網走市議会 令和6年第3回定例会 2024年9月10日
2項目めの断らない相談支援について
2024年9月10日、網走市議会の一般質問で、永本浩子議員が「2項目めの断らない相談支援について」質問し、健康福祉部長 結城慎二が答弁しました。
- 質問者
- 永本浩子 議員
- 答弁者
- 健康福祉部長 結城慎二
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 永本浩子
それでは、次の質問に移ります。次に、2項目めの断らない相談支援についてお伺いいたします。先ほど、里見議員のほうからも質問があったところですけれども、本年5月、神奈川県座間市に断らない相談支援の視察に行ってまいりました。一人の相談者には、介護、障がい、子育て、困窮など複合的な悩みを抱えていることが多く、そうした市民の困りごとに対応するため、座間市では断らない相談支援と銘打って、庁内で連携しながら生活困窮者自立支援事業をはじめ、家計改善支援事業、就労準備支援事業、子どもの学習・生活支援事業、一時生活支援事業、アウトリーチ支援事業、ひきこもりサポート事業など、多くの事業を行っております。当市でも2015年に施行された生活困窮者自立支援法にのっとって、生活サポートセンターらいとが社会福祉協議会への委託事業としてスタートしていると思いますが、相談内容と利用状況についてお伺いいたします。
答弁 健康福祉部長 結城慎二
生活サポートセンターらいとの利用状況についてでありますが、生活サポートセンターでは、生活困窮者自立支援法に基づく自立相談支援事業、就労準備支援事業、家計改善支援事業を実施しております。そのうち、自立相談支援事業における過去3年間の新規相談実績は、令和3年度が79件、令和4年度が46件、令和5年度が44件となっております。相談内容は、半数以上が家計、負債に関することであり、そうした傾向が続いております。また、就労準備支援及び家計改善支援は令和4年度より実施をしておりますが、相談対応実績につきましては、就労準備支援の新規相談件数は令和4年度が1件、令和5年度が3件で、うち個別プラン作成による支援は令和5年度の3件となります。家計改善支援の新規相談件数は、令和4年度が4件、令和5年度が2件であり、うち個別プラン作成による支援は令和4年度が2件、令和5年度は前年度からの継続を含めて4件となっております。
質問 永本浩子
生活サポートセンターらいとができた当初、私も様々な相談を、これまでにも1,500件ほど市民相談を受けておりますけれども、何名か生活サポートセンターらいとに、生活困窮されているので自分で行くことがなかなか難しい方が多く、車に乗せて連れていったりということを何回かやらせていただきましたけれども、なかなかこの数を見ると、うまく進んでいないのではないかなという数かと思いますけれども、その辺のところはどのように評価されているでしょうか。
答弁 健康福祉部長 結城慎二
自立相談支援事業の相談件数でありますが、コロナ禍を除くと、おおむね横ばいで推移している状況です。先ほど令和3年度が79件ということでお話をしましたが、実はこの年が突出をしているのは、コロナ禍における特例貸付けを受ける条件が、この自立相談支援での相談ということで相談件数が上がりました。令和2年以降の特例貸付けが行われて以降は、実はこの生活サポートセンターらいとで、この特例貸付けの受付等も行っておりますので、その際は相談件数というか利用件数は多くなっております。その際に、生活サポートセンターの周知というのは一定進んだものというふうには考えておりますが、相談件数としては先ほど申し上げたとおり横ばいの状況が続いているというふうな状況でございます。
質問 永本浩子
多分そういう状況なのだと私も思います。ちょっと位置的な部分とかも課題はあるのかなと思っておりますけれども、後ほどまたそのことも触れさせていただきたいと思います。その後、これまでの福祉制度や政策と人々の生活そのものの変化や直面する困難や生きづらさの多様性・複雑性から支援ニーズとの間にギャップが生じてきたことを背景に社会福祉法が改正されまして、重層的支援体制整備事業が創設されました。例えば、既存の制度の対象になりにくい社会的孤立の問題、80代の親がひきこもりの50代の子供を見ている8050問題、育児と介護を同時進行で行わなければならないダブルケアの問題など、個人や世帯が複数の生活上の課題を抱えており、課題ごとの対応だけではなく、課題全体を捉えて関わっていくことが必要なケースが増えてきたため、市町村全体の支援機関、地域の関係者が断らずに受け止め、つながり続ける支援体制、いわゆる断らない相談支援を構築することをコンセプトに、重層的支援体制整備事業が創設され、2021年度からスタートいたしました。この重層的支援体制整備事業への当市の取組状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。
答弁 健康福祉部長 結城慎二
重層的支援体制整備事業の取組についてでございますが、この事業は令和2年の社会福祉法の改正において、従来の対象ごとでの縦割りの法や制度の垣根を越えて、包括的に相談に乗れる体制の整備と住民の参加に基づく地域づくりを総合的に進めるために新設されたものでございます。具体的には、断らない相談支援、参加支援、社会づくりに向けた支援を柱として、これらの三つの支援を一層効果的、円滑に実施するために、他機関共同による支援、アウトリーチなどを通じた継続的支援を新たな機能として強化をして、この五つの支援を一体的に実施するものであると認識をしております。当市におきましても、令和4年度に行いました、第2期網走市地域福祉計画の中間見直しに合わせて、重層的支援体制整備の方向性について、当時の計画策定委員会の中で協議をさせていただきました。結果としまして、一体的な窓口の創設ではなく他機関連携による相談体制づくりを進めることとして、現在も必要に応じて相談機関同士が連携をして相談対応を行っているところでございます。
質問 永本浩子
網走としては、そういった窓口を設けずに横の連携でやることを決めたということで、今もそういった体制で行っているということだったかと思いますけれども、視察に行った座間市では、一つの窓口では解決できず、複数の窓口への案内が必要な場合、窓口間の連携をスムーズにするための、先ほど里見議員からもお話がありました、つなぐシートをつくって対応しておりました。福井県坂井市では、市民からの相談を福祉分野の全ての課の窓口で内容を問わずに受け入れる体制を整備し、各課に配置された相談支援包括化推進員が連携して支援の調整を行っております。それぞれ様々な形で取り組んでいるところかと思いますけれども、当市における庁内各課の連携は具体的にはどのように取られているのでしょうか。また、私は生活サポートセンターが社協内にあり、市役所とかなり距離が離れているため、ほかの窓口との連携を考えた場合、まず遠くて連携が取りづらい、相談者への距離的、時間的、負担がかかることが問題ではないかと考えておりますけれども、市としてはどのような課題があるとお考えなのか、御見解をお伺いいたします。
答弁 健康福祉部長 結城慎二
庁内などの連携についてでございますが、先ほど里見議員の御質問にも答弁させていただきましたが、市民からの相談には、単独の相談機関や一つの部署だけでの対応にはとどまらず、複数の相談機関や部署による対応が必要なケースが少なくありません。現在は、議員お示しのつなぐシートのように、連携を図る際の統一的なツールはございませんが、相談者の生活状況や相談内容などを勘案をして、必要と判断した場合には、相談者の了解を得て、例えば徴税部門と福祉部門、あるいは保健部門と福祉部門などが連携をして相談に対応しております。この際、必要な情報は相談者の了解を得て、部署間で共有をさせていただいております。また、生活サポートセンターとも適宜連携を取っておりますが、距離的な問題もございまして、担当者間で共有をした相談者が、実際には相談に行かないというケースもございました。こうしたことを防ぐため、場合によっては、双方の職員同行で相談対応を行うなどのことも行っております。
質問 永本浩子
ぜひ、このつなぐシート的なものですけれども、福祉関係のところは連携がかなり横の連携が取りやすいのだと、私も実際に見て思っておりますけれども、私もいろいろな相談を受ける中で、最初福祉に行ったとしても、次は2階の住宅管理に行かなければいけなかったりとか、税務のほうに行ったりとか、また国民健康保険とかそういったところに関わりがあったり、障害年金というところに行ったりとかということで、本当に一人の相談者、またその過程というところになると、様々な課が関わってくるということが、これまでもあったかと思います。そして、今部長もおっしゃいましたけれども、私も本当に社協まで車で乗せて行って、ここで市役所までと言ったら、当然一人では行けない、行くように言っても行かないだろうということで、また車に乗せて市役所までということも何度か経験させていただいております。そういったところの対応もありますので、基本的にもうちょっと距離を近づけるとか、そういった部分も必要なのではないかなと考えるところではあります。また、先ほど言った坂井市では、相談支援包括化支援員の連携でも対応が困難な事例については、各部局の担当者などで月1回以上開催している「さかまる会議」、これは坂井市民の相談を丸ごと受け止める会議ということで、「さかまる会議」となっているわけですけれども、この会議の議題に乗せて支援の方向性や各課の役割を話し合っているそうですけれども、当市では対応困難な事例への対策会議等は開かれているのでしょうか。この開催の状況についてお伺いいたします。
答弁 健康福祉部長 結城慎二
困難事例に対する対策会議の開催についてでございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、複数の相談機関や部署による対応が必要な場合が少なくないという状況もございます。こうした場合は、複数の部署や市内の相談機関などが連携をして支援を行うこととなりますが、その際には必要な都度支援会議を開催して、情報共有や支援に当たっての役割分担などについて必要な協議を行っております。
質問 永本浩子
当市でもきちんとそういった会議が行われているということをお聞きしまして、安心いたしました。できれば、こういう「さかまる会議」のような名称があれば、そういった部分でもまた市民にも周知されていくのかなというところもありますので、またぜひ検討していただければと思います。また、座間市では様々な問題を解決するために、社会福祉協議会をはじめ生協やハローワーク、弁護士会、不動産業界などの民間企業や、また居場所づくりや就労支援、フードバンクなどのNPO法人などと連携して、チーム座間を結成して取り組んでおりましたけれども、網走は先ほども少しお答えがありましたけれども、民間企業や団体との連携はどのようになっているのでしょうか。
答弁 健康福祉部長 結城慎二
現在、議員お示しのチーム座間のように、仕組みとしての取組は実施をしておりませんが、相談者の支援に必要な地域資源となるNPOなどの民間団体とは、必要に応じて連携を取っております。また、生活サポートセンターにおいては、弁護士からの依頼によって相談者の行政手続のサポートを行っているほか、それとは逆に法律に関する相談がある場合には、法テラスや市の無料法律相談などと連携を行っております。
質問 永本浩子
都度相談内容に応じて、そういった連携を取っていただいているということで、私もいろいろとお世話になったことがありますので、よくわかりますけれども、これもチーム座間という名称で、そういった人たちが仲間意識が出たりとか、市役所の中では出なかった発想が、例えば民間の不動産業者に相談したところ、全く違うところからの発想で問題が解決できたとか、そういう話もありましたので、またぜひこういった民間力を活用した進め方をやっていっていただければと思っております。また、座間市の取組で特にすばらしいと思ったのが、つなぐシートの活用法などをテーマにして、「みんなが相談員~マルっとざま~」という研修会を行い、「全職員が相談者」との意識の醸成を行っている点でございます。市役所に来る市民は何か困り事を抱えてやってくる。でも、その困り事をうまく説明できない市民も多く、福祉関係の職員はもちろん、ほかの部署の職員も「何かお困りですか」と、自ら声をかけ、窓口につなげていく、寄り添いながら解決していこうとする姿勢は、市民の大きな安心感につながると思います。当市においても、こうした全庁的な研修と職員の意識の醸成はとても大切なことだと考えますが、いかがでしょうか。
答弁 健康福祉部長 結城慎二
全庁的な研修の開催と職員の意識醸成についてでございますが、来庁された市民の皆様が安心をして相談できる環境をつくるということは、市職員の職務として非常に大切なことであると考えております。このため、様々な手法を研究しまして、各種の課題に対する相談窓口の情報共有を含めて、職員一人一人の意識醸成に努めてまいりたいと考えております。
質問 永本浩子
ぜひ、ほかの部署が何をやっているのかわからないということも多々あるかと思いますので、そういったところもカバーしながら、誰に聞いても安心して相談ができた、適切なところに連れていってもらえたという、そういったところに変わっていただければ大変ありがたいと思います。中には、なかなか職員の対応が冷たかったとか、聞いたのにこんなことを言われたという御相談を受けることもありますので、ぜひそういったところの意識の醸成をやっていっていただければと思っております。また、座間市役所の中の見学をしてきましたけれども、エレベーターを降りるとすぐに地域福祉課に掲げられた「断らない相談支援」という大きな看板が目に入ってきました。目に見える形で看板が掲げられていると、「ここなら何を相談しても断られない。何を相談しても大丈夫なのだ」という、市民の大きな安心感につながると思いました。網走市もいよいよ新庁舎が完成いたします。新庁舎には、こうした総合相談窓口をぜひ設置していただき、市民の皆様の安心とサービスの向上に努めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
答弁 健康福祉部長 結城慎二
生活上の課題を抱えた市民の中には、どこに相談したらよいかわからず、具体的な支援につながらないこともあると思います。こうしたことから、市内の各種相談機関を含めて、心配事や困り事を一緒に考えてくれる相談先の見える化を進めることは大変重要なことであると認識をしております。議員お示しの総合相談窓口の設置には、職員配置などの課題もございますが、見える化の一つの手法であると考えておりますので、その在り方、あるいは設置の方法について、研究をしてまいりたいと考えております。
質問 永本浩子
ぜひお願いいたします。座間市も市民からの「ありがとう」のその一言が職員のモチベーションになって、こうしたところが広がっているというお話も聞きましたので、市民の皆さんもそうですけれども、職員の皆さんのためにも、モチベーションが上がる、そういった体制もしっかり考えていっていただきたいと思います。