網走市議会 令和2年第4回定例会 2020年12月16日
2項目めは改正された種苗法について
2020年12月16日、網走市議会の一般質問で、松浦敏司議員が「2項目めは改正された種苗法について」質問し、農林水産部長 川合正人が答弁しました。
- 質問者
- 松浦敏司 議員
- 答弁者
- 農林水産部長 川合正人
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 松浦敏司
次に移ります。2項目めは改正された種苗法についてであります。残念ながら多くの農業者、あるいは私ども反対しておりましたけれども、この種苗法がたった2か月という臨時国会の中で強行されてしまったと。これは私は思いますが、日本の食料に関わる問題、大問題だと思います。通常国会の中でこういったものを議論するならまだしも、通常国会でも出されなかった、それが臨時国会という極めて短期間の国会の中で提案されて、あっという間といいますか、通されてしまったと。私が質問項目をつくり、質問骨子をつくっている段階ではまだ衆議院で通過した段階で、参議院では通っていませんでした。しかし、出来上がったころには通過していたということで、非常に残念です。そこで伺います。種苗法の問題点についてであります。種苗法は米や野菜などの新品種を開発して登録した場合、開発者の知的財産権を保障する法律であります。種苗法では、育成者権といい生産・販売する権利が与えられている。同時に種苗法は農家が種や苗を育て、収穫して翌年再び自分の農地で種苗として使うことは認められています。これを自家増殖というふうに言いますが、今回改正された種苗法は登録品種については自家増殖を原則禁止とし、登録期間の25年または30年の間は許諾料を払わなければならない。こういう大変な問題です。農家からは、自家増殖が禁止になって、種苗を毎年買うことになってしまう。もう営農はできないというような声も上がっている。改正の理由として、優良品種の違法な海外流出を防ぐためというふうに言っています。しかし、これはごまかしであります。この法律で海外流出を防ぐことはできません。流出した種苗の生産を止めるには、海外で品種登録をすると、日本政府がこれをやれば、登録すれば止められることはできます。シャインマスカットが中国や韓国で無断で栽培されるというふうに言われていますが、それは開発者である日本政府がそれぞれの国で品種登録をしなかったからであり、政府の怠慢だというふうに思います。自家増殖を原則禁止するのはお門違いであるというふうに認識しておりますが、市の見解を伺います。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
種苗法の改正につきましては、優良品種の違法な海外流出の防止を目的として、今回の臨時国会で成立をされたところでございます。主な改正点といたしまして、品種の出願時に開発者が栽培地域を国内や特定の地域に限定できるようにしたこと。そして登録品種について、自家増殖を許諾制にしたことということになっております。農林水産省では海外流出のルートは、市中で流通する種苗と自家増殖の2つが考えられるというふうにも説明をしております。このため、品種開発者が増殖を把握して流出防止への適切な対応が可能となるよう、自家増殖を許諾制にしたというふうに認識をしております。これは種苗の海外流出防止には必要な措置というふうに考えてございます。
質問 松浦敏司
許諾料を払わなければならないということは、大きな問題があるというふうに思います。次に移ります。農林水産省は自家製増殖が禁止されるのは登録品種であり、一般品種は対象外であり、大半の農業者は影響ないと言っておりますが、市としては農水省の言っているこのことについてどのように認識しているか伺います。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
自家増殖の許諾制に伴う影響についてでございますが、自家増殖の許諾制についてはその対象は登録品種となっておりまして、農林水産省によりますと、この登録品種は種子全体の中では少数でありまして、それ以外の一般品種につきましてはこれまでどおり自家増殖できることから影響は少ないというふうに農林水産省では説明をしておりまして、市としてもそういう認識をしております。なお、改正種苗法は品種登録時の地域等の限定は令和3年の4月からでありますが、自家増殖を許諾制にするのは令和4年4月からとされております。今回の成立を受けまして、農林水産省では改正内容への対応を進めていくとしておりますが、今後の動きには注視をしていきたいというふうに考えております。
質問 松浦敏司
わかりました。なかなか納得はできないのですけれども。次に、自家増殖の禁止というのは農家負担の増加のほかにどのような問題が出るのか、もしわかれば伺います。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
自家増殖の許諾制に伴う問題についてでありますけれども、自家増殖の許諾制に伴い登録品種につきましては自家増殖を行う場合許諾料を支払うことになりますが、それと併せまして許諾に係る事務手続が農業者の方の負担になることが懸念をされております。今臨時国会での附帯決議におきまして、自家増殖の許諾手続が農家の負担とならないような運用を求めておりまして、農林水産省でも簡易な許諾方法のモデルづくりを検討するというような報道もされているところであります。今後、農業者の方の過度な負担にならないか、これらの動きを見ていきたいというふうに考えております。
質問 松浦敏司
そんな附帯意見をつけるぐらいなら、そういう法律をつくらなければいいのだと、このように思います。次に移りますが、改正種苗法の本当の狙いは何かということであります。政府はなぜ自家増殖にこだわるのかと、それは2018年の主要農産物種子法の廃止とセットで考える必要があると思います。これは6月議会でも言いました。その背景には、国の研究機関や各県の農業試験場などの公的機関があると民間の種苗会社は参入できないというもの、同時に公的機関が持つ種苗生産の知見を民間に供給しなさい、提供しなさいという農業競争力強化支援法を成立させたということです。そこには世界の多国籍の農業関連企業があるというふうに思いますが、この背景について市の見解を伺います。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
種苗法改正の背景についての見解についてでございますけれども、今回の種苗法改正につきましては国会での議論において、外国企業による日本の種苗独占への懸念について議論があったところであります。農林水産省では外資系企業の品種で日本の市場が支配されることはない、小品目、大ロットで販売する目的で品種を開発する大企業の方針では、日本で栽培する品種は多様な気候や風土に合わせる必要があり大企業の方針に合わないと説明していることから、私どももそのように認識をしております。種苗法の改正の背景につきましては、優良品種が海外へ流出し他国で増産され第三国に輸出されるなど、日本の農林水産業の発展に支障が生じることでありまして、種苗法改正によりまして流出の防止を図ることにより、育成者の権利を守り優良品種から高収益を得られる最大の受益者であります産地、農業者、そして農業の発展に寄与するものというふうに考えております。
質問 松浦敏司
本当にそうなるかというのは私は甚だ疑問に思っているところです。次に移ります。当市への農業への影響についてであります。既にトウモロコシや野菜ではハイブリッド技術による一代雑種、F1というものですけれども、席巻し農家は毎年農業関連企業から種を買わなければならない状況にあります。さらに北海道農業にも大きな影響をもたらすのが、今回の改正種苗法だというふうに思います。当市の農業への影響もあるかというふうに思いますが、どのような影響があるか見解を伺います。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
種苗法改正による当市への影響についてでありますけれども、御承知のとおり、当市の農業は畑作産品が基幹作物となっておりますが、北海道で平成31年3月に成立しました条例におきまして、主要農産物に該当される麦や豆などについては基本理念として種子の生産は同品種育成者、種子生産者及び関係機関が相互に連携をして協力することにより推進せねばならないというふうにも規定をされており、種子の安定供給が図られることとなっております。また、種イモ、てん菜につきましてはJAを通じて農家に供給をしておりまして、これまでもロイヤリティーを支払っていることから今後も同様に取扱いがされるものと考えております。こうしたことから、当市農業への影響は今のところはないというふうに考えております。
質問 松浦敏司
あくまでも今のところであります。いつまでこの地域で畑作産品でやれるのかというようなこともありますから、それはそれでわかりました。次に、農水省は自家増殖の許諾料について、高額にすれば買う農家が減るから、それほど高くなることはないというふうに言っているようでありますが、そういう認識でいいのでしょうか、伺います。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
自家増殖の許諾料についてでございますけれども、農林水産省では農研機構や都道府県などの公的機関は品種の普及を目的にしており、営農の支障になるような高額の許諾料を徴収することは通常ないとしておりまして、また民間種苗会社もこれらの水準を参考にするため高額になることは考えにくいとの見解を示しております。また、開発される新品種につきましては、それを普及させなければならないことから、栽培の負担となる条件、許諾料になるようなケースは考えられないというふうに思われます。さらには、これも附帯決議でありますけれども、種苗の適正価格による安定供給を目的に施策を講じることとしておりまして、自家増殖の見直しをするのは、先ほども申し上げましたけれども、令和4年4月であることから、今後農林水産省の対応については注意深く見ていきたいというふうに考えております。
質問 松浦敏司
とは言っても、この種苗を出すところはアメリカの大手の種苗会社だというふうに思われます。そういったところのほぼ独占の状況だというふうに思いますが、取りあえず伺いました。最後に伺います。種は農家あるいは人類のものなのかというふうに言う人もおります。それとも、化学企業のものなのかと、これが今問われているのだというふうに言う方がおりました。種は百姓の魂、私も昔百姓をしていましたので、私は百姓という言葉が大好きです。多品種の栽培は、不作のリスクに備えるためだという農家の声を耳に傾けるべきだというふうに思いますが、見解を伺います。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
国内農産物を供給する上でも、種は作物生産の基本であるというふうに私たちも考えております。先ほども申しましたけれども、種苗法の施行から自家増殖するのは令和4年4月からとなっております。農林水産大臣も現場の懸念を払拭するため、引き続き改正の趣旨や制度の運用について丁寧な説明を行っていくと述べております。そこは非常に重要だというふうにも思っております。今後はその動向を見ながら農業者との意見交換、JAなど関係機関とも連携をしまして、種苗法の改正後について対応をしていきたいというふうに考えております。
質問 松浦敏司
いくら丁寧な説明をされても、種苗を買わなければならないし、許諾料、自家増殖する場合に許諾料を払わなければならないという事実は変わりません。それであくまでも令和4年から許諾料ということでありまして、その後というのはどうなるか私も見当つきませんが、いずれにしても農家にとっては負担が増えるのは間違いないだろうというふうに、私は考えています。最初から種苗を高い金額では当然売らないと思います。しかし、徐々に徐々に上げていくというようなことは十分あり得るというようなことを考えたときに、農家にとっては選択権がない、買うしかないわけですから、そういう意味でも非常に種苗法というのは問題だというふうに指摘をして、私の質問を終わります。