深川市議会 平成28年第1回定例会 2016年3月4日
「格差社会の進行から貧困世帯の発生をどのように捉えるかお伺いし…」
2016年3月4日、深川市議会の一般質問で、太田幸一議員が質問し、副市長 坂本光央、教育部長 大西徳治が答弁しました。
- 質問者
- 太田幸一 議員
- 答弁者
- 副市長 坂本光央、教育部長 大西徳治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 10番 太田幸一
それでは、次に格差社会の進行から貧困世帯の発生をどのように捉えるかお伺いします。今や気象衛星の性能が格段に改良されたことで、地球を俯瞰し、地域の隅々がきれいに見えます。さらに、日本の夜を俯瞰したとき、明暗が顕著になってもおります。さて、まず課題の年金制度であります。100年安心とした年金制度としながら織り込み済みの少子高齢化。現職三、四人で1人を抱えるみこし型、2人で1人を支える騎馬戦型、さらに1人で1人を支える肩車型へ移行するといったことも既に国や自治体において織り込み済みの話なわけであります。そこで、過去に年金事務所やらにおいて、使い込みなどのずさん等、信頼性を欠く事柄が起きた。そういった状態でありましても、年金の会計の分母がさらに縮小するという状況にあります。年金改革は、砂上の楼閣とも言われております。また、事業所における厚生年金の無加入の違法行為といったことも最近散見されると報道されております。また、年金積立金管理運用独立行政法人、GPIFですけれども、こういったところにおける運用というものが、既に報道等でありますように、国債重視、いわゆる国債を今までは5割の比率にしていたものを3割に落とす。逆に一般株、特に外国株といったところの割合は24%から50%と倍にふやすというようなこと。これは何を意味しているかというと、危険な投機に走るということで、このことがアベノミクスの一環とすれば、国際的には非常に珍しい例だと言われております。また、このことは国家的賭博ともやゆされる中身であります。さらに、社会福祉のセーフティーネットの関係でありますけれども、国は一億総活躍と言う中で出生率1.8。介護離職を出さない、女性管理者3割など、最近では同一労働同一賃金といったことを言い出してきていると。今さらという感もあるわけですけれども、こういったような事柄、またいろいろと改善はしていると言いながらも、結果的に生活保護世帯は163万人と過去最高を更新しているという実態にもあるわけです。大きく分けまして三つのことが指摘できるわけですけれども、まず一つに、出生率低下といったことについては、いろいろ国では言っておりますが、やはり非正規労働者の割合が40%になったことが大きく作用しているし、賃金なども非常に下がっているということが言われているわけです。例えば保育士の部分で言いますと、10万円前後の賃金で、一般のサラリーマンよりも重労働でさらに低いというような実態にありますし、結婚もできない、子供も産めないという訴えが実態ではないかと思います。二つ目に、障がい者福祉の関係で、非常に貧困状態にあると。障害者自立支援法が当事者の考えや意見を聞かないで進めたというような法律で、結局、その後すぐに改正になったわけであります。いずれにいたしましても、国際人権規約に基づく障害者権利条約といったものがしっかりと批准されているわけですから、「仏をつくって魂を入れない」と、ここでもそういう状態にあるのではないかということが指摘されます。三つ目に、介護離職を出さないといった高齢者福祉の関係でも、賃金が非常に安いという実態等があります。例えば、札幌でのことですが、妻が病気がちになり、仕事も当然休みがちになったと。そのうちに首になったということがあります。実は、これは介護殺人の供述調書の中身ですけれども、このような事例が全国に蔓延しているといったことを認めていくべきではないかと考えています。深川市においても、既に格差という部分では、高齢者のみならず、全ての年齢が最低限の生活すらも保障されない状態にあり、電気、水道をとめられた中年男性がろうそくで明かりをとっていた生活の中で、消防からの発表では原因不明とされていますけれども、出火し、焼け死ぬという事象が昨年夏、市内で発生しております。過去にも、空腹や病気がちで家にいて餓死をしたというようなことが、複数私の近辺でも報告されております。三つのことについてお伺いいたします。一つ、年金給付水準は徐々に引き下げられ、近い将来42%に下がることが公然と言われ、国民の窮乏化がますます進行し、さらに社会福祉セーフティーネットの後退は、福祉予算減額、制度悪化を進めた国策の欠陥、誤りにある。誰しもが健康で文化的な生活を送るべく、福祉の受け皿からこぼれ落ちない社会の構築が求められる。国の地方創生総合戦略の間で二律背反が明確になっている。市民に直接福祉サービスを提供する深川市の思いを伺う。二つ、障害者権利条約が批准されても、障がい者は多くのところで差別と貧困にある。障がい者も健常者も同じ、ノーマライゼーション、ユニバーサルデザインの社会構築について、深川市の考察を伺う。三つ、OECD34カ国で給付型奨学金制度を行っていない国は、日本を含め2カ国である。進学における格差について考察はいかがか。
答弁 副市長 坂本光央(副市長は2017年3月まで)
私からは格差社会に係る3点の質問のうち、1点目と2点目についてお答え申し上げます。初めに、1点目の市民に直接福祉サービスを提供する本市の思いということについてでございます。本市の社会保障、いわゆるセーフティーネットは、生活保護法、児童福祉法、身体障害者福祉法といったように福祉サービスの具体的な仕組みや内容は各法律によって規定されておりまして、各制度はこの間、その充実が図られてきているところでございます。さらに、本年度からは生活困窮者自立支援制度が始まりまして、さまざまな福祉制度とともに貧困世帯の発生の対策としても一定の効果が得られるよう努めてきているところでございます。加えて、近年は国のまち・ひと・しごと創生総合戦略による地方創生関連予算を活用しまして、地域の実情に応じた対策が講じられてきておりますので、人々の生活の安定につながっているものと考えています。こうした取り組みの背景でございますけれども、少子高齢化の急速な進行、また社会経済状況の変化などから、人々が有する福祉課題やニーズが多様化しているということ。各制度の枠組みにとどまらず、より総合的な支援体制の構築が求められているものということで受けとめているところでございます。このような中でございますが、貧困世帯の発生についての思いに限定したものではありませんけれども、本市の福祉施策についての基本的な考え方ということで申し上げますと、平成24年に策定いたしました第五次深川市総合計画、これはふかがわ未来創造プランでございますけれども、これにおける基本的なまちづくりの1番目の福祉・健康・医療に関する分野の冒頭で明らかにさせていただいておりますように、市民全てがライフステージに応じて健康で安心した生活を送ることができるよう、特に若い世代が子供を産み育てやすい環境づくりを進めるとともに、高齢者が生き生きと暮らしていける環境づくりのため、行政と地域が一体となり、福祉と健康のまちづくりを進めることが肝要と考えているところでございます。なお、年金制度について質問で触れられておりますので、申し上げますと、公的年金制度は、国全体の連携による世代間の扶養の仕組みであるということでございますので、少子高齢化や経済状況などの影響を大きく受けるということでもございます。公的年度制度が終身にわたる確実な所得保障を行い、国民の老後等の生活設計の柱としての役割を果たしていくためには、長期的に持続可能な制度であるということが必要であると考えているところでございます。次に、2点目の障がい者も健常者も同じ、ノーマライゼーション、ユニバーサルデザインの社会構築に向けた考察ということについてでございますが、本市の障がい者福祉につきましては、平成25年度に策定いたしました26年度から35年度までの10カ年を計画期間とする第3次深川市障がい者計画に基づきまして、各種施策に取り組んでいるところでございます。障がい者計画の策定に当たりましては、障がいの当事者やその家族並びに市民にアンケート調査を行うとともに、障がい関係機関・団体との懇談会を開催するなどいたしまして、障害者年金収入のみの方が多く、生活費で悩んでいることや、障がいのある家族を持つ高齢の親御さんからは、その家族の行く末が心配で不安であるということなど、さまざまなご意見をお聞きし、障がい者が地域で自立して生活するための相談や住居の問題、就労や社会参加の問題、市民理解やバリアフリーのまちづくりの問題など、障がい者の福祉課題を把握し、認識しているところであります。本市といたしましては、これら課題解決のため障がい者計画の目標を「ともに学び ともに働き ともに暮らす 共生社会の実現」とするとともに、地域で生活できる環境づくり、自立と社会参加の促進、バリアフリーの促進の三つの基本的な方向を定め、生活支援や就労支援、権利擁護・理解の促進などの具体的な施策を関係機関・団体と連携し、着実に前進させることに努めてまいりたいと考えているところでございます。
答弁 教育部長 大西徳治(教育部長は2017年3月まで)
私からは3点目の進学における格差についての考察についてお答えいたします。保護者の所得と子供の受ける教育や進学率との関連につきましては、少し古い資料ではありますが、「平成21年度文部科学白書」における「経済的状況と学力の格差への影響」によりますと、各種統計から見て、所得格差は緩やかに増大している傾向にあり、就学援助を受けている生徒が多いほど、学力調査において平均正答率が低い傾向、そして両親の収入が高いほど4年制大学への進学率が高くなると分析されております。質問にありますように、日本におきましては、公的奨学金制度について、大学進学に対する給付型奨学金はございませんが、国際的に見ると、先進諸国ではほとんどの国で給付型の奨学金制度が設けられております。国は、国際人権規約の社会権規約13条に定める無償教育の導入を留保しておりましたが、平成24年9月にこれを撤回したことにより、以降、高校や大学におきましても、無償教育のための取り組みを行うこととなりました。このことに伴い、平成25年9月、深川市議会におきましては、高校生、大学生に対する給付制奨学金制度をつくることなどについて、国に対し要請する意見書を提出されております。国におきましては、平成26年度から高校生がいる低所得世帯を対象とした奨学給付金制度を新たに創設し、都道府県を窓口に運用を行っているところであります。文部科学省におきましては、教育費の保護者負担が大きい状況から、平成25年4月、大学生に対する経済的支援の方向性について検討を行う有識者会議が設置され、26年8月に「将来的には給付型奨学金の創設に向けての検討も進めていくべきである」との方向性が示されております。今後、国に対しましては、経済的な格差が進学の格差につながることのないよう、教育の無償化に向けた具体的な施策のさらなる検討・拡充に期待するところであり、その動きについて注視してまいりたいと考えるところであります。