との関わり、やっぱり認識をちょっと改めていただきたいなと思ったりもするのですけれども、そこら辺も含めてどうですか。今回の事例なのですけれども、たまたまその状況から言いますと、車があったというようなことを聞いておりますけれども、先ほど申し上げましたように、これケースとして、自立ができないという状況であれば別ですけれども、そうでなければ自立のためにどうしても車が必要だということになれば、個別な対応だって本来すべきものだと思うのです。生活保護の保護の精神そのものは、そういうことも含めて規定をしていると思うのですけれども、そこら辺がどうも画一的だったのではないのかなと、対応がまずかったのではないのかなと、間違っていたのではないのかなと思うのですけれども、そういうことも含めてどうでしょうか。
答弁 福祉保健課長 佐藤純一(福祉保健課長は2011年6月まで)
ただいまその個別の事情により対応すべきであるというお話でございますけれども、これは全くそのとおりでございまして、一律にその収入が上回っている。先ほど申し上げましたように、収入が基本でありますから、大原則でありますけれども、その個別のケースによっては全く100%受けられないという意味ではないというふうに考えておりますし、そこら辺の事情は十分に聞き取りをしまして、網走支庁のほうに伝えるなどのそういう対応はとっております。それから車のケースでございますけれども、基本的には生活保護を受ける場合に所有を認められないものとして、車とか、それから貴金属などがございますけれども、これは資産価値があるという観点から認めないということにはなっているのですが、車に関しては、例えば就労にどうしても必要だとか、通院のために必要だとかという場合には、認められるケースもございますし、現に訓子府町でも車を所有しながら生活保護を受けられている方もいらっしゃいます。
質問 1番 田中與士信
このあとの2番目の問題との関わりともありますけれども、昔からこれ日本人のその美徳なのでしょうか、その大和魂なのでしょうか。よくわかりませんけれども、「武士は食わねど高楊枝」とかって言いまして、美徳として、貧しくても苦しくても我慢をして耐え忍ぶというようなことが美徳だというようなことで考えている人がまだずいぶんいます。2つ目の高齢者の環境がずいぶん大きく変わっています。平成20年からは後期高齢者の医療制度も新たにできると。それから介護保険もずいぶん変わってきたと。それから、高齢者控除などを含めた税制改正が行われて、ずいぶん税金が今までそのかからなかったところも税金がかかるというような状況になりまして、それが全部に影響しているというようなことで、国民年金で生活しているような世帯でしたら、なかなか生活すること自体も困難になっているというような状況になりつつあります。そういう状況の中でも、先ほど申し上げましたように、町民の中にはずいぶん生活大変だけど辛抱してがんばろうという人がおりまして、それはそれでいいのですけれども、健康を害すると。栄養を十分に摂らないで健康を害するとか、あるいは体を悪くすると、寿命を縮めるということが起きなければいいけどなというふうに私思っているのですけれども、そういう点で本当に生活が困ったときは、最後のセーフティーネットとして生活保護があるのだと。あるいは、先ほど答弁の中にありましたけれども、社会福祉協議会の貸付制度があるのだと。あるいは、生活困窮世帯の医療助成制度があるのだというようなことで対応したとしても、いわゆるそれが持続することにはなかなかなりませんよね。そうなると最終的には、やっぱり生活保護が一番のセーフティーネットかなというふうに思わざるを得ないのですけれども、とにかく何とかその困難な状況を抱えた人が、ますます困難に陥らないような手立てを考える必要があると。それは、まず窓口での生活保護に関する町民に対する対応。それから、制度をやっぱりよく知ること。それから、手立てとしてこれらのものだけでなくて、新たに何らかの方策を講じられないかなというふうに考えたりもするのですけれども、特にその私ちょっと気が付いたのは、以前ちょっと述べたことあるかもしれませんけれども、季節労働者の生活資金の貸付制度ありますよね。あれらのように、少ない金額で預託をすることによって、ある程度町民に銀行が融資をするという形で一時しのぎになるかもしれませんけれども、そういう対応も一つの方法かなと思ったりするのですけれども、そういう制度の創設も含めて何らかの方法をとるべきだと思うのですけれども、どうでしょうか。
答弁 福祉保健課長 佐藤純一(福祉保健課長は2011年6月まで)
ただいま生活保護に代わるものと言いますか、その何らかの方策ということで、例えば季節労働者貸付のような形をとれないかということでございますけども、先ほど町長から答弁申し上げましたように、現在、社会福祉協議会の福祉資金貸付事業などがございまして、これは利用限度額5万円ということで無利子の貸し付けということになってございます。今のところはこれで対応しているわけですけれども、この金額とか、その融資の枠が少ないというのであれば、それなりに社会福祉協議会でもう少し枠の拡大ができるかとか、そういうような検討もしていく必要があるのかなというふうにも考えます。ただ、あくまでもその貸付事業ということになれば、その枠が増えることによって逆にその償還とか、そういう部分での負担が増えると言いますか、そういう部分もあるかなというふうに思いますので、あまり極端な枠の拡大というのもいかがかなというようなちょっと思いもありますけれども、そこら辺のところは今田中議員おっしゃられたその季節労働者への貸し付けのような形も含めまして、ちょっと検討をさせていただければというふうに思いますのでご理解をいただきたいと思います。
質問 1番 田中與士信
今回の質問に関わって、特に申し上げなければならないのかなと思ったのは、最近の町の財政事情などを考えますと、いわゆるその行政経営と言いますか、行政の効率を上げたり、あるいは行政の運営を最優先するというようなことで、そうなりますと、お金がないとなかなかいい仕事もできないというような状況もたぶんあると思います。それらの課題もありますけれども、町が負えない部分を社会福祉協議会と協力し合うと言いますか、社会福祉協議会に大きな役割を担っていただくと。それから、特に行政の場合は何年かで職員が変わりますから、担当がどんどん変わっていきますから、そのような状況がありますので、そういう状況を考えますと、なかなか専門的な知識を持ったものが長い間その同じ場所にいられないというようなこともあるでしょう。そういうこと考えますと、やっぱり社会福祉協議会の役割というのが大きくなりますし、ある程度その知識を持った方がおられるというのが、本当は望ましいのだろうと。そういうことも含めて、いろいろなその専門的な知識が必要で、困難なケースでも十分対応できるような状況であっていてほしいと。そういう状況になるように、例えば人事異動などもある程度考慮する必要がありそうな気がするのですけれども、どうでしょうか。
答弁 町長 深見定雄(町長は2007年3月まで)
町の役割としましては、町民福祉の向上ということになるわけですので、こちらに新しい庁舎ができて、そして、社会福祉協議会のほうも1階の福祉の窓口のほうに1ヵ所になっておりますし、町といたしましても、社会福祉協議会としっかり手を携えて対応できる体制づくりというものを考えて、今運営をしているわけです。今、言われたことにつきましては、非常に大事なことだと思いますので、これからもなお一層町民の皆さんに安心して住んでもらえるまちづくり、町民の皆さんに喜んでもらえるようなまちづくりと。何でもかんでも町民の皆さんにすべて納得いただけるかどうかはちょっと難しい部分もありますけれども、できる範囲そうした努力を私どもとしてはしていく必要があると考えておりますので、今後ともよろしくお願いをいたします。
質問 1番 田中與士信
昔は、生活保護も受給の最大の要因がだいたい病気と言いますか、病気による生活保護を受給というのがだいたい半分以上を占めていたというふうに伺っています。最近は、それはどんどん変わってきて、貧困によるその生活保護の受給というふうに、生活保護の質も変わってきていると言いますか、そのような状況になってきているというふうに聞いています。憲法の第25条で規定していますように、健康で文化的な最低限度の生活というようなことを考えますと、なかなか今の世相の中では、自己努力だとか自己責任と。これらが強調されて、あたかもそうでないものはそういうふうに考えないという状況の中で、この希少が外れたものはあたかも住民でないみたいな、あるいは仲間外だというようなその風潮が強まっていますけれども、本当はそうではないのだと。そういうようなことだと私は考えるのです。最近は、国民生活が下落すると。それに合わせて生活保護の基準も下がって当然だというような状況もあると。ですから、いわゆるナショナルミニマムとしての考え方として、どうもおかしな方向にいっているなと思うのですけれども、そういうことのないように、訓子府の住民に対してはそれなりに担当も含めて対応していただきたいと。