江別市議会 平成26年第3回定例会 2014年9月11日
(1)江別市における成年後見制度について/(2)権利擁護支援センターの設置について
2014年9月11日、江別市議会の一般質問で、石田武史議員が「江別市における成年後見制度について」「権利擁護支援センターの設置について」について質問し、市長 三好昇、健康福祉部長 真屋淳子が答弁しました。
- 質問者
- 石田武史 議員
- 答弁者
- 市長 三好昇、健康福祉部長 真屋淳子
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
会議録の目次ではこの議員の件名が 2 件あります。1回の登壇で続けて質問しており、議事録の中に件名ごとの区切りが無いため、1件の中に並べています。件名は会議録の目次の表記です。
質問 石田武史
ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、順次質問をしたいと思います。まず、成年後見制度についてでございます。成年後見制度については、過去に当議会でも何度も質問がなされておりますが、再度質問させていただきます。この制度は認知症、知的障がい、精神障がいなどによって物事を判断する能力が十分ではない方について、本人の権利を守る成年後見人などと呼ばれる援助者を選ぶことで、本人を法律的に支援する制度です。将来、判断能力が不十分となった場合に備えて、あらかじめ契約により後見人を決めておく任意後見制度や、判断能力が不十分になってから、家庭裁判所によって、後見人などが選ばれる法定後見制度があります。この法定後見制度を利用するためには家庭裁判所に審判の申し立てをしなければなりません。この申し立ては本人、配偶者、4親等内の親族などに限られるほか、市区町村長が申し立てることもできます。また、平成24年4月1日の老人福祉法、平成25年4月1日の知的障害者福祉法などの改正によって、市町村は後見、保佐及び補助の業務を適正に行うことができる人材の育成及び活用を図るために必要な措置を講ずるよう努めるものとすることとして、いわゆる市民後見人の養成などを行うよう努力することと定められました。この目的は、認知症高齢者やひとり暮らし高齢者の増加に伴い、成年後見制度の必要性は一層高まってきており、その需要はさらに増大することが見込まれる。また今後、成年後見制度において、後見人等が高齢者の介護サービスの利用契約等を中心に後見等の業務を行うことが多く想定される。したがって、こうした成年後見制度の諸課題に対応するためには、弁護士などの専門職後見人がその役割を担うだけでなく、専門職後見人以外の市民後見人を中心とした支援体制を構築する必要がある。このため、認知症の人の福祉を増進する観点から市民後見推進事業は、市町村において市民後見人を確保できる体制を整備・強化し、地域における市民後見人の活動を推進する事業であって、全国的な波及効果が見込まれる取り組みを支援するものであるとされております。過去に当議会での一般質問で、市長は、北海道が今後実施いたします市町村職員向けの研修等がございますので、その研修に参加し、モデル事業として実施されております先進市の取り組み状況などを参考にしまして、想定されるさまざまな課題を含め、制度の内容や養成研修の内容などについて鋭意努力して検討してまいりたいと考えておりますと答弁されておりますが、北海道では、平成24年から平成26年までの間、市民後見人養成等推進事業を実施し、市民後見人の育成に努力しているとのことです。そして、それに応えて近隣の市町村では、平成25年に北広島市、平成26年に千歳市、恵庭市、石狩市、当別町、さらに、札幌市も独自に開催の予定と伺っております。市長は高齢者の増加や後見人の必要性を認識されている上、北海道が今後実施する研修に参加すると答弁されておりますが、この推進事業は平成26年で終了してしまいます。現状では、既にこの事業に乗ることは不可能の感があり、道の担当者からも、他の市町村からは具体的なスケジュールが上がっているのに、江別市からは上がっていないのですとの声も聞こえております。実際に実施自治体を見ても、江別市は周りをすっぽり囲まれた状態になっているのではないでしょうか。そこで、1点目の質問をさせていただきます。現状のような市民後見人の育成事業について、市長はどのようにお考えかお聞かせください。次に、江別市では成年後見制度における市長申立てに関する要綱を制定、施行し、法律の規定により、市長が行う後見開始の審判等の申し立て手続に関し必要な事項を定めております。平成24年12月28日に改正されましたが、その第2条第2項第1号では、市長は2親等以内の親族の代表またはその全ての者が文書により後見開始等審判の申し立てを行わない旨の意思表示をしたとき、第2項第2号では、家族などから虐待を受けている事実が確認され、緊急に後見開始等審判の申し立ての手続が必要と認められるときと規定され、身寄りのない方などの権利擁護にとっては非常に重要な制度となっております。本人に申し立てをする判断能力がなかったり、親族が申し立てを行わない場合などに、この市長申し立てが利用されることになります。そして、第9条では、申し立ての費用負担についても規定があり、原則は各自が負担するけれども、市がその相当額を助成することができることとなっております。市長申し立ての事務は、1関係機関からの相談等により事態を把握、2申し立ての可否の判断、3本人・親族の戸籍請求をし、親族による申し立ての意思の確認、4申し立て書類の準備・作成、5裁判所への申し立て、6後見開始の審判となっており、通常最も時間がかかるとされているところは、3の本人・親族の戸籍請求をし、親族による申し立ての意思の確認であると言われています。厚生労働省老健局長の平成24年4月6日付地域支援事業実施要綱の通知にもあるように、権利擁護業務の実施に当たっては、成年後見制度の活用促進、特に、申し立てを行える親族がないと思われる場合や、親族があっても申し立てを行う意思がない場合で、成年後見の利用が必要と認める場合、速やかに市町村の担当部局に状況等を報告し、市町村申し立てにつなげるとされ、速やかな対応が求められています。また、先ほどの親族に対する意思の確認に際しては、送付する文書の中でも、回答の期限や期限までに回答がない場合は異議がないものとして市長申し立ての手続を進めることを注記して、速やかな手続対応を期待しているものです。ところで、市長申し立てについては、通常は長くても半年程度の期間で可能とされておりますが、江別市では相当の時間を要していると聞いております。2点目の質問ですが、現在、江別市における成年後見の市長申し立てについてはどのような状況にあるのかお聞かせください。最後に、権利擁護支援センターの設置についてお伺いいたします。当市は、高齢者が多く、そのような方たちが地域において尊厳のある生活を維持し、安心して生活をするために、民生委員や介護支援専門員などが日々努力されているところですが、それらの支援だけでは十分に問題が解決できない場合など、より専門的・継続的な視点から権利擁護のために必要な支援を行う必要があります。例えば、先にも述べた成年後見制度に関してみれば、制度の利用が必要と思われる高齢者の親族等に対して、制度の説明や申し立てに当たって関係機関を紹介したり、親族がいないと思われるようなときは、速やかに市町村の担当者にその高齢者の状況などを報告し、市長申し立てにつなげることや、また、老人福祉施設などへの措置の支援に関しては、虐待などのケースで高齢者を老人福祉施設などへ措置入所させることが必要と判断した場合には、市の担当者にその高齢者の状況等を報告し、措置入所の実施を求めたり、高齢者の虐待への対応に関しては、虐待の事例、例えば、身体的虐待、介護の放棄、心理的虐待、経済的虐待などを把握した場合には、高齢者虐待防止法などに基づき、速やかにその高齢者を訪問して状況を確認するなど、事案に即した適切な対応をとることが求められます。さらに、高齢者やその家族に重層的に課題が存在している場合や高齢者自身が支援を拒否している場合など、困難事例を把握した場合には、地域包括支援センターに設置されている専門職が相互に連携して対応を検討し必要な支援を行う必要があります。高齢者を消費者としての観点から見た場合には、訪問販売や、複雑化するオレオレ詐欺などによる消費者被害を未然に防止したり、被害の回復を図るために、消費者協会などと定期的な情報交換を行うとともに、他の関係者に必要な情報提供を行う必要もあります。他市では、これらの事業を一括して行うために、権利擁護センターを社会福祉協議会の中に設置して活動している事例もあります。今後想定されている生活困窮者などの支援も含めた総合的な権利を擁護する組織を今こそ立ち上げるべきと思いますが、市長のお考えをお伺いいたします。以上で、私の1回目の質問を終わります。
答弁 市長 三好昇(市長は2023年3月まで)
石田議員の一般質問にお答え申し上げます。私からは、権利擁護支援センターの設置についてお答えしたいと思います。権利擁護支援センターにつきましては、法律や介護、障がいに係る専門家や関係者により、市民にとってより専門的で具体的な相談窓口となり、後見制度利用手続の支援や市民後見人の養成及びフォローアップなど、幅広い機能を備えた機関と認識しております。現在、市では、成年後見制度や虐待等の権利擁護に関しましては、地域包括支援センターを中心に相談に応じ、個々に必要な支援を行っているほか、相談に合わせまして介護保険課や福祉課で対応しているところでございます。当面は、地域包括支援センターの充実を図り対応してまいりますが、今後におきましては、江別市の相談の状況などを踏まえまして、権利擁護の組織について検討してまいりたいと考えております。私からの答弁は以上でございますが、ほかの質問につきましては、健康福祉部長からお答え申し上げます。
答弁 健康福祉部長 真屋淳子(健康福祉部長は2018年3月まで)
私から、江別市における成年後見制度について御答弁申し上げます。まず、市民後見人の育成についてでありますが、高齢者人口の増加により高齢者のみの世帯や単身高齢者世帯がふえることから、心身の機能の低下を介護サービス等で補いながら尊厳を持って暮らし続けられる環境づくりは重要なことと認識しております。とりわけ、認知症状により判断が十分でなくなった方が住みなれた地域で暮らし続けるための仕組みづくりは重要な施策と考えており、成年後見制度の適切な利用が在宅生活を支える一助となることと理解しております。市は、これまで担当職員が北海道等の研修に参加するほか、先進地の実践例を踏まえ、市民後見人を支える環境を整えることが必要であり、法的知識や社会福祉に詳しい専門職の確保や、定期的な研修の実施などの整備を優先すべきと考えていたところであります。しかしながら、認知症高齢者の増加などから、まずは市民後見人の育成事業に早急に取り組み、同時に市民後見人を支える体制整備にも努めてまいりたいと考えております。次に、市長申し立てについてでありますが、個人情報の問題もありますので一般論でお答えさせていただきます。市では、申し立てができる親族が存在せず、判断能力が不十分な方などの成年後見制度の利用に際し、市長が申立人となって手続を行っております。事務作業に際して、まず、戸籍照会による親族存在確認の調査を行いますが、親族関係が複雑な場合などは必要な全ての親族の所在確認のために各地に照会をすることとなり、親族の申し立て意思の確認など、準備の段階でも数カ月の時間を要する場合があります。そのほか、医学的情報や財産状況の調査が必要なことから、御本人の意思表示が難しい中、訪問調査や関係機関への依頼を行うなど申し立てに必要な情報を収集するために、さらに時間を要する場合もあるところであります。市長申し立ての手続に際しましては、御本人の状態や置かれた環境、親族関係、財産の状況によっては、その進め方や要する期間は異なりますが、今後とも高齢者の権利擁護を支える事業として、適切で速やかな事務処理に努めてまいります。以上でございます。
再質問 石田武史
ありがとうございます。それでは、2回目の質問と若干要望をさせていただきます。まず、市民後見人の育成についてですが、これは質問とさせていただきます。この事業につきましては、先ほどもお話ししましたが、本当に周りをぐるっと囲まれて江別市だけがその事業を行っていないと、批判を受けてもいたし方がないのではないかと考えるところです。先ほども述べましたが、利用できる北海道の事業も終了してしまうということで、そのような御答弁ですが、今後タイムスケジュールも含めた、より具体的な何か体制づくりについて、お考えをお聞かせいただければと思います。次に、市長申し立てについてですが、これは要望とさせていただきます。ただいまの答弁で、その他医学的情報や財産状況の調査が必要なことから御本人の意思表示が難しい中との御答弁がございましたけれども、市長申し立てにおける医学的情報に関しましては、通常、本人の判断能力が落ちている程度の診断書があればよく、また、財産状況の調査については、通常把握できる程度でよく、場合によってはわからない、不明との記載でもよく、本人の意思表示が難しいということですが、これは認知症患者であれば当然そのようなことは想定されることです。制度の趣旨としては、早く市長申し立てをしていただければ、後は選任された後見人が対応していくということでございます。どうか趣旨を理解され、今後は速やかな事務処理をお願いするところであります。権利擁護支援組織についてですが、江別市における市民後見人や市長申し立ての対応を見ておりますと、全体として、やはり組織づくりをしっかりと固めてからでなければ、なかなかおいそれとは動けないといった感じがいたします。しかしながら、今後予想される生活困窮者に対する事業など、国のほうから次から次へと新たな施策が求められてくる中で、全てが完璧になってからの組織づくりというのでは、速やかな権利擁護という観点からはいかがなものかと思うところであります。くれぐれも、対応の遅さから市民の権利擁護に支障を来すことのないように要望するところでございます。以上です。
答弁 健康福祉部長 真屋淳子(健康福祉部長は2018年3月まで)
石田議員の再質問に御答弁申し上げます。市民後見人育成の具体的スケジュールについてでありますけれども、北海道の養成事業は、現行事業としては今年度で終了いたしますが、来年度以降は新たな基金を活用して、事業を継続する方向で検討していると伺っております。市といたしましては、この事業の活用を念頭に早急に関係機関との協議を実施するなど、来年度からの実施に向けて取り組んでまいります。以上でございます。