網走市議会 令和元年第2回定例会 2019年6月25日
網走市の経済状況について
2019年6月25日、網走市議会の一般質問で、川原田英世議員が「網走市の経済状況について」質問し、観光商工部長 後藤利博、建設港湾部長 佐々木浩司、企画総務部長 岩永雅浩が答弁しました。
- 質問者
- 川原田英世 議員
- 答弁者
- 観光商工部長 後藤利博、建設港湾部長 佐々木浩司、企画総務部長 岩永雅浩
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 川原田英世
それでは次に、網走市の経済状況について何点か伺っていきたいというふうに思います。網走市の経済状況、近年については、やはり一次産業は力強く安定感を増しているように見受けられて、いい状況が続いているなというふうに受けとめています。しかし、その他の産業では、厳しい状況が長期にわたって続いているというふうに思っているところです。経済状況を改善して、そして企業誘致や新たな起業を起こしていくためには、現在の網走の経済の状況をしっかりと把握する必要があります。また、国の経済政策であるアベノミクス、これが網走市の経済にどのように影響を与えているのか、このことについての把握していきたいというふうに思いますので、何点かお伺いしたいというふうに思いますが、まず日銀で取り組んでいる物価目標、これは年2%を目標としていますけれども、これは達成されていないという状況が明らかになっています。これは、現在のデフレの状況は、金融緩和では解消されないということが示されている一つの数字なのだろうというふうに思います。そういった中で金融緩和によってだぶついたお金が、都市部の土地や大企業の株に集中していて、バブルのような状況になっているというのが多くの経済学者が示しているところでありますけれども、それによってさらに地域間の格差、さらには個人の格差が拡大しているのが現状であるというふうに認識しています。特に、金融緩和によって通貨の総量であるマネタリーベースはふえ続けていますが、使われるお金、つまり個人消費や企業の設備投資などに回っていくお金の総量であるマネーストック、これはそれほどふえていないということは、これはデータで明らかになっています。つまりは、アベノミクスの金融政策というのは、これを見ると完全に失敗に終わったというふうに考えられているわけであります。そういった中で、網走市では金融緩和の影響はどのような状況になっているのか、これを把握していかなければいけないなというふうに思っています。それで伺いたいのですが、そもそも金融緩和の最大の目的は企業の設備投資など、活力ある企業をしっかりとつくっていく、そして経済を活性化させていくということになりますので、市内の企業の設備投資の状況、これが近年どのようになっているのか把握したいというふうに思いますが、お伺いします。
答弁 観光商工部長 後藤利博(観光商工部長は2019年12月まで)
市内企業の設備投資の状況ということでございますが、まず企業及び事業所の経済活動を把握する統計としまして、国の経済センサスがございますが、直近の数値としましては、平成27年度で設備投資額が26億5,300万円、これに対し、前回調査であります平成23年は34億4,000万円、比較では7億8,700万円の減という統計数字になってございます。市内の近年の状況といたしましては、例えばバイオマス発電所ですとか、日体大高等支援学校の誘致に加え、これまでに既に誘致をしてきた企業であります日本ガイシ及び日本ホワイトファームによる工場の増設、デンソーによるテストコースの改修などが投資の形で行われております。さらに、平成30年6月からは、新たな国の生産性向上特別措置法に基づく中小企業に対する設備投資の支援にも取り組んでおりまして、この1年間の実績としましては、トータルで13件、投資額は5億1,600万円という数字になってございます。
質問 川原田英世
それぞれの企業の名前も出ながら、状況がちょっとずつわかってきたのかなというふうに思いますけれども、市の金融機関の融資の状況というのは、これは把握できるのか、できているのかお伺いします。
答弁 観光商工部長 後藤利博(観光商工部長は2019年12月まで)
当市の中小企業設備投資に対する融資制度の利用状況でございますけれども、平成26年度からの数字でいきますと、平成26年度が11件、4,126万円でございます。平成27年度が同じく11件で5,818万円。平成28年度が13件で7,445万円。平成29年度が8件で2,900万円。平成30年度が5件で2,910万円となっており、年度間によってはばらつきが見られている状況でございます。
質問 川原田英世
市を通してのこの融資制度の中ではそれぞればらつきがあるということで、なかなか全体の状況は把握できないなというふうに思うのですけれども、その融資制度の枠を超えた市の金融機関全体のものというのは、やっぱり市ではなかなか把握できないということで理解していいでしょうか。
答弁 観光商工部長 後藤利博(観光商工部長は2019年12月まで)
全体のものは詳細不明でございますけれども、金融機関のお話によりますと、例えば市内の事業者が改修や設備投資をする場合、一般的に市内の建築事業者とか、取り扱っていただける事業者に相談をすると。そうしますと、大体皆さんの方が網走市の融資状況を御存じなので、それを推薦するというようなことが多いようでございます。そういうことから考えますと、今お話しをした数字がほぼ全体の融資に使われている数字なのかなということは推測できますけれども。
質問 川原田英世
わかりました。市の融資制度を通していっているということで、ただそこに何割市の融資で全体の事業の中から、設備投資の中から使っているかどうかというのは、やっぱりそれぞれバランスがあるというふうに思いますので、全体の額というのはなかなか把握は難しいけれども、件数として大体通していってるということで、そこは大体ずっと横ばいになってきている、件数としてはですね、というような状況になっているのだなということで理解をしました。次に、経済指標の一つである求人の状況について伺っていきたいというふうに思うのですが、市内の企業の課題として最も多い課題というのが、やっぱり人材不足にあるということ、これは以前も質問させていただきまして、雇用のミスマッチが最大の問題であるということ、求職者への資格取得などのサポートの必要性などをそのときの質問で訴えさせていただきました。一般的に考えれば、求人倍率が高ければ、求職者の仕事に対しての選択の範囲も広まっていきますし、企業はより多くの労働者を求めているということから、経済に活気があるというふうに考えられるというわけですけれども、有効求人倍率の近年の推移はどのようになっているのかお伺いします。
答弁 観光商工部長 後藤利博(観光商工部長は2019年12月まで)
有効求人倍率の推移でございますけれども、これは網走公共職業安定所の数字でございますので、管内の求人倍率ということになりますけれども、平成26年度が0.94倍、平成27年度が1.01倍、平成28年度が1.13倍、平成29年度が1.20倍、平成30年度が1.22倍ということで、上昇傾向ということで推移しております。
質問 川原田英世
年々、有効求人倍率が上がっていっているということ、これをどのように分析していかなくてはいけないのかというのはちょっとあるのですけれども、まず一つ目にやはり人口減少によって、求職者数とその求人の件数そのものも少なくなってきているという傾向があるのではないかなというふうに思います。その状況をちょっと把握したいのですが、倍率についてはわかったのですけれども、その倍率に占める、つまりベースになる求職者数の推移というのは、そこで把握されていましたらお示しいただきたいと思うのですが。
答弁 観光商工部長 後藤利博(観光商工部長は2019年12月まで)
やっぱり人口減少ということがありまして、傾向としては下がっているということでございます。
質問 川原田英世
人口減少に合わせて、求職者数は下がっていっている、しかしながら企業の課題はずっと人材不足にあるのですから、多分求人の件数自体というものは、その人口減少に合わせて同時に下がっていっているかというと、それはちょっと逆なのだろうなと。横ばい、もしくはそんなに減っていない状況にあるのだというふうに推測されるというふうに思います。つまり、有効求人倍率が年々上がってきている状況というのも、そこを見ていくと、上がっていっているというよりは、やはり人口減少による影響が反映されてきているだけ、だけとは言いませんけれども、そこは一番大きいのかなというようなふうに捉えているところですけれども、次にちょっともう少し伺っていきたいのですけれども、経済状況を把握する上で、やっぱり必要なのは労働者の賃金についてですね、伺いたいと思います。やはり、経済の好循環を生み出していくには賃金が上がっていくということ、これが最も重要であるというふうに思います。しかし、実質賃金の伸び率は国全体で見ると、昨年不正データなどの問題もありましたけれども、ほとんど上がっていないと。さらには、物価の上昇もあわせた実質賃金が下がっている状況にある。世界的に見ても、OECD諸国の実質賃金の伸び率は日本だけが横ばい。その他の国は着実に上がっていっていると。これに対して、賃金を上げようとアベノミクスによるトリクルダウン型の経済政策が進められているところですが、地域の影響はどうなっているのかというところです。市内の企業の賃金について、ここをしっかりと上がっていっているという状況でなければ、なかなか経済が好転していっているとは言えないですし、これから先の経済状況も見通せないのだろうなというふうに思うのですが、それが市内の企業の賃金がどのような推移にあるのか、お伺いしたいというふうに思います。
答弁 観光商工部長 後藤利博(観光商工部長は2019年12月まで)
賃金水準の推移でございますけれども、これは市で実施しております労働実態調査による統計でございますけれども、平成26年度の平均賃金は22万9,510円となっています。この年の平均年収は335万4,000円、平均年齢は44歳でございます。これに対し、平成30年度の平均賃金は25万8,606円、平均年収は345万5,000円、平均年齢は44.1歳となっており、この数字を比較した段階では、賃金では2万9,096円の増、年収で10万1,000円の増という数字でございます。次に、求人賃金の状況でございますが、これはその月によりまして変動がございますので、比較的求人倍率の多い月で比較をいたします。求人倍率の多い10月、低い月2月で比較いたしますと、まず平成29年10月が16万7,216円、平成30年10月では16万9,740円で、2,524円の増。次、平成30年2月では16万9,354円、同じく平成31年の2月では17万2,215円、比較では2,861円の増となっており、両時期とも上昇傾向を示しております。
質問 川原田英世
わかりました。賃金、これはしっかりと改善の状況にあると。しかしながら、実質賃金とあわせると、これは目標は年2%で、実態はちょっと違いますのであれですけれども、どうなっているのかちょっと計算しないとあれですけれども、実質賃金はしっかりと若干上がっている計算になるのかな、これで行くと。賃金、実態の分は上昇しているということで把握はできました。次に伺いたいのは、この政策の目標としている賃金の上昇と、これは政策自体が直結する部分、政策自体と成果が直結する部分をちょっと1点伺いたいというふうに思うのですが、アベノミクスで対応する一つとして、10兆円規模の機動的な財政政策が掲げられています。主な財政政策としては、やはり公共事業があるわけですけれども、この国の公共事業の状況、国による市への公共事業の状況について、近年の増減の状況はどうなっているのか、これを伺いたいと思います。
答弁 建設港湾部長 佐々木浩司(建設港湾部長は2020年3月まで)
公共事業の状況についてでございますが、当市の場合も国の財源を活用した事業として道路、橋梁、公園等などの事業がありますが、道路事業につきましては国の重点政策である防災安全交付金事業により橋梁補修、通学路整備を行っているところでございます。また、近年は公共施設の長寿命化を図るため、公共施設等適正管理推進事業債などを活用し、老朽化対策に努めているところでございます。近年、公共事業の状況につきましては、新設・改良に係る予算は年々減少しておりますが、防災・減災及び老朽化対策に伴う事業費はふえている状況でございます。市全体の公共事業費につきましては、大型の建築工事や一般廃棄物処理場の建設工事を除くと、近年約20億円程度で推移している状況でございます。また、国の重要施策である防災・減災国土強靭化計画に伴う地方財政措置の動きもございますので、今後、需用費等ふえる要素がございます。
質問 川原田英世
今後ふえる要素があるということで理解しました。これまでのように、新たなものというよりは、これまであるものの補修・修繕、また耐震化含めてという部分に変わってきているという部分、それがあって、現在のベースの部分から少しふえる余地があるか、それはまだわからないこれからの話なのかなということで理解をしました。公共事業、これが経済の活性化につながっていくには、これはもちろんその地域の企業が事業を行うことが重要であると、それによって雇用の安定や創出につながっていかなくては意味がないというわけでありますから、それに対してトリクルダウンという今の政府の一つの考え方では、どうしても下請けや孫請けという形で地域の需要が落ちるという構造、こういうふうにも見えて取れてしまうわけですね。この構造もしっかりと変えていかなくてはならないのだなというふうに思っているところです。経済についてもう1点ちょっとお伺いしたいと思います。大体、状況はアベノミクスでいざなぎ景気超えというふうに言われていて、一部の報道では物すごく景気がいいように言われていますけれども、網走市の状況を見ると、今聞いていく中では横ばいなのかなと。ちょっと詳しく調べてみないとあれですけれども、という状況なのかなということで理解をしました。横ばいの状況に対して、国は国として取り組んでいることを受けとめながら、地域として取り組んでいくのかというのが「まち・ひと・しごと創生総合戦略」だというふうに理解をしています。そこで、ちょっとこの現在のところの総合戦略の進捗状況と、その成果をどのように捉えているのかをお伺いしたいと思います。
答弁 観光商工部長 後藤利博(観光商工部長は2019年12月まで)
総合戦略の進捗状況ということでございますけれども、地域経済活性化にかかわるKPIの達成状況などにつきましては、観光、合宿などの交流人口の拡大分野、それから企業誘致などに関する部分につきましては、目標の達成に向けて数値の改善が進んでいるというふうに捉えておりますが、中心市街地の活性化や販路の拡大という部分につきましては、短期的になかなか成果が見えてこないというふうに認識をしております。
質問 川原田英世
短期的に成果がなかなか見えてこないものはあるということで、ただ、その総合戦略の中ではKPIを定めていて、その第一段階は終了したわけですよね。そこから、これから先さらにというところだというふうに思うのですけれども、その第一段階の中での精査というか、第一段階の中で把握している中でも、このKPIの状況というのは、長期的なもの以外はそういった認識でいるということでよかったのでしょうか。
答弁 企画総務部長 岩永雅浩(企画総務部長は2021年3月まで)
当市の総合戦略ですが、目標年次が平成31年度ということになっておりますので、先ほど観光商工部長が御説明した内容については、まだ最終的な判断ではないということでございます。
質問 川原田英世
今年度ですね、済みません。今年度中に出てくるのだということで理解をしました。長期的なものに対してどのように、特に中心市街地の活性化などについてどのような形になってくるのか、これをこれから注視していかなければいけないなというふうに思います。
質問 川原田英世
それでは、引き続き質問させていただきたいと思います。次の質問に移るのですが、今、経済関係についていろいろ数字をいただきまして、またこれをしっかりと精査していかなければいけないというふうに思っているのですが、1点だけ申し上げさせていただきたいのは、数字を聞いているとやはり全体的な部分というのはなかなか把握しづらいのが、一つの地域の自治体としての実情だというふうに思っていますけれども、この前、財務局のほうとの、市で共催という形になっていましたけれども、何と言ったらいいのか、研修会と言ったらいいのか、勉強会と言ったらいいのかがありましたけれども、ああいった形で行われて、地域の経済状況についていろいろな形で情報共有をしていくということ、ある金融機関の方とか企業の方だとかも参加してああいうことをしていくことが重要なのではないかなというふうに思っています。とりわけ、この網走の規模だと、先ほど答弁でも一部あったように、企業誘致によって大きく状況は変化していくというのは経済の実態だというふうに思っています。その企業誘致によって生まれる変化、これは活性化の呼び水でもありますから、それを地場の産業とどうリンクさせていくのか、ここはなかなか今までできていなかったことなのではないのかなというふうに思っています。企業誘致に加えて、地域の企業をどうやって絡めていくのかということ、これを取り組んでぜひ進めていっていただきたいなというふうに思います。