江別市議会 平成14年第2回定例会 2002年6月20日
産業廃棄物処理施設問題について
2002年6月20日、江別市議会の一般質問で、稲垣良平議員が「産業廃棄物処理施設問題について」質問し、市長 小川公人が答弁しました。
- 質問者
- 稲垣良平 議員
- 答弁者
- 市長 小川公人
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は会議録の目次の表記です。
質問 稲垣良平
議長から発言の許可を受けましたので、通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。質問の前に一言申し上げます。さきの議会後に私事にかかわることで皆様方に結果的にご心配、ご迷惑をおかけしたかと存じます。ご心配をいただきました、ご激励をいただきましたことについては感謝を申し上げ、ご迷惑をおかけしたことについてはおわび申し上げます。今後従前にも増してしんしな活動をしてまいりたいと思います。質問に入らさせていただきます。昨年12月に、次期総合計画の都市ビジョンや基本政策の骨組みに反映させるために実施した市民アンケート調査によりますと、江別市の将来の都市像としては、生活機能都市を求める者が42%、福祉都市を求める者が34%と従来の拡大成長型の都市づくりではなくて、市民生活に身近な事柄を機能的にカバーする都市の形成を市民は願っています。その都市ビジョンを具体化するために取り組んでほしいとする政策は医療福祉の分野であり、環境問題の分野であります。同調査によりますと、今後とも江別市に住み続けたい、あるいはできるなら住みたいとする市民の定住志向は約80%であります。この調査の結果から、80%という高い定住志向を持っている市民というのは、住み続けるために、今後江別市が生活機能都市に、福祉都市の形成に向けて進んでほしい。そしてそのために医療福祉、環境分野の施策に重点的な取り組みをしてほしいという市民の率直な願いが読み取れます。さて、市内、角山地区で昭和63年から産業廃棄物を焼却している事業者の立地そのもの、そしてその操業については、地域住民や環境問題に関心が高い市民から、これまで種々の問題点が指摘されてきております。先ほど申し上げましたように、市民が新たな総合計画に求める都市像、それを具体化する重点的施策分野において、環境問題への積極的な取り組みが不可欠であることは、調査の結果から明らかになっております。そういう意味で、角山地区における産業廃棄物処理の現状、特に規模が大きく、昨年基準値を超えるダイオキシン等の排出が検出され、施設の改善が求められた事業者の産業廃棄物処理施設、移転新設計画への対応は、江別市にとって、今後の環境行政の方向を示す大きな試金石になると考えております。12年の12月、当該事業者が産業廃棄物の新設に関して北海道の指導指針に基づく事前協議書を提出するために、指針が求めている周辺500メートル以内の居住者の同意を求める動きを行っていたそのときに道が行った排出ガスの測定調査によって、当該施設から基準を超えるダイオキシン、ばいじん、塩化水素等の発生が確認され、営業停止の行政指導が行われたところであります。その原因は、施設の運転を経験的な判断で行ってきたこと、廃プラの過剰投入、焼却物の組成、焼却による発熱量などに関する教育不足など、いわゆる焼却運転管理のミスであり、さらに、排出ガスの清浄化をするためのサイクロンスクラバーの不調、すなわち焼却施設の管理・整備ミスであります。こういう二つの最も基本的な事項への対応が不十分であった。その結果であったということが明らかになっています。また、江別市は周辺住民の健康の確保並びに地域の環境の保全を図るために、市民を代表して事業者と産業廃棄物処理施設設置に係る協定を締結して、操業を監視することになっておりましたが、実態的には当然のこととして常時監視することはできるはずもなくて、結果的に基準を超えるダイオキシン類等の発生をあらかじめ抑止する効果的な取り組みはできなかったということであります。当該事業者は道の指導の下に基準を上回る発生の原因となった施設について、改善のほか、整備をするとともに、運転管理の改善方策を定めて、再測定の結果、排出されるダイオキシン類等の発生が基準以下であることが確認されて、昨年10月には操業を開始しております。操業開始に当たって、従来の江別市、事業者に加えて、操業による影響を受ける可能性がある地域の住民が当事者として参加した三者協定として新たに協定が締結されております。協定においては、特に地域住民が参画して事業者の操業状況を監視して、問題点について協議する場として環境保全協議会が設置されたことは重要であり、その実効ある活動が期待されるところであります。この対応は、既に許可を受けている施設の操業に関するものでありますが、産廃施設の立地操業については、今回の当該事業者のダイオキシン発生問題を通じて、一つには、事業者の施設整備、運転においては、基本的な事項の不備によって起きる。そういう可能性があること。そして、結果から見ると、契約関係にない事業者の経済活動に行政がかかわることにも限界があるということがある。これらのことから、リスクが伴うということが明らかになってきています。当該事業者の産業廃棄物処理施設について、暫定基準値を超えて発生したさきの発生を抑制するために施設改善は行われて現在に至っておりますが、本年11月末をもって、既存施設についても暫定基準の適用が廃止され、厳しい改正基準が適用されることになっています。営業再開後に石狩支庁や事業者によって実施された廃ガス測定の結果から見ますと、現在の状況ではダイオキシン類の発生水準は12月から適用される改正基準をクリアすることは難しいものと判断されているところです。当該事業者は12年の年末に施設の新設について、道に対して事前協議書を提出しております。しかし、その後の基準を超えるダイオキシン類の発生問題や協議要件そのもの、特に住民の同意が得られていない状況で補正作業が必要なことから扱いが保留され現在に至っておりますが、最近になって動きが出ているやに聞いております。すなわち、さきの委員会に報告されたところによりますと、庁内連絡会議が開催され、事業者から焼却処理施設の概要等の説明を受けたこと。また、それに対して市として処理能力、緩衝緑地帯等について検討を求める申入れをしたこと。そして、道にも報告していること。要するに産業廃棄物処理施設の新設計画が動き出しているということであります。私は、今後の進め方に関して、事業者と協議する必要性は否定はいたしませんが、この産廃施設の新設計画については、これまでの経過から、産業廃棄物処理施設が江別市内に現状のような姿で立地していることにより派生している問題点を基本的に解決するために、そして、次の時代が要請して、市民が求める環境政策の一つの重要なテーマとして、行政としてその基本的な考え方を明確にした上で、この問題に対する対処が判断されるべきであろうと考えます。これまでの議会における質疑の中で、これから整理しなければならない基本的な考えをまとめるに当たって、参考となる市長の考え方が何点か示されています。すなわち、ダイオキシンが発生したことに関連して、住民からの苦情、意見について、このように述べておられます。すなわち「地域住民には積年の忍耐があったことについて強く受け止める」というふうに述べておられ、「住民の痛み、このことをしっかり受け止めて、今後とも問題解決に向けて努力していきたい」これは地域住民のこれまでの苦労をしんしに受け止めるというスタンスであります。さらに、当該施設が工業団地に立地していることについて。「造成当時の時代背景や社会的成熟度から、業種等の十分な住み分けはできなかったために、業種が混在している現状にあり、このことについては非常に苦慮している。今後におきましても、最大限業種住み分けの整備、誘致方針を明確にしながら事業展開を図っていく」と述べられています。これは工業団地に産廃施設が立地している現状を良しとしていない、そういう考え方を示されているわけであります。それから、新設移転計画についてでありますけれども、「産業廃棄物処理施設につきましては、広域的かつ適正処理が不可欠でありますことから知事の許可権限とされているものの、市といたしましても直接的に市民の生活環境や公害防止、環境保全にかかわることでありますので、道の指針による周辺住民の同意は重く受け止める」その後にもありますけれども、そういうふうに述べております。これはその新設についても、地域住民の意向を重要視するという意向の表れであります。それから、産業廃棄物の市外からの流入に関してですが、「産業廃棄物処理の在り方についてでありますけれども、いずれにいたしましても、地理的条件や経済産業活動、処理コストの面から、札幌圏の中で江別市への産廃搬入割合が高くなっております。産業廃棄物処理計画を策定する北海道及び札幌市を初め近隣8市町村で構成する札幌圏廃棄物対策連絡会議との協議を深め、区域内処理の促進、再利用、再資源化等による排出抑制、さらには適正処理の促進等について一層働き掛けてまいりますとともに、業界団体にも要請してまいります」これは札幌市などからの産廃の流入を抑制するために、関係団体等に働き掛けるという具体的な作業をするという意向の表明であります。そして、今後のこれらのことを含めて、今後とも行政としての産廃の立地に関しては、「市の事業者に対する指導方法、あるいは道との連携といったことにおいて十分でなかった点ということについては、率直に反省しなければならないと考えています。そして、産業廃棄物の広域処理の必要性、各自治体における役割の分担の在り方も踏まえつつ、市全体といいますか、市全域あるいは市内トータルの環境保全について、一つの手法として一定のハードルを設けるといったことについて、検討していく必要がある」というふうに述べておられます。これは産業廃棄物処理施設の立地に関して抑制するための手法を検討するという意向の表明であります。私は、ここで示された見解は現状を厳しくとらえ、改善していこうとするものだというふうに受け止めています。このように示された考え方を具体化する、まとめていく、そうすれば私としては行政としての基本的な考え方というものは構築され得ると思います。さて、住民の意向に関してであります。当該事業者が現施設の前身である建設廃材の選別を行う中間処理施設を昭和63年に許可を得て設置しておりますが、当時、地域住民は近い将来に焼却施設を建設するが、その対象は木くずである、そういう説明を受けて同意した経過があります。しかし、平成3年から実施された焼却対象は大幅に品目が拡大され、処理量も増大してきています。この間、種々の問題が発生して、基準を超えるダイオキシン類の発生まで見られる状況になったことから、地域住民はその当時に同意したことを極めて悔やんでおります。また、当該事業者だけにとどまらず、角山地区には産業廃棄物処理施設が数多く立地するに至って、その感を一層強く持っております。道が産廃施設の立地等に関して取扱いを定めた北海道における廃棄物等の処理に係る指導指針において、事前協議者に対して関係市町村、関係住民と、そして知事との協議を要件としております。事前協議者が行うべき関係市町村との協議の内容については、周辺住民との同意が協議事項に含まれて、事前協議者と市町村が事前協議を行う前提となっております。また、住民の同意に関しては、当該施設の周辺500メートル以内に居住する住民と協議を行い、当該施設の設置に関し、その同意を得るものとされております。さらに、事前協議者が知事に対して事前協議するに際しては、周辺住民の同意書の添付が必須となっております。これらのことから、産業廃棄物処理施設の新設計画については、周辺住民の意向を極めて重要に扱うということが指針に盛り込まれているわけであります。ちなみに、現状では、新設に対して周辺住民の同意の状況は、同意しないという意向を示している人の数が圧倒的に多いと聞いております。つきましては、実質的に事業者との事前協議を行っておりますが、住民からの厳しい意向に対して、先ほどお示し申し上げたような意向を示された市長として、周辺住民には計画に同意しないとする意向が極めて強いということについて、どのように理解しておられるかをお示しいただきたいと思います。次に、現在の工業団地は当時、江別方式と言われたように、民間により開発された工業団地で、用地の低価格を最大のメリットとして、軽工業を中心にして誘致されてきた経緯から、食品製造業から産業廃棄物処理業者までが混在する特異な工業団地となっております。このような状況に対して、市長は苦慮していると語られましたが、今後、最大限、業種住み分け、誘致方針を明確にしながら事業展開を図っていくとされましたが、ついては、現在計画されている産廃施設の立地を検討する場合、今後の工業団地の健全な発展に資するために、その環境整備等に投資をして工業団地としての適正を高めてきた江別市としては、この際、その立地の妥当性について基本に立ち返って検討しなければならないと考えますが、お考えをお示しいただきたいと思います。事業者から示されている資料によりますと、計画されている1日当たりの処理能力は、現在の30トン程度から150トンと5倍にも増加すると伝えられております。日処理量150トンは江別市が現在建設している一般廃棄物処理施設の処理量を超える規模であります。江別市の一般廃棄物処理施設は市民が排出する廃棄物を処理するものでありますが、結果として現在地から遠く離れた八幡に立地することになっております。その一方で、仮に計画されている施設が当該地に立地するならば、その多くが札幌市を中心に市外から搬入される産業廃棄物の量たるや現在の5倍にもなるということが懸念されます。そして、そこから発生するリスクは江別市民、特に施設周辺住民が負うことになります。このことは、私はどう考えても納得できないという感を強くします。市長は札幌圏の中で江別市への産廃搬入割合が高いことを承知しておられます。そして、これを是正するために8自治体で構成する札幌圏廃棄物対策連絡会議や業界団体に対して働き掛けるとされました。ついては、具体的にどのような取り組みをしてこられたのか。そして、対応はどうであったのかをお示しいただきたいと思います。次に、産業廃棄物の広域的処理の必要性は認めるにしても、計画されているような大規模な処理施設が事業者の事業展開上のあるいは経済効率の視点からのみで実施されようとすることは、地域の環境保全や住民の保健・衛生に自治体として果たさなければならない責務と基本的にバッティングをいたします。特に生活都市である江別市は市民アンケートから明らかなように、その生活環境を保全し、より高めていくことが求められています。そのバッティングをあらかじめ調整するために、市としての明確なスタンス、基準を持つことが必要であり、それを外に対して明確に主張する必要があります。ついては、そのような考えで市長は市全体の環境保全について一定のハードルを設ける手法等について検討する旨表明しておられましたが、それに取り組む意思を確認するとともに、取り組みの状況をお示しいただきたいと思います。平成元年当時、現在の問題、すなわち市外から産廃が大量に流入している、そのことを取り上げて議会論議がありました。それに対して、当時市長は結論的に「結論として、今後は産業廃棄物の処理施設の設置に対しては厳しく対処せざるを得ない」というふうな考え方を当時表明しておられました。この考え方が文字どおり全うされていれば、現在を招来するということは防げたと思います。このようなことも参考にご答弁をいただきたいと思います。以上で1回目の質問とさせていただきます。
答弁 市長 小川公人(市長は2007年3月まで)
稲垣議員の一般質問にご答弁を申し上げます。まず、第1点の地域住民の意向について、周辺住民は計画に同意しないとする意向が極めて強いということについてどのように理解しているか。こういった件のご質問でありますが、産業廃棄物処理施設の設置に当たって、許可権者である北海道は施設の設置について、近隣の住民や地元市町村の理解と協力を得ることが必要であり、設置者に対する指導事項を遵守させることによって、生活環境の保全と適正処理の推進を図るために、廃棄物等の処理に係る指導指針を定め、設置者に指導しているところであります。このことから、一昨年の12月、事業者から施設設置に関する事前協議書が石狩支庁に提出された時点で、市といたしましても、事業者に対し設置計画書の提出と説明を求めるとともに、設置計画について地域住民に十分説明を行うよう指導してきたところであります。しかし、昨年の2月、排ガスの規制基準超過の事態が発生し、この新炉の建設計画に関する地域住民との協議が中断するとともに、それまで同意していた住民のうちの多くの方が同意を撤回されたところであります。また、この事態に関し、結成された反対期成会から、市と議会に陳情書の提出があり、市議会でご審議をいただいたところであります。ご承知のとおり、陳情審査の結果は、営業再開及び新規建設に反対することについては、許可権限が北海道知事にあることから採択は困難である。しかしながら、角山地区の環境改善については、市としても可能な限り努力すべき事項であるとし、一部趣旨採択の結審をいただいております。市といたしましては、市議会の結論を重く受け止め、今年の5月に開催いたしました新焼却処理施設の建設に係る庁内連絡会議に事業者の出席を求め、現行計画の説明を受けた後、事業者に対し、施設規模、処理能力の縮小、緩衝緑地の確保及び法定基準を下回る排ガスの目標値を示すなど、現行計画の再検討を求めるとともに、地域住民等に対する十分な説明と住民との合意形成に努力するよう申入れを行ったところであります。また、道とも情報交換を行うとともに、事業者に対して同様の指導を行うよう強く要請してまいりました。市はこれまでも事業者に対し、現炉の運転に対する地域住民の信頼回復が重要であり、新炉建設計画については、地域住民との信頼関係を構築するためにも、住民要望を反映するよう申し入れてまいりましたが、事業者においても一定の計画見直しを検討中であると伺っております。また、これまで2回開催されました地元自治会、事業者及び市の三者で構成する環境保全協議会におきましても、ご質問にもありました木くずのみの処理から拡大してきたことについて、住民への説明と理解を得ていなかった点等の反省を含め、事業者から今後は十分な説明を行うとともに、計画は地元住民の理解を得て進めていきたいとの考えが示され、今後も率直な意見交換が重要であるとの確認がなされております。このことから、市といたしましても、地域住民の合意形成が重要でありますので、事業者の計画見直しについても、これまでの経過を踏まえ、道とも連携を図りながら対処してまいりたいと考えております。次に、2点目の工業団地における産廃施設の立地について、その妥当性の考え方についてのご質問でありますが、この件につきましては、平成13年3月議会でもご答弁を申し上げておりますが、本来、工業地域整備につきましては、企業個々の操業環境等保持の面からも業種の住み分け区分が必要と考えております。しかしながら、企業の立地に当たっては環境問題の重要性の観点や環境法令等の基準遵守、日常の施設維持管理の方法などを基準に適否を判断してきたのが現実であります。また、必要に応じ、地域住民さらに周辺企業に対する理解を得ることなど、個別に強い要請を行ってきているところであります。今後におきましても、環境問題に十分配慮し、事業展開を図るとともに、新たな工業地域整備の際には地域の環境保持、業種住み分け等々に取り組んでいきたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと存じます。次に、3点目の札幌圏廃棄物対策連絡協議会等への働き掛けの状況、対応についてのご質問でありますが、札幌市を初め、近隣8市町村で構成いたします札幌圏廃棄物対策連絡協議会の札幌圏産業廃棄物処理・管理計画の改定に際しましては、江別としましては、市外からの廃棄物流入量が多くを占めている実態や環境保全の重要性から、今後も排出抑制及び適正処理の推進と、大都市の域内処理の努力を求めるとともに、新たな処理施設の設置については、抑制を基調に慎重に対応していく必要があることを強く要請し、計画書の中に明記されたところであります。また、北海道産業廃棄物協会は、道内の産業廃棄物処理に関する438団体を正会員とし、賛助会員15団体をもって構成しております社団法人で、産業廃棄物の適正処理及び再生利用についての調査研究、啓もう普及、情報の収集、研修等の事業を行っていることから、今後、道とも連携をとりながら、産業廃棄物の適正処理についての事業者への指導強化等を働き掛けてまいりたいと考えております。次に、4点目の産廃施設の立地に対する一定のハードルについてのご質問でありますが、産業廃棄物処理施設等の許可については、都道府県知事の権限に属するものですが、市といたしましても、地域の環境保全や市民の安全な生活を確保する視点から、また、市民感情の点からも、産業廃棄物処理施設の新たな立地等について厳しく対処していくために、可能な限りの手法等について検討を行ってきたところであります。まず、産廃処理施設の設置について、道の産業廃棄物の処理に係る指導指針では、最終処分場及び特別管理産業廃棄物処理施設に関して、関係市町村や周辺住民との事前協議を定めております。しかし、市といたしましては、その適用を受けない施設、特に廃棄物焼却炉の設置については、周辺環境に与える影響が大きいことから、江別市公害防止条例に基づく工場等の設置許可の基準として、平成10年2月より条例で定める公害防止協定の締結に加え、周辺住民等の同意を得ることを求めています。現在、その他の産業廃棄物処理施設の設置に関しても、さらにその適用範囲及び要件の拡大についての検討を進めているところであります。しかしながら、産業廃棄物関係施設の範囲は広範囲にわたることや、廃掃法上、設置許可を要しない積替え保管施設などの立地が多いこと、廃掃法と公害関係法の法体系の違いなど、公害防止条例の対象施設とならない施設が多いことなどから、困難な点もあり、対象施設の範囲等につきましては、今しばらくの猶予をいただきたいと存じます。また、昨年の10月に、江別市における産業廃棄物処理施設に係る維持管理等に関する指導基準を定め、角山開発株式会社との新協定にも盛り込むとともに、今後、新たに設置される施設についても適用を予定しております。さらに、昨年度より、建設残土を利用した農地の低地盛土事業につきましても、農業委員会と相互に連携を取りながら、随時立入調査等を行っており、違法な産廃の搬入を防止するとともに、事業施行についても適正に対処してまいりたいと考えております。今後、道とも連絡を密にするとともに、これまでも要請しておりました、道の権限に属する市町村との事前協議を要しない許可、届出等に関する情報提供を今後とも強く求めていきたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。以上で答弁を終わります。
質問 稲垣良平
ただいまの答弁では、産廃施設の立地について、住民の合意が重要だから、道とも連携してしっかりと取り組んでいきたいというお話でした。工業団地における立地については、その現状が創成期の民間によるものであったということから、現状になっているということは認めざるは得ないとしても、現在の対応としては、先ほどのご答弁のように、個別的に理解を得るよう周辺の住民だとか企業の理解を得るように要請をするというレベルの対応ではなくて、こういう現状を踏まえれば、同意を得ることを条件にするなどの新たなステップアップした取り組みが必要ではないのかというふうに考えます。これについては具体的な検討をいただきたいと思います。それから、新たなハードルについて。これは指導指針をベースにして、対象外の施設についても同意を得るようにする、その範囲の拡大についてさらに検討する。そのように進めていただきたいと思います。それから、設置許可を要しない施設については、どのように対応するか、しばらく猶予をいただきたいということでした。見守りたいと思います。指導基準、江別市が定める指導基準、これらの適用について。これはお話あったように、厳密に運用をしていただきたいと思います。しかしながら、それらの取り組みで私は現状というものが改善されるんだろうかという大きなきぐを持っています。産廃の広域移動、江別市への流入について見てみますと、先ほどご答弁にあった、現在、圏内の8市町村で構成する札幌圏廃棄物対策連絡会議、これは平成2年にできていますけれども、その背景というのは札幌市の廃棄物が近郊市町村に流出して、不適正処理されたことから、施設付近の住民の不信感を増大するなど、社会問題になったと。それを踏まえて、札幌圏は各市町村の行政区域の境界を越えて人や物の流れが活発に行われる一つの経済圏として確立しているのだから、この地域性を考慮して廃棄物の減量や適正処理に取り組む必要があるだろうと。要するに一体的にやろうという考え方ですね。そしてまた、廃棄物の処理に当たっては、単に経済活動としてだけではなくて、環境保全等の公益性の実現が強く求められる。だから、こういうふうな認識の上に立って、この8自治体で構成する組織が設立されています。そして、特に平成4年7月に廃掃法が改正されて、そのことを受けて、廃棄物施設の立地については、その後、札幌圏での新たな処理施設の設置については抑制するということが基調とされてきています。そして、広域流通あるいは市町村の各取り組みを共通認識するために、先ほどご説明があった札幌圏産業廃棄物処理・管理計画というものが策定されているわけです。そして、その管理計画というものを広域で各市町村がきちんとやるべきことをやっていこうという確認がなされているわけです。さきのご答弁では、14年度、今年度のその計画の改定に当たって、先ほどご答弁があったように、江別市に関連する部分については、「市外からの廃棄物流入量が多く占めている実態や環境保全の重要性から、今後とも排出抑制及び適正管理の推進と、大都市の域内処理の努力を求めるとともに、新たな処理施設の設置については抑制を基調に慎重に対応していく必要がある」これは江別市の基本スタンスとして、この共通の計画の中に改定をして盛り込んだということです。内容です。私はこの考え方というのは当然のことであると思います。しかし、この江別市の考え方、方針というのは、決して努力して入れるものではなくて、当然のこととして江別市自体が方針、考え方をまとめて入れていくものです。ですから、決してお願いや要請していくものではなかったということであります。今年度この改定された計画書の江別市に関連する考え方、方針がどのようになっていたのか。このように記載されています。「産業廃棄物の処理は泥炭地の農地等の基盤造成のために行われ、特に札幌市に隣接する国道275号線沿いの西部から北部にかけて顕著で、施設は焼却や破砕の中間処理施設、建設廃材の最終処分場が中心であり、今後ともこれらの地域を中心に泥炭地域など土質の不安定な地域が立地の中心になるものと予想される」というふうに記載されていました。この考え方、内容というのは、江別市には市外から札幌市を中心にして産業廃棄物が大量に流入していること。そして、その処理のために、処理施設が集中して立地していること。そしてそこから多くの問題が生じていること。そういうことは考えに入れていない江別市としての方針であると言わざるを得ない。このことは驚くべき内容だと思います。ちなみに、同項目で、他市町村はどのようなことを方針として打ち出しているか。小樽市では、産業廃棄物処分場を独自に市で整備しているが、その隣接地に建設残土処分場を整備し、延命化を図るとともに、排出抑制に取り組み、分別、リサイクルを推進。産業廃棄物の適正処理をしていく。明らかに対処の方針としての考え方が示されています。北広島市、処理施設の立地を抑制していく考えである。これも明確に対処する自治体としての方針というものが示されています。このように、処理施設の立地に対する考え方に大きな差があったわけです。その中で、残念ながら江別市の考え方、方針を持たない考え方のみが目立つものとなっていました。なぜ、現在、産廃の流入、施設の立地というものを改めて取り上げなければならないのかと申し上げます。江別市への産廃の流入を平成4年度の建設系廃棄物、これは建設廃材、それから木くずなどなんですが、その流入と処理量を見てみますと、札幌市内で処理できなくて出ていく量、これ全量が28万7,000トン、そのうちの85%に当たる24万4,000トンが江別市に入ってきている。その札幌市から入ってきている24万4,000トンに加えて、他市町村や札幌圏域以外からの流入がありますから、それを加えると31万4,000トンが江別市内に入ってきていた。そしてそれが、処理されてきたということです。じゃその当時の他の市町村ではどうだったのか。江別市が先ほど申し上げたように、流入してきた分が31万4,000トン、北広島市は4万7,000トン、石狩市はゼロ、当別町もゼロ。要するにこれを比べると、この当時において、江別市への流入がいかに圏域内で、他市町村と比べて突出していたかということが分かると思います。残念ながら、先ほど申し上げたように、この計画書の中で江別市の方針は先ほど申し上げたような内容でした。そのような対応がなされてきたと思います。じゃ、最近年のその流入の動きはどうなってきているのか、改善されてきているのかということを見てみますと、12年度の建設系廃材、廃棄物について見ますと、札幌市から出てくる全量が38万5,000トン、そのうちの60%、23万トン、先ほどは24万トンでした。ほぼ平成4年当時と同じ量が江別市に流入してきている。そして圏域外、他市町村からも入ってきて、合計では29万トンが江別市に入ってきている。先ほどは30万トンでしたから、ほぼそれに近い数字です。この流入量29万トンを他市町村と比べてみると、北広島市は先ほどよりも若干増えて5万4,000トン、石狩が4万2,000トン。そうしますと、江別市に流入している量が他市町村に比べていかに突出しているかということが再確認されると同時に、平成4年、10年前ですね。その前の構図と基本的な構図が全く変わっていないということが分かります。産廃の市外からの流入、焼却施設等の立地の実態とこのような経過をつぶさに見ますと、環境問題に対する社会的な関心が高まり、その適正な処理に向けて、法改正がなされてきている中にあって、産業廃棄物の流入に対して、これまで残念ながら事業者の意向にすべてをゆだねてきてしまったのではないかというふうに思われます。そして、許可権限が道にある。民間の経済行為である等々の理由を挙げて、今日を結果的に招来しているというのは、非常に残念だと私は思います。公的に担保される、あるいはされない、そのこととは別に、意識を持つ自治体としては何らかの有効な対策が必要であったと思いますし、これからそれを構築する必要があると思います。さて、現在、産業廃棄物処理焼却施設の移転新設の具体的な計画が先ほどお話あったように動いている、動き始めています。その焼却炉の規模というのは、現在の約5倍。このことは、このまま進むとすれば、市外から江別市への産廃の流入に一層拍車をかけて、江別市は札幌圏において産廃の突出した流入する地域としての構造というものがより強まってしまう、というふうに考えられます。産廃施設の立地・操業から直接的な影響を受けてきた住民の意向、さらには江別市の環境保全に今後力を入れてもらいたい。そうする全市民的な意向を考えますと、当面する移転新設の計画については極めて慎重な対応が必要と考えます。つきましては、2点をお伺いしたいと思います。まず1点目は、江別市への産業廃棄物の流入の現状は圏域の中で量が多く、極めてそして突出しています。この現状をどのように考えているかお伺いをしたいと思います。そしてその上で、2点目ですが、現在の産廃施設の移転新設については、これまでの経過と、先ほど来申し上げております現状を踏まえて、基本的に考えを新たにして対応する必要があると思います。お考えをお伺いしたいと思います。以上で2回目の質問を終わります。
答弁 市長 小川公人(市長は2007年3月まで)
稲垣議員の再質問でありますけれども、お答えを申し上げたいと思います。稲垣議員ご指摘のとおり、札幌圏産業廃棄物対策連絡協議会、ここが推計した建設系廃棄物の江別市への流入量は札幌圏の他市町村に比べても突出している。このことはそのとおりであり、承知をいたしているところでありまして、江別市といたしましても、札幌圏の中で大きな割合を占めている現状から、連絡会議等を通じて、それぞれの域内処理について努力を強く求めるとともに、当市における新たな施設の立地については抑制を基調に対応することを明確に示しているところであります。今後、道あるいは関係団体等に対しましても、江別市の基本姿勢をしっかりと表明するとともに、道の指導指針の対象外施設についても江別市が定める指導基準等を周知徹底していくこと。これに加えて、所管委員会や審議会ともご相談を申し上げながら、抑制効果の実効性を上げていくことが重要であると、このように考えておりますので、ご理解をいただきたいと存じます。それから、2点目の角山開発株式会社の焼却施設の移転新設計画についての市の対応についてのご質問でありますけれども、先ほどもご答弁を申し上げましたとおり、昨年の市議会における陳情審査の結果を重く受け止め、現状の施設規模、それから処理能力から判断しても、現在提出されている移転新設計画の規模等については容認し難く、法的には一定の限界がありますが、事業者に対し周辺住民等の意向が反映されるよう、計画の見直しを求めているところであります。また、許可権者である道に対しましても、江別市における産業廃棄物処理施設の立地の現状を踏まえ、事業者に対する強い指導について要請を行っておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。以上であります。
質問 稲垣良平
産廃の江別への流入が絶対量で多い。しかも札幌圏において他市町村と比較して突出して多い。結果として立地している処理業者による大量の産廃処理がなされている現状にあるけれども、それを抑制するという方針を明確にして取り組むとされました。そして、実効あるものにしたいという考えが示されました。私は是非実効あるものにしていただきたいと思います。当面する焼却施設の移転新設計画については、規模等については容認し難い、そして周辺住民の意向を反映するように見直しを求めるという考え方が示されました。そのようにしていただきたいと思います。これらの考えというのは、産廃の市外からの流入が他市町村に比べて突出して量が多い、その現状を考えれば当然のことであります。示された方向が着実に成果が上がるように、当面見守りたいと思います。さて、その産廃の件に関して、昨日の夕刊に興味ある記事が出ておりました。北九州市で産廃税制度の創設に向けて取り組みを始めたというところです。注目を引くのは、これまでの国あるいは都道府県レベルでの検討ではなくて、市レベルでの取り組みとして制度創設に向けて動きが始まったという点であります。先ほど来の産廃処理に係るこの圏域での江別市での現状を見ると、このような取り組みを前向きに検討することも必要ではないかと思います。ついては、今後、現状を改善するあらゆる方策を検討する一つとして、このような税制の検討についても取り組みをお願いしたいと思います。以上申し述べて私の質問を終わります。