上富良野町議会 平成21年第1回定例会 2009年3月18日
地域通貨(エコマネー)システム導入のため行政の協力要請について
2009年3月18日、上富良野町議会の一般質問で、一色美秀議員が「地域通貨(エコマネー)システム導入のため行政の協力要請について」質問し、町長 向山富夫が答弁しました。
- 質問者
- 一色美秀 議員
- 答弁者
- 町長 向山富夫
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 7番 一色美秀
初めての一般質問になります。失言並びに失態もあろうかと存じますが、御了解いただきたいと思います。コミュニティの充実ということで、地域通貨、エコマネーシステム導入のため、行政の協力要請について町長に質問いたします。グローバリーゼーションのとめどない進展や少子高齢化社会の本格的な到来などに対して、これまでのやり方では生活設計がうまくいかないと、我々一人一人が感じております。年金、医療、そして膨大な赤字を抱える財政など、将来の社会設計は不透明となっており、私たちは将来の生活に不安を抱いております。しかし、私たちの不安の原因は、こうした制度の行き先に対する不透明感だけなのでしょうか。私は、その根本的原因は、今の日本社会に信頼関係に基づくコミュニティが喪失していることだと考えております。信頼と言うと、大変抽象的に聞こえるかもしれませんが、ネットワーク化が進むこれからの情報社会においては、この信頼なくしては、NPO、まちづくりなどの活動のほか、経済活動もうまく展開できません。ライフスタイルや価値観が多様化し、隣近所の親しいおつき合いはめっきり減りました。必要なものは何でもお金で買い、そんな時代が長く続き、地域で助け合う風習はいつしか影を潜めてしまったというのが実情であります。都会のみならず、地方においても、次第に個人と個人が没交渉になって孤立化しております。私たちの周りには信頼のネットワークが形成されていません。そう考えると、私たちの不安の根本的要因は、メンバー間の協力を促進する信頼のネットワークが形成されていないことにあるのではないでしょうか。これからの社会においては、競争はさまざまな分野でより一層進展していくでしょう。それゆえ、しかも不透明な世相だからこそ、より一層信頼のセーフティネットを強固にすることが必要になります。エコマネーは、さまざまなコミュニティ活動を促進するために、生活者一人一人により使われるもの― 73 ―であり、流通していることがお互いの信頼感の確認・醸成につながるという効果があるものであります。お金の切れ目が縁の切れ目ということわざがありますが、それになぞらえて言えば、これからの社会は、エコマネーの切れ目が縁・信頼の切れ目と言えるでしょう。私たちにとって、今や、コミュニティを再生し、信頼を創造することは急務となっているのです。エコマネー運営団体は、官・民パートナーシップで、行政、議会、住民会、社会福祉協議会、商工会、農協、学校、保育所、幼稚園、各種サークル、各青年部・女性部、老人大学等、町民が行政の協力を得て任意団体を結成し、町ぐるみでエコマネーを推進する体制をつくることが必須条件であります。この件につきまして、ぜひ町長の所信をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。以上です。
答弁 町長 向山富夫(町長は2020年12月まで)
7番一色議員の地域通貨、エコマネーについての御質問にお答えさせていただきます。元来、地域における人のつながりは、福祉的な機能をあわせ持つものでしたが、時代の移り変わりとともに人のつながりが希薄化し、地域におけるコミュニティ能力が低下してきております。本町においても、残念ながら例外ではございません。今年度制定いたしました自治基本条例の基本理念には、お互いに助け合い、協力し合っていくことを掲げ、協働してまちづくりに取り組んでいくよう定めているところであります。さらに、平成21年度からスタートいたします地域福祉計画では、地域ぐるみで支え合う地域福祉コミュニティづくりを推進するよう盛り込んでおりますが、その施策の一つに、地域通貨、エコマネーについて調査・研究を行うということとさせていただいております。これらのことを踏まえ、今後におきましては、先進地等の取り組みも参考にいたしまして、また、地域全体の機運を高めながら、地域通貨導入の可能性につきまして調査・研究を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解のほどをお願い申し上げます。以上でございます。
質問 7番 一色美秀
ちょっとここで時間をいただきまして、地域通貨、エコマネーについて少し説明をさせていただきたいと思います。皆さんも十分御承知かと思いますけれども、ちょっと時間をいただきたいと思います。地域通貨は、お金ではあらわせない善意を交換するコミュニティ通貨であり、上富良野町の地域内だけで循環する通貨であり、介護、福祉、文化、環境、自然などに流通し、経済の分野で流通している円とは違い、相手に対する思いやりや感謝の気持ちをあらわすことのできるものであります。町内で地域通貨が流通することにより、地域の人と人とのつながりが生まれるコミュニティや、地域に限られたサービスの循環により、生き生きとして活気のある上富良野町が実現されます。自分にしかできないではなく、自分にでもできることを出し合い、地域通貨が人から人へ手渡されるとき、感謝の気持ちや思いやりが芽生え、だれもが気軽に参加して、支え合い、助け合う地域社会の実現を目指しております。エコマネーとボランティアの違いをちょっと説明いたしますけれども、ボランティア活動は、サービスを提供する人が一方的に善意を提供するものとして限定的に考えられがちですが、エコマネーは、あるときサービスを提供した人が、次のときにはサービスの受け手となると、そのプロセスが繰り返し行われることによって、そこに双方向性を生み出します。エコマネーは、地域コミュニティにおいて、住民同士の相互の扶助や交流の対象になり得るサービスをすべて対象にしていますから、あるサービスを提供することによって得たエコマネーで、別のサービスを享受することができますと。したがって、ボランティア活動が一方通行で終わることがないわけなのです。どうしてもボランティア活動ということは、一方的に行われるものですから、人間どうしても限界があります。そうであってはいけないのですけれども、「のに」という言葉が出てしまいます。「こんなにしてやったのに」という、本来、ボランティアというのは、人のために尽くすことではなくて、自分自身のためにやることなのでありますが、どうしても一方的なあれであるとそういう愚痴が出てしまいます。そういったことのない、双方性のあるものがエコマネーでございます。それは、どのように発生して、どのような形で流れるかということも、またちょっと説明させていただきます。これは、先ほども申しましたように、自分にしかできないではなくて、自分もできること、いろいろなノウハウを提供することなのです。そのことを記入いたしまして届けます。本当に、昔で言えば、農村にある手間がえと同じことでございます。農村にありましては、田植えな― 74 ―どの時期におきまして、手間がえが行われておりますけれども、これはあくまでも、同じ身内だとか地域内にありますけれども、エコマネーに対しては、たとえ知らない人であっても、その範囲を広げられるということでございます。個人を例えにして大変失礼なのでございますが、もしそういうような特技といいますか、自分にもできること、例えば中村議員、パークゴルフを教えますよ、長谷川議員は、御神輿のかつぎ方をぜひ教えます、和田議員は、カラオケを教えますよ、岩田議員、パソコンを教えますよ、米沢議員は、ヨサコイの踊りをぜひ伝授いたします、今村議員は、夜の町の穴場を教えます、同行もオーケーと、谷議員、英語はだめですけれども、タイ語とベトナム語は大丈夫ですと、さまざまなことがございます。趣味に至りましては、野球、サッカー、テニス、体操、また、大正琴、お茶、お花、絵、そばの打ち方、すべてが対象になります。また、各種イベントの手伝い、旅行の穴場を教えしますと、さまざまな、特技に至ります。庭の剪定、いろいろなこともございます。買い物の代行、子守り、いろいろなことございますけれども、特に、高田幼稚園なんかでは、お年寄りの日に、おじいちゃん、おばあちゃんに、ポストに手紙を入れております。これも本当にエコマネーの一環でございます。そのお返しとして、お年寄りが昔の遊びを教えたり、そういう交流がある。特に、お年寄りが、そういうような特技がないとエコマネーを獲得することがないという心配がありますけれども、決してそういうことはございません。例えば、おいしい漬け物の漬け方を教えますとか、肉じゃがのおいしいつくり方、また、煮しめのつくり方、昔の遊び、昔のお話をしてあげますと、そういうような形でエコマネーを獲得することができます。また、極端な例を言いますと、3カ月、6カ月の赤ちゃんもその対象になります。皆さん、しばらく赤ちゃんの泣き声なんか聞いたことないですよね。それを聞かせますよ。3カ月、6カ月ぐらいの赤ちゃんを抱かせてあげますと、本当に顔を見ているだけで和やかになります。すべての人が対象になりまして、そういった特技をそのボランティアの会に提出することにより、会員の皆さんにメニュー表を配り、その中からお互いのエコマネーの交換が始まるわけであります。ただ、先進地の例によりますと、本来、本人同士によってコンタクトをとることも必要なのですが、なかなか知り合いでないと頼みにくいという面がございます。そこで、各地区にコーディネーターを置いて、その人方を仲介にいたしまして、お互いの交流を図っていただく。一つの例といたしまして、たとえ依頼者の方が、コーディネーターの方に、谷さんに頼みたいのだけれども、ちょっと怖くて行けないと。大丈夫、顔は怖いけれども、気持ちは優しいと。そのようなコンタクトもありまして、いろいろなコーディネーターもありましてお互いの交流ができまして、エコマネーの交換、そして実施される。大体細かい点は、1時間を限度にして、いろいろなお金のやりとりをしているようでございます。そのような形で進めるわけであります。そこで一つ質問でございます。大変説明が長くなりましたけれども。町の、今度、4月から施行されます自治基本条例の第7章です、コミュニティの欄に関してですが、コミュニティの充実ということに関して、私たち町民は、協働によるまちづくりの重要な担い手となり得るコミュニティの役割を認識し、自主的で自立的なコミュニティを守り育てるよう努めますと。この件に関して、町のあるべき姿の具体策、この指針を示し、なおかつリーダーシップをとることが、特に首長、町長としての責務であり、肝要なことであります。もし具体的な、このコミュニティの充実に対してお考えをお持ちであれば、お話を伺いたい。もう1人、職員を代表いたしまして、副町長、この両名の方に、もし何か、コミュニティの充実に対して具体的な策があればお聞かせ願いたいと思います。よろしくお願いいたします。
答弁 町長 向山富夫(町長は2020年12月まで)
7番一色議員の地域通貨、いわゆるエコマネーについての御質問にお答えさせていただきたいと思います。エコマネーの意義、あるいは、それらから生まれます地域コミュニティの充実、これは議員仰せのとおりでございまして、大変意義深い事業だという認識は共有できるところでございます。まさに、文明が発達してまいりまして、私の思いで申し上げますと、文明が発達することに伴いまして、本来、お互いに地域が、あるいはそれぞれが、家族も含めまして、助け合って生きて、生活を支えていく部分が、次から次へと文明によってそれが奪われてきたということによって、そういうつながりが希薄になって、しかしながら、反面、希薄であっても生活すること自体に不自由がないということが積み重なって、その結果、こういうように、自分で十分な生活ができなくなった人が大変多くなってきたという弊害が、まさに今、顕著になって、私はあらわれてきているというふうに考えるところでございます。それを、まさしく地域がコミュニティを形成し― 75 ―て、それらを支え合っていかなければならないわけでございますが、非常に現在の世相を反映いたしまして、非常にそれが失われているという実態にございます。そういう意味におきまして、エコマネーが、エコマネーという制度のみにあらず、あらゆる方法で、こういう共助が培われていくことを私も心から願っているところでございます。町といたしましては、自治基本条例にも示させていただいておりますが、新年度に向けまして、自治活動推進に対しましては、従前以上に意を用いまして、さらにフレキシブルに活動ができるような仕組みに改めさせていただいているところでございまして、まさしく私も、この地域のつながりというものが、さまざまな形で町もお手伝いさせていただきながら、きずなを強めていっていただければと。また、エコマネーの推進につきましては、さらに研究をさせていただきまして、事業として町が主体として取り組むことは非常に困難でございますが、町がかかわりをどのように持てるかということも含めまして、研究・検討をさせていただきたいと思います。以上でございます。
質問 7番 一色美秀
先ほども申しましたけれども、町長の答弁、確かに、しかとお受けいたしました。また、副町長のほうも、何か具体的な取り組みの考えがございましたらお聞かせ願いたいと思います。
質問 7番 一色美秀
副町長は、ないということでございますけれども、先ほどの自治基本条例の第7章の、さらに第32条に、町は、コミュニティとの協働を進めるため、コミュニティの自主性及び自立性を尊重し、その活動に応じて支援に努めますとございます。解説といたしまして、コミュニティ活動は、あくまでも自主性・自立性が尊重されなければならなず、町による一方的な関与はあり得ませんと。また、コミュニティ活動は、町からの支援が前提としてあるわけではなく、町民自身による活動が中心となることをあらわしておりますと。協働・支援とは、単に補助金、助成金や物品の提供といった財政的な協力だけではなく、むしろ職員の持ち得る能力、労力、専門的知識や情報等を積極的に提供することや、コミュニティ間の連帯を助けることなどに協力していくことが重要です。確かにこのように書かれております。確かに、官ではなく民、住民みずからが目覚めて自立していかなければならない。こういった意味で、ぜひ、私自身もそうなのですが、議員の皆様、それから、町長を初め職員の皆様も、官ではなく個人としての中で、いろいろな情報、協力体制をしていかなければならないと思います。私どももこれから、こういったことを参考にいたしまして、一つのプロジェクトを立ち上げ、町民みずから立ち上げるような形をとっていきたいと思います。そのため、ぜひ御協力をお願いしたいと思います。大変、初めての質疑で、不適切な言葉を発しまして御迷惑をかけました。私の悪いくせなのでございますが、言葉は多くて口数が足りないのです。本当にまことに失礼を心からおわび申し上げまして、大変未熟でありますけれども、私の一般質問を終わらせていただきます。大変ありがとうございました。失礼いたします。
答弁 町長 向山富夫(町長は2020年12月まで)
一色議員の再々質問についてお答えさせていただきますが、ぜひ積極的に、民間主導で推進していただくことに対しましては、行政といたしましても最大限の支援をさせていただきたいと思っております。ただ、行政としてできる役割として、今、民間で取り組まれようとすることに対するきっかけづくりは、さまざまな情報提供をさせていただいたり、あるいは情報、例えば、現在、行政が持ち合わせているさまざまな手法だとか、そういったもののソフト面でのお手伝いはすぐできるような体制で応援させていただきたいと思いますので、ぜひお互いが協力して、こういう仕組みが、実りが生まれますよう私からも御支援させていただきたいと思いますので、ぜひこれからも御協力をお願いいたします。以上でございます。