深川市議会 令和元年第3回定例会 2019年9月11日
多死社会に向かう行政課題
2019年9月11日、深川市議会の一般質問で、辻本智議員が「多死社会に向かう行政課題」について質問し、建設水道部長 天羽真司、経済・地域振興部次長 宮森栄治が答弁しました。
- 質問者
- 辻本智 議員
- 答弁者
- 建設水道部長 天羽真司、経済・地域振興部次長 宮森栄治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 9番 辻本智
それでは、次に移ります。多死社会に向かう行政課題についてお聞きいたします。この部分でも、昨日の松本議員が、死亡手続の行政対応について質問されております。またしても私の質問と多くが重なる部分ではありますが、それだけ人の死をめぐる社会状況の変化というのが課題の根底にあることを指摘させていただき、私も通告どおりに質問いたします。本年7月、総務省が人口動態調査を公表しました。それによると、国内の日本人は前年に比べ43万人の減少、減少数は1963年の調査開始以来、最多とのことであります。道内でも3万9,461人の減少、もちろん深川市も例外ではありません。出生率が低下する中で亡くなられる方の数が上回る、人口動態で自然減が増加しています。多死社会、今回も使わせていただいていますが多く死ぬという、大変物騒でありますが、多死社会という言葉があるそうであります。今ある高齢化社会の次に訪れる団塊の世代を中心とする社会現象、このように規定されており、実態としては、高齢化社会の一側面として既に進行しているとのことであります。ここで質問の1点目、本市の人口の推移についてお示しいただくのと、あわせて北空知葬斎場での火葬件数についてもお聞かせください。次に2点目です。火葬後、遺骨の埋葬にかかわる状況についてお聞きいたします。言うまでもなく、死はあくまで個人的なものであり、火葬された後の遺骨に関しても、個々の判断に委ねられております。ですが、死亡後の火葬にかかわる一連の手続と、本市にあっては、市内にある墓地の管理が行政事務の範疇であることから、その状況についてお尋ねします。深川市は、昨年より合同墓を設置しております。また、深川市墓地条例で、墓地全般の使用と返還に関する条項も整備されております。それら市内にある一般墓地も含めた利用状況と、その中で管理すべき手だてがなされていないと推測される数がどの程度あるのか、大よそで構いませんのでお示しください。また、墓地等に関する問い合わせ状況についてもお聞かせください。3点目です。故人となられた方の見送りを契機とした地域課題と、その対応についてお聞きいたします。最近、市内で葬祭業に従事されている方のお話を伺う機会がありました。その方のお話ですと、ここ20年くらいの間に、葬儀の形が大きくさま変わりしている。これまでは当たり前のこと、いわゆる常識とされていた亡き人を見送ることに関しての地域あるいは親族間での伝承が途絶えてきているのではないかといった危惧が出されていました。以前は、亡き人を送ることは、集落、地域の取り組みとして、深川の市内でも農村・市街地区を問わず定着していたものが、時代が平成に入ったころから、個、プライベートの範疇に移行してきているようであります。また、それと連動して葬儀の施主をされる方から、葬儀で必要とされるさまざまな手続の相談がふえている、このように話をされておりました。また、これはあくまでその方の大よその記憶ということでお話をされたのですが、近年、市内で葬儀を出す方のうち、約15%が喪主もしくは施主の方が市外、道外の方であるということであります。これを市勢ハンドブックの深川の死亡者数、おおむね350人に当てはめると、52件相当の市外、道外の方が市内で葬儀を挙げられるといった傾向にあると、あくまで概要でありますが、そういうお話を聞いております。仮に葬儀の施主が深川市以外で仕事を持っている現役世代の方ですと、忌引きでの決められた期間内に親の死去に伴うさまざまなやりくり、これはきのう、松本議員がお話されておりましたが、それを済ませる必要があり、家屋などの不動産の整理あるいはその後の遺骨の管理、一連の扱いに関しては、後日、日を改めてといった場合になることが往々にしてあるとのことでありました。これと関連して、市内の石材店にお話を伺いました。この方のお話では、遠方からお墓に関する電話等での相談が平均して月に15件程度あるとのことであります。その多くは、両親・親類の墓が深川にあるのだが、管理ができていない、管理を頼んでいた親類が高齢者施設に入ったので、この先どうしたらいいのか、あるいは墓じまいをしたいというような内容が主なようであります。こうして、積極的に相談を寄せられる方はまだ解決の糸口につなげますが、潜在的なニーズはその数倍はあるのではないかと心配がなされております。このように人が1人亡くなることに伴って、家族がすべき必要な行為は多岐にわたります。これらの扱いに関して、少なくない方が大なり小なりの困難を抱えていることが推測されております。私が話を伺った市内事業者の方々からは、行政の窓口でもう少し相談者の抱えている、あるいは想定される問題に対して親身な対応ができないだろうか、このような要望が出されております。昨日、松本議員に対する答弁の中で、市民課の窓口において必要な手続を一覧表にするなどの工夫がされているという話がございました。こうした点は、大変評価されると思います。しかし、繰り返しとなりますが、現実社会で人が暮らしている生活の中身は、行政とのかかわりだけでは必ずしも整理し切れるものではありません。一例を挙げます。昨年11月に、終活マルシェという企画が市内の実行委員会主催でありました。親しい方、あるいは自分自身が亡き後の準備を今のうちにしておきたい、こういった考えの方が多数参加され、会場にはご婦人のグループ、あるいは高齢のご夫婦の姿もありました。そうした会場に相談のブースを設置されたのは、お墓や葬儀の業界だけでなく、税理士、弁護士、司法行政書士、遺品整備業者、社会福祉士、また、プロカメラマンといった多岐にわたる業種方がブースを設置されておりました。こういった取り組みも参考に、多死社会を迎えつつある中で、亡き人の見送りを契機とした課題を市内の各事業所につなぐといった柔軟な対応が行政の窓口で求められてくるのではないかと考えております。個人の多様な価値感と行政事務の兼ね合いで、踏み込んだ対応というのは大変難しい面があるというのは十分承知しておりますが、せめて故人を見送った後に、対応が想定される市内事業者等の連絡先一覧といったものを市民課の窓口あるいは市内の公共施設に置くことを検討すべきと考えますが、見解をお聞きいたします。4点目、ふるさと納税の返礼品に関してお聞きいたします。ふるさと納税が全国的に加熱する中、総務省も法的規制に乗り出しました。本来のふるさと納税の趣旨、地方の自治体を応援する、このことに立ち返るべき、このような議論も出されています。総務省も、寄附してくれた人との継続的なつながりを重視することを呼びかけております。先ほどの市内にある石材店のお話ですが、お墓の管理について相談をいただいた市外の方、主に道外、東京や大阪の方もおられるそうですが、依頼があれば、お墓の草刈りや掃除といった維持契約を行っているようであります。その方いわく、深川にお墓があれば必ず人が来る。そうしたら、市内で食事をして宿泊されることにもつながるのではないでしょうかといったお話をされておりました。昨年来、私のところにも実家の片づけと解体、空き家の除雪などの相談が複数あり、遠方の依頼人にかわって作業に立ち会うこともあります。それぞれにことしに入り、雪がなくなってから現地を見て、我が家に立ち寄り、挨拶をされていくわけですが、皆さん、気にとめながらも相談するきっかけがなかなかつかめない、このように話をされます。ほかの自治体でも、ふるさと納税に実家の管理や草刈り、お墓の見守りをメニューに加えているところがあると仄聞しております。少子化と多死社会を迎えて、深川に両親や縁者が眠る場所があれば、その方との関係はこの先も続き、新たな経済活動が生まれる可能性があります。こうしたことが、いわば深川と縁のある皆さんとの関係人口につながるということではないでしょうか。ふるさと納税の商品に、市外にお住まいの方向けのふるさとパッケージのようなものを検討すべきではないかと考えますが、見解をお聞かせください。
答弁 建設水道部長 天羽真司(建設水道部長は2020年3月まで)
多死社会に向かう行政課題について、4点質問いただきましたが、1点目から3点目について私からお答えさせていただきます。初めに、多死社会とは、議員がおっしゃるとおり、高齢化社会の次に訪れる社会の形態と言われており、既に日本の出生率は減少し、高齢者の割合がふえている現状から、高齢化による死亡数の増加が加速すると考えられているものです。まず、質問の1点目、本市の人口の推移についてでございますが、本市の人口は、昭和45年、多度志町の合併時の3万8,373人をピークに減少を続け、本年8月末現在では2万538人となっております。この間の出生数・死亡数の状況について、深川市まち・ひと・しごと創生人口ビジョンにより申し上げますが、出生数は昭和53年は403人でしたが、平成30年には86人に減少し、死亡数は昭和53年は264人でしたが、平成30年には350人にふえておりまして、質問にもありました火葬場の使用もほぼ同程度の件数となっているところでございます。また、本市の将来人口は、国立社会保障・人口問題研究所によりますと、令和12年には1万6,540人となり、その10年後の22年には1万3,097人と推計されておりまして、将来の死亡数につきましては、平成30年3月に当時の北空知葬斎組合が策定しております施設整備基本方針によりますと、令和12年の死亡数は約360人で、その10年後の22年には約330人と推計されております。次に、2点目の合同墓及び市内墓地に係る問い合わせ件数と利用状況についてですが、初めに、合同墓についてお答えします。本市では、少子高齢化や核家族化などの社会情勢の変化に伴い、さまざまな事情でお墓の承継や管理が困難となる方がふえている状況から、1,500体のお骨を埋蔵することができる合同墓を整備し、平成30年度から供用を開始しております。合同墓の利用状況につきましては、本年8月末現在で55件、221体の申請がございまして、その内訳としましては、市内墓地からの改葬が29件168体、市内の寺院からの改葬が7件18体、市外の墓地からの改葬が4件17体、市外の寺院からの改葬が1件2体、自宅で保管していたお骨の埋蔵が14件16体でございまして、申請件数の7割、お骨の埋蔵数では約9割が、いわゆる墓じまいによるものであります。このほか、生前予約の受付も行っており、これまで65人の方から申請をいただいているところでございます。合同墓に関する問い合わせ件数につきましては、平成30年4月から本年8月までの窓口対応が212件、電話対応が105件、合計317件となっておりまして、その内容といたしましては、お墓を持っていない方や生前予約を考えている方のほか、子供が離れたところに住んでいるため、お墓の維持管理が難しいなど、墓じまいを考えている方からのご相談が多い状況となっております。次に、一般墓地の利用状況についてでございますが、市内の一般墓地は新規貸し出しを行っていない墓地4カ所を除き16カ所で、全区画数は7,072区画ありまして、本年3月末現在、5,345区画が使用されており、近年は返還される区画も多くなっている状況もございます。また、一般墓地における問い合わせにつきましては、雪解けの時期から電話での問い合わせがふえ、お盆のころになりますと1日に5件から6件程度照会を受けており、その内容といたしましても、使用者の死亡による承継のことや納骨の手続のほか、墓じまいに関する問い合わせがふえているところであります。次に、墓地使用者が管理を行っていないと思われる区画の状況につきましては、墓地の使用者の調査のため、平成11年度から16年度に長期間埋蔵の届け出などがなかった約3,000区画の使用者に対して、郵送などにより使用状況の調査を行いましたが、そのうち264区画については、使用者の住所が特定できないという状況でございました。その後の取り組みとしまして、翌年の平成17年度以降につきましては、お盆の時期を見計らい、現地にて調査を行い、維持管理が行われていないと思われる区画について、墓参りに来られる方に市への連絡をいただくため、立て看板を設置し対応しておりますが、管理されていないと思われる区画数の把握には至っていないという状況でございます。今度、これら使用者が確認できない区画の調査につきましては、個人情報の取り扱いにも留意しつつ、どのようなことが可能かなどの検討も含め、粘り強い取り組みが必要と考えておりますが、まずは、広報ふかがわへの掲載内容を工夫することや、先ほど申し上げました看板設置など可能な取り組みを進め、墓地の適正な維持管理に努めてまいりたいと考えているところでございます。3点目の見送りを契機とした地域課題の顕在化と行政窓口の柔軟な対応といたしまして、議員からご提言のありました家族と市内各事業所をつなぐために、関係事業者の連絡先一覧などの情報提供を行うことにつきましては、個人を見送った後の残された家族が行う手続等は、公的機関に限らず多岐にわたりますし、ご遺族が悲しみの癒えない中で行うものでありますことから、議員のおっしゃるとおり、その方々の悩み事に寄り添い、親身に対応することは、大変意味深いことと認識しております。ご提言をいただきました情報提供となる資料につきましては、お墓や不動産登記に関することなど、主に企業情報となりますので、かかわりのある市関係所管とも協議が必要でありますし、行政としてどのような情報をどのようにお伝えすることができるのか、今後、他市の取り組みなどについて情報収集を行いまして研究してまいりたいと考えます。
答弁 経済・地域振興部次長 宮森栄治(経済・地域振興部次長は2019年12月まで)
私からは、4点目のふるさと納税返礼品での地域をパッケージ提案する取り組みについてお答えいたします。本市のふるさと納税につきましては、お米などの農産物を初めポテトチップス、シードルなど、地場産品を中心に63品目を用意しているところでございますけれども、役務やサービスの提供による返礼品につきましては、過去に検討を行ったものの課題が多く、現在、導入しているものはございません。これまでの検討の状況といたしましては、空き家の除雪については、物件の大きさによって作業量が異なり、費用の定額化が難しかったこと、また、お墓の清掃につきましては、墓地が市内に20カ所も点在していることに加え、請け負ってもらえる事業者の情報を得ることができなかったなどの理由から、いずれも導入を見送ったところでございます。このほか、市外の方に本市へ足を運んでもらうことを目的に、市内レストランの食事券を返礼品に加えるといったことも試みましたが、思うような実績につながらず、取りやめております。こうした中、ふるさと納税につきましては、過度な返礼品競争の抑制を図るため、地方税法の一部が改正され、ことし6月から返礼品の調達に要する費用の上限割合などが設けられたことにより、これまでのどちらかというとお得感中心の返礼品から、地域の特徴を生かし、工夫を凝らした返礼品への転換が必要となっており、加えて総務省におきましては、継続的に特定地域とのかかわりを持つ関係人口の創出にふるさと納税の活用を促していることなどを踏まえますと、議員からご提案のありましたふるさとパッケージは、重要な視点と受けとめますので、前段申し上げました役務やサービスの提供による返礼品の課題について、いま一度整理を行うなどして導入の可能性を検討してまいりたいと思っております。