江別市議会 令和4年第4回定例会 2022年12月8日
陶芸の里構想について
2022年12月8日、江別市議会の一般質問で、諏訪部容子議員が「陶芸の里構想について」質問し、市長 三好昇、教育部長 伊藤忠信が答弁しました。
- 質問者
- 諏訪部容子 議員
- 答弁者
- 市長 三好昇、教育部長 伊藤忠信
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は会議録の目次の表記です。
質問 諏訪部容子
それでは通告に従い質問いたします。江別市陶芸の里条例は平成6年に施行され、その第1条には江別市において歴史と伝統を有するれんが産業及び陶芸文化の一層の振興並びにそれらにおける新たな分野への創造を図り、もって経済の活性化及び生活文化の向上に寄与するため、江別市陶芸の里を設置するとあり、第2条に陶芸の里内に設置する施設としてセラミックアートセンターが定義されています。以下、第3条にはセラミックアートセンターの事業、第4条に開館時間と休館日、第5条から第16条までセラミックアートセンターの使用に関して詳細に規定されています。 江別市陶芸の里条例にある、江別市陶芸の里とはどのようなものだったのでしょうか。江別市のホームページで江別市陶芸の里について調べてみましたが、詳細は分かりませんでした。さらに調べてみますと、市内の団体のホームページにえべつ昭和史を引用した記事を見つけました。少し長くなりますが、陶芸の里構想について全く御存じない方も多いかと思いますので、引用させていただきます。江別にて陶芸の里構想という言葉が最初に持ち上がったのは、昭和57年3月の商業近代化地域計画報告書でした。江別陶芸の里構想は、野幌の地に陶芸家を中心とした芸術家の村的なものを造成し、野幌地区のイメージアップを図るというものでした。これを発展させた形で、新総計・基本計画(芸術・文化の振興)に装いを新たに同構想が登場したのです。装いを新たにというのは、芸術家の村的なものにとどまらず、地場産業の振興という視点が導入されたことを意味します。具体的な姿として明らかにされたのは、野幌窯業100年の平成2年のことです。場所は、RTNゾーン内の道道江別恵庭線沿いの千古園の向かい側、15.84ヘクタールです。用地中央を筋違川が走り、背後には野幌総合運動公園、さらには野幌森林公園がある環境抜群な所です。ここに、展示、創作、研修、宿泊、公園などの機能を有する施設を配置し、江別の伝統的な産業と文化を結びつけるニューカルチャー創造の震源地にしようというものでした。その後、議会における論議を深めながら同構想に対する期待が高まり、平成3年5月、基本構想が固まったのです。陶芸の里を、江別のイメージをつくり、豊かさを実現し、そして新たな可能性を開く戦略的なプロジェクトと位置づけ、その開発のポイントとして、次の3つを挙げました。(1)産業支援空間としての陶芸の里、(2)生活文化創造空間としての陶芸の里、(3)新たな余暇空間としての陶芸の里、なお、付言をすると、(1)については、RTNの推進を念頭に、セラミックス産業の可能性開発の場であり、(2)は、窯業の歴史を踏まえた新しい北の生活文化創造の場であり、(3)は、豊かな自然環境を生かした札幌圏における広域的な余暇空間の場を提供しようというものでした。最後に注釈として、江別市総務部えべつ昭和史651ページとあります。以上長々と引用させていただきましたが、要約すると、陶芸の里を、江別のイメージをつくり、豊かさを実現し、そして新たな可能性を開く戦略的なプロジェクトと位置づけ、野幌の地に陶芸家を中心とした芸術家の村的なものを造成し、野幌地区のイメージアップを図るという構想であったと理解できます。その後、平成17年第2回定例会において、赤坂元議員が江別市陶芸の里条例については、イコール、セラミックアートセンターであり、セラミックアートセンター設置条例とすべきではないか。また、江別市陶芸の里条例制定後10年を経過しており、陶芸の里の整備は厳しいのではないかという趣旨の一般質問をされました。その質問に対して当時の助役は、陶芸の里の整備を完全に中止したということではなく、現時点においては、陶芸の里に新たな部分を付加することは凍結しているという状況と答弁されております。また条例に関しても、あえて江別市陶芸の里条例をセラミックアートセンター設置条例のように条例を改正するという考えは特に取っておりませんとのことでした。その江別市陶芸の里条例が制定されてから、かれこれ30年が経過しようとしています。しかしながら、陶芸の里に新たな部分を付加することについては、私が知る限りでは、ここ十数年、議会でも俎上にのせられたことが全くありませんでした。えべつやきもの市は、陶芸のまち江別を象徴するイベントと言っても過言ではないと思いますし、市内で開催されるイベントの中でも特に市内外から多くの来場者が訪れるイベントです。しかしながら、えべつやきもの市は、セラミックアートセンターを中心に行われていません。そしてそのため、えべつやきもの市の期間中でもセラミックアートセンターを訪れる人はさほど多くないとのことです。様々な事情があることは理解しますが、少し残念な気もします。さて、そのセラミックアートセンターですが、事務事業評価表によりますとその維持管理に毎年5,000万円弱の総事業費がかかっています。さらに別途企画展開催事業、これは企画の内容によって費用の大小がありますが、人件費も含めた総事業費は令和元年度で2,000万円弱、新型コロナウイルス感染症の影響を受け事業を縮小したと推測される令和2年度、令和3年度でも1,000万円余り、事業費のみでも数百万円かかっています。つまりは、その維持管理にかなりの費用がかかっているという印象です。一方、その企画展などで得られるセラミックアートセンターの使用料、つまり、セラミックアートセンターの収入はどのようになっているのでしょうか。江別市のホームページには、平成29年度から令和3年度までの決算説明書が掲載されておりますので、それを調べてみますと、セラミックアートセンターの使用料収入は毎年200万円前後です。たしか平成18年6月10日から平成18年7月30日までに開催された華麗なるマイセン磁器―シノワズリー、ロココからアール・ヌーヴォーまでが最も入場者数が多い催しであった記憶しているのですが、そのときの使用料収入でも1,000万円には届かない、つまりは、企画展開催事業の費用すら賄えないということです。またホームページには、平成6年の江別市セラミックアートセンター展示案内から今まで開催された展示会の図録が掲載、販売されています。直近の令和3年7月3日から令和3年8月29日までに開催された市立函館博物館所蔵花光コレクション展まで45冊の図録が販売されています。図録を見ますと、どの展示会もなかなか魅力的な展示会に映るのですが、残念ながら多くの方に御来場いただけなかったようで、一冊を除いて全ての図録が売れ残っています。魅力的な展示会を開催しないと、お客さんに来てもらうことは難しいでしょうし、大々的に広報しなくては、市内外の方に広く知っていただくのは難しいでしょう。魅力的な展示会を開催するためや、大々的に広報するためには一定程度の費用がかかるであろうことは想像に難くないところです。リタイア後の趣味として、陶芸は人気が高いという調査結果を見たことがあるのですが、熱烈な陶芸ファンは意外に少ないのかもしれません。セラミックアートセンターという名前や何より江別市陶芸の里条例に縛られ、陶芸に関係する展示会にこだわっていることも一因のように感じます。もちろん、文化芸術をコストのみで評価しようとは思っていません。規模も性質も全く違うので単純に比較するのは難しいと思いますが、札幌芸術の森もホームページからその決算状況を確認いたしますと、自主事業収入よりもはるかに多い市からの指定管理料で成り立っているようです。そのように施設の性質上、入場料などの事業収入で施設を維持するのはかなり難しいと言えるでしょう。セラミックアートセンターでも財政が厳しい中で様々に工夫して企画展開催事業を行っていることは理解いたしますが、より多くの方に利用していただく、また少しでも多くの事業収入を得るためには、現状のれんが産業及び陶芸文化の一層の振興のための施設という位置づけは、言わば足かせのようになっていると思えてなりません。もちろん、平成23年度に改修した後に様々な展示が行えるように工夫していることは理解しておりますし、先ほど紹介した図録の中には、幾つか陶芸とは違った分野の図録もありますが、やはり陶芸が主となっています。もちろん陶芸が主であることに異議を唱えるものではありませんが、もう少し幅広く展示会を開催できないものかと思います。例えば、ホームページなどで江別市出身や、ゆかりがある有名人などを少し調べただけでも、たくさんの方の名前がヒットします。その中には画家、写真家、版画家をはじめとして多くの芸術家の方がいらっしゃいます。それらの方々のお名前を拝見していますと、多様な展示会が開催できるのではと思えてなりません。定例会初日に報告いたしましたが、10月に訪れた三重県桑名市では公共施設の指定管理者制度の抜本的な見直しをしているそうです。その際、条例について質問させていただきましたが、民間からの事業提案を採用するに当たって、提案と設置条例に著しいそごが生じる場合には、設置条例を改正するとのことでした。今年3月に江別市公共施設等総合管理計画が改定されましたが、それを見ても老朽化している施設の更新や大規模改修が必要となり、令和15年度までの期間に要する費用は直近5年間を上回る経費が必要とされています。すなわち財政が厳しい江別市としては、少しでも収入を得る努力を今以上にすべきと考えます。以上述べて質問させていただきます。項目1、陶芸の里構想の今後について。平成17年第2回定例会の一般質問に対して陶芸の里の整備を完全に中止したということではなく、現時点においては、陶芸の里に新たな部分を付加することは凍結しているという状況と答弁されていますが、現在の状況及び今後についてはどのようにお考えかお聞きします。項目2、江別市陶芸の里条例について。江別市陶芸の里条例の第1条に江別市において歴史と伝統を有するれんが産業及び陶芸文化の一層の振興並びにそれらにおける新たな分野への創造を図り、もって経済の活性化及び生活文化の向上に寄与するためと規定されているため、例えば市にゆかりのある陶芸以外の芸術家の作品の収集や展示の幅を広げることが難しくなっているように思えます。現在でも市民の積極的な利用を促すため、市民が主体となった場合には陶芸とは異なった展示を実施しているのは理解しますが、条例が重くのしかかっているように感じます。名称もセラミック&アートセンターでもよいと思うのですが、より幅広い作品を収集したり展示したりできるよう、例えば赤坂元議員が指摘したように、セラミックアートセンター設置条例など、条例名やその設置目的を改正してはいかがかと思いますが見解を伺います。項目3、セラミックアートセンターの活用について。以前より、多様な展示会や市民ギャラリーとして使われるよう努力してきたことは理解しますが、枕言葉のように財政が厳しいと語られる江別市の状況に鑑み、経済の活性化及び生活文化の向上に寄与するを限りなく拡大解釈し、もっと様々な展示会やイベントを開催できないのか、もっと多様な活用方法を検討すべきではないか、お聞きします。以上、1回目の質問と致します。
答弁 市長 三好昇(市長は2023年3月まで)
諏訪部議員の一般質問にお答え申し上げます。陶芸の里構想に関しまして、陶芸の里構想の今後の在り方についてでありますが、陶芸の里構想は、江別市において歴史と伝統を有するれんが産業及び陶芸文化の一層の振興並びにそれらにおける新たな分野への創造を図り、もって経済の活性化及び生活文化の向上に寄与するため、平成4年から平成13年までの10年間を計画期間とし策定したものでございます。しかしながら、その後の社会情勢の変化や厳しい財政状況、また、核施設としての道立工業試験場の誘致が困難になったことから、平成15年11月の第5次総合計画特別委員会の中で、構想については断念し、土地の戦略的活用は行政主体ではなく、民間による整備開発を念頭に置いていくとしております。また、江別のアイデンティティーであります、れんがと陶芸という文化政策としての視点を持ち、自主的市民文化、芸術活動の育成支援、れんがの保存活用といった施策の中で、事業を進めるとの考えも示しております。現在、同構想により設置をされましたセラミックアートセンターは、窯業・陶芸に限ることなく、企画展示室やロビーでの多目的な活用を図りながら、幅広く芸術・文化活動の場として、市内外の皆様に利用いただいているところであります。セラミックアートセンターにつきましては、その周辺の恵まれた環境を生かしながら、引き続きより多くの方々に利用いただけるようにするとともに、陶芸の里構想につきましては、総合計画における議論経過も踏まえまして、検討してまいりたいと考えております。次に、江別市陶芸の里条例の見直しについてでありますが、平成5年に制定されました同条例の中に、セラミックアートセンターの設置が規定されております。これまで、セラミックアートセンターは、江別市陶芸の里条例に規定された、市民の文化活動としての陶芸の普及振興に関する事業や、セラミックス、陶芸作品等の資料の収集、展示及び調査に関する事業、そのほかセラミックスに関わる普及振興に関する事業などを実施してまいりました。現在は、焼き物文化の振興と創造を中心に据えながら、市民の芸術文化活動、生涯学習の場として幅広く活用いただいているところでございます。議員御指摘の、条例の取扱いにつきましては、施設の利用実態を考慮しながら、検討してまいりたいと考えております。私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、教育部長からお答え申し上げます。
答弁 教育部長 伊藤忠信(教育部長は2024年3月まで)
私から、陶芸の里構想についての御質問のうち、セラミックアートセンターの活用について御答弁申し上げます。セラミックアートセンターは、平成6年の開館以来、江別市陶芸の里条例に基づき、焼き物文化の振興と創造を図り、生活文化の向上に寄与するため、北海道内外の芸術作品を紹介する展示会や、陶芸体験会、陶芸教室を開催し、市民の芸術文化活動の支援に努めてきております。平成23年度には、市内の文化団体等から、幅広い芸術作品が展示できる、市民ギャラリー機能の充実が求められ、企画展示室の改修を実施し、市内絵画サークルの展覧会や市内の大学、団体等との協働による児童生徒の作品発表会、表彰式のほか、当市にゆかりのある芸術家の個展を開催するなど、市民の生涯学習活動の場としての役割も果たしてきております。こうした利活用の幅をさらに広げるため、ロビーにおいては、市内外の音楽家による各種コンサートが開催されているほか、ラグビーワールドカップオーストラリア代表チームのウエルカムセレモニー会場としても利用されております。また、駐車場や中庭においても、まちかどコンサートや、星空観察会などが開催されるなど、施設の恵まれた環境を生かし、多様な場面での活用が図られてきております。さらに、来年度、隣接する北海道立野幌総合運動公園で開催される全国高等学校総合体育大会では、全国から多くの選手や関係者、観客の来場が予想されることから、競技のパブリックビューイング会場など、セラミックアートセンターの活用について、実行委員会、競技団体等の関係機関と検討を進めているところであります。いずれに致しましても、教育委員会と致しましては、市内外からより多くの方々にセラミックアートセンターを訪れていただけるよう、引き続き、陶芸のみならず、様々な分野のイベントや事業を行い、魅力ある施設運営に努めてまいりたいと考えております。以上であります。