羽幌町議会 平成18年第1回定例会 2006年3月7日
経済的社会格差の広がりと対策について
2006年3月7日、羽幌町議会の一般質問で、金木直文議員が「経済的社会格差の広がりと対策について」質問し、町長 舟橋泰博、学校管理課長 品野万亀弥、福祉課長 柳田昭一、教育長 山本孝雄が答弁しました。
- 質問者
- 金木直文 議員
- 答弁者
- 町長 舟橋泰博、学校管理課長 品野万亀弥、福祉課長 柳田昭一、教育長 山本孝雄
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は、議員が最初の質問で述べた言葉から取ったものです。
質問 6番 金木直文
経済的社会格差の広がりと対策について質問をいたします。政府がこれまで構造改革として進めてきている新自由主義の経済路線のもとで、大企業の利潤追求を最優先に規制緩和万能、市場原理主義、弱肉強食を進めてきた結果、日本経済と国民生活の矛盾をあらゆる分野で深刻にしてきています。とりわけ雇用と所得の破壊、中小、零細企業の倒産、廃業、経営難が進むもとで、90年代末から貧困と社会的格差の新たな広がりが重大な社会問題となってきています。中でも顕著なのは、低所得層の増大です。生活保護世帯は全国で100万世帯を突破し、教育扶助、就学援助を受けている児童・生徒の割合は12.8%とこの10年で2倍以上になっています。貯蓄ゼロの世帯も急増し、23.8%に達し、年金はわずか月数万円で、貯蓄もないという高齢者がふえているといいます。こうした傾向があらわれ出したのと町長の就任以降の町政執行時期も重なり、また今年は任期最終年でもあることから、これまでの医療、福祉、教育行政での住民負担や低所得者層対策についての基本姿勢をどう考えていたのか、今後の社会格差拡大の懸念から、これからの対応などについて町長の所信を伺います。具体的には、以下の点にお答えいただきたい。1、生活保護世帯数、教育扶助、就学援助を受けている児童・生徒数割合の近年の推移について。2、低所得者層対策での基本的姿勢について。3、介護保険料改定に当たり、値上げ抑制への努力について。4、今後の住民負担軽減対策について。以上であります。
答弁 町長 舟橋泰博(町長は2014年9月まで)
金木議員のご質問にお答えをいたします。ご質問1点目の生活保護世帯の推移についてでありますが、平成15年度末受給世帯数は106世帯、平成16年度末では119世帯、平成17年9月末では117世帯と推移しており、この3年間で11世帯の増となっております。また、羽幌町内の小中学校における文房具や給食費、修学旅行費などの教育扶助、就学援助を受ける要保護及び準要保護世帯の児童・生徒の小中学校を合わせた近年の推移でありますが、児童・生徒全体に占める割合は平成15年度は70名で10.4%、平成16年度は70名で11%、平成17年度、現時点では77人で12.8%となっております。次に、2点目の低所得者層対策の基本的姿勢についてでありますが、福祉、医療、介護などの事業におきましては、それぞれ国、北海道の制度で所得に応じた負担限度額が定められるなど、低所得者に対する負担軽減措置が図られております。町単独の軽減措置については、平成16年度に議会のご理解をいただき、単独実施しておりました医療費助成を道の見直しに準じて廃止するなど、今後も町単独の助成制度は難しく、国、北海道の軽減措置に準じた執行となりますことをご理解賜りたいと思います。次に、3点目の介護保険料改定に当たっての値上げ抑制についてでありますが、平成17年6月に改正介護保険法が成立し、第3期介護保険事業計画の見直しが求められ、平成18年3月3日、羽幌町介護保険事業計画審議会より答申を受けたところであります。主な制度改正は、予防重視型システムへの転換、在宅と施設利用者負担の均衡化、地域密着型サービスの創設、第1号保険料の見直しなどであります。この間介護給付費の増加を抑制するため、予防サービス事業や健康づくり等について、町広報での周知、出前講座の開設等で町民の理解を深めるとともに、高齢者が自立した生活を送ることができるよう、生きがい活動支援事業や住民検診、健康相談などの充実に努めてまいりましたが、高齢者の増加や予防を重視した新たな事業の展開が求められるなど、第3期、平成18年度から20年度、第1号被保険者の保険料は月額3,635円、第2期と比較して月額252円の増額となったところであります。今後も本町の高齢者増加は続くと推計されており、介護保険事業を取り巻く環境は厳しい状況ではありますが、平成18年度から新たに取り組みます地域支援事業を初めとする介護予防事業の充実を図り、要支援、要介護状態に陥る高齢者の減少に努めるとともに、地域包括支援センターを中心として総合的な相談や指導、助言、軽度者、要支援、要介護1に対する適切な介護予防マネジメントとサービス提供を行い、介護給付費の抑制に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。次に、4点目の今後の住民負担軽減対策についてでありますが、前段でも述べましたように、本町の行財政運営を考えますと単独での新たな負担軽減対策は難しい状況でありますが、従来から実施しております高齢者や障害者の通院や生活を支援する循環バスほっと号の運行、福祉タクシー、離島地域移送サービス、冬期間の除雪サービスなどを継続するとともに、今後も国、北海道の制度に準じて低所得者等に対する負担軽減を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。以上、答弁とさせていただきます。
質問 6番 金木直文
午前中の町政執行方針の中でも町長は、冒頭ですが、北海道経済はいまだ回復の道は厳しい状況にあるという認識であると思いますが、この状況を具体的な数字でどのような状況なのかということを見るために、今回生活保護世帯数と、それから学校における就学援助児童数を示していただきました。今回町からはここ3年間の数字ということで提示されましたけれども、もし5年、10年というスパンで見ればさらにふえてきているのではなかったのかなというふうな予想はあるのですが、とりあえずはこの3年間を見てもふえてきている実態にあります。特に就学援助児童数は全体の12.8%、1クラス大体三十数人ですから、1クラス四、五人の生徒は援助を受けているという実態かと思います。当然このような実態は、教育委員会、町としても押さえていたとは思いますが、改めてこのような状況をどのようにお考えか答弁をお願いいたします。
答弁 学校管理課長 品野万亀弥(学校管理課長は2007年12月まで)
ただいまご質問の要保護、準要保護児童の数値につきまして、うちの方でつかまえているのは13年度からの数値をつかまえておりますが、13年度が66名の8.8%、現行の12.8%ということで約4ポイントの増加になっておりまして、学校自体としましても年々ふえておりまして、リストラ、その他等が影響しているのかなということで懸念をいたしている状況であります。
質問 6番 金木直文
先ほど私の質問の冒頭にも触れましたけれども、全国的にも本当に大変な状況になっているということは明らかだと思います。ただいまの担当課長の答弁でもありましたとおりだと思いますが、それなのに今回の18年度町政執行方針及び教育執行方針についてそのような方向からの論述はほとんど見当たりません。強いて言えば町政執行方針で国保の部分で、これ以上増大しないように配慮したいということや、その他にももう一点ぐらいあったかと思いますが、しかし結局は国・道の施策に準じて、痛みは避けて通れないものというふうな結びとなっています。教育行政執行方針については一行もこういった状況に触れておりませんが、特にその点について、この間検討なり、文章化するというようなことは検討されなかったのかどうかお答えいただきたいと思います。
答弁 福祉課長 柳田昭一(福祉課長は2009年3月まで)
お答えいたします。福祉の関係では高齢者、障害者、児童というような形で執行方針に述べさせていただきましたけれども、現在福祉課の方で行っております業務につきましては、先ほど答弁の中で申し上げましたように国あるいは北海道の法なりの制度に基づいて現在執行しておりまして、ちなみに言いますと、例えば障害者の部分ですと自立支援法ですとか、介護保険、そういうものにつきましては、このたび制度改正に伴いましてそれぞればらばらであった制度を一本化して、そして負担の均衡化を図るという制度に変わってまいりました。その中では、もちろん低所得者に対します負担限度額を設けるなど十分に低所得者を含んだ制度になっているというぐあいに理解をしております。そういう点から、今回の執行方針の中におきましては、それぞれの業務につきましては先ほど述べましたように国なり北海道なりの制度に基づいて執行していきたいと。ただ、本町の財政が非常に厳しいという状況もありますので、執行方針の中には新たな取り組みについてはのせられなかったというのが現状でございます。ご理解いただきたいと思います。
答弁 教育長 山本孝雄(教育長は2011年3月まで)
お答えいたします。ご指摘のとおり、こういう厳しい状況の中で羽幌町の小中学生の要保護、準要保護の状況を見ながら、こういう状況であるということについては、あえて教育行政執行方針にはそういう現状分析はのせておりませんでした。それとあと、要保護、準要保護の関係でございますけれども、今回の執行方針の中であえて触れなかったというのは、今までの流れもありますが、ご承知のとおり平成17年度に準要保護については国庫補助金の制度が三位一体改革の関係で変わりまして、補助金制度から交付税措置という形で国の制度も大きく変わってきておりますけれども、平成18年度の教育行政執行方針を作成するに当たりまして、羽幌町としては今までどおり子供たちの負担について、国の制度に倣って町独自で削減するとか、そういうような検討はしておりません。特に18年度につきましては、今までどおり町として補助金の減額、それと制度改正あるなしにかかわらず、羽幌町としては今までと同じ状況の中で援助していきたいということでありましたので、大きな変更点がないという意味でも、あえて18年度の執行方針では触れておりませんでした。以上です。
質問 6番 金木直文
現状の対応については、理解をいたしました。もうちょっと詳しく教育の面について伺いたいと思います。このように就学援助児童数がふえている。いろいろ規定がありますから、もう一歩でこの規定の対象になるかどうかというボーダーラインすれすれの家庭も当然あると思いますが、義務教育ですから、教育費は基本的には無料とはいいながら、学校給食費あるいは副教材費ということで教育上さらにお金もかかる状況になっていると思います。羽幌市街地になると思いますが、現在の学校給食費及び副教材費の金額、年間どのぐらいかかっているのでしょうか。
答弁 学校管理課長 品野万亀弥(学校管理課長は2007年12月まで)
副教材費の方は今ちょっと押さえておりませんが、学校給食費、小学校が1日235円の日数分、中学校が285円の日数分ということで、総額は押さえておりませんが、給食費はそのような状況です。副教材費がもし必要であれば、後日調べてお知らせしたいと思います。
質問 6番 金木直文
細かい数字で恐縮でありましたけれども、先日知り合いの学校へ通っている家庭にお聞きしたところ、小学校5年生で1回の支払いが4,559円で、それの年間10回払いで4万5,590円、銀行引き落としになっておりまして10回に分けて払うと、副教材費は現在1万400円だと、小学校5年生でこれでざっと5万円ほど。あとは、細かく言えばPTA会費なども入ると思います。中学校では、現在年間8万円ほどだと伺いました。副教材費で1万6,000円、合計で年間約10万円。これは、伺ったところの勘違いということもありますので、正確ではないのかもしれませんが、このように義務教育とはいいながらも数万円あるいは10万円の負担がさらにかかっているというような状況でいけば、ただ単にこういう制度があるから、それにのっかって、それでよいという状況ではないのだろうと私は思います。特に子育て支援ということも今非常に叫ばれておりますので、この点を何とか別な施策対応などが今後は必要ではないかと思いますけれども、この間いろいろ制度も改正されてきています。幾つか挙げてみれば、老人医療費の改定であるとか、これまでの道の行っていた医療補助制度、これを原則1割負担、年金に至っては掛金が増額されて、支給は今度減らされると、定率減税も今度は段階的に廃止されると、羽幌町では水道料金も先般値上げをされている。こうやって住民負担の増額部分を挙げていけば切りがないという状況になっています。今回新たに出ているのは、介護保険の料金改定でありますが、3月の審議会の答申を受けて、このような結果ですという報告でありますけれども、審議会の中で何とかこの料金を抑える方法はないのかというような声や検討などがなされなかったのかどうか、その点をお答えいただきたいと思います。
答弁 福祉課長 柳田昭一(福祉課長は2009年3月まで)
本年度は、審議会におきましては3回ほど開かれておりまして、この3年間の間の介護保険の推移等についてご説明をさせていただきました。その中で、先ほど町長の方から答弁もありましたように、介護保険制度がたびたび改正されてまいりまして、予想した以上に介護保険に要する財源がかかるという国の判断から、このたびまた予防の方を重視するということで、その役割が市町村に求められるというような形で、市町村に対する新たな義務が課せられてきております。そういう点を考えますと、羽幌町のこれからの高齢者の人口の推移等も考えますと、ますますこれらの介護に関係するお年寄りがふえてくると、それから制度改正に伴いまして各市町村にそういう事業の執行が求められてくると、そのことを考えますと大変厳しいと。それから、このたびの収入段階の改善に伴いまして低所得者に対します配慮が相当数なされました。それに伴いまして、羽幌町の第1号被保険者を見ますと比較的所得の低い方が多いと、その方が50%を超えているという現状もございまして、なかなか介護保険料が増加しないという傾向もございます。そういう点からしますと、全般的に月額の介護保険料を上げざるを得なかったというのが実態でございます。この点について委員の方からは大きな意見はございませんでしたけれども、実態をご理解していただきまして答申をいただいたと、そういうぐあいに判断をいたしております。
質問 6番 金木直文
介護保険制度や今度の4月から実施になります障害者の自立支援法などでは、一応は低所得者対策をしているということの答弁でもありますけれども、私は本当に対策がそれだけで十分なのかというところでは非常に疑問を持っています。そういいながら負担しなければならない人はほんのわずかな収入の差で負担がふえるという問題もありますので、まだまだこの制度は不十分さを残していると思います。先般新聞やテレビでも報道されておりますけれども、学校給食費では空知管内の三笠市で小学生に対して全小学校児童に対する学校給食費の公費負担を、まだ決定はしていないようでありますが、市側から提案される段階だというニュースや、本州に目を向ければ介護保険料の値上げを抑えるということから、千葉県の浦安市では一般会計から繰り入れをして介護保険料の値上げを抑えたと。そうしなければ3,081円が4,500円になってしまうところを、1億6,400万円を一般会計から繰り入れて、それを半分の値上げに抑えたという内容や、かなり大きな都市ですけれども、横浜市では障害者自立支援法の負担額を助成するということで低所得者の自己負担増額分を全額補助するという案を提出するということで、まだまだ余り多くはないですし、大きな自治体ほど財政に余力があるのか、そういうことも対応されているわけですけれども、三笠市はどんどん過疎化が進行していますし、そんなに十分な財政を持ったところではないだろうと思います。それでもなぜこのような対策をとるのかというのは、まさに住民の負担の側に立った行政の執行の立場の違いなのではないかなと私は思うのです。特に介護保険料では全国で600自治体ほど、利用料減免制度を自主的にやっているところがあると言われています。どんどん合併が進んでいますから自治体数が減ってきているとはいっても、まだまだ600の自治体で自主的な対応をしている。この間羽幌町でもこういった制度を廃止していったという流れはありますけれども、毎年このように住民の生活が大変になってくればくるほど、このような方策をもう一回見直して考えていくべき時期ではないのかなと思いますが、この点についていかがでしょうか。
答弁 福祉課長 柳田昭一(福祉課長は2009年3月まで)
お答えいたします。この場で即負担軽減をするというお答えにはならないかと思いますが、とりわけ介護保険につきましては3カ年の計画で進んでまいります。今後は、平成18年から20年の3カ年にこれから取り組むわけですけれども、その中で新たに始まります予防事業をいかに適切に町民にPRして実施していくか、それに伴いまして介護に至らないような健康な高齢者の町づくりをどう進めるか、その辺福祉だけでなくて教育委員会の生涯学習ですとかスポーツですとかさまざまなものと関連してまいりますけれども、この3年間の間に努力いたしまして、その成果を見ながら、その中で審議会と新たな考え方でまた協議してまいりたいと、そういうぐあいに考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
質問 6番 金木直文
これまでも私は一般質問で医療費の問題やいろんな負担の問題を取り上げさせていただきました。その中で、答弁の中で今後福祉政策全般の中で見直していきたい、検討していきたいという答弁はいただいておりましたけれども、その具体的な形がなかなか見えてきていません。ですから、このたび、町長にとって在任最終年でありますし、今後もし3期目ということであればこの点についてどのような考えなのかということもお聞きしたかったわけであります。それで、財政的に大変厳しいというのであれば、やはり見直すべきものは見直すということも必要だろうと私は思います。あえて一、二点言わせていただければ、現在町長が主に乗っております黒塗りの高級車があります。もう既に数年たっておりますので、どのぐらいの価値になっているかわかりませんが、今これだけ大変な時期になって、この黒塗りの車を所持し、活用していく、そういう時期なのかどうか、これについての運転業務嘱託報酬162万円ほど計上されています。それを保守管理するためにはさらにまだ経費もかかっていると思いますが、そういった問題や、あるいは本当に福祉を重点的に考えるのであれば公共事業である港湾事業やそのほかの公共事業を一時先に延ばすとか一部縮小するといった方向も検討しながら福祉対策を進めていくという姿勢も私は当然あってしかるべきだと思いますが、最後に町長の見解をこの点についてお願いいたします。
答弁 町長 舟橋泰博(町長は2014年9月まで)
ただいまの金木議員のご質問でございますけれども、具体例をとりながら考えてみたらいかがですかというご提案ですけれども、福祉対策というものも非常に難しい問題でありまして、今騒がれております、金木議員のご質問の中にもありました格差社会と申しますか、勝ち組、負け組というようなことも今非常にクローズアップされてきております。ある意味では、景気がこれだけ不況が続く中でという、経済基盤がそういうふうになっている中での格差というか、そんなものもあらわれてきているのではないのかなと。逆に言うならば、景気回復すればそういう意識も薄れてくる部分もあるのかなと、低所得者対策としてはそういうようなことも考えながら町の施策も考えなければならないなというふうに思っております。また、ストレートな質問で黒塗りの車ということだとか、ほかの港湾から福祉政策にというようなこともありました。さまざまな大きな事業を抱えながら、これから財政の見通しがなかなかつかないという中で効率的な事業を取捨選択しながらこれからも取り組んでいかなければならない。確かに福祉政策も大事な部分です。港湾も先ほど申し上げましたとおり2年間延びるというような計画にもなっております。大変重要な事業ばかりを抱えている中では我々も頭を悩ますところですけれども、その中で考えながら、じっくり検討しながら進めていきたいというふうに思います。黒塗りの車につきましては、今後どういう形になるにせよ、議員のご意見として受けとめておきたいというふうに思います。