江別市議会 令和3年第2回定例会 2021年6月24日
デジタルミニマムの視点に基づいた情報格差の解消について
2021年6月24日、江別市議会の一般質問で、奥野妙子議員が「デジタルミニマムの視点に基づいた情報格差の解消について」質問し、市長 三好昇、総務部長 萬直樹が答弁しました。
- 質問者
- 奥野妙子 議員
- 答弁者
- 市長 三好昇、総務部長 萬直樹
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は会議録の目次の表記です。
質問 奥野妙子
ただいま議長より発言の許可を頂きましたので、通告に従いまして順次質問させていただきます。デジタルミニマムの視点に基づいた情報格差の解消について、お伺いいたします。政府は、社会のデジタル化を進める施策として、9月1日に発足するデジタル庁の創設や自治体の基本システムの統一・標準化、マイナンバーカードの普及などに積極的に取り組んでいます。5月12日にデジタル改革関連6法が成立し、日本社会は、デジタル基盤の早期再構築に向けた新しい局面を迎えつつあります。こうした動きに関連し、高齢者、障がい者、外国人、生活困窮者、中小企業・小規模事業者等が取り残されることのないよう配慮が必要であります。総務省の調査によりますと、13歳から59歳までは、100%近くがインターネットを利用していますが、60歳代は90%、70歳代は74%、80歳以上は57%と高齢者ほど割合が低く、年齢層が上がるにつれて利用率は減少しています。社会のデジタル化を進める上で、高齢者をはじめ、デジタル機器に不慣れな人に対する手だてが欠かせません。今後は行政だけでなく、医療や教育などあらゆる分野でデジタル化が進むと予想され、デジタル機器やサービスをうまく活用できないと、日常生活で不便を被りかねません。デジタルディバイド、情報格差が経済的な格差につながり、ひいては社会の分断を招くおそれもあると言われております。社会のデジタル化を進めるために必要な視点については、誰もが取り残されないようにすることであり、全ての人が最低限必要な技術を使えるように保障するデジタルミニマムの理念が重要であります。デジタルミニマムについて、政府のICT地域コミュニティ創造部会部会長を務めた中央大学の安念潤司教授が語られていた内容を御紹介します。社会に貢献したくてもできない人の社会参加のために、デジタルミニマムの理念がある。デジタルミニマム社会は、ローテクとしてのICT化とも言える。難しい技術も単純な操作で使えるようにしていく。弱い立場の人に徹底して合わせていく考えだとありました。また、難しいデジタル用語を羅列しては駄目で、分かりやすい言葉を使って理解してもらうことが大切。障がい者や高齢者など弱い立場の人の目線に合わせた発想を大事にし、例えば、サインインと言われても分からない人は多く、官民挙げて、こうした点もとことん見直してほしいと提案もされていました。身近なところで楽しくICTに触れることができる環境づくりを検討し、楽しむための工夫を凝らし、生活の中にデジタルが自然に入っていくような形が望ましい。特別な知識や経験がなくても、ごく自然に生活の一部としてICTに皮膚感覚でなじんでいけるようにすることを目指したいとも語られておりました。以上を述べまして、1点目に、市内のデジタルディバイド、情報格差の解消についてお伺いいたします。デジタルディバイド、情報格差とは、インターネットやパソコン等の情報通信技術を利用できる者と利用できない者との間に生ずる格差、一般に、情報通信技術、特にインターネットの恩恵を受けることのできる人とできない人との間に生ずる格差とあります。表記もデバイドやディバイドとありますが、ここでは分かりやすく情報格差と表現を統一させていただきます。この情報格差については、当市でも最近発生した事例があります。4月26日の65歳以上への新型コロナワクチン接種の予約受付が、まさにこの情報格差の表れではないでしょうか。予約の約9割がインターネット上で行われ、電話は約6.5%でした。デジタル機器の操作ができず、インターネット予約ができない高齢者が不便を被り、市民の苦情が相次ぎました。市はこの結果を受け、6月7日の受付から予約方法の一部を変更し、体制を整えましたが、今後もこのような事態を招かないためにも、ワクチン接種予約に限らず、市の様々な手続等において、情報格差の解消に向け、具体的かつ持続的な施策に打って出るべきと考えます。社会のデジタル化が進む中、誰もが取り残されないようにするデジタルミニマムの視点に立った情報格差の解消について、市の見解をお伺いいたします。2点目に、デジタル活用支援推進事業の取組についてお伺いいたします。さきにも述べましたが、一人一人が最低限度の情報通信技術、ICTを活用できる環境を保障するデジタルミニマムという考え方を基に、具体的な取組が重要になります。国は、令和2年度から、高齢者らを対象にスマートフォンの講習会などを行う実証事業を全国11地域で実施し、令和3年2月に行われた成果発表を踏まえ、令和3年度以降のデジタル活用支援の全体像を示しております。また、総務省は、5月に無料講習会の実施も発表しました。スマートフォンの販売店などを中心に全国1,800か所で、スマートフォンによるメールやLINEなどの基本的操作をはじめ、行政手続の入力方法などを教える講習会を6月から開催するとしています。さらに、2022年から毎年約5,000か所で講習会を開き、2025年度までに延べ1,000万人の参加を目指す方針です。無料講習会は、デジタル活用支援推進事業の国直轄補助事業として実施されますが、あわせて、地方公共団体、各市町村による地域住民に対するきめ細やかな取組も必要であり、国と地方が連携し、全国におけるデジタル活用支援の展開を図るとされております。地域におけるデジタル活用支援の取組例として、公民館等で地域おこし協力隊などを講師とした出張講座の開催や相談対応の実施などのアウトリーチ型支援や、地域の担い手などのスタッフによるサポートを受けられる場づくり、例えば、会場は地域の拠点施設や飲食店等、スタッフとして学生や住民からボランティアを募集し、デジタル触れ合いカフェのような名称で開催することが挙げられております。北海道内の事例としては、留萌市が高齢者を対象にスマートフォンの使い方相談会を開催しています。これは市内飲食店などへの電子決済サービスを推進している経緯もあり、昨年12月から始めております。スマートフォン操作に不慣れな人向けの個別相談会で、事前に申し込めば何度でも利用でき、1日10人以上の利用があり好評とのことです。講師として地域おこし協力隊の方が分かりやすく解説しているそうです。実際に教えている中で、スマートフォンを持ったものの十分に使いこなせていない人が一定数いることを痛感したとも言われています。このような事例も参考に、デジタル活用支援推進事業として、地域におけるデジタル活用支援の具体的な取組を進めるべきと考えますが、市の取組の現状と今後の見解をお伺いいたします。3点目に、情報格差解消のために市の情報発信を拡充することについてお伺いいたします。現在、当市はホームページや広報えべつをはじめ、幾つかのSNSなどを活用し情報発信をしていますが、誰もが情報を入手しやすいよう、利用率が高いLINEやインターネット環境がない方への地デジ広報サービスなどあらゆる手段を活用し、市民へのさらなる情報発信に努めるべきと考えます。LINEは、昨年10月時点で、全国に約8,600万人というSNSの中でも断トツの利用者がおり、老若男女を問わず、世代を超えて利用されています。セキュリティー面で利用には慎重なところもありますが、市民の個人情報を取り扱わない、広報業務としての利用は許容範囲と国からもガイドラインが示されています。前回、道路・公園インフラ通報システムの質問でも活用を提案いたしましたが、全世代で利用率が高いLINEの活用は市民の目に留まることが多く、素速く重要な情報を受け取っていただけます。また、インターネット環境などがなく、ホームページやSNSの利用が難しい方や高齢者向けとして、テレビのデータ放送もぜひ、活用してはいかがでしょうか。ホームページなどの閲覧が難しい高齢者向けとしては、紙媒体の広報えべつや自治会回覧が情報源として外せませんが、緊急の情報などはリアルタイムで受け取れません。インターネット環境がない市民に向けて、今般のコロナ禍や災害時などに迅速な情報提供を図る上で、世帯普及率が9割を占めるテレビのデータ放送の活用は大変有効であると考えます。地デジ広報サービスとして、石狩管内では札幌市、千歳市、恵庭市が利用をしています。様々な生活情報をお伝えできることに加え、今で言えば、日々情報が更新される新型コロナワクチン接種のお知らせや、災害情報など多岐に利用でき、何より情報格差の解消にもつながります。市として情報格差の解消を目指し、早急にLINEや地デジ広報サービスの実施が必要と考えますが、市の情報発信を拡充することについて見解をお伺いいたします。以上で、1回目の質問を終了いたします。
答弁 市長 三好昇(市長は2023年3月まで)
奥野議員の一般質問にお答え申し上げます。デジタルミニマムの視点に基づいた情報格差の解消に関しまして、まず、市内の情報格差の解消についてでございますが、さきの通常国会におきまして、デジタル社会の形成に向けたデジタル改革関連6法が成立したところでございます。このデジタル改革関連6法は、デジタル社会形成基本法やデジタル庁設置法などから成りまして、住民の利便性を向上させ、行政における業務の効率化を図り、人的資源を行政サービスのさらなる向上につなげることで、ゆとりと豊かさを実感できる国民生活、国民が安全で安心して暮らせる社会の形成を図ることなどを目的としております。また、社会全体のデジタル化を進めていく上で、デジタルディバイド、いわゆる情報格差の解消は、大きな課題とされておりまして、総務省が作成しました自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画におきましても、デジタル化の推進と合わせまして、それを使いこなせる人と、使いこなせない人の格差を解消することに取り組むべきことが示されております。さらに、情報格差は、デジタルに触れる環境や機会の少ない高齢者ほど顕著に見られることから、重点的に取り組むべきとされているところでございます。御質問の情報格差の解消についての市の見解でございますが、デジタル化を進める上で、全ての人が最低限必要な技術を使えるように保証するデジタルミニマムの視点に立つことは、重要なことと考えておりまして、デジタル化の推進と情報格差の解消をセットとして捉えまして、デジタル活用が不慣れな市民を含め、誰もが使え、誰もがデジタル化の恩恵を享受できる社会となることが望ましいものと認識しております。誰一人取り残さない、人に優しいデジタルを目指しながら、今後の国の施策展開に係る具体的な動向や他市の取組などにつきまして、情報収集に努め、市として必要な取組を積極的に検討してまいりたいと考えております。次に、情報格差解消のために市の情報発信を拡充することについてでございますが、市の情報発信の手法は、市民にとって、利便性や利用度が高く、安全・安心であることが重要との考え方の下、広報誌とホームページを中心に、江別記者クラブへの情報提供などを通じまして、市政情報の市民周知に努めているところでございます。また、近年では、SNSの活用も進みまして、フェイスブックやツイッターなども導入し、重層的な情報発信を行っているところでございます。御質問にありましたLINEにつきましては、利用者が多いことや自治体向けのサービスが提供されていること、地デジ広報サービスにつきましては、インターネットを利用できない環境下にある高齢者でも活用の可能性があることなどの利点が考えられ、いずれも多くの自治体が活用に進んでいることは承知をしているところでございます。市と致しましては、市民にとって利便性の高い手法の一つと言われておりますLINEや地デジ広報サービスなど、新しい情報発信手法の導入につきましても、他市の事例を参考にしながら、検討を進めてまいりたいと考えております。私からの答弁は以上でございますが、ほかの質問につきましては、総務部長からお答え申し上げます。
答弁 総務部長 萬直樹(総務部長は2024年3月まで)
私からは、デジタル活用支援推進事業の取組について御答弁申し上げます。デジタル活用支援推進事業は、社会のデジタル化が急速に進む中で、助けを必要とする人に十分な支援が行き渡るようにするための国の直轄補助事業であります。携帯電話ショップなどにおいては、既にスマートフォン教室などが実施されており、さらに支援を広げるため、この直轄補助事業を活用し、主に高齢者のデジタル活用を支援する講習会を6月以降に開催する予定とされております。また、地元のICT企業やシルバー人材センターなどが、地方公共団体と連携した取組では、福島県会津若松市や福井県福井市などの事例が示されているところであります。現在のところ、市として国の補助事業を活用したデジタル活用支援事業は実施しておりませんが、パソコンなどのデジタル機器に不慣れな方々への対応については、大麻銀座商店街にある創業支援施設、スナバコエベツが実施している講習会への補助金支援、江別まちなか仕事プラザや江別市情報図書館で実施しているパソコン講習などの取組を実施してきております。また、最近では、新型コロナワクチン接種のお手伝い窓口を設置するなど、個別の課題については、スピード感を持って対応を図ってきたところであります。いずれに致しましても、市と致しましては、全ての人が最低限必要な技術を使えるように保証するデジタルミニマムの理念に沿った対応は重要であると考えておりますことから、他市におけるデジタル活用支援事業を活用した取組の情報収集に努め、必要な取組について検討してまいりたいと考えております。以上であります。