網走市議会 令和3年第3回定例会 2021年9月15日
いわゆるデジタルトランスフォーメーションについて
2021年9月15日、網走市議会の一般質問で、近藤憲治議員が「いわゆるデジタルトランスフォーメーションについて」質問し、企画総務部長 秋葉孝博、建設港湾部長 吉田憲弘、健康福祉部長 桶屋盛樹、観光商工部長 伊倉直樹、市長 水谷洋一が答弁しました。
- 質問者
- 近藤憲治 議員
- 答弁者
- 企画総務部長 秋葉孝博、建設港湾部長 吉田憲弘、健康福祉部長 桶屋盛樹、観光商工部長 伊倉直樹、市長 水谷洋一
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 近藤憲治
網走におけるDX、いわゆるデジタルトランスフォーメーションについて伺います。デジタル庁が9月1日に設立をされました。デジタル庁はデジタル政策の司令塔と言われておりまして、行政のITシステムの統一を図り、官民のデジタル化を推進することで、国民の利便性向上につなげるのが狙いと伺っております。また、政府の経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針2021では、グリーン社会の実現、活力ある地方づくり、国土強靱化、少子化の克服、子供を産み育てやすい社会の実現とともに、官民挙げたデジタル化の加速という項目が盛り込まれました。これらの議論に前後して、DX、いわゆるデジタルトランスフォーメーションという言葉も頻繁に耳にするようになりました。DXとは、スウェーデン・ウメオ大学の教授エリック・ストルターマン氏が2004年に主張した「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させる」という概念のことを指すと聞いております。さらに、近年では、一般的に最新のデジタル技術を駆使したデジタル化時代に対応するための企業の変革という意味合いのビジネス用語としても使われております。単なるIT化やデジタル活用という細切れの視点ではなく、デジタルテクノロジーで社会のありようをよりよく変革するという点に重きが置かれていることが大切な視点であると考えております。ですから、平井卓也初代デジタル改革担当大臣は、「DXを本気でやる。日本の現状を考えると、デジタルインフラはよその国に負けていない。1兆3,000億円も毎年使ってなぜ便利にならないのか。民間も技術はある。ベンチャーも出てくる。決して見劣りをしていないが、日本企業の時価総額を比べると、米国のメガプラットフォーマーのほうが時価総額が高い状況にある。トヨタよりもテスラだし、民間もデジタルの分野で新しい価値をつくることができなかった。それが停滞した20年。これを変えるのがDXによる成長戦略だ」と発言をしております。また、地方のDXについても、平井大臣は「今までのやり方を変えられない前提で議論すると話が終わってしまう。そこを突破するのが地方のDX。何かをやって終わりではなく、常に時代とともに変わり続けることを宣言して、変わり続ける機能を持つということ。その司令塔がデジタル庁」とコメントをしています。以上の平井大臣の発言からもわかるように、我が国の国際競争力を高めて、地域の持続可能性の確保、そして誰一人取り残さない包摂性のある社会を実現する上でも、DXは極めて重要な要素であります。そこで、当市のDXについての認識を伺います。まず、9月1日にデジタルファースト宣言を市として発表をされました。その狙いを改めてお示しいただきたいと思います。
答弁 企画総務部長 秋葉孝博
議員お話のとおり、国では9月1日に発足したデジタル庁を司令塔といたしまして、国民目線でのサービスの創出やデータ資源の利活用、社会全体のデジタルトランスフォーメーションの推進など、全ての国民にデジタル化の恩恵が行き渡る社会の実現に向けた取組が進められます。社会全体のデジタル化の取組が加速する中、当市におきましても、人口減少・少子高齢化による地域課題への対応に加え、ウィズコロナ・ポストコロナへの対応も求められております。こうした中、引き続き、安定的に公共サービスを提供するためには、デジタル技術の積極的な利活用が欠かせないとの認識に加え、「市民に自然にやさしいスマート庁舎」、これを基本理念とする新庁舎の整備とも歩調を合わせ、今回のデジタル宣言を契機としながら、「関係人口創出」「市民サービス」「行政運営」、これのそれぞれの分野におきまして、デジタルファーストで取り組み、持続可能なまちづくりを推進してまいります。
質問 近藤憲治
今、御答弁いただいた中に、ウィズコロナ・ポストコロナという時代の趨勢も受けて、行政サービスを安定的にというニュアンスのお話を頂いたところであります。デジタルファースト宣言、今回3つの視点が盛り込まれております。「市民ファーストのデジタルファースト」「行政運営のデジタルファースト」の観点について少し深掘りをさせていただきたいと思いますが、先ほども御紹介をしましたデジタル改革担当大臣の平井卓也大臣は、さらにこういったコメントも残されております。「今回のDX、デジタル化の取組で、最終的に目指す方向は二つ。一つは市民サービスを365日24時間対応可能にしたい。マイナンバーカードの証明機能をスマホに入れられるよう法改正をしたい。マイナンバーカードのレプリケーションを登載したスマホ、全ての手続を60秒以内に完結するユーザーインターフェースにしたい。二つ目は、国、自治体の全部のシステムをつくり替え、新しい政策判断を1週間でシステム化できるようにしたい。これができれば、最先端のシステムアーキテクチャーを持った国になる」ということであります。国民向けのサービス、また行政運営の在り方をデジタルテクノロジーでよりよく変革していくという視点を示しておりまして、私は我が国の今後を見据えた場合、極めて大切な取組であると受け止めているところでありますが、市としては、市民サービス及び行政運営のデジタルファーストについて、どのような基本的な考え方を持ち、具体的な取組を計画しているのか伺います。
答弁 企画総務部長 秋葉孝博
市民サービスのデジタルファーストの基本的な考え方は、市民の皆様一人一人がそれぞれの方にとって最適な手法で、手続、相談、情報提供などの行政サービスをいつでもどこでも受け取ることが可能な体制を構築し、市民サービスの向上を目指すものでございます。次に、行政運営のデジタルファーストの基本的な考え方は、現在の全ての事務事業について、新庁舎の整備も念頭に、デジタル化を前提とした見直しを進め、徹底した効率化により持続可能な行政運営を目指すものでございます。具体的な取組についてでありますが、現在、各課に対し、事業費の中期的な見通しを調査中です。今後、若手職員などで構成する検討会を設置しながら、デジタル化に向けた具体的な項目、課題などにつきまして精査してまいります。
質問 近藤憲治
デジタル技術を用いて徹底した効率化ということで、具体的中身についてはこれからという趣旨の御答弁でありました。また、DXの重要な要素として、様々なサービスを提供していくと当然ビッグデータが収集をされていくという流れがございます。そのビッグデータを活用して、様々な政策の成果の見える化や、その政策のよしあしの判断の迅速化というのが目指されるわけなのですが、どのようなデータを収集し、どう生かせると行政運営がより効率化するのか。また、市民サービスの満足度が向上するのかという、ユーザーや働き手の視点に立った仕組みの構築も大切だと考えております。このビッグデータの活用について、またそのデータをオープンソース化して広く生かしてもらえるようにするという考え方について、現状の認識を伺いたいと思います。
答弁 企画総務部長 秋葉孝博
今後、関係人口創出、市民サービス、行政運営のデジタル化の推進によって、様々なデジタルデータが入手可能となり、特に観光人口創出では、こうしたデータを活用し、今、何が求められているか、実施すべき施策の最適なタイミングや手法は何かといったデジタルマーケティングが求められていると認識をしております。国による官民データ活用推進基本法や、オープンデータ基本方針などを踏まえながら、デジタルマーケティングについて研究を進めてまいります。
質問 近藤憲治
今、関係人口の創出の部分での御答弁いただきましたけれども、これを行政サービスを提供していく中でも様々なデータ収集されますから、そこの生かし方についても今後議論させていただければと思います。次に、行政運営の業務そのものの、いわゆる棚卸しの必要性についての認識をお伺いをいたします。自治体のデジタルトランスフォーメーションを支援しているコニカミノルタという民間企業の自治体DX推進本部長兼関西支社長の別府幹雄氏のお話を個別に伺う機会がございました。同社は既に全国の大小50以上の自治体、北海道内でいきますと札幌市、旭川市などが行っているようですけれども、連携をして、その自治体が行っている業務の内容を全て洗いざらい調査する全庁業務量調査というものを行っているそうであります。とある市では、その調査の結果として、公務員でなければできない仕事、いわゆる判断等を要するような仕事は全体の35%、また、公務員でなくてもできる仕事、例えばマニュアル化等がされている、言い換えれば、デジタルテクノロジーでも置き換えられる仕事というのが全体の65%であったそうであります。この割合は、実は特殊なものではないそうで、規模の大小も関係なく全国の自治体が大体同じような傾向にあるというお話でございました。当市もこれから行政サービスのデジタルファーストをうたう以上は、こういった今行っている業務の棚卸し、本当に公務員が意思決定、判断しなければならない業務はどれなのか。また一方で、他の手法でも、特にデジタルテクノロジーでも置き換えられるものはどれなのかということを、きちんとより分けて見ていく必要があります。こういった全業務の棚卸しに類する取組をされているのであれば、その結果の全体の傾向をお示しいただきたいですし、行われていないのであれば、デジタルテクノロジーの活用の前に行うべきだと考えますが、状況を伺います。
答弁 企画総務部長 秋葉孝博
現在、庁内におきましては、デジタル化に伴う事業費調査、ファイリングシステム導入に向けた事務調査、広報予算、いわゆる伝える予算のデジタル化に向けた調査を行っているところでございます。行政運営のデジタル化に当たっては、全ての事務・事業について、デジタル化を前提とした見直しが必要と認識しておりますので、今後若手職員で構成する検討会、こうしたところで、議員お話の何をデジタルでしたいのかといった現場で起きていることを念頭に調査・研究を進めてまいります。
質問 近藤憲治
今の御答弁でいくと、若い職員の皆さんからヒアリングをするという手法のようですけれども、その対象は全業務であるという御答弁のニュアンスでよかったですか。全業務を対象として調査、判断をするということですか。ちょっと改めて伺いたいです。
答弁 企画総務部長 秋葉孝博
こうした動き、取組はやはり全庁的に横展開が必要だと認識をしております。それぞれピックアップする中で、どんなことができるかということを認識し、またそれを情報共有しながら、これがそれぞれ一斉に進められるものではないとは考えておりますが、横展開ということを意を用いながら、おっしゃるとおり、全業務を対象に進めてまいります。
質問 近藤憲治
続きまして、行政サービスのデジタルファーストは、市民の皆さんに変化の実感を伴う取組を小さく始めてデジタルでこんなに便利になるのだですとか、デジタルで社会がよりよく変わるのだというイメージを市民の皆さんに広く共有していただくことも必要であると考えております。そういった点では、前回の定例会の一般質問の中で、当会派の古田純也議員が提案されたスマホから災害の発生状況や地域の困り事情報などを寄せていただき、行政で即座に対応する情報共有の仕組み、こちらは検討するという答弁でしたので、具体的にどのような視点の検討が続いているのかを伺いたいと思います。さらに、小さな変化を実感していただくという点では、例えばエコーセンターやコミセンなど、公共施設の予約状況がリアルタイムで把握できる仕組みとオンライン予約の導入、お年寄りの集いの場でのデジタルテクノロジーを活用した新たなコンテンツの試行、また、新しい庁舎に無人またはリモート対応のデジタル窓口をデモンストレーション的に設置するなど、すぐにでも取りかかってみてよいものもあるかと考えております。こちらについての認識を伺いたいと思います。
答弁 建設港湾部長 吉田憲弘(建設港湾部長は2021年12月まで)
情報共有の仕組みに対する検討状況についてですが、現状としましては、先進事例の情報収集を行っております。道内においては、2つの自治体からスマートフォンアプリのLINEを利用したまちの情報提供や道路の破損、陥没、道路照明の不点灯などに関する情報サービスについて、聞き取りを行いました。また、道外の自治体にも情報収集を行っており、システム導入における課題等を整理しております。具体的には、市民から情報を頂く際に、情報の項目を画面上での選択方式としている自治体が多く、その際の情報カテゴリーをどのようにしているか。また、受付後の市からの返信をどのようにしているかなどを検討しているところでございます。
答弁 企画総務部長 秋葉孝博
次に、公共施設の予約システムの導入についてでありますが、市民の利便性の向上につながるかといった視点を持って、市民サービスのデジタルファーストの中で検討してまいります。次に、新庁舎におけるデジタル窓口の設置についてでありますが、市民の利便性の向上に加え、現状での課題、業務の効率化といった視点を持って、行政運営のデジタルファーストの中で検討してまいります。
答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)
お年寄りの集いの場でのデジタルテクノロジーを活用した新たなコンテンツの試行についてでありますが、現在、高齢者ふれあいの家におきまして、スマートフォンを活用したビデオ通話の体験や動画の視聴など、楽しみながら学べる内容を計画しているところでございます。これまで、高齢者ふれあいの家を運営している10か所のボランティア団体と打合せを行っておりまして、9月から順次実施を予定をしておりましたが、コロナ禍による活動制限により未実施となっておりますので、緊急事態措置期間が終了の際には、早急に取り組むことで考えております。
質問 近藤憲治
各課で様々な検討、また具体的な取組に着手をされていることがよくわかりました。次に、デジタルファースト宣言に盛り込まれた関係人口創出のデジタルファーストの観点からもお伺いをいたします。観光や経済系政策分野でもデジタルテクノロジーで変革をというニュアンスで盛り込まれているものと受け止めているところですけれども、媒体を紙からデジタルへという、いわゆるペーパーレス化という思考だけではなくて、デジタルだからこそ把握できるビッグデータを活用して政策の効果や精度を高めていくという視点、先ほど行政運営の面でも述べましたけれども、こちらの関係人口創出の部分でも持っていただきたいと思います。例えば今まで観光プロモーションや各種PRの宣伝素材の政策については、そのPRがどのように消費者に届き、どのような行動変容をもたらしたか。また、網走の来訪につながったかを分析する手法というのは、残念ながら後づけで、さらに任意協力のアンケートぐらいしかございませんでした。しかし、デジタルコンテンツを活用すれば、どの媒体がどれくらい見られているのか。また、どのクーポンが活用されているのか。さらに、位置情報とも組み合わせるサービスを活用すれば、どのようなルートが巡る需要があるのかまでを、手法によっては手間をかけずリアルタイムでも把握することができます。ですから、実際に行ったプロモーションがどのような効果を上げたのか。また、どのような成果を地域にもたらしたかを見える化することができる点。また、消費者のニーズを的確に把握し、次の施策に反映できる点がよい点だと考えております。ぜひともビッグデータの活用で、政策の効果や精度を高めるという視点を持っていただきたいですし、そういった視点を持ったデジタルコンテンツの積極的な活用に踏み込んでいっていただきたいと考えますが、認識をお伺いいたします。
答弁 観光商工部長 伊倉直樹(観光商工部長は2024年12月まで)
デジタルコンテンツにつきましては、9月1日に行った網走市デジタルファースト宣言の3つの柱のうちの関係人口の創出の取組として位置づけております。議員お話のとおり、ビッグデータの活用により、従来のアンケート調査結果では得られなかった来訪者のニーズや地域の課題を把握し、より的確に来訪者へ訴求するアプローチが可能になると考えております。当市がこれまで行ってきた各種プロモーションや宣伝素材などの効果の分析は御指摘のとおり、任意の紙ベース中心によるアンケート調査結果に基づいて実施しているところでございます。昨年から実施しているOTAを活用したクーポン助成事業では、近年取り組んでいるデジタルプロモーションを活用し、旅行者の居住地や年齢、性別などの属性情報のほか、消費行動の集約と分析が可能になるなど、デジタルコンテンツを活用したマーケティングは、観光動向を把握する上で大変有効な手段であり、加えて、データの収集や分析がスピーディーかつ容易になり、旅行者が求めるニーズや訴求ポイントを把握することが可能になると考えます。また、御提案のありました位置情報サービスの活用については、現在、市内の団体が中心となり、スマホを活用して観光スポットや飲食店を巡るスタンプラリーが取り組まれていると認識しており、網走を訪れた方が何を求め、どのようなルートを巡るかなどの情報を収集できる機会につながると考えてございます。関係人口の創出に向けたデジタル化については、要求定義をつくりながら取り組んでまいります。
質問 近藤憲治
続きまして、地域の企業や事業者さんへの、いわゆるデジタルトランスフォーメーションの落とし込みの必要性についての認識を伺います。行政機関だけがデジタルトランスフォーメーションを志向していても、それは社会全体の変革にはつながらないわけでありまして、地域の様々なプレーヤーがデジタルトランスフォーメーションを意識として取り込み、具体的なアクションを起こしていく必要があります。そういった点では、先ほどの観光・経済分野のデジタルファーストとも深く関わるわけですけれども、地域内の企業や事業者にデジタルトランスフォーメーションの必要性やその結果もたらされる生産性の向上、地域社会のよりよい変化等のビジョンを共有してもらい、業種、業界の枠を超えて、デジタルトランスフォーメーションによるビジネスモデルの再構築と生産性・持続可能性を高める取組を協力に進めていく必要があると考えております。地域の企業、民間事業者へのデジタルトランスフォーメーションのマインドとビジョンの共有を政策的に展開していく必要性についてはどのように考えているのかお伺いをいたします。
答弁 観光商工部長 伊倉直樹(観光商工部長は2024年12月まで)
議員お話のとおり、行政だけでなく、地域の企業・事業者もデジタル化に向けて取り組んでいくことは大事なことだと思っております。今後ますます人口減少に伴う人材不足、人材確保が課題となることが想定されることに加えて、生産性向上、業務の効率化や省力化を図る観点からも、企業のデジタル化は重要であると考えます。また、コロナ禍を契機といたしまして、事業の非接触化、効率化や新たな事業展開など、デジタル技術を活用したビジネスの変革に対する機運や意識が高まっているものと認識をしております。こうしたことから、デジタル化への意識の醸成や人材確保も含め、事業者を後押しできるような取組など研究してまいります。
質問 近藤憲治
ぜひ、その後押しをする施策については、また場を改めて議論を深めさせていただきたいと思います。続きまして、これは昨日、永本議員も質問されておりましたところに少し関連しております。いわゆる地域におけるデジタルトランスフォーメーションの担い手、デジタル人材の育成についての意欲をお伺いいたします。自由民主党デジタル推進本部でデジタル人材育成・確保小委員会の委員長を務めております片山さつき参議院議員の今年5月のお話によりますと、「デジタルトランスフォーメーションを進めるためには、デジタル技術でビジネスをデザインできる人材や、それを支える人材が必要不可欠であります」と、「人材類型ごとに学びの場を構築し、国が共通するコンテンツの提供や個別教育の支援を担います日本の教育機関、これには職業訓練校、学校、民間企業等を含めますけれども、を全てデジタルトランスフォーメーション人材育成機関にアップグレードし、5年間で175万人のデジタル人材、リテラシーレベルで500万人を育成する」とのことでありました。これは、人材育成は国でやるのですねという単純な話ではございませんで、各地域にも担う要素がございます。大事な視点は、デジタル人材の育成を地域の活力に変えていくという視点であります。例えば、コロナ禍を経てのテレワークの場としての地方の存在でありますとか、若手人材のUIJターンの受入れ、また、遊休施設の活用、さらにはデジタルトランスフォーメーションが進めば生産性が上がり、CO₂排出が減るという見立てもあり、ゼロカーボンシティへの取組とも関連してくるわけであります。こういった方向性をイメージしながら、地域のデジタルトランスフォーメーションの担い手をどう育てて増やしていけるのかという政策を構築していく必要があります。現状で、デジタルトランスフォーメーションの担い手たるデジタル人材の不足、全国で約45万人と言われております。それを都道府県、市町村の人口比率で割りますと、網走市においては約100人のデジタル人材が必要となるわけであります。デジタルファースト宣言を実効性あるものにするためにも、また、地域を挙げてデジタルトランスフォーメーションのよりよい社会を目指していくためにも、デジタル人材を地域で育てていくという視点を持っていただきたいと思いますが、認識を伺います。
答弁 観光商工部長 伊倉直樹(観光商工部長は2024年12月まで)
デジタルトランスフォーメーションを進める上でのキーポイントは人であり、デジタル人材の育成・確保が一番の課題であると認識をしております。議員お話のとおり、地域でデジタルトランスフォーメーションを推進していくに当たり、地域でデジタル人材を育てていくという視点は大変重要であると考えます。今後、市内においてこうした企業や団体が出てくることを期待をし、今年度、就任をいただくデジタル化推進参与及びデジタルフェローからもアドバイスを頂きながら、対応について検討してまいりたいと思います。
質問 近藤憲治
それでは、この項目の最後になります。デジタルトランスフォーメーションのその先に何があるのかという点についても伺います。デジタル庁の創設に併せて早稲田大学マニフェスト研究所の中村健事務局長が、このようなコメントをされておりました。「今、地方自治体のほうが国よりも先行して業務のデジタル化に取り組んできていますし、その延長先にデジタルトランスフォーメーションがあると考えられているところが多いと思いますが、私はこれについては危険であるとセミナーの中でも発表させていただきました。その理由は、そもそもどのような地域をつくりたいのか。住民の生活はどうなっているとよいのか。そのためには何をどうすればいいのか。そのときの組織、役所はどういう組織になっているとそれが実現できるのか。そういう組織、役所をつくるためにはどこをどうチューニングすればよいのかという順で考えられたデジタルトランスフォーメーションの取組にしないと、目先の業務のデジタル化から進んだ結果、手続業務や許認可業務のデジタル化は進むけれども、業務ごとのデジタル化にはなるが組織全体、地域全体で見ると、継ぎはぎだらけになり、結局住民の生活の質的向上にはつながりにくいと思うからです。役所はそもそも何のために存在しているのかということを前提に議論を進めるきっかけにデジタル庁開設を生かしたいなと思います」というコメントでした。このコメントは、いわゆる理想的なあるべき姿から逆算をして、今取り組むべきことを決めるバックキャスト的思考と呼ばれるものだと思います。自治体のデジタルトランスフォーメーションも地域のデジタルトランスフォーメーションも、このバックキャスト的な思考は極めて大切であると思います。デジタルトランスフォーメーションの先に網走というまちはどのようなよりよい変化を遂げ、市民の満足度が高く定住者が流出せず、外部からも住んでみたい、訪れてみたいと思ってもらえるまちになっているのか。そのイメージを共有しながら、そこから逆算をして今目の前の課題を解決していくという思考のプロセスを大切にしたいと思います。そういった点では、私は網走はシリコンバレーを超えたデジタルの発信地となっている米国シアトルのようなまちになっていけるのではないかとイメージをしております。アマゾン、マイクロソフトといった、いわゆるGAFAMの一翼だけではなく、コストコ、エクスペディア、スターバックスなど、デジタルテクノロジーを応用した小売、飲食業、旅行業などが立地をしています。中小のIT企業が集積するシリコンフォレストを擁し、ベンチャー企業に投資をする文化もございます。そして何よりもワシントン大学があり、産学協同が強力に進められている点も特筆すべきところでございます。網走に置き換えますと、大規模な一次産業の生産力に下支えされた地域の経済力、世界に発信し得る食と観光のコンテンツ、一次産業の現場とも密接に結びついた東京農業大学オホーツクキャンパスの存在と基礎的な要素はシアトルと極めて似ております。足りないのは、IT系企業の集積ですけれども、IT系企業は、ある意味、場所を選ばずビジネスができるという業態でもございます。今般のコロナ禍もあり、本社移転やテレワーク、ワーケーションの需要も着実に高まってきています。一次産業、観光、農大という強みに加えて、デジタルの要素、デジタルテクノロジーによる地域課題解決や人口定着、新たなビジネスモデルの創出に取り組む町としてのビジョンを描きながら、さきに述べたデジタル人材の育成を含めて、官民を挙げたデジタルトランスフォーメーションを進めていくべきだと考えますが、最後に水谷市長の見解をお伺いしたいと思います。
答弁 市長 水谷洋一
-登壇- 議員の御質問にお答えをしたいと思います。るる御意見ございまして、受け止めさせていただいたところでございますが、9月1日にデジタルファースト宣言を行ったところであります。政府の骨太方針2021は、デジタルというのは国策の真ん中に置かれているところでございまして、重複するものについては部長のほうから答弁をさせていただいておりますが、デジタルファースト宣言の大きなきっかけは、現在新型コロナ禍であるということ。もう一つは、網走市の新庁舎の建設が進行、建設が検討中ということ。そして、ソサエティ5.0の社会が訪れる中で、それに併せてリアルな庁舎のほかにスマホに庁舎ができるといったような市庁舎の建設を契機として、ハイブリッド型の市政、デジタルでも市民の生活や絆がつくれるような市政運営を目指したいということで、つまりは新庁舎ができるときに、手のひらの中にも市庁舎をつくりますといった意味合いも込めて、例えば寒い時期道路が凍っているときでも、安全ですよと。市役所に来なくても済みますよ。皆さんの気持ちに寄り添うことができる手のひら庁舎ができるのではないかと考えて、宣言を行ったところであります。議員御指摘のとおり、さきの質問がありましたように、全体の事務のコンサルという観点から言えば、要件定義と要求定義をベンダーに出していくことがとても重要と考えておりまして、まさに今どのシステムを入れるかというよりも、網走市としてどういうふうにデジタルを使いたいのか。日々の業務の中で疑問を感じているような職員から、一回プロポーザルを出してみようという、デジタルで何をしたいのかという試みが重要であると考えているところであります。行政のデジタル化と市民サービスのデジタル化とあわせて、関係人口創出のデジタルファーストに取り組むところでありますが、このことは国の動きに合わせるだけでは関係人口の創出のデジタルファーストは進まないものと、このように考えておりまして、市外の人の憧れをつくる、網走に来てみたい、応援したいと思ってもらうためには、国の動きとしては範疇外であります。デジタル庁は、諸外国のインバウンドみたいなものを戦略としておりませんので、そこは抜けてしまわないようなデジタルで考えていかなければならない、このように考えたところであります。一例を挙げれば、イベントを実施する際に、そもそも紙のものが見られていないのではないか。首都圏に出向いた際には、いろいろなイベントが紙で配られておりますけれども、駅中にそれがそこら中に捨てられている。つまりはスマホを持つので、パンフレット自体が邪魔になるといった現象もあるとの認識の中、それならばスマホの中に情報を入れてあげればよく、そのことによって、デジタルマーケティングが必要になりますという話になっていくのだろうと、このように考えているところでございます。IT関連企業が網走に空き家を探し、実際に空き家を購入し、ワーケーションや客に貸し出し、利用している企業も見受けられるようになりました。企業誘致といった大きな構えではなく、網走の環境のよさ、自然の宝庫、気温、おいしい食べ物、ストレスのない環境など、デジタルで発信されることで人が集まってきていると感じているところであります。大きく構える以上に私たちの持つ強みを、デジタルを通して発信をすることで磨き上げて、時代の速さに合わせて変化させていくことが、今後の取組の中で大変重要なものだと、このように認識をしているところでございます。