網走市議会 令和2年第4回定例会 2020年12月16日
カスタマーハラスメントへの対応について
2020年12月16日、網走市議会の一般質問で、平賀貴幸議員が「カスタマーハラスメントへの対応について」質問し、市民環境部長 酒井博明、観光商工部長 田口徹が答弁しました。
- 質問者
- 平賀貴幸 議員
- 答弁者
- 市民環境部長 酒井博明、観光商工部長 田口徹
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 平賀貴幸
-登壇- それでは私からも質問をさせていただきます。実際はもう、緊急事態宣言をしていただいたほうがいいのではないかという状況は、全国に広がっているように感じています。その上で何らかの支援を実際企業の方々に対して、国を含めてしっかりしていかなければならないような状況にある。しかしながら、国の判断が様々な形で遅くなってくるので、現場で経営されている方々、働いている方々が振り回されて困っているような状況に、私は本当に今あるのだろうというふうに認識をするところです。何とかせねばならないなというふうに思いを込めながら質問していきたいと思いますが、この状況にもかかわらず一生懸命頑張っている医療従事者の方々、あるいは生活を支えるライフラインとして食料の供給や流通などで働くエッセンシャルワーカーと言われるような皆様に対して、改めて本当に感謝とお礼を申し上げながら質問しなければいけないなと思います。そこで最初に伺うのは、悪質クレーム、カスタマーハラスメントへの対応についてであります。飲食店や小売店などで働く従業員の方々に対して、お客様であります消費者の方々が暴言を吐くようなこと、あるいは土下座を強要したりする悪質なクレームがここのところ問題となっており、コロナ禍の影響もあってか増加傾向にあると伺っています。悪質クレームはカスタマーハラスメントとも呼ばれ、働く人の気持ちをくじき、貴重な人材が退職という形で失われることで経営的な大きな損失を受けたり、家計への影響を与えることになるとともに、一歩間違えれば犯罪にもなるものであります。クレームというのは本来不具合などの指摘を受けながら、改善すべきことへとつなげることで、よりよいサービスが商品を生み出すことへと導かれるものであり、それは結果的に企業の業績向上や職員の能力向上につながるものであります。しかし一方で、悪質クレームは苦情を伝えるということを超え、度を過ぎた迷惑行為や人権侵害を伴うような行為のことでありまして、通常のクレームとは一線を画すものであります。スーパーやドラッグストアなどで働く店員の方々が商品の場所を案内したところ、的確に教えられなかった、遠回りさせられたなどの理由で怒りだし、ばか、死ね、辞めろとどなられるようなケース、セクハラをする客への対応があったため110番通報し警察から注意をしてもらったところ、逆切れされてインターネット上の掲示板へ実名を上げられ拡散されたケース、ささいなことにもかかわらず土下座を強要されたケースなどがあるのが現状であります。さらにコロナ禍においては、一時入手が困難だったマスクや消毒液、これらをめぐり様々な形で度合いを超えた悪質なクレームを受けた方々が働く現場にはいらっしゃったということを私たちは忘れてはならないと思います。こうした状況を踏まえて伺いたいと思います。消費者協会には通信販売はもちろんですが、実際の売買や商品購入についても様々な相談やクレームが寄せられることがあるというふうに思います。それら相談の状況はどのようなものがあるのか。また、コロナ禍の現状とそれ以前とでどのような変化があるのか、基本的な見解を伺いたいと思います。そして、あわせてですが、その中には消費者自身に責任があったり、店舗側に過失を問うのは無理があるといった質の悪いクレーム、あるいは無理筋なクレームも一定程度あるのだろうと思いますが、実際のところはどのような状況なのか見解を伺いたいと思います。
答弁 市民環境部長 酒井博明(市民環境部長は2021年3月まで)
まず網走消費者協会に寄せられる相談の状況についてでありますが、相談件数は平成31年度161件、平成30年度174件、平成29年度183件と、ここ数年100件台後半の件数となっております。平成31年度の相談内容で見ますと、インターネット関係のトラブルやアダルトサイトの登録など、運輸通信サービスに関する相談が37件で最も多く、次いで架空請求や架空訴訟など、商品一般に関する相談が26件、健康食品や美容品などの商品が届かない、定期購入とさせられ解約したいなど保健衛生品に関する相談が17件となっております。消費者相談における最近の相談傾向としましては、高齢者からの相談が年々増加している状況にあります。次に、質の悪いクレームなどへの見解についてということでございますけれども、消費者相談室では基本的に消費者からの相談に対応しておりまして、業者や店舗側からの相談には対応していないという状況がございます。消費者からの相談内容が、悪質なクレームであるかどうかの判断を行うのは難しい状況にあります。消費者からの相談の中で、業者や店舗側に過失や錯誤などがあると思われる場合は、相談員があっせんという形で仲介し対応しておりますが、消費者側の一方的な言いがかりや錯誤ではないかと思われるような相談につきましては、消費者側に再度契約内容や表示内容の確認を行っていただく、あるいは家族など身近な方への相談を促すなどの助言を行うことによりまして対応しているところでございます。
質問 平賀貴幸
一定数そういうものがあるということが改めてわかったところでありますが、そこで伺っていきますけれども、ある意味社会問題化しております、この悪質クレームに対する網走市の認識と現在の把握状況というのはどのようになっているのか、基本的な見解を伺いたいと思います。
答弁 市民環境部長 酒井博明(市民環境部長は2021年3月まで)
悪質クレームに対する市の認識と把握状況でありますが、コロナ禍においてマスクの着用をお願いした従業員が客から過度な表現でクレームを受けるようなカスタマーハラスメントが社会問題化しているということにつきましては認識しておりますが、当市の消費者相談室にはそのような相談や苦情は今のところは寄せられておりません。消費者相談室におきましては、消費者からの相談が悪質クレームに該当するか否かを判断するのは難しいというのが現状でございまして、悪質クレームとしての把握も行うことは難しい状況にございます。
質問 平賀貴幸
そうですね。現在の行政の枠組みでは把握ができていないのだろうというふうに思いますし、なかなか難しいのだろうということも理解するところです。そこで伺っていきますけれども、実際悪質クレームが働く現場であった場合の相談、あるいは通報について網走市の認識を伺ってみたいと思いますけれども、このような悪質クレームには犯罪行為と考えられるものも含まれておりまして、悪質クレームの被害に遭っている事業者や労働者が解決のために取る手段というのは、警察への通報というのも場合によっては考えられるのだと思います。実際、産業別の労働組合でありますUAゼンセンが作成した対応マニュアルを見ましても、状況によっては警察へ通報などの記載があるのは確かでございます。一方、なかなか判断が難しく対処方法がよくわからずにいる職場も少なくないことが同じく調査の結果明らかになっていると思いますが、こうした場合の相談はどこにどのようにして行えばいいと考えているのか、網走市の見解を伺います。
答弁 観光商工部長 田口徹(観光商工部長は2020年12月まで)
悪質クレームについてですけれども、近年になって社会問題になってきた概念でありまして、正当な主張、要求との線引きが難しいことから相談や通報がためらわれる場合もあると考えられております。悪質クレームが発生した場合には、一人でクレームを抱えるのではなく職場の同僚や上司、または専門の窓口に相談すること、また今議員からもお話ありましたけれども、急を要する場合にはためらわず警察に通報することも重要なのかなというふうに考えております。クレームが発生した場合の相談についてなのですけれども、相談窓口については、市についても労働相談を受け付けておりますが、より専門的な機関としては市における無料弁護士法律相談のほか、中小企業相談所、厚生労働省のポータルサイトこころの耳、日本弁護士連合会の事業者向けの相談受付システムひまわりほっとダイヤルなどがございます。なお、ちなみにですけれども、現在のところ網走商工会議所、それから労働組合であります連合北海道網走地区連合会に確認したところ、このような悪質クレームについての相談はまだないということです。
質問 平賀貴幸
ここはなかなか認識がないと、相談ができないということもあるのだろうというふうに思っています。そこで伺いますが、悪質クレームに対応するためにはこの悪質クレームを知った上で備えることが必要なのだと思いますし、個人での対応には限界があり組織的に対応するということが必要なのだと思います。主に事業者での取組になるというふうに、そこは考えるのですけれども、その準備について網走市内の事業者ではどのような状況になっていると認識しているのか見解を伺いたいと思います。
答弁 観光商工部長 田口徹(観光商工部長は2020年12月まで)
御指摘のとおり、悪質クレームの実情を知り組織的に対応することは重要なことと認識しております。現在のところ、市内事業者の悪質クレームへの対応体制に関する調査については行っておりませんので、今後網走商工会議所などとも連携しまして、市内の実態を把握したいというふうに考えております。
質問 平賀貴幸
実態の把握にも努めていただきたいと思いますが、もう少し聞いていきますけれども、雇用主である事業者は労働者に対する安全配慮義務がございます。ですから、この悪質クレームはその性質上、労働者はもちろん雇用主でもある事業者にも大きな不利益になりますから、労働者を守るだけではなくて事業者に備えを促して自ら事業者が自分を守るためにも、悪質クレームに対しての適切な対応ができるようにする準備が必要なのだと思います。そうすると、一例ですけれども、悪質クレームに対応するためのマニュアルの構築などは、やはり体制の整備としては必要なのだというふうに思います。雇用者が悪質クレームへの事前の対策を準備するように政策的に促すということが必要だと思いますけれども、その辺での網走市の見解を伺いたいと思います。
答弁 観光商工部長 田口徹(観光商工部長は2020年12月まで)
さきにも答弁させていただきましたけれども、市としましてはまずは実態を把握をしたいというふうに考えておりますけれども、その上で必要があれば事業者に対しまして厚生労働省で発しております「事業主が職場における優越的な環境を背景とした助言に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等の指針」、これはパワハラの指針なのですけれども、この中にも一部この悪質クレームのことに触れておりまして、これらを参考に社内マニュアルの作成を紹介するなどを検討したいというふうに考えております。なお、事業者向けの対応マニュアルにつきましては、厚生労働省において来年度、標準的な考え方や現場対応策が盛り込まれた対応マニュアルが示されると承知しているところでございまして、これらの周知についても地域のニーズを踏まえて対応してまいりたいというふうに考えております。
質問 平賀貴幸
おっしゃるとおりだというふうに思いますし、今年の6月に改正されました労働施策総合推進法の指針の中にも、企業が顧客からの迷惑行為で従業員が被害を受けないように対応することが望ましいというふうに定められていますので、ぜひその辺は市としても調査を含めてやっていただけるということなので、調査を含めてそういったマニュアルについての対応もやっていただきたいと思います。一方、この悪質クレームへの対策については考え方や実際の状況とその対策などについて、関係者で共有を図らないとなかなか一定の方向性を持って対応が難しいということもあるものだというふうに思っております。そのために、協議を行うということがまだまだ網走では十分にできていないというふうに思っているところでありまして、協議の場を設けながら検討することも必要だというふうに考えますけれども、見解を伺います。
答弁 観光商工部長 田口徹(観光商工部長は2020年12月まで)
改めてまた同じ答弁になってしまいますけれども、市の取組といたしましてはまず実態把握をしたいと、その後厚生労働省による対応マニュアルを基本的な方策の方向性として周知するのに加えまして、地域のニーズがあれば関係者との協議を含めて必要な対策の在り方を検討してまいりたいというふうに考えております。
質問 平賀貴幸
前向きに進めていただけるというふうに、そこは確信しましたのでぜひ取り組んでいただきたいと思います。この質問についての最後になりますが、この悪質クレームはその行為を行う人、顧客、消費者そのものに原因や課題があるために起こるものであるということを忘れてはならないのだと思います。消費者に対する啓発がその意味では重要でありまして、正しい消費行動を促すための教育や啓発が必要なのだというふうにも考えますけれども、この点についてはどのように取り組むのか見解を伺います。
答弁 市民環境部長 酒井博明(市民環境部長は2021年3月まで)
正しい消費行動を促すための今後の市の取組についてでありますが、本年度北海道において第3次北海道消費生活基本計画が策定され、その中で今後総合的、計画的に講じるべき施策として消費者教育の推進が掲げられております。定年年齢の引下げや単身高齢世帯の増加など、社会情勢の変化を背景に消費生活に関する啓発、情報発信を充実させ、倫理的消費を促進するなど、賢い消費者をつくる消費者教育を推進することが今後の方向性として示されております。正しい消費者とは、商品や製品の知識、クーリングオフなど、自ら対応できる能力を有する消費者をつくる一方で、消費に対する倫理観やモラルを持ち合わせる消費者をつくるといった意味合いも含むものと考えております。このことから、市では現在、高齢者を対象とした消費者教育出前講座を行っておりますが、今後は成年年齢の引下げなども見据え若年層も対象とした消費者教育講座の開設も検討していくとともに、その消費者教育講座の中でカスタマーハラスメントに関する教育内容について、国や道の取組なども参考にしながら検討してまいりたいというふうに考えております。
質問 平賀貴幸
この問題については7月から9月にかけて、UAゼンセンによる組合員2.7万人に対する実態調査がありました。2年間で客からの暴言などの迷惑行為を受けたと回答していらっしゃるのが1万5,256人、実に56.7%になっております。また、全体の20.3%の5,477人、つまり5人に1人は新型コロナウイルスの拡大で迷惑行為を受けたというふうに、実は回答されているところです。また、業種別でこの状況を見てみますと、ドラッグストアで66.6%、スーパーマーケットで43%と割合が高くなってきて、先ほど来述べているとおり、社会や暮らしを支えるエッセンシャルワーカーが、多くの被害を受けているのは明らかになっているところであります。また、この迷惑行為に対して特に対策がされていないというふうに回答されたのは実に43.4%に上っておりまして、職場はもちろんですが社会全体で対策を進める必要があるのは明らかです。今日の質疑の中で市として積極的に取り組む方向は見えましたが、こうした大きな問題に実はなっているということを認識した上でぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。次の質問に移ります。