みんなの議会

浦河町議会 令和元年第6回定例会 2019年9月11日

アイヌ施策推進法について

2019年9月11日、浦河町議会の一般質問で、辻芳明議員が「アイヌ施策推進法について」質問し、保健福祉課長 駒澤勲、町長 池田拓が答弁しました。

質問者
辻芳明 議員
答弁者
保健福祉課長 駒澤勲、町長 池田拓

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 3番 辻芳明

アイヌ施策推進法について質問させてもらいます。先月8月24日の北海道新聞で、アイヌ新法施行3カ月の見出しの中で、腫れもの扱いもという記事が載っておりました。この記事を読み、自分は愕然とすると思いと何かむなしさを感じたのは、私ばかりではないとは思っております。いま一度、この記事をこの場で読ませてもらいます。十勝管内のアイヌ協会会長の一人は、地元自治体に計画策定を求めたが、担当できる部署がないとの難色を示され、知り合いの職員から腫れものにはさわりたくないと敬遠する職員もいると言われたと明かす。会長は、門前払いのような対応で、検討する気すら感じなかった。アイヌ民族の権利を保障するはずの施策が自治体の裁量に左右されるのはおかしいと訴え、腫れもの発言は差別だと憤慨するという記事でした。まさに、私自身も差別しか感じられませんでした。これではいけないという思いで、今回の質問となりました。アイヌの文化というのは、アイヌの文化の歴史は、まず、1457年のコシャマインの乱、また1669年のシャクシャインの乱、そして明治に入って、同和政策等々と、このアイヌの歴史を筆舌に尽くしがたい過去がありました。もともとアイヌという意味は、種族は人間、また人々という意味と言われておりますが、藤本英夫先生の本を「銀のしずく」とかいろいろたくさんの本を書いていますけれども、藤本先生の本の中には、アイヌという意味は、誇 り 高 き 人 た ち な の だ と い う こ と を お っしゃっている先生もおりました。私も誇り高き人たちと思っております。質問に移ります。アイヌ施策推進法は、略称で正式には「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策に関する法律」といいます。今まで大きくアイヌに関する法律は、先ほども述べましたように、明治に入ってすぐ同和政策が始まり、また、それは明治3年のころですけれども、また明治の32年には、非常に言葉の悪い一つのアイヌ法ができました。そして、平成9年に、そして、ことしの5月のこの法律ですが、これまでとは大きく違うことは、今回の法律で、初めてアイヌ民族を先住民族と位置づけたことは大きな前進であると思っております。その他では、アイヌ民族への差別や権利侵害を禁止すると。また、地域計画を策定した市町村に対する交付金制度の創設。また、特別措置として固有林の樹木採取の規制緩和、サケの捕獲への配慮、商標登録の手数料軽減を行う。内閣に官房長官が本部長のアイヌ政策推進本部を置く。これらがこの法律の趣旨ですが、この法律に対し、先住民族であるアイヌの土地や森林に対する権利を保障しておらず、国際的な基準を満たしていないと。過去にアイヌが住んでいた土地を追いやられ、過酷な労力を強いられた。国はそうした歴史を調べ、国民が理解できるよう説明すべきとの批判もあります。これらを踏まえ、浦河町はどのようなビジョンを持ち、具体案はあるのか。また、具現化するには、当然、協会を初めとし、あらゆる機関との協議が大切と考えるが、現時点において協会等々との協議はしているのか。協議をしているならば、どのような内容かを示してほしいと思います。以上、よろしくお願い申し上げます。

答弁 保健福祉課長 駒澤勲(保健福祉課長は2025年3月まで)

議員ご質問のアイヌ施策推進法について、2点にわたりご質問がありました。まず1点目、行政としてのどのようなビジョンを持ち、具体案はあるのかについてでございますけれども、令和元年5月に、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策に関する法律が施行されました。この法律の目的は、第一条の後段になりますけれども、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ及びその誇りが尊重される社会の実現を図り、もって全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、共生する社会の実現に資することを目的としているところでございます。また、基本理念といたしまして、第3条第1項に、アイヌ施策の推進は、アイヌの人々の民族としての誇りが尊重されるよう、アイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統、など、並びに我が国を含む国際社会において、重要な課題である多様な民族の共生及び多様な文化の発展についての国民の理解を深めることを旨として行わなければならないと規定されているところでもあります。また、同条第2項には、アイヌ施策の推進は、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができるよう、アイヌの人々の自発的意思の尊重に配慮しつつ、行われなければならないとの規定をされているところでもございます。さらに、第5条では、地方公共団体は、法に定める基本理念にのっとりアイヌ施策を策定し、実施する責務を有するということも規定されているところでもございます。町といたしましては、法に基づきながら、今後アイヌ施策を推進するに当たり、国が定める基本方針に基づき、それとともに、北海道が定める基本方針を勘案して区域内におけるアイヌ施策を推進するための計画、いわゆるアイヌ施策推進地域計画を作成することとしております。具体的な事業内容につきましては、現在企画課のほうにおいて、計画の作成作業をしているところであり、各課より所管事業の吸い上げを行っている最中でございます。二つ目の具体化するには当然、協会を初めとし、あらゆる機関との協議が大切と考えるが、現時点において協会等々との協議はしているのか。協議をしているならば、どのような内容かについてでございますけれども、アイヌ施策推進地域計画を作成する際は、法や基本方針に基づき、アイヌ協会やアイヌ文化保存会などなどの方々から意見を聞くこととしております。これは、意見反映や共通認識を有することは、今後具体的な施策を進めていく上においても重要であるというふうに捉えているところでもございます。協会等々の協議につきましては、先月アイヌ協会の役員の方々と、保健福祉課のほうで新法に基づく実施事業についての意見交換をしたところでございます。内容といたしましては、協会で臨んでいる事業等につきまして、お互いに意見交換をしたところでもあります。その際、法に基づく交付金の活用をするためにも、認定基準に沿った事業内容となるように、今後もお互いに知恵を出し合いながら共通認識を持って、具体的な事業内容にしていきましょうと確認をし合ったところでもあります。今後もこういった場をお互いに声をかけ合いながら、必要に応じて、随時行い、進めていきたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。

質問 3番 辻芳明

きのう、町長の何だっけ。その中で7月29日から31日、東京にて、北海道アイヌ振興対策事業について話し合ってきたのだというようなことを報告あったのですけれども、それらのことは、この法律に基づいたような形の中の話し合いだったのか、ちょっとそこをまずお聞きしたいなと思います。

答弁 町長 池田拓

7月の下旬の中央の要請活動なのですけれども、国交省のほうに行って、そこに官房長官直属の担当官の方もお見えになって、向こう側3人でもってお話をさせてもらいました。このアイヌ関係の町村会のほうの役の会長が平取の川上町長ということなものですから、日高管内からは私、それから新ひだかの町長なども参加をして、合わせて7、8人ぐらいだったでしょうか。参加をして、要請活動してきたところであります。特に気になるのは、そういうことはないよということだったのですけれども、ことしも10億の予算でやっているのですけれども、非常にいわゆる有利な制度であります。ですから心配なのは、この制度が、最近、国のほうでしばしばなのですけれども、最初は有利だけれども2年目、3年目から蛇口がどんどん絞られる。そういったようなことがないようにということでも要請をしましたし、向こうのほうとしては、各町村のほうから、どんどん上げてくれれば、来年度に向けては、今交換報道されている限りでは、予算倍増になるようでありますけれども、そういったようなことをどうやって、後は北海道内の町村の言葉は悪いですけれども、予算の奪い合いといいますか、そういったようなことになりますので、そこのところは協会の希望する、あるいは、私どものほうが提案する、そういった事業をしっかりと計画の中に盛り込めていくように努力をしたいと思います。ただ、ここのところはご理解をいただきたいのですけれども、ことし法律が施行になったのは、今駒澤のほうからも答弁いたしましたけれども、5月であります。そして、補助の催促とか、決まったのが、ついこの間であります。ですから、ことしはもう半年しか残されていない。そういう中で、もう駆け足で細則を見ながら計画を立てなければならないということで、ことしの部分は、そういう意味では、もう万全の体制かというと、いささか、正直、心もとないところがありますけれども、来年以降は、もう細則等も、補助もそういったものも決まりましたので、そこのところは異論のないようにしっかりと取り組んでまいりたいなというふうに思います。私も、その新聞記事を見て、そうは言っても非常に使い勝手のいい制度でありますので、そうは言っても、来年はそこの町も手を挙げるのだろうと思いながら見ておりましたけれども、それをさらにいわゆる仏ができたわけですから、どうやって魂を入れていくかというのは、これからのそれぞれの自治体の踏ん張りぐあいでありますので、そこのところは、協会と連携を取りながらいきたいと思います。この前、私も支部長とさしでもって、今回、ことしはもうそういう意味では急いでやっているので、十分な連携というのは、お互いなかなか取りかねている部分も正直あるのだけれども、来年以降は、異論のないようにやっていこうねということでもって、意思疎通を図ったのですけれども、そうした中で、向こうのほうの意見。中央のほうの意見は、被差別部落の制度でもって、いわゆるそこだけでもって、逆差別的な部分というのが、しばしば問題になりますけれども、この制度をそういう活用の仕方をしたら、いろいろ逆にそれぞれの地域で問題になるでしょう。だから、そういうことでなくて、その地域全体にとって、もちろんアイヌ民族が中心でありますけれども、地域全体にとって活用しやすいような制度にしたいのだというのが前車の轍を踏まないという中央のほうの考えでもありますので、そういったようなところは、会長のほうには、そういったようなお話もさせてもらって、そういう中で、そこは会長ともそうだよねと話では意見の一致をみましたので、そういった意味では、浦河町全体にアイヌ民族の方がいることによって、浦河町の町民全体、浦河全体がよくなるような、そういったような計画を、重きを置いて計画をつくって国のほうには要請をしてまいりたいというふうに考えておりますので、ご理解をお願いしたいと思います。

質問 3番 辻芳明

今、町長のほうから非常に意義のある言葉いただいたなと思っております。こういう予算があるから、ほいほいとつくればいいというようなことではいけないと思っているのですね。実は、浦河には、梅原猛さんが、浦川タレさんを頼って、何度も浦河に来られています。そして、その梅原さんと浦川タレさんの対談集もあります。それは、思うと昭和の話です。タレさんは、亡くなったのは1992年ぐらいだと思うのですが、昭和の時代に何度も足を運んで、梅原猛さんは、ことし亡くなったのですけれども、その中に非常に重要な、その浦川タレさんと葛野、伝承者の静内の辰次郎さんが一緒になって話しているのですが、その中で非常に、このことについて進めていくには、大事なものがあそこにたくさん書かれています。浦川タレさん、その浦川タレの影響をもって、遠山サキさん、サキさんは、去年亡くなりましたけれども、非常に浦河にとっては、非常に、そういう先人のアイヌの方々が非常に哲学者の梅原さんだとか、藤本英夫さんにしろ、萩中美枝さんにしろ、いろいろな方たちが浦河に来られています。今先ほど町長が言ったようなことのないような形の中で、心のある形の中で、ぜひ進めていってもらいたいという思いがありますので、そこら辺について考えがあれば、ちょっとそこへ携わっている人が、心をなして、単なるでやればいいのだというふうな思いでやったと、本当に意味のないものになるので、そこも非常に配慮してもらいたいと思うのですけれども、いま一度、そこら辺のことお話しいただければと思います。

答弁 町長 池田拓

明治から昭和にかけての大変な差別といいますか、法律の名前もすさまじい、考えればすさまじい法律の中でもって、大変なご苦労をされてきた。ですけれども、今この令和の時代になって、あるいは平成の最後のあたりからでしょうか。アイヌ新法ができて、あるいは初の参議院議員が誕生した、いろいろな流れの中で、やはり北海道浦河にアイヌ民族が暮らして、固有の文化があるというのは、浦河にとっては、今となっては、非常に貴重な財産。やはり後世に残していかなければならない財産、伝えていかなければならない財産というふうに思っていますので、それをいわゆる博物館的な方法だけでなくて、現実の中でもって、どうやって、それを組み入れていって、浦河町の町としての魅力を高めていくか。これは、これから、私いつもお話させてもらっていますけれども、農業、漁業に続く第3の柱は、浦河は観光に力を入れなければならないだろうということで、観光協会の法人化とか図っていますけれども、観光という、その物見山ということではなくて、町の魅力を高めて、そして結果として、そこに交流人口でもって、人が来る。それが理想形でありますので、そういった中でもって、今の、特に伝統文化の保存会の皆さんだとか、そういったような皆さんを見ていると、非常に高齢化が進んで若い方がなかなか入ってこない。そういったような状況にもありますけれども、若い方を含めて、そこを伝承していけるようなそういったような取り組みというのは、これからも、しっかり取り組んで、そして結果として、多様な人たち、多様な文化が共存している、この浦河の魅力というのを、町民の理解は、もちろんですけれども、ほかの地域に発信できるような取り組みは、これからもしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えておりますので、ご理解をよろしくお願いします。

質問 3番 辻芳明

今、個人名を出したということで、議長から指摘されたのですけれども、そこは受け取りますけれども、今名前を言った方たちは、本にも載っています。テレビ報道にもたくさん載っております。そして、ぜひ、それらの人たち、今名前は出さなくてもいいですけれども、やはり浦河にそういう方がたくさんおられたのだ。また、調教師やっていた方たちもすばらしい人たちがおりました。それらの人たちの今、萱野茂さんは国会議員ですから、よろしいかと思いますけれども、初めてのアイヌの方である。それらの蓄積されたものの証しとして、そして、なぜ、梅原猛は先ほど言った方たちとお会いして話して来たかというのは、梅原猛さんは、アイヌの文化というのは、縄文の文化ではないのかと言っているわけです。そして、今この時代、大変忘れていったものは、大事なものを失っていった時代ではないのだろうかという思いの中で、梅原猛さんは、その方たちとたくさん話をしてきたのです。そういう心を込めた形の中で接しながら、ぜひ、進めていってもらいたいなと。これからの話だということでございますので、ぜひ、そこら辺のことを配慮して、ぜひ、勉強しながら、自分もそっちのほうは、ずっと二十歳時代から、ずっとそういういろいろな本を読んできて、自分らの考え方もあります。そんな意味で、可能であるのならば、一緒とは言わないですけれども、役場の中で知恵を出しながら、一緒にこのことが本当に浦河のためになる。そして、ここ浦河からすばらしいものが発信できるような、この施策になってもらいたいという思いで、質問させてもらいました。今、町長からご丁寧な答弁がありましたので、これで私の質問は、ここで終わりますけれども、これからの始まりとして本当に物見遊山的なものではなくて、心を込めた形のものをつくっていただきたいという願いを込めて、私の質問にかえさせてもらいます。ありがとうございました。

出典:浦河町議会 令和元年第6回定例会 2019年9月11日 議事録 PDF(24ページ) 間違いを知らせる