みんなの議会

富良野市議会 平成29年第2回定例会 2017年6月20日

林業振興策について

2017年6月20日、富良野市議会の一般質問で、宇治則幸議員が「林業振興策について」質問し、市長 能登芳昭、経済部長 後藤正紀が答弁しました。

質問者
宇治則幸 議員
答弁者
市長 能登芳昭、経済部長 後藤正紀

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 2番 宇治則幸

-登壇-通告に従い、順次、質問してまいります。林業の振興策についてお伺いします。日本の国土の3分の2が森林であることは十分知られているところです。全国土3,779万ヘクタール、その67%、約2,500万ヘクタールが森林であります。日本特有の地形もあり、天然林が約5割で、人工林は4割の1,000万ヘクタールほどとなっています。北海道には、全国の4分の1に当たる550万ヘクタールほどの森林があり、その多くは、国有林、道有林で3分の2を占め、市町村有林、私有林は187万ヘクタールほどとなっております。富良野市においては、大学演習林が半数を占めておりますが、私有林も4,700ヘクタール程度、富良野市の市有林も900ヘクタール程度あります。現在、市内はもとより、沿線町村でも伐採が進んでいるのが多々見受けられます。専門的なことはわかりませんけれども、本州では木を選んで倒す択伐をしておりますが、近郊では山林の木を全て伐採する皆伐という方法がとられているようです。その中から、いろいろな用途に向けて搬出され、利用されています。その後は、天然更新ではなく、植栽が多く進められていると聞いております。一般民有林では、利用期を迎えた樹齢の木が多く、その多くがカラマツであります。製材としての利用、木材チップによる木質バイオマス等の利用はもちろんのこと、いまは農業基盤整備事業でのカラマツチップ材による暗渠工事での需要も多いと聞いております。また、市内における製造品出荷額は、食料品における額が約半分ではありますが、木材によるウエートも産業として十分成立していると思われます。そこで、森林の保全管理の現状と今後についてお聞きします。林業において、さまざまな施策が設けられております。特に、森林経営計画制度に沿って搬出、間伐などのハード事業、施業の集約化のためのソフト事業の助成を受け、森林の再生が進められていると思いますが、その現状をお伺いいたします。さらに、森林保全を含めた産業としての振興について、植えて、育てて、伐って、使って、また植えるといった森林資源の循環利用は、50年、60年の長きにわたって進められる中でさまざまな作業があり、さらに、適正な管理等を行うには雇用の拡大も期待されるところです。製材やパルプ原料の付加価値の向上にもつながると考えますが、産業としてどう捉えているか、お伺いいたします。大きな点の二つ目は、林業でのJ-クレジットの活用についてお伺いします。森林には、木材としての利用のほかに、地表の表面侵食防止や水質の浄化、洪水緩和などの効果とともに、二酸化炭素の吸収という大事な面もあり、見直されているところです。ふだん気にしなくとも、私たちの周りの森林の作用によって空気が浄化され、新鮮な酸素が供給されております。そういう中で、J-クレジット制度というものを知りました。これは、2013年度以降の国内における省エネルギー機器の導入や、森林経営などの取り組みによるCO2など温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証する制度で、経済産業省、環境省、農林水産省が運用しているものです。また、この中には、適切な森林管理、すなわち、定期的、計画的な間伐等の実施によるものも含まれております。農業観光環境都市を目指す当市においても、地球温暖化対策への取り組みに対するPR効果も期待でき、創出したクレジットが間伐や造林に使用でき、民有林育成推進に利用されること、あるいは、地産地消的に地元に縁の深い企業や地方公共団体に利用されるなど、新しいネットワークの構築にもつながると思いますので、林業でのJ-クレジット制度の研究も必要と思いますが、その点をお伺いいたします。以上、1回目の質問といたします。

答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)

-登壇-宇治議員の御質問にお答えいたします。1件目の林業振興策についての1点目、民有林の現況と今後のあり方についてであります。現在の富良野市の森林面積は、市総面積の7割に当たる約4万2,000ヘクタールであり、その内訳は、国有林が約1万4,400ヘクタール、東大演習林が約2万2,000ヘクタール、その他民有林が約4,800ヘクタール、市有林が約800ヘクタールとなっているところであります。木材に関しましては、カラマツを中心とした人工林は、戦後、全道的に植林をしたものが多く、成熟期に入り、需要に対する供給が可能な状況となってきております。一方、近年、既存の製紙用パルプ材や暗渠排水用チップ材に加え、バイオマスエネルギー向けの需要が新たに発生し、天然木材も含めた木材需要が大きくなってきている状況であります。このように、民有林においては、伐採期を迎え、木材需要もあるため、皆伐が進められているところであります。その一方で、森林所有者の多くが高齢や経済的理由から投資をためらい、皆伐後に天然更新を選択する傾向が見受けられます。市といたしましては、伐採、植林の計画的な推進は、防災上の重要な取り組みであり、また、林業の雇用創出にもつながると考えておりますので、今後も、森林所有者に対しまして、植林や適正な民有林管理の啓発を継続するとともに、人工造林、下刈り及び除間伐に対し、国及び道と協調して助成する富良野市民有林育成推進事業補助金の活用を呼びかけていく考えであります。次に、2点目の環境対策としてのJ-クレジットの研究についてであります。J-クレジット制度とは、企業や自治体が、温室効果ガスについて、省エネ設備等の導入により削減したり、適正な森林管理を実践することで吸収量をふやしたときに、これを国がクレジット、排出権として認証し、売買できるようにするもので、温室効果ガスの排出量を削減したり吸収量を増すことでクレジットをためた企業や自治体が別の企業や自治体に売却することによって益金を生み出し、これを原資として、温室効果ガスの発生削減や吸収増大に一層つながる取り組みを推進させようという趣旨の仕組みであります。国が認証する取り組みは、ガスの削減効果があるヒートポンプ、バイオマスボイラー、太陽光発電の導入などと、吸収量をふやす適切な森林経営活動や植林活動などがあります。なお、クレジットを買う側の企業や自治体にとっては、温暖化対策の取り組みを積極的に支援する団体としてのイメージ向上効果があります。本市での林業におけるJ-クレジット活用につきましては、市有林及び民有林の面積が小さいため、クレジット化される二酸化炭素吸収量が少ないものと考えております。このため、現状におきましては、林業におけるJ-クレジットへの取り組みは考えておりません。以上であります。

質問 2番 宇治則幸

では、1点目についてお伺いします。山は、いま、正直、私たちが見ていても、皆伐手法をとられて荒れているのではないかと。いい材は引っ張り出しますけれども、残った材は、去年の大雨なんかでも、やはり谷のほうへと集まってくるのではないかと。これも、簡単に指導は無理かと思いますけれども、そういうことの啓蒙・啓発も必要だと思います。あわせて、私がいただいた情報では、一応、伐採後は結構植栽されて、苗を植えておられると聞いておりました。いま、切ったばかりのところは十分見えませんけれども、多分、20年、30年後には林の様子が変わってくるのではないかと思います。天然更新という方法も決して悪くはないのですが、やはり、植林をして、畑と同じように長い目で見る方法が必要ではないかと思いますが、その辺について再度お伺いいたします。

答弁 経済部長 後藤正紀(経済部長は2020年3月まで)

宇治議員の再質問にお答え申し上げます。ただいま、皆伐した後、計画的な植林等によりまして、その後の森林の保全等も大事ではないか、その進め方という御質問だと思います。先ほど市長から御答弁させていただいたとおり、富良野市民有林育成推進事業は、国が3分の2ほどを負担してございますが、国、道、富良野市がともに補助いたしまして、受益者負担としては5%の負担で植林できる状況となってございます。こちらのほうで計画的な植林を進めながら、人工造林等も含めて、市としても森林の保全等を推進してまいりたい、あわせまして、皆さんにも今後の活用等についての普及等を行ってまいりたいと思ってございます。以上です。

質問 2番 宇治則幸

そういう補助のつく事業も大いに利用されたらいいかと思います。質問の順番が逆になったかと思いますけれども、いま、山を見ると、十分に成熟して利用期を迎えている木が多いように思いますし、資料のほうでも、収穫間近、利用間近の林が極端に多くなっています。こういう中で、森林組合等からは、計画は計画で進めるけれども、一方で、先ほど言われたとおり、需要がたくさんある割にはなかなか伐採が進められないということもお伺いしております。そこで、いま、集中的に皆伐を進めなければならない状況において、人員の面はどのように考えておられますか。

答弁 経済部長 後藤正紀(経済部長は2020年3月まで)

宇治議員の再々質問にお答えいたします。先ほどお答えいたしました計画的な森林保全、人工造林とともに、いま、完熟期、熟成期に入りました木の状況から、計画的に切って収穫していく必要があるのではないかという御質問だと思います。この管理等につきましては、非常に人手もかかる部分もございますので、関係機関等とも協議しながら、一つの産業という意味でも、雇用等も含めながら推進していくようなことを考えていきたいと思います。以上です。

質問 2番 宇治則幸

林業というのは、50年、60年とスパンは長いですけれども、夏場に木を切って、整地できるなら整地したほうがいいのですが、春、秋には植栽し、冬場の木が休んでいるときには間伐をするというように、うまくやれば雇用なり産業に十分つながる、そういうふうに思っておりますので、取り組んでいただきたいと思います。次に、2点目のJ-クレジットに移ります。私は、J-クレジットについて十分な認識がなかったので、調べました。市長が言われたとおり、富良野の面積ではそんなにスケールメリットが出ないかと思います。私が調べた例は北海道中標津町でございますが、中標津町も、金額等を調べてみますと、ふるさと納税の10分の1にも及ばないような金額しか出ておりません。しかし、言われたとおり、環境問題に取り組む中での農業観光環境都市づくりですから、市単独でやるとか、いろいろ方法はあるかと思いますので、ぜひとも林業におけるJ-クレジットについて検討、研究をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 経済部長 後藤正紀(経済部長は2020年3月まで)

宇治議員の再質問にお答えいたします。いま、林業としてのJ-クレジット活用も、いかに規模が小さいとはいえ、研究していく必要があるのではないかという御指摘、御叱咤だと思いますので、こちらに関しても研究に取り組んでいく方向で考えていきたいと思います。

答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)

宇治議員の再質問に、いま、経済部長から御答弁させていただきましたが、再度、私から補足させていただきたいと思います。本市の場合、森林面積が非常に少ない、特に市で持っている市有林を含めて民有林も非常に少なく、東大演習林が約2分の1を占めるような状況です。そういう中で、いま御質問があった研究をするには、実験を伴って研究しなければなりません。人のまちのものを見て判断していくわけにはいかないのです。ですから、私が前段に答弁いたしましたように、これは現在のところ考えていないということでございます。ただ、視察などのいろいろな機会に宇治議員から質問があったものを見てくるとか、あるいはまた、他の市町村の状況を調べてみるとか、そういうことはやってみる価値があると考えておりますので、補足答弁でひとつ御理解を賜りたい、このように思います。

出典:富良野市議会 平成29年第2回定例会 2017年6月20日 議事録 PDF(11ページ) 間違いを知らせる