上士幌町議会 平成24年第4回定例会 2012年9月4日
本町におけるいじめ問題の現状と課題、その対策について
2012年9月4日、上士幌町議会の一般質問で、中村保嗣議員が「本町におけるいじめ問題の現状と課題、その対策について」質問し、教育委員会教育長 江波戸明が答弁しました。
- 質問者
- 中村保嗣 議員
- 答弁者
- 教育委員会教育長 江波戸明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は、議員が最初の質問で述べた言葉から取ったものです。
質問 4番 中村保嗣
本町におけるいじめ問題の現状と課題、その対策についてお伺いいたします。昨年 10 月、滋賀県大津市で、いじめを受けていた中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺をしたとされる問題が波紋を広げております。大津市教育委員会や学校のずさんな対応が次々と明らかになり、教育行政への不信感を高め、社会に大きな衝撃を与えています。文部科学省も、いじめに関する緊急調査の実施や専門組織の設置を検討するなど、全国的な動きに発展しています。十勝管内でも、小学校、中学校及び高校において、平成21 年度166 件、平成 22 年度 331 件のいじめが認知されており、教員や保護者、地域も、子供の命をどう守るかが問われております。上士幌のいじめの問題について、次の4つの質問をいたします。1つ目、刑事告訴に至った今回の大津いじめ事件について、対岸の火災とせず、深く考えさせられるところがあると思いますが、教育長のご見解をお聞きいたします。2つ目、上士幌町において、過去にいじめの実態調査を実施したことがありますか。その際のいじめの実態、または、いじめの兆候は発見できたのか、お聞きいたします。3つ目、今回の事件にかんがみ、文部科学省から「いじめ緊急調査」が全国の教育委員会に通知されましたが、これに対し、上士幌町教育委員会は調査を実施したのか、いじめの現状はどうであったのか、お聞きいたします。4つ目、いじめを防止するため、教育委員会及び学校の取り組み、教育、指導はどうなっているのか、いかなる対策を実行しているのかお聞きしたいと思います。
答弁 教育委員会教育長 江波戸明(教育委員会教育長は2012年9月まで)
本町におけるいじめ問題の現状と課題、その対策について、中村保嗣議員の質問にお答えいたします。今日、学校教育における学校危機管理の中において、いじめ問題に関しては最重点事項と位置づけております。特に、平成17 年度に発生した滝川市における小学6年生のいじめが原因の自殺は、とうとい命が犠牲になるなど、いじめ問題は教育界に大きな衝撃を与えるとともに、社会問題として大きな関心が寄せられたところです。このような状況を受けて、文部科学省は、平成18 年度の「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」を実施するに当たり、いじめの定義の見直しを行ったところです。昭和 60 年以来、いじめの定義は「自分より弱い者に対して一方的に、身体的、心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの」としてきましたが、新たな定義は、「「いじめ」とは、「該当児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」とする。」としたところです。このような背景のもと、教育委員会は児童・生徒のいじめ問題根絶にかかわる取り組みについて、本町の全学校ぐるみで取り組みを進めることが必要であるとして、教育委員会や学校、家庭及び地域の果たす役割を決定し、上士幌町小中高連携教育推進協議会を中心として、いち早く調査と実態の把握、課題点検等の対応を図り、今日まで継続した調査と課題別の対応を図ってきているところです。さて、第1点目の質問でありますが、大津市で発生したいじめが原因となっている生徒の自殺は、どこでも起こり得るという可能性を常にはらんでいる問題であり、我が町においても例外ではないものと真摯にとらえ、いじめ問題に関する取り組みを進めているところであります。このことを踏まえて、定例の校長会議、教頭会議などにおいては、学校危機管理のあり方について最重点の一つとしていじめ問題を位置づけ、ささいなことでも報告・連絡・相談により課題の共有を図り、教育委員会及び学校などが一体となって、迅速な課題解決に向けた取り組みができるように、体制を整備しているところです。第2点目の質問でありますが、本町においては、平成18 年度から今日まで、上士幌町小中高連携教育推進協議会において、小学1年から2年、小学3年から6年、中学生の区分において独自の調査を実施する一方、文部科学省及び道教委の調査と連動し、調査結果を踏まえて迅速に課題解決に向けた学校別の詳細調査を進めてきたところです。3点目の質問でありますが、文部科学省は道教委に対し、「いじめの緊急調査」の依頼を発信し、道教委からは8月14 日付で本町に対して本調査の依頼があり、9月6日までに報告を求められているところです。このことを受け、現在、本町の教育委員会、学校、児童・生徒に係るいじめの状況に関する調査を進めているところです。このことから、このたびの文部科学省の調査結果の状況については、現時点では時間的に、学校における状況について把握し切れていないところです。ちなみに、さきに行われた道教委がまとめた本町の4月期から6月期におけるいじめの調査では、児童・生徒が「いじめ」という認識に係る報告をしたもののうち、児童・生徒に対して詳細の再調査や聞き取り調査を実施した結果については、ほとんどが「冷やかし、からかい、悪口、おどし文句」及び「軽くぶつけられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり、けられたり」であり、いわゆる学校で認知されたいじめはないものと判断しているところであります。第4点目の質問でありますが、いじめ防止としての教育委員会及び学校での対策でありますが、いじめについては、どの子供にも、どの学校にも起こり得るものであることを十分に認識し、1、弱い者をいじめることは人間として絶対許されないとの強い認識を持つこと。2、いじめられている子供の立場に立った親身の指導を行うこと。3、いじめは家庭教育のあり方に大きなかかわりを有していること。4、いじめの問題は、教師の児童・生徒観や指導のあり方が問われる問題であること。5、教育委員会、家庭、学校、地域社会などすべての関係者がそれぞれの役割を果たし、一体となって真剣に取り組むことが必要であることを大原則として対応しております。この上で、教育委員会としては、学校の取り組みへの支援と取り組みの充実を基本に、個別事案への支援、学校における取り組み状況の点検、効果的な教職員研修、組織体制、相談体制の充実、家庭教育に対する支援を基本として、日常的に対策を行うこととしています。一方、学校においては、実効性のある指導体制の確立として、学校を挙げた対応、適切な教育指導として、全児童・生徒、いじめる児童・生徒への指導措置、いじめを許さない学級経営等、いじめの早期発見・早期対策として問題兆候の把握等、事実関係の究明、いじめを受けた児童・生徒へのケアと、いじめを継続させない弾力的な対応、家庭、地域との連携を基本として対策を進めることとしております。最後に、いじめはうっかりすると知らないところで極度な危険性をはらんで進む可能性があることを再認識し、教育委員会としては、学校及び家庭、地域と十分に連携した対応を図っていく所存であります。
質問 4番 中村保嗣
ただいま教育長のほうからご答弁をいただきました。教育委員会の指導のもと、教育推進協議会を中心に、学校現場、家庭及び地域と連携し、いじめのいち早い調査と実態の把握、そして対応されていることにつきまして、そのご努力に敬意を表します。しかし、少し気がかりな部分があります。ご答弁にありましたところの児童・生徒がいじめという認識にかかわる報告をした、その生徒に対しての詳細な再調査や聞き取り調査を実施した結果、いわゆる学校で認知されたいじめはなかったものと判断されておりますけれども、まさにこの悪ふざけ、からかい、悪口などなど、いじめの初期段階であります。生徒のほうはそれを意識していると思われます。いじめと遊びの境界線の判断は大変難しいところですが、いじめの段階の具体的なシグナル、事象は、何か判断基準はございますでしょうか、お伺いします。
答弁 教育委員会教育長 江波戸明(教育委員会教育長は2012年9月まで)
今質問された部分でありますが、本町の調査の結果においては、具体の認知された件数は、割合については確認されていないという報告をさせていただきました。ただ、今、中村議員からありましたように、悪口やからかい、特に、今回大津の事件で大きく課題になったけんか等を含めて、そういうことが一つの兆候、もしくはいじめの何らかのシグナルになっているというふうに、我々については認識しておかなければならないのが、いじめの大きな根幹にかかわる課題だと認識しております。学校においても、各学級を中心としながら子供たちの様子見、また、ほかの先生方、それから児童・生徒の情報等含めて、何らかの形についてあった場合については、それなりの措置を対応させてもらっているなというふうに考えているところであります。今回、小中高の上士幌においての連携教育推進会議の対応については、管内でも、まれな高校と連携しながら対応させてもらっている形で、本来、町村の段階では高校までは入っていませんが、高校の教育も含めてこういう調査をさせてもらっているところであります。そんなことを含めて、町内的にいろいろな情報を取り寄せながら、我々については兆候、必ずあるなという認識を含めて、その中で対応させてもらっているかなと、そう思っているところでありますから、ご理解賜ればありがたいと思います。
質問 4番 中村保嗣
各地の事件から振り返りますと、最悪の事態に至って初めていじめがあったことが判明していますが、それはなぜでしょう。その子供の最も身近な親、ご両親、そして学校現場の先生が気づかなかった、認知していないとはなぜでしょう。その原因の一つに、子供の心理があると思われます。子供はいじめられていることが知られるのが恥ずかしい、親に心配かけたくない、子供心ながらプライドがあるのでしょう。したがって、親にも話さない、兄弟にも話さない、先生にも話さない。常日ごろは明るく、何事もなかったような振る舞いをするのです。このことから、だれにも認知されないのです。そこに危険性が潜んでいるように思われます。認知なくして対策なし。早期に認知したいものです。周りの大人がいかにして早期に発見、察知、認知するか、何か具体的な方策をお持ちでしょうか、お伺いします。
答弁 教育委員会教育長 江波戸明(教育委員会教育長は2012年9月まで)
先ほどもお話した部分でありますが、平成18 年以前のこのいじめの認識については、いじめられる子供、いじめる子供を中心とした物の考え方、いじめてはいけませんよという物の考え方がこのいじめの定義でありました。ただ、18 年以降、今、議員さんから質問あった部分含めて、いじめられている子供たちをどう救っていくか、そういう定義に大きく変更したというふうに私としては認識しておりますし、そのような方向で進むべきだというふうに思っているところであります。今ありましたように、特にいじめられている子供たち、また、いじめられそうになっている子供たちについては、なかなか現状、いじめられているということを話せない、また、話すことでまたいじめられるんじゃないかとか、きっとそういう心理が働いたりするかというふうに思っているところであります。私も新聞等でしか情報を得ていませんが、具体の部分の情報が入っていませんが、大津の関係についてもけんかということで、先生のいわゆる状況確認の中では、お互いけんかをしたんだと、そういうことできっと子供の心理というのは働くんだろうと思いますが、日常的にもう少し深くこの課題を点検していくことによっては、いじめという形を発見できたのではないかな、兆候以上に具体の部分が発見できたというふうに認識しておりますから、もう少し素早い迅速な対応を図れたのかなと、そういうふうに認識しているところであります。よく言われるように、我々についても、学校については先ほどあった「報・連・相」いわゆるそのことを迅速に対応してほしいと。これについては、本当、都度都度の校長、また教頭の会議等含めて、いろいろな意味でお話しさせてもらっていますし、学校の何かの機会では、私のほうからも、この危機管理の大きな課題としてお話しさせてもらいながら、お互いそういう敏感に、迅速に対応できるような認識を持っていただきたい、そういう話をさせてもらっているところであります。ただ、本当に、こう認知するかしないかは別にしましても、認知するということを含めて、常にそういう状況にあるということは、いろいろな行動、兆候で判断してもらいながら対応してほしいなと。そんなことでありますから、今、認知なくして対策なしではなくて、認知をきちんとする前に、その兆候をどう発見するか。ただ、認知した場合については、具体に迅速にいろいろな意味で多方向からこの課題を取り上げながら対応させてもらえればなと、そういうふうに思っているところであります。
質問 4番 中村保嗣
その認知の問題ですけれども、いじめを早期に認知するか、それに早期に対応するか、いじめをなくする、根絶するにはどうしたらよいのでしょう。文科省からの資料によりますと、いじめの発見のきっかけは、第1位がアンケート、これによっていじめの発見をしたと報じられております。2番目が本人からの訴え、3番目が学級担任の発見。ここにご両親は出てまいりません。このことからも、現場にある先生方のご努力が必要かと思います。アンケートをなるべく多くとるなど、一つの参考例ですけれども、下関のすべての公立小中学校、週1回のペースでアンケートをとっているんだそうです。できるだけ短い期間に小さい出来事についてもキャッチするのが大切と。いじめる側にとっても陰で変なことはできないと抑止力にもなると。このことから、内容はいじめだけでなく、よいこと、悪いこと、何でも記入するというようなふうになっているそうです。このような取り組みについて、いかがお考えでしょうか。
答弁 教育委員会教育長 江波戸明(教育委員会教育長は2012年9月まで)
今、この対策の大きな柱を述べてもらいましたが、私についても基本的な認識については共有しているというふうに認識しているところであります。特に、具体の部分でお話ししていなかったんですが、アンケートについては、基本的には記名をしてもらってアンケートに応じてもらう。ただ、これは強要しているものではありませんが、例えば、大きな学校、上士幌でいえば、上士幌小学校・中学校でもそんなに多くの子供がいませんし、教員のほうとしてもそのクラスの状況、もし記名がなかった場合でも一定程度認識しているかというふうに思いますから、一定程度、アンケートによっては情報はある程度つかむ、そういうことはできると思いますから、その点、先ほどの本当に軽いというとちょっと問題がありますが、軽い、例えば冗談、悪口、おどかし、そんなところを含めて、その部分についてはこういう中で的確に迅速に対応できるかなというふうに思っているところであります。特にアンケートについても、我々町としての小・中・高の連携の中でも年に1回、基本的に対応していますし、また、今、道教委についても年に、期ごとに3回の調査があります。また、今回のように、文科のほうの緊急調査等を含めてありますから、それについてはこの範囲……ただ、学校によってやっぱり傾向というのは少し出ているなという部分がありますが、この範囲の中で、一定程度アンケートの調査については対応できるかな、そういうふうに思っているところでありますし、学校においては、学校において教育の相談週間という形で、これは担任が直接子供と向き合って話し合いをする、この中では、かなり具体な部分のお話ができる仕組みになっています。学級ごとでやると、どうしてもまた言いづらいとか、やっぱりいろいろな課題がありますから、今この教育相談週間の中で、先生方については年、期ごとにやっている学校もありますし、年2回という学校もありますが、そういうことを含めて、その兆候なり、また周りからの情報を含めて得ることができるのかなというふうに思っているところであります。ですから、先ほどあった担任からの情報等を含めて、そういうような形で対応できるかと思います。ただ、家庭の部分については、家庭によっていろいろな家庭の対応、例えば学校において家庭訪問の状況で家庭とお話しする機会があったり、また、授業参観、それからPTAの集会等含めてありますが、本当に全員がなかなか家庭訪問以外については参加してくれるかという、そういう課題もありますが、少しでも多く家庭からの情報を得ながら、先ほどのアンケート、担任の訴え、また担任への訴え等含めて、情報があったものについては都度都度迅速に対応してほしいと、そういうことでご指導しているつもりであります。大変申しわけないですが、今の状況を含めてご説明申し上げました。
質問 4番 中村保嗣
最後に、お願いをいたしまして私の質問を終わりますが、子供は大人の行動、言動を注視しています。大人が毅然とした対応をしないと、将来を担う子供たちを正しい方向へ導くことはできません。学校は子供を守らなければならないところです。しかしながら、残念ながら現在も各地で警察への相次ぐ捜査を求める被害届が提出されています。このようなことにならないためにも、まずは身近なところで早期に解決することが優先されます。教育委員会指導のもと、学校、家庭等密接な連携で、早期発見、早期解決にご尽力いただきたいと念願いたします。終わります。
答弁 教育委員会教育長 江波戸明(教育委員会教育長は2012年9月まで)
ただいま中村議員よりお話しいただきました。我々についても、学校の日常的な指導の中では、地域とのやはりコミュニケーションをまず学校がしっかり持つこと。それとまた、子供たちもあいさつ運動等を含めて、また日常の規律等を含めて、しっかりした学校生活が送れること。またそれは地域等、また点検、見守りも必要ではないかと、そういうふうに思っているところであります。また、我々については、社会教育の視点から家庭教育ということを今後非常に重視していかなければならないだろうと、そういう認識をしながら保護者等を含めて家庭教育と向き合いを重視しながら、こういう非常に小さな町でありますが、大きな課題になる以前にしっかり対応する、そのような形で考えていきたいと思います。特に、学校の危機管理等は、いじめばかりではなくて、いろいろな形でありますが、本当に学校の教職員が一回一回この学校の危機管理に真摯に前向きに取り組む姿勢をなお一層身につけるように、指導を含めて対応していきたいというふうに考えているところであります。よろしくお願いいたします。