網走市議会 令和元年第4回定例会 2019年12月18日
地域貢献のための副業について
2019年12月18日、網走市議会の一般質問で、小田部照議員が「地域貢献のための副業について」質問し、観光商工部長 後藤利博、農林水産部長 川合正人、健康福祉部長 桶屋盛樹、企画総務部長 岩永雅浩が答弁しました。
- 質問者
- 小田部照 議員
- 答弁者
- 観光商工部長 後藤利博、農林水産部長 川合正人、健康福祉部長 桶屋盛樹、企画総務部長 岩永雅浩
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 小田部照
-登壇- おはようございます。早速質問に入らせていただきます。地域貢献のための副業について伺います。日本は今、都市化、核家族化、少子高齢化などで急激な人口減少社会を迎えています。国の産業や技術を守り、経済の維持、発展を求めていくには労働力不足が大きな課題であり、政府は働き方改革を軸に施策展開を進めているのが現状であります。多少の地域差はあるものの全国的、全道的にこの状況は時代の認識として捉えなければならないと考えます。当市も同様の状況にあると思いますが、この労働力不足の現状をどのように捉えて認識しているのか伺います。
答弁 観光商工部長 後藤利博(観光商工部長は2019年12月まで)
労働力不足の関係でございますけれども、ハローワーク網走管内によります10月の有効求人倍率は1.37倍と依然として高い水準にあり、主な職種別の状況としましては、食料品製造などの生産工程部門が3.72倍、建築土木技術者、看護師などの専門技術分野が2.54倍、介護サービス、飲食店などのサービスが2.42倍と高く、一方事務職は0.51倍という低い状況となっております。また、網走商工会議所によります令和元年度第2四半期の景気動向調査において、経営上の問題点を人材不足と上げた事業者は58.3%と最も多く、人材不足を1位とした業種は建設業、卸売業、小売業、サービス業という状況となってございます。こうした人材不足の状況は、予断を許さないものというふうに考えてございます。
質問 小田部照
理解いたしました。次に、外国人労働者の受入れの状況について伺います。当市は、農林畜産業、漁業生産加工業に加え、観光産業や建設サービス産業といった複合都市であり、地域経済と活動を支える中核都市であると認識しております。この地域産業を守り次世代につないでいくためには、労働力の確保は欠かせない条件であると思います。このため、これまでも外国人の研修生の受入れや就労支援に努めてこられているとは思いますが、現在の状況とこれまでの推移について伺います。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
当市の外国人技能実習生の現状についてでございますが、平成元年11月末現在で228名となっておりまして、国別では中国人が172名、ベトナム人が50名、インドネシア人が3名、カンボジア人が3名となっております。業種につきましては、非加熱性水産加工食品製造業が137名、食鳥処理加工業が54名、牛豚食肉処理加工業が19名、畜産農業が18名となっております。これまでの推移についてでございますが、当市水産漁港課の調べによりますと、平成27年には125名、28年には143名、29年には150名、30年には181名、令和元年は228名となっておりまして、年々増加している状況になっております。
質問 小田部照
わかりました。外国人の受入れとなると言葉や生活文化も異なり、様々な課題、問題点もあるとは思われますが、それらはどのようなものがあるのか伺います。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
外国人労働者受入れに対しての課題や問題点というところでございますが、市内監理団体では実習開始当初に市内で入国時講習を実施しており、また、市でも生活環境や保健の推進、また地域産業について説明を実施しているところでもありまして、これまで受入れに対するトラブルは特に報告をされてはおりません。一方で、技能実習生の受入れにつきましては、入国渡航費や研修費の負担があるとともに、受入れ後も監理団体へ支払う管理費や機能評価試験検定料などの負担が発生すること、また給与体系におきましても、日本人と同等以上であることが要件となっておりますから、受入機関側の費用負担が課題となっていると認識をしております。
質問 小田部照
外国人労働者の受入れを拡大する新たな制度が4月1日から始まり、これまで高度な専門人材に限定されていた就労目的の在留資格を事実上単純労働者にも認めるという大きな政策転換がなされ、人手不足に直面する産業界からは歓喜の声が上がっているところであります。当市でも、介護の分野で外国人受入れに対し前向きな事業所もあるようですが、住居の問題や言葉の問題、資金繰りなど課題も多いようですが、現状の認識と今後の対応について伺います。
答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)
介護分野における外国人材受入れの課題と今後の対応でありますが、現段階では経済連携協定技能実習制度特定技能により外国人を受け入れている事業所はございませんが、介護人材の確保につきましては、喫緊の課題であるというふうに認識をしております。外国人の受入れに当たりましては、受入側の費用負担や住まいの確保、介護のスキルやコミュニケーション、安定的な雇用などといった課題があるため、年明けに第8期計画策定に向けた事業所に対するサービス見込み量調査を行います。その中で、外国人受入れの意向を把握させていただくとともに、介護人材確保検討会で意見交換をしてまいりたいと考えております。
質問 小田部照
介護の分野でも外国人受入れに前向きな姿勢の事業所もあるようです。ぜひ、よく協議しながら実現に向けて、しっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。今年の制度改正により、介護や建設、農業や漁業といった14業種に向け特定技能が新設され、今後ますます外国人労働者の増加が予測されている状況でありますが、当市ではどのように取組を進めていくつもりなのか伺います。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
今後の外国人労働者の受入れの方向性についてでございますが、今年の4月1日に施行されました改正出入国管理法による新たな受入制度特定技能につきましては、まだ開始されたばかりのため、国内でも当該制度による在留者数は少なく、網走市ではまだいません。しかしながら、既存の技能実習制度から特定技能への移行も想定されるとともに、技能実習生につきましても、市内にある監理団体及び受入機関が優良基準適合者となっていることから、実習受入人数を増やすことも可能となっておりまして、当該地域で労働力が確保できない場合は、この制度により在留者の増加も予想されるところでございます。市といたしましては、引き続き市内の状況の把握に努めまして、市内監理団体や受入機関と連携をして、適宜適切な対応をとっていきたいというふうに考えてございます。
質問 小田部照
できたばかりの制度ということで様々な課題はあるようですが、ミスマッチのないような受入体制の構築に努めていっていただきたいと思います。農業や漁業は、当市の経済活動を支える基盤であることは言うまでもありません。その繁忙期における、いわゆる農業ではまきつけ時、漁業ではホタテの稚貝放流時などがこれに当たると思われますが、この時期の関係者の労働力の確保がどのような状況にあり、どのような苦労、努力がなされていると認識しているのか伺います。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
農業、漁業の繁忙期の労働力確保についてでありますが、既存労働者の高齢化や労働人口の減少によりまして、全国的にどの産業でも労働力不足が懸念されているところであります。当市におきましても、農業や漁業の繁忙期における労働力の確保は、以前と比較すると容易ではなくなってきてはおりますが、学生アルバイトなどにより繁忙期における労働力は今のところ確保されている状況と認識をしております。しかしながら、農業、漁業のどちらも繁忙期には、近隣地区との労働力の取り合いが生じてきているとも聞いております。このため、労働力の確保対策とあわせまして、それを補うためのスマート農業やコントラクター事業の充実、漁業作業の機械化による省力化などについても、関係機関と研究を進めることが必要であるというふうに考えております。
質問 小田部照
大体実情を把握されていると認識しました。地域産業を維持するためには、先ほども述べたとおり、労働力の確保が絶対条件であります。しかし現状において、人口減少に伴い生産年齢人口も年々減少しております。つまり働く人が減っているということでありますが、この働く人が減るということは産業が衰退し、網走市の力が弱まることを意味していると思います。これは日本社会全体の問題でもあり、政府は2018年にモデル就業規程を改定し、副業を原則容認する意向を示しました。当市としても労働力不足の解消として、先ほども質問させていただきました外国人労働者の受入れという方法もありますが、分野によってはまだまだ様々な課題や問題があるということで現状すぐにというわけにはいかず、より可能性のある働き盛りの世代に兼業、副業をしてもらうということで、課題の解消に努めていくということも一つの方法であると考えます。これに対する市の認識を伺います。
答弁 観光商工部長 後藤利博(観光商工部長は2019年12月まで)
平成29年3月28日に内閣総理大臣を議長とする働き方改革実現会議において、実行計画が決定をされ、柔軟な働き方がしやすい環境の整備の一つとして副業・兼業の推進が盛り込まれ、平成30年1月には厚生労働省によりモデル就業規則が改訂をされ、労働者の遵守事項の許可なく他の会社などの業務に従事しないことという規定が削除されるとともに、副業・兼業についての規定が新設をされました。本年9月に実施をされた民間企業による中小企業の実態調査の中では、副業・兼業の禁止が65%、容認が25%、わからないという答えが10%となっております。なかなか副業・兼業が進まないという現状としては、勤務日数や時間、健康管理、秘密保持など解決しなければならない課題が多数あることや、企業の規模、業種、あるいは都市、地方など置かれている状況の違いもあり、副業・兼業に対する考え方も多様なものと考えております。まずは、副業・兼業を希望する労働者の方と企業が十分なコミュニケーションをとりながら、双方にとってよりよい形とすることが必要であるというふうに認識をしております。
質問 小田部照
わかりました。公務員の副業についてですが、他の自治体に先駆けて2017年4月には兵庫県の神戸市が公益性の高い地域貢献活動としての副業を認めており、2017年8月には奈良県の生駒市が公益性のある組織での副業を認めております。やはり公務員ということで、両市とも公益性や地域貢献などが前提とされてはいるものの副業解禁の流れが見え始めていると考えます。行政と市民が連携し、地域の課題を解決する新たな取組として注目されていますが、これに対する市の認識を伺います。
答弁 企画総務部長 岩永雅浩(企画総務部長は2021年3月まで)
地方公務員の兼業につきましては、公務の能率や公務の公平性の確保、そして職員の品位の保持などのため、国家公務員と同様に許可制が採用されております。一方で、民間労働政策においては兼業や副業が促進されている現状がございます。地方公務員も地域社会のコーディネーターなどとして、公務以外でも活動することが期待されるようになっていることから、こうした背景を受けて許可基準を明確にし、兼業許可の公平性、透明性などを確保することで、地域活動に関する兼業に取り組む自治体があることは承知をしております。
質問 小田部照
まだまだ様々なリスク課題も多いとは思いますが、北海道では道南の鹿部町でも条件つきで副業を解禁いたしました。町内の深刻な人手不足を職員の副業で補うことが狙いであり、地域団体の有償ボランティアやスポーツ文化関連の指導者、ホタテや昆布漁の手伝いなど漁業を想定しているようです。当市でも先ほど答弁があったように、網走漁協ホタテ稚貝放流時期では1日に約1,000人近いでめんさん、マンパワーが必要であり、各ホタテ養殖事業者は毎年労働力の確保に大変苦労されております。地元の人材では賄い切れず、地方からも人手を確保し、様々なあつれきやトラブルも起きているというのが現状であります。西網走漁協の稚貝放流時期も同様であり、地域産業を守るためにも、市職員に地域貢献という一定の条件つきで副業を解禁し、市内の事業所にも波及していくということにも積極的な研究と検討が必要になってくると考えますが、市の見解を伺います。
答弁 企画総務部長 岩永雅浩(企画総務部長は2021年3月まで)
当市の職員につきましては、直ちにこうした制度を導入する段階にはないとの認識でございますが、先進自治体の事例や近隣自治体の動向などを踏まえて、兼業制度について研究してまいりたいというふうに考えております。
質問 小田部照
これからますます少子高齢化が進んで人口減少が加速していきます。2040年には地方消滅というようなショッキングなデータも出ているというような状況です。将来を見据えた対策、対応が必要になってくると考えます。ぜひ、地域産業を守り抜くための当市の努力に今後期待いたしまして、質問を終わります。