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網走市議会 令和6年第2回定例会 2024年6月25日

最後に終活支援について

2024年6月25日、網走市議会の一般質問で、永本浩子議員が「最後に終活支援について」質問し、健康福祉部長 結城慎二が答弁しました。

質問者
永本浩子 議員
答弁者
健康福祉部長 結城慎二

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 永本浩子

それでは、最後の質問に移ります。最後に終活支援についてお伺いいたします。先日放送されましたNHKの「クローズアップ現代」では、自治体が「身寄りがない」と判断し、火葬してしまったあとに親族がいることがわかり、トラブルになっている「火葬トラブル」が全国的に増えていることが取り上げられておりました。実例として紹介されたのは、京都市在住だった一人暮らしの大学教授が亡くなり、すぐ近くに弟夫婦が住んでおり、亡くなる5日前にも会っていたにもかかわらず、身寄りがないと判断され火葬されてしまった。原因は、弟が結婚の際、妻の戸籍に移したため、兄の戸籍から抜けていたことと、すぐ近くだったが、住所が隣町だったこと。京都市は調査不十分だった、として謝罪しましたが、弟夫婦は納得できないとのことでした。もう一つは、茨城県鹿嶋市に暮らす一人暮らしの母と連絡が取れなくなったオーストラリア在住の娘が、不審に思って警察に捜査を依頼したところ、体調の異変を感じた母が自分で救急車を呼び、隣の神栖市の病院に運ばれたが死亡、病院は母のスマホのロックを解除できず、神栖市に報告、神栖市の職員が自宅のある鹿嶋市に問合せをし、オーストラリアに娘がいることがわかり電話をしたが、「現在使われておりません」とアナウンスが流れたので、すぐに引き取れる親族はいないと判断、亡くなってから2日で火葬してしまったことが判明したというものでした。全国的には、引き取り手のない遺体を自治体が火葬する例は、この10年で2倍に増えており、親族の知らぬ間に火葬されてしまった「火葬トラブル」が2019年以降、この5年間で、11自治体で少なくとも14件起きているとのことでした。当市では、このような「火葬トラブル」は過去も含めてあったのでしょうか、お伺いいたします。

答弁 健康福祉部長 結城慎二

墓地埋葬等に関する法律では、死体の埋葬または火葬を行うものがないとき、または判明しないときは、死亡地の市町村長がこれを行わなければならないと定めております。この法律に基づきまして、市が火葬を行った直近5年間の件数は、令和3年度が2件、令和4年度が1件、令和5年度が1件、令和6年度がこれまでのところ3件となっております。これらの多くは警察が介入しているものであり、警察が親族等の調査及び対応を行った後に、市に火葬などを求められたものであり、御指摘のようなトラブルは発生しておりません。

質問 永本浩子

現在のところ、そういうトラブルはないということで安心しましたが、令和6年で3件ということで、結構あるのだな、この4年間で7件ですね、そういうことがあるのだなということを認識させていただきました。番組では、国の統一的ルールがないため、各自治体が独自マニュアルをつくって手探りで対応しているのが現状で、先ほどの京都市の場合は、亡くなってから8日後に火葬、神栖市の場合は2日で火葬、自治体によっては戸籍の調査に時間がかかり、何年も御遺体を冷蔵庫で保管し、ドライアイスなど保管費用だけでも莫大な金額になっているところもあるそうです。当市の場合は、身寄りのない方の御遺体を火葬するまでの手順はどのようになっているので しょうか、お伺いいたします。

答弁 健康福祉部長 結城慎二

火葬までの手順についてでありますが、その死亡事案に対し、何らかの事情で警察が介入している場合は、警察において親族等の調査が行われ、その結果、親族がいない、あるいはあっても対応が拒否される件について、警察からの依頼により、市が死亡届の提出及び火葬を行うこととなります。一方、警察が介入しない場合につきましては、主に病院等からの連絡を受けることとなりますが、その際は、第一に福祉関係者や家主等関係者の聞き取り等を通じて、市が親族の有無の調査を実施をいたします。ここで親族等があることがわかった場合は、その方に連絡をして対応を依頼することとなりますが、その親族等が対応を拒否した場合や、親族がいないと判断した場合は、市が火葬を行うことになります。また、本籍が網走市以外の場合は、戸籍調査にも時間を要するため、まずは関係者等の聞き取り結果を優先し、その結果に基づき、火葬を行った後に戸籍調査等を行うことになります。この戸籍調査により、親族が判明した際は、手紙により親族に御連絡をし、その後に事情を説明することとなります。

質問 永本浩子

この4年間では、警察介入の事案ばかりなので、市がそういった調査を行うことは多分なかったのだと思いますけれども、そうじゃなかった場合は、やはり火葬してから戸籍調査で連絡ということもあり得るということなのだということですね。そうなると、今後ですけれども、日本の年間死亡者数は、昨年で159万人、今後もさらに増えていく「多死社会」の到来と言われております。当市においても、今お話があったように、「火葬トラブル」が起きないとも限らないかと思います。番組の中で、オーストラリアから緊急帰国した娘さんは、「もう絶対にほかの人にこんな思いをしてほしくない」と泣きながらおっしゃっておりました。葬送の成り立ちに詳しい国立歴史民俗博物館の山田教授は、国が遺族調査やどの段階で火葬していいのかといったモデルを示すことの大切さと共に、自治体も生前から終活情報や緊急連絡先などを事前登録する取組を進めることが必要であるとおっしゃっておりました。この「終活情報登録事業」は、昨年12月の一般質問で提案させていただいたばかりで、「取組を行う予定はない」との答弁でしたが、やはりこうした制度は今後益々必要になってくるのではないかと思っております。ぜひ導入を検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 健康福祉部長 結城慎二

網走市の高齢単独世帯は、令和2年の国政調査で2,383世帯であり、高齢者人口に占める割合は21.2%と、高齢者の5人に1人が一人暮らしという結果となっており、今後も増加するものと考えております。この高齢単独世帯の中には、身寄りがない方や、身寄りが遠方にいらっしゃる方も相当数含まれているものと想定しておりますが、こうした方々の死後事務に関しては、昨今、マスコミでも取り上げられ、国全体の課題となっていると承知をしております。当市におきましても、こうした高齢単独世帯の方々への対策は重要であると認識しており、本年度策定する第3期網走市地域福祉計画の中でも重要課題として位置づけを考えております。議員御指摘の「終活情報登録事業」は、「火葬トラブル」の防止ばかりでなく、高齢者が安心して生活するためにも有効な取組であると考えておりますので、地域福祉計画策定の中で具体的な検討を行ってまいりたいと考えております。

質問 永本浩子

今、具体的な検討をしていただけるという答弁をいただきまして、大変嬉しく思っております。ぜひよろしくお願いいたします。次に、網走市内の方から相談を受けた件ですけれども、天涯孤独の友人から自分の葬儀と埋葬の依頼を受け、市も大変親身になって相談に乗って動いてくれ、そして、お寺や葬儀社の協力も得て、本人の意向通りに葬儀も埋葬もできたにもかかわらず、通帳と印鑑を預かっていたものの現金化できていなかったために、結局、葬儀代を友人が支払うことになり、御主人が納得できず思いもかけないもめごとになってしまいました。亡くなられた本人も葬式代を貯めて友人に通帳と印鑑を託したわけで、まさかこんなことになるとは思ってもいなかったと思います。こうしたケースを解決するには、やはり昨年12月に提案させてもらった、自治体指定の葬儀社に生きているうちに葬儀代を託す「終活支援サポート事業」の導入が必要なのではないかと痛切に思いました。市の見解をお伺いいたします。

答弁 健康福祉部長 結城慎二

身寄りのない方、あるいは身寄りが遠方にいらっしゃる方が亡くなられた際には、議員御指摘のような問題が生じることがございまして、市としても相談を受けることがございます。全国的には、葬儀や死後の財産処分などの死後事務ばかりではなく、病院への入院や介護施設などへの入所の際の手続支援、日用品の買い物などの日常生活の支援を含めて、家族、親族に代わって支援をする高齢者等終身サポート事業を行う民間事業者が増加をしております。一方で、契約が長期にわたることや、サービス提供にあたり、一部費用が前払いのため契約内容の適正な履行確認がしにくいなどからのトラブルも多く、遵守すべき法律上の規定や留意すべき事項などを内閣府や厚労省など、関係省庁横断で整理をしましたガイドラインが今月令和6年6月に各自治体に通知されたところでございます。議員御指摘の「終活支援サポート事業」についても、利用者と民間事業者が任意で契約を締結するものと承知をしておりますが、国からガイドラインも示されたことから、その内容を精査するとともに、先進自治体を研究してまいりたいと考えております。

質問 永本浩子

私も本当に御相談を受けて、市の方にも本当にいろいろ動いていただいて、あそこまで協力していただいたのに、最後こういう形になって、本当に残念だったのと、どうしたらこういうトラブルを解決できるのかというので、本当に私も悩みました。市の職員の方も同じだったかと思います。何とかいい解決の方法を見つけていければと私も思っております。番組では、御主人に先立たれた高齢の女性が、自分が死んだときのことだけが心配だったということで、この横須賀市ですけれども、終活支援を申し込めて本当に安心したと語っておられました。横須賀市では、申込者の見守りも兼ねて3か月に一度の訪問確認も行っておりました。網走とは人口規模もまた葬儀社の数も全く違いますので、同じようには行かないかもしれませんけれども、ぜひ網走に合った形で少しでも皆さんが安心して行ける対応方法を検討していっていただきたいと思っております。また、この番組の最後には、地域医療の現場で様々な死を見てきた医師の鎌田實さんが登場して、高齢者本人の備えや対策について3点語ってくれました。一つは「緊急連絡先はアナログで」ということです。高齢者にも今スマホが普及しておりますが、ロックがかかると解除するのは難しいため、冷蔵庫の扉など目に付くところに緊急連絡先などを書いた紙を貼っておくこと。二つめは「情報は自分から預ける」自分の情報や葬儀や埋葬の希望を信頼できる友人や民生委員、地域包括支援センターに伝えておく。三つめは「自己決定して人に伝える」これがとても大事だということで、エンディングノートに自分の希望を書いておいてくれると行政も周りの人もその人流の生き方を支えることができる。さらに「自分の人生、結構楽しかった」など1行でも書いてあると最後に会えなかった人も心が和む、ということでした。そして最後に、一人暮らしを楽しんでいる高齢者も多く、夫婦で暮らしている人よりも一人暮らしの方のほうが、満足度が高い、というデータもあるそうで、自己決定ができていれば一人暮らしも結構いいのでは、というお話もされておりました。私も一人暮らしの高齢者の一人になってしまいましたけれども、こうしたことを、制度を整えることと平行して寿大学や老人会など高齢者の皆様に伝えていくことも大切な取組なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 健康福祉部長 結城慎二

行政の取組だけではなく、高齢者自身が自らの意思に基づき、最後に備えることは大変重要なことだと考えております。その一つの手法であるエンディングノートは、遺言書のような法的効力はありませんが、自分自身に万が一のことがあったときに備えて、様々な情報や希望をまとめて記載することができるものであり、当市では、自分自身の歴史を振り返り、今後安心して生活するための学びという観点から、社会教育課において、令和3年度に寿大学学生を対象にエンディングノートを作成し、配付をした実績がございます。また、市内2か所に設置をしている地域包括支援センターが、高齢者の総合相談窓口を担っており、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう広範な相談に対応しております。今後につきましても、地域包括支援センターなど、関係機関と連携をして、高齢者の生活の不安の解消を図ってまいるとともに、関係機関、部署と連携しながら、終活を学ぶ機会について検討してまいりたいと考えております。

質問 永本浩子

私も最後、鎌田先生の話を聞いて、そういうエンディングノートとかにも、自分の人生結構良かったよとか、そういった一言が亡くなったあとの人たちにも、そういう影響を及ぼすのか、もしかしたら火葬されたあとで親族に連絡がついた場合でも、そういったものがあることで救われるとか、そういったことがあるのだなということを学ばせていただきました。こういったことを、ぜひ地域包括ケアセンターの皆さんもわかっていただいて、一声かけながら貼っておこうねということも大事な取組かと思います。当市も超高齢社会を迎えようとしております。今、誰もが安心して生きている社会、亡くなったあとも、御本人の尊厳が守られる社会の仕組みが必要だと痛感いたします。網走にいれば安心して生きていける、そして安心して最後を迎えられると思っていただけるような網走になっていけるよう、取組をぜひお願いしたいと思います。私の質問は以上で終わらせていただきます。

出典:網走市議会 令和6年第2回定例会 2024年6月25日 議事録 PDF(43ページ) 間違いを知らせる