富良野市議会 平成25年第3回定例会 2013年9月11日
ワイン事業の現状認識と将来展望について
2013年9月11日、富良野市議会の一般質問で、菊地敏紀議員が「ワイン事業の現状認識と将来展望について」質問し、市長 能登芳昭、経済部長 原正明が答弁しました。
- 質問者
- 菊地敏紀 議員
- 答弁者
- 市長 能登芳昭、経済部長 原正明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 16番 菊地敏紀
-登壇-それでは、さきの通告に従い、ワイン事業の現状認識と将来展望について、順次、簡潔に質問していきたいと思います。富良野のワイン事業は、昭和45年から始まった国の減反政策に伴い、富良野農業も米作中心から畑作、野菜、園芸への作物転換が進み、傾斜地、石れき地等の一般作物の作付不利地の農業振興を図ることを目的として、昭和47年4月に富良野市ぶどう果樹研究所が建設され、昭和50年に富良野で開催されたスキー国体のレセプションに1,250本を提供し、試飲されたのが始まりであります。その翌年の昭和51年にワイン工場が建設され、53年から販売が開始され、新たな富良野の特産品として販売数量は順調に推移し、平成9年には67万7,000本もの販売数量となり、過去最高の販売数量を記録しました。しかし、その後、国内の経済の低迷による消費動向の変化により、販売数量も減少傾向となり、現在は720ミリリットル換算でワイン30万本、果汁10万本と原料ブドウ栽培面積、施設規模に合わせた生産販売体制でワイン事業が展開されております。生産数量は減少しておりますが、ワイン事業にかかわる多くの人たち、特に現場を預かる職員やブドウ生産者の努力と熱い思いに支えられ、富良野市ワイン事業の基本方針に基づいて事業運営がなされ、事業内容も安定し、運営は順調に推移し、富良野のワインは、良質なワインとして評価も高く、富良野を代表する特産品として多くの人々に愛飲されております。へそとスキーとワインのまちのキャッチフレーズで、いまや、富良野には大切な特産品であります。今後もワイン事業がさらに発展することを望む者の一人であります。さて、事業の推移を見てみますと、平成13年には職員13人、嘱託5人でございましたが、これ以降、人員が年々削減され、平成24年度は8名の職員で事業運営がなされ、人員削減の影響なのか、原料ブドウの生産や技術等の指導体制が年々弱体化する傾向にあるように思われます。原料生産がしっかりしなければ、ワイン事業の継続は困難なものと思われます。私は、この点を中心に質問をさせていただきたいと思います。そこで、次の5点について質問いたします。1点目は、原料ブドウ耕作者戸数、耕作面積の推移及び新規耕作者の育成についてであります。栽培農家を見ても、新規耕作者の参入がなく、減少傾向にあり、ワイン事業継続のための栽培農家の育成などにどのように取り組もうとしているのか、お聞きいたします。2点目は、原料ブドウの品質向上の方策及び生産指導体制についてです。現状では、原料ブドウの収穫は、糖度、収量、品質にばらつきがありますので、糖度、収量、品質の平準化の考え方をお聞かせ願いたいと思います。3点目は、種苗センターの利活用についてです。種苗センターの利用状況と本来の種苗センターの利活用の考え方をお聞かせ願います。4点目は、原料ブドウ苗木の計画的な改植、新植の考え方についてです。ワイン事業には、原料ブドウの安定した収量が欠かせないものですが、現状では年数が経過した木からは相当量の収穫は困難と思われます。安定的な収量確保のためには、計画的な改植、新植が不可欠であり、今後の計画栽培の考え方をお聞かせ願いたいと思います。5点目は、ワイン事業の今後の展望について、市長の見解をお伺いいたします。以上、1回目の質問といたします。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
-登壇-菊地議員の御質問にお答えいたします。1件目のワイン事業の現状認識と将来展望についての1点目、原料用ブドウ農家戸数、耕作面積の推移及び新規就農と農業者の育成についてであります。ワインブドウの栽培につきましては、昭和47年に、畑作振興と地場産業の育成、そしてふらのワインの製造を目指し、直営圃場及び布礼別、山部、麓郷地区の研究グループにより定植されたことに始まりました。その後、栽培面積が拡大して、昭和52年1月に山部醸造用ぶどう耕作組合が設立され、昭和54年12月には富良野醸造用ぶどう耕作組合が設立され、平成18年1月には2組合が富良野市醸造用ぶどう耕作組合として統合され、栽培振興を進めてきたところであります。直営圃場を含む栽培面積及び栽培農家戸数は、昭和48年には11戸、3ヘクタール、平成4年には48戸、48ヘクタール、平成19年には34戸、54.6ヘクタール、平成25年には27戸、47.1ヘクタールと推移しており、栽培農家の高齢化、担い手不足などから、戸数及び栽培面積は減少傾向にあるところであります。ワイン事業を進めるに当たり、原料ブドウの確保は最重要課題であり、平成24年度から3カ年間を重点期間と定め、担い手のいる生産者や意欲のある生産者に対して、栽培面積の拡大やブドウ園の改植などを働きかけるとともに、植栽を支援する原料用ブドウ確保支援事業の改正を行い、棚設置支援や未収益期間の支援拡大、ブドウ苗木の無償支援などを行い、植栽しやすい環境を整えているところであります。また、新規就農者や若手生産者の意欲、知識を高めることを目的に、冬期間を利用したセミナーの開催や戸別訪問などを実施しております。さらに、本年度より、新たに東山地域において栽培の可能性を検証するための試験栽培を実施し、栽培地域の拡大や新たな生産者の確保に向けた取り組みを進めているところであります。次に、2点目の原料用ブドウの品質向上方策及び指導体制についてであります。原料ブドウは、生産者にとって主力作物を補完する作物として栽培されているところであります。そのため、作業についても主力作物の次になるという状況となり、適期作業が時によってはおくれるなど、生産者によっては品質や収量に差が出ている状況も見受けられます。しかし、2003年に国産ワインコンクールが始まったことから、このコンクールに入賞することを目的にワインの品質向上をさらに進めており、「よいワインはよいブドウから」を合い言葉に原料となるブドウの品質向上に力を入れております。ブドウの房数を二つにする摘果、伸びた枝を切る摘芯、風通しと日当たりをよくするために葉をとる除葉の指導などに加え、収穫期の受け入れ態勢をこれまでより増して2日に1回にするなど、熟し度合いを見定めてよいブドウを収穫できる体制を整えているところであります。また、栽培担当職員を配置し、それら作業の適期や病害虫の発生状況などを観察した状況は、種苗センター便りとして各農家へ随時ファクスして情報共有し、適来作業を促しているところであります。加えて、4月から8月までの毎月の農家巡回時に農業改良普及センターや上川農業試験場の技術普及室、ふらの農協の担当職員にも同行してもらいながら状況観察を行い、高品質なブドウ生産へ指導体制を強化しているところであります。次に、3点目の種苗センターの利活用についてであります。現在、種苗センターにおいては、ブドウ苗木の生産、新たなブドウ品種の栽培適応性試験、直営圃場の栽培管理、そして、栽培農家に対する指導を行っているところであります。種苗センターは、昭和61年に設置され、ブドウ、果樹、花卉の栽培及び育種研究、ウイルスフリー等優良苗木の生産、配付、栽培指導などを行ってまいりましたが、ブドウ等の育種に関しましては、長い期間や地道な継続が必要で根気の要る作業であり、その努力は必ず結果を生むものではありません。これまで、ヤマブドウとセイベルとの交配からふらの2号を選抜することができ、羆の晩酌の重要な原料となっておりますが、その後、有望な交配品種は見出せていない状況であります。また、気候の変化などにより、北海道においても、既存の欧州系高級品種の栽培の可能性が高まっていることから、近年は育種から新たな品種の栽培適応性試験に力を入れてまいりました。その結果、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワールという世界的な高級品種について、試験栽培から、一部、生産栽培に切りかえているところであります。今後は、さらなる新たな品種の可能性を探るとともに、しっかりとした原料確保のために、優良挿し木苗の生産、高収量、高糖度のための栽培技術など、普及センターを初めとする関係機関とともに情報収集、技術習得をし、各農家に普及してまいりたいと考えているところであります。そのためには、醸造技術とあわせ、さらなる専門知識と技術の習得をするとともに、長期的な事業経営の視点に立ったと人材育成が必要と考えているところであります。次に、4点目の原料ブドウ苗木の計画的な改植、新植の見解についてであります。これまで、ブドウ樹は、新植として4年目ごろから収穫が可能になり、8年目ごろから20年目ごろまでは収穫旺盛期となり、その後、収穫量はやや減少するものの、安定収穫ができ、30年以上の収穫が可能と考え、進めてきたところであり、その間に枯れた木は補植して補う対応をしてきたところであります。しかし、特に近年の気候変動によるブドウ樹へのストレスは大きく、収穫量が減少すると言われてきており、ほかのワイナリーにおいてもブドウの安定生産においては15年から20年を目途に改植していく傾向となってきているところであります。そのため、本市におきましても、3年ほど前から栽培農家への補植用苗木の販売は原則取りやめ、まとまった面積への改植及び新植に切りかえているところであります。今後も、担い手のいる農家や意欲のある農家、今後新たに始められた農家の皆さんに対し、計画的な改植や新植を進め、原料ブドウの安定的な確保に努めていきたいと考えているところであります。次に、5点目のワイン事業の今後の展望についてであります。ワイン事業は、昭和47年からの創成期、昭和60年からの成長期、そして、平成9年、10年の全国的な赤ワインブームなどを境に販売減少が続いた不況期、そこを乗り越え、現在は安定期を迎えているところであります。昭和60年には一般会計から特別会計へ、平成9年には、さらに経営の透明性を高めるために公営企業会計へ移行してきたところであります。この間、富良野市が誇る特産品として多くの市民や消費者に味わいや品質が認められており、これまで培った信頼をさらに構築するためにも安全で高品質な製品づくりを進めてまいりました。また、農業経済振興におきましては農業の6次化、富良野ブランドの先駆者として、観光振興では本市の中核的な施設として多くの観光客を受け入れているところであります。このように順調に推移してきているところでありますが、平成23年度(82ページで訂正)、将来の方向性を検討するための中長期的な事業計画を策定することを目的に、監査法人による経営分析を実施してきているところであります。財務面では、これまでの健全経営により十分な利益を蓄積しておりますが、今後も安定的な経営、運営を行っていくためには、ワイン、果汁の営業利益率の低下、不採算商品の整理、収益力を高めるための直販率の向上、大規模な改修の必要性などの課題があります。その結果を受けて、平成24年度より、ブドウ果汁の生産数量を減らし、ワインのコスト削減と利便性確保のためにスキリューキャップの導入、ラベル違い商品の統一化など改善や効率化をしてきたところであり、平成24年度決算におきましてもその効果があらわれてきているところであります。ワイン事業につきましては、畑作の振興及び本市を代表する特産品として、さらには、雇用の確保による地域経済の活性化にも大きく寄与していることから、今後も安定的な原料用ブドウの確保を図り、ワインの品質向上に努め、多くの人たちに愛されるワインづくりを目指すとともに、30万本体制を維持してまいりたい、このように考えているところでございます。以上であります。答弁中、平成23年度と言うところを、昭和と申し上げましたので、昭和でなく、平成23年度に御訂正を願います。
再質問 16番 菊地敏紀
それでは、再質問をさせていただきます。非常に明快な答弁がございまして、再質問することもないかなと思います。しかし、私の思いと少し違っていることがございますので、それぞれ質問させていただきたいと思います。まず、1点目の原料ブドウの耕作戸数、面積の推移のところでございます。行政から出されているワインにかかわる資料によりますと、公称60ヘクタールがワインの栽培面積ということになっております。ところが、資料が平成12年からしかないものですから過去のことはわかりませんが、現在、農家の栽培面積は30.3ヘクタール、直営で16.9ヘクタールでございまして、足しても47.2ヘクタールですので、10町ほど合わないわけです。生産されている面積が30.3ヘクタールと16.9ヘクタール、あとは、養成しているのか、それとも、だんだん戸数が減っているものですから、ブドウの耕作面積にはなっているけれども、知らないうちに手がかかっていない面積なのか、公称60ヘクタールの面積ときちっとした面積の差異はどのようになっているのか、まずは伺います。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
菊地議員の再質問にお答えをいたします。原料ブドウの栽培面積について、以前には60ヘクタールと言われていたが、それといまの面積がかなり違うということだと思います。こちらにつきましては、平成20年度に再実測いたしました。そのことによりまして現在の数値、面積になっているということございまして、これはそのための違いというふうに御理解いただきたいと思います。いまの農家面積の30.3ヘクタール、直営圃場の16.9ヘクタールについては、全部、実際に栽培しているということでございます。
再質問 16番 菊地敏紀
ということは、平成24年度で見ますと30.3ヘクタール、16.9ヘクタール、これが原料ブドウの栽培面積と理解させてもらってよろしいですね。(「はい」と呼ぶ者あり)
再質問 16番 菊地敏紀
わかりました。一問一答ということで、一問一答で行かなければなりませんが、私が今回質問したいことは、5点目についてはちょっと違いますけれども、あとの4点につきましては全て生産指導のあり方について質問しております。一問一答で行きますが、それぞれに言葉が重複してくると思いますけれども、御勘弁を願いたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。次に、2点目に移らせていただきます。原料ブドウの品質の向上方策については、市長も答弁で言われておりましたけれども、原料ブドウというのは、いま、主要作物ではなくて、補完作物ということで農家も栽培しております。これは、いまの農業形態が大きく変わって大面積の経営をするということになりますと、ワインは、生産者も大事なものとわかっていても、やはり主力に置けないのが現状でございます。そんな中で、産地を形成するのには、農業者の意欲と、それを普及するための技術というか、それを指導する人間がいて初めて一つの作物が大きく育つと私は思うわけでございます。そんな中で、ワインの事業が始まったときも、専門職を置き、普及所、農業団体とも連携しながら、技術の普及や栽培の啓蒙などをいろいろやってきております。そして、先ほどから、現場を回るきちっとした指導員はちゃんといるということでございまして、確かにいます。ところが、この人は製造部門の方であって、言うならば技術指導や現場対応が専門では決してないのです。月に何回も出てやっているということでございますが、原料ブドウを確保しなければワインが成り立たないということになれば、専門職とは言わずとも、それを自分の仕事とする人間をここに一人張りつけなければ、ワインの品質向上にはならないと思いますけれども、まずはそこをお聞かせ願いたいと思います。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
菊地議員の御質問にお答えいたします。いま、ワイン事業、ワイン工場において、栽培指導の専門職を置いていないというお話だと思います。私どもといたしましては、先ほどの市長答弁にありましたが、種苗センターの直営圃場の生産とあわせて栽培指導する職員を配置しております。製造職員との兼務ではございませんので、まず御理解いただきたいというふうに思います。直営圃場もやっていますけれども、その人間が生産農家の指導をしているということでございます。また、先ほどから言っていただきました、当初から普及センターあるいは関係機関と連携をとっているということでございますが、これについては、現在もどんどん力を入れてやっていただいておりますので、それについても御理解いただきたいということでございます。また、栽培指導につきましては、先ほどの市長答弁にもありますとおり、育苗便りということで情報共有しておりますし、年間で言いますと、圃場の現地研修会、ワインセミナー、醸造用ワインセミナー、そのほかに道内の現地視察ということで、生産農家の皆さんに実際に自分の圃場以外のところを見ていただいたり、いろいろな専門家の話を聞くということで、栽培技術の向上に取り組んでいただくということをやっていただいております。また、気持ちの上では、糖度買いということを実施しておりまして、よい品質といいますか、糖度の高いブドウを栽培すれば収入がふえるということであります。これにつきましても、生産農家の皆さんの気持ちの問題ということでは非常に有効になっているのかなと思います。また、ワインコンクールの入賞ということにつきましても、やはり一つの目標でございまして、それに向けて栽培技術の向上を図っていただくということで指導しているところでございますので、御理解いただきたいというふうに思います。
再質問 16番 菊地敏紀
いま、指導体制はきちっとしていると。しかし、ワイン工場の中を見ますと、部門は二つしかないのですね。資料はないのですが、二つしかなくて、1人をそういうところに張りつけていると言うけれども、そういう名前はなくて、製造の部分にその人の名前があります。その人の任務は製造で、製造にかかわる部分にその人が張りついているのですから、あの表の中からは栽培担当のほうに張りついているとは決して見えないのが事実でございます。それから、指導が徹底されているということでございますが、ワイン30万本、そして果汁10万本をつくるための原料をお聞きしますと、400トンが必要だということでございます。ところが、ここ四、五年、ワインの反当収量は500キロから517キロぐらいです。400キロのときもありますが、これを換算しますと200トンちょっとで、30万本のワインと果汁をつくるための原料としては60%ぐらいしかありません。足りない部分はどうするのかというと、過去のストックがあるから、それで賄っているということでございます。そんなことで、半分ちょっとですから原料確保は危機的です。そして、私はなぜ品質を向上するために技術の平準化を求めるかというと、誰かがよくて誰かが悪くては、産地は成り立ちません。技術がきちっとしているというのであれば、全ての人が平均的な収量と糖度をきちっととれなければなりません。先ほど、糖度買いで、これは農家の人にとって非常に励みになるということで、平成24年から糖度を0.5%刻みにしていただいて、いま、15ぐらいの糖度買いの段階があります。ところが、生産者がどこのランクにいるかというと、下から5番目ぐらいの16度から17度が平均なのです。これでは、生産者がいかに努力しようと、先ほど言ったように、補完的な作物としてやっているものですから、生産者は本当に真剣になってその技術を取り入れようとしないと言ったら失礼ですけれども、やりたくてもできない。だからこそ、専門の人がいて、ここはこうすればこういうふうになるんだという技術指導をきちっとして、技術の平準化が整っていけばブドウの質も収量も平準化になっていくわけです。現在、平均500キロちょっとということですから、とれない人は、ひょっとしたら300ぐらいしかとっていないということです。これでいて、技術指導が徹底され、将来、ワインの原料ブドウが確保できる体制だと言い切れる自信があるのでしょうか。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
菊地議員の再質問にお答えをさせていただきたいと思います。いま、菊地議員のお話をお聞きいたしまして、大変貴重な御意見だというふうに拝聴しております。一つは、ワイン事業というのは、やはり、富良野にとってこれからの産業ですし、地域振興あるいは雇用関係もあわせて大変重要な状況でございまして、これから6次産業化の大きな起爆剤にもなっていくだろうというふうな認識を持っております。そういう中で、いま、御質問がございました技術職員の配置の問題であります。私も、技術職員の配置については、ブドウばかりでなく、富良野市の農作物に対しても大変危惧している状況でございまして、昨年から割愛いたしまして北海道の農学部出身の職員を採用させていただきました。少なくても、これからの富良野の基幹産業、農業を育てていく、あるいは維持していく、育成していくという観点に立ちますと、いま御指摘のありました技術職員の採用は最重点に置いてやらなければならない、このように認識いたしております。来年度は、畜産関係について、一部、技術職員を採用する状況づくりをいたしておりますが、そういう中で、ワインに特定してではなく、富良野市の農政全般にわたって農作物の振興を含めた中で技術職員というものを育てていきたい、いま、このように考えているところでございますので、ことし1年、もしくは近いうちにそういう状況づくりをしていきたいと考えています。以上であります。
再質問 16番 菊地敏紀
ぜひとも、そのようになることを願っております。本当はもう少し質問したかったのですが、私は市長のいまの答弁に期待して、2点目の問題についてはこれでおさめさせていただきたいと思います。次に移らせていただきますが、3点目は、種苗センターの活用状況についてです。いろいろお話しましたけれども、私は、種苗センターの本来の、ウイルスフリーだとか、栽培・育種試験だとか、こういうものは、行政ではなく、大きなところでやるものだと思っております。この点は、いまのことに余りこだわることはないのでないかなという感じがしております。問題は、いま、実績としていろいろやっているということでございますが、あそこの施設をちょっと見てきましたら、施設の中には直営の工場で働いている人たちの車がとまっておりましたけれども、ハウスも建物も動いているような感じが一つも見えないのです。これは何をやっているのかと聞きましたら、先ほど市長から答弁していただきましたけれども、優良品種を挿し木して、それを生産者に無償で配付しているということでございまして、それはいいことだと思います。ただ、あの施設はいろいろな研究ができる施設でございます。本来の使う目的からは外れるとは思いますが、ブドウの生産者とワインづくりにかかわる人たちの一つの交流の場と言ったら失礼でございますけれども、ワインをつくるための生産現場の仕事などについてお話し合いのできる場所というか、そういう拠点にしてはいかがかなと思います。冬にはセミナーをやっています、あれもやっていますと言いますが、不特定で、生産者が何かを求めたときにはそこに集まってやれるんだと。そして、研究所ですから、あそこにはいろいろな研究器具があると思います。そこで、生産者がみずから自分でこういう技術をちょっと勉強してみたいとか、そういうことをやれるようなソフトな感じでの研究所の利用ということはいかがなものでしょうか。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
菊地議員の御質問にお答えいたします。種苗センターの利活用についてかと思います。こちらにつきましては、いま、議員のほうから具体的に御提案がございましたので、それも含めて、どういうことができるか検討してまいりたいというふうに思います。
再質問 16番 菊地敏紀
もう一つは、私も聞き取りのときに時間がなくていろいろなお話をできなかったのですが、種苗センターの実績というところで、いまやっていないことでちょっと気になっているのは、富良野市農業研究報告書ということで、ワインにかかわるいろいろな研究や発表の報告書をつくり、1号から6号まで発行されておりまして、いつから廃刊になったか知りませんけれども、6号までで廃刊になっております。調査不足でまことに申しわけないのですが、これは、どういう中身のものだったのでしょうか。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
菊地議員の質問にお答えいたします。御質問の報告書につきましては、毎年あるいは定期的に発表するものではなく、過去、研究成果が出た段階で内部的な報告書としてまとめたもので、公表しているものではございませんので、御理解いただきたいと思います。
再質問 16番 菊地敏紀
わかりました。それでは、次に移らせていただきます。4点目でございますけれども、原料ブドウの苗木の計画的な改植、新植の見解についてでございます。これについては、答弁にもございましたように、苗確保のための非常にきめ細かな政策であります。原料を確保するためにブドウを大切にしているのだなということがわかります。ただ、残念なことは、これだけの手当てをしても生産農家がふえないというのは、この原因はどこにあると感じているか、お聞かせ願いたいと思います。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
生産農家がふえない理由についての菊地議員からの御質問かと思います。これには数々の理由があろうかなというふうに思います。まず、ブドウを植えることでの初期投資、それから未収益期間があることで、そこへ一歩踏み出すきっかけが必要です。それから、とれるようになるまでの時間があるので、それまでの間はどうするかということについての考え方もあろうかと思います。また、先ほど菊地議員がお話しになったように、いま、農業全体の規模が大きくなったり多品目を栽培しているということで、それをできるかどうかというようなことも原因の一つですし、指導してもらえるのかというような不安もあるのかというふうに思っております。ただ、ブドウの栽培につきましては、大きな収入にはならなくても、あるいは、主力の作物にはならなくても、安定的な収入を上げることも可能かと思っておりますので、そちらについては、今後もシミュレーション等をしながら理解を得られるような方向を検討してまいりたいと思っております。また、市内の農業生産法人で、現在、そのように取り組みたいというようなお話し合いも続けておりますので、そちらについても期待したいというふうに思っているところでございます。以上でございます。
再質問 16番 菊地敏紀
原因については、いま、原部長から、こう考えられるということが述べられました。私は、端的に言わせてもらいますと、ここには専門職がいなくて技術指導が受けられない不安があるので取り組めないことが、生産者の偽らざる一つの大きな要因になっているのではないかなという感じがしております。そして、この施策からいきますと、私もブドウをつくったことがないものですから中身の詳しいことはわかりませんけれども、1年目に棚をつくるために8万円、そして、4年間は物がとれないということで、1年5万円ずつで20万円です。これでいきますと、養成しなければならない作物にとっては決して悪い支援策ではないと思います。私は、本当に整った支援策ではないかなという感じがしております。ブドウについては詳しくわかりませんけれども、農業者として見たときにはそのように感じられます。ただ、問題なのは、先ほどから言っているように、指導者をつくると言ってくれたのに大変失礼な物の言い方で申しわけありませんが、指導者がいないばかりに、品質の向上がなされないのです。ですから、糖度買いのものはある程度の単価が設定されていますが、いまの単価だと500キロをとっている人たちで反当10万円ぐらいの粗収益しか上がらないのです。いまの農業形態からいくと、少なくても反当15万円ぐらいのものが上がらなければ安定的な補完作物とは言えないという感じがします。そういう意味でも、市長が言うように、ワインは富良野を代表するものですからこれからもずっと継続していきたいと言うのであれば、現場に張りつく専門職員がいなければワインの改植、新植も計画的なものは成り立たないのでないかなという感じがいたしますので、そこをお聞きします。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
菊地議員の御質問にお答えいたします。良質な原料ブドウの確保がワインづくりには重要であるということにつきましては、私どももまさしくそのとおりだと思っております。現在、そのように頑張っているつもりでございます。先ほどの専門職員につきましても、書類上は業務製造係という表現でございます。ただ、やっている中身については生産のほうでございます。今後、先ほど市長から答弁がございましたとおり、農業全般についても技術的な人材をしっかり確保することが必要である、育成することが必要であるという答弁ございましたので、そのように御理解をいただきたいと思います。
再質問 16番 菊地敏紀
最後になります。先ほど市長が将来展望についていろいろお話ししてくれましたけれども、行政としては、まだ企業会計で続けるのだということでございまして、非常に心強く感じているところでございます。ただ、続けるためには、原料ブドウの確保だけではなく、それぞれの製造に関して、いまの施設の問題もございますし、課題は山積だと思います。しかしながら、富良野を代表する特産物のワインでございますので、そのことは行政の人たちの努力によって何とかクリアをしていただいて、ワインが長く続くことを願いたいと思います。ただ、一言、申し上げたいことは、ワインは企業会計でございます。これは、時の理事者の考え方で大きく方向が変わるものと思われます。そういう意味で、経営を任されている理事者にとっては、いままでの順調な流れをそのまま踏襲するのではなくて、時代を見据えてきちっとしたワイン事業に当たっていただければ幸いと思います。市長から何かあれば、お願いします。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
5点目の将来展望等について、少し補足説明をさせていただきたいと思います。私は、企業会計のワイン事業について、昨今の新聞で報道されていますが、北海道には17ワイナリーがございまして、本数から行きますと第4番目にランクされるところであります。民間がほとんどでございまして、市が直営でやっているのは富良野という状況で現在は進んでおります。ですから、一つには、気候条件が整った富良野において、これからも6次産業化を育てていく大きな要素を持つブドウでございますから、この維持というものを基本にしながら、いま御質問があったとおり、体制的に規模を大きくするということではなく、30万本の体制で品質を向上することと、それから、もっと親しまれるような新しい品種の製品をどんどんつくり上げていく、そして、できれば全国のそれぞれのワインコンクールで毎年入賞できるような、そういう技術を磨く状況づくりをしていくことが大切であろうと思います。それから、先ほどから御質問いただいております、生産者に対する支援の拡充ということを来年度から少し考えていく必要性があろうかと思います。意欲的にブドウをつくっていただけるような、若い人が出てくるような状況づくりを環境とあわせてやっていきたい、このように思います。また、民間のブドウ生産者等の育成はもちろんですが、企業的な状況の中で、先ほど経済部長からお話がありましたとおり、共同でワインを生産していただける企業が出てくる状況が生まれつつございますので、そういう企業に対しても共同でやれるような環境づくりをしてまいりたい、このように思います。また、技術職員等については、菊地議員の熱意ある御質問でございましたが、富良野全般の基幹産業は農業でございますから、基幹産業を中心として、技術職員によるこれからの専門的な状況づくりをしていかなければ富良野農業はなかなか厳しい状況に置かれるということもございますので、これらの問題については、専門的な職員の採用を重点的にやっていく必要性があると感じております。また、もう一つは、新しい展開として、ブドウという中で、飲んでいただくものばかりではなく、刈り取って、そこで食べていただけるような生食用のブドウ的なものもこれからは考えていく、ブドウ狩りができるような状況づくりもこれから観光とあわせてやっていく必要性も考えていかなければならないと思います。もう一つは、以前、話題となって議会でもお話がありましたけれども、需要は少ないかもしれませんが、ブドウ茎から和紙を製造することも、いまの時代に合った中での貴重品として製品管理できるような状況づくりをこれから考えていかなければならない必要性があるのではないかと。こういうことを申し上げながら、これからのワイン事業の展望について一端を述べさせていただいて、御答弁にさせていただきたいと思います。