浦幌町議会 平成24年第2回定例会 2012年6月15日
アイヌモシリの地名表記の改善について
2012年6月15日、浦幌町議会の一般質問で、差間正樹議員が「アイヌモシリの地名表記の改善について」質問し、町長 水澤が答弁しました。
- 質問者
- 差間正樹 議員
- 答弁者
- 町長 水澤
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 差間正樹
それでは、通告に従いまして、質問いたします。まず初めに、アイヌモシリの地名表記の改善について。北海道、アイヌモシリ内のアイヌ語地名について、アイヌ語地名は土地の形状や性質に基づく意味をあらわす名称ですが、明治以降開拓使によって漢字を与えられたことでアイヌ語由来の地名であることもその意味もわからなくされております。旭川市では関係者の要望を受けて、また釧路町の一部でも河川名や地名の看板ではアイヌ語地名を先に、次に日本語地名を記す方法で平等に併記し、さらにアイヌ語の正確な発音がわかるようローマ字表記とアイヌ語の意味もつけるなどの取り組みを進めております。こうした平等な地名表記は、北海道がそもそもアイヌ民族の地であることを明瞭に示すとともに、地名の意味するところを示す有効な方法ともなります。それにとどまらず、単一民族でない多様性ある日本の姿を示すことにもなります。従来私たち北海道の歴史は、縄文時代、擦文時代、アイヌ時代と分けて理解されてきたようですが、現在縄文時代のアイヌ、擦文時代のアイヌと解釈する人たちも出てきております。つまりこのことは、北海道の縄文は人も文化もアイヌ民族に受け継がれてきたということを意味するものです。弥生人、弥生文化へと大きく変化した本州の縄文文化とは異なっているということです。自然破壊や環境汚染に悩む私たちは、1万年もの間、自然と調和を図りながら暮らし続けた北海道の先人たちの暮らしに耳を傾けるべきです。長い歴史を持って北海道に暮らしてきたアイヌの言葉によって地名を表記することはもちろん、この北海道がとりもなおさずアイヌの地であったということを認識することを進めるだけではなく、縄文時代から営々と受け継がれてきたアイヌウタリ、北海道の先人たちの知恵に気づかせてくれる助けにもなり、今日本全体で進められようとしている原子力から再生可能エネルギーへの転換に対しても大きなヒントが与えられることになります。浦幌町においても今後河川、道路、地名などわかっているところから旭川、釧路町などの先進的事例に倣った看板表記を導入すべきと思いますが、町長の見解をお伺いいたします。
答弁 町長 水澤(町長は2023年3月まで)
差間議員のご質問にお答えします。アイヌモシリの地名表記の改善についてでありますが、北海道は先住民族のアイヌの人々がアイヌモシリと呼んだ大地です。アイヌ語地名は、土地の形状や性質に基づく意味をあらわす名称でありますが、明治以降開拓使によって開拓、入職した居住地につけた地名の起源の一つはアイヌ語をそのまま片仮名表記した地名、一つはアイヌ語を漢字に当てた地名、一つはアイヌ語の意味を漢字表記した地名、一つは入植者のふるさとの地名等の4種類に分別されます。北海道の地名の多くがそうであるように、浦幌も例外ではなく、アイヌの人々によってもともと使われていた言葉がそのまま使われている地名と移住入植後に新しく命名されたものとがあります。例えば浦幌とは、オーラポロから起こり、オーは川じり、ラは草の葉、ポロは大きいという意味で、川じりに大形の葉の草が生育するところからこの名称になったものと言われております。なお、町史では、オーラポロとは川じりに大きな葉が育成すると簡単な記載となっております。このように浦幌町にはアイヌ語由来の地名がありますが、いずれも複数の学説から解説されたものであり、その由来を特定することは難しい現状であります。アイヌ語地名について調べたり考えていくためには、その音に合ったアイヌ語の単語を当てはめるだけでは不十分で、単語の意味はもちろん、名詞や動詞の関係などの文法を正確につかんでおき、さらには実際の地形の特徴やその土地の伝承なども調べていくことが求められ、地名の研究にはこうした厳格な調査が必要であります。本町においては、町管理の河川、道路、地名などの看板はほとんどありませんが、道内では旭川市などが先進的に取り組んでおり、他の市町村の動向を見きわめつつ、今後看板標識の更新の際には標識設置の目的等を勘案し、アイヌ語による地名の由来等の併記を調査研究してまいります。以上、差間議員の答弁といたします。
質問 差間正樹
今のお答えにありました調査研究の部分について一言申し上げます。日本の歴史は、明治以来、この部分だけでも140年を超える歴史を持っております。これは、歴史的に見ると、144年より以前の内容を調査研究するということになります。作業としても大変なことと思われます。町史でも明らかなように、浦幌町では既に90カ所以上の地名についてはアイヌ語についてその意味も含めて知見を有しております。私が申し上げますのは、この情報をもとに作業に入っていくことが可能と思われます。このことについてもう一度所見をお伺いいたします。
答弁 町長 水澤(町長は2023年3月まで)
ただいま議員が言われるように、大変歴史を持った地名があるということであります。先ほど答弁しましたように、簡単にそのことを表記するということは我々でできるものかどうかということもあります。調査研究するというのは、そういう意味も含めていろんな研究を重ねてまいらなければならないだろうというふうに思っています。北海道でもリストアップした地名があります。そういう中で、浦幌でも9つの地名が北海道の地名リストの中に挙がっている部分があります。ただ、その中でも学者の皆さんが言われているのは、このリストの作成に当たっては新たな研究を行うのではなく、既存の基礎的な地名を紹介するということにとどめているところでありまして、その学者の皆さんの中でもなかなか異論があるという状況であります。そういう意味では、簡単に浦幌町がこの地名を使いながら表記するということはなかなか難しい部分があるだろうというふうに思っています。ただ、先ほど答弁いたしましたとおり、今後新たな地名表記をする場合についてはこれについて十分な調査を行いながらできるだけ文化的なものについては併記をしてまいりたいというふうに思っているところでありますので、ご理解いただきたいと思います。
質問 差間正樹
ただいまの町長の回答には、大変力強い感想を持ちました。私たちの周りの状況を考えるときに、国際的には国民の先住民の権利宣言、また国連の人権規約委員会による日本政府へのたびたびの勧告など、国際的にはいろいろ先住民に対する状況は変わってきております。ところが、私たちの地域住民、浦幌町内においてはまだまだといった感想を私は持っております。アイヌに対する問題は、人種差別も含んだ歴史的な問題、それに対する理解のこともあります。やはりこういった私たちの地域の状況を考えていただくときに、アイヌ語表記による看板の設置がこういった私たちの状況の中にある問題に対してもいろいろ啓発を含んでいくと思います。ぜひこのアイヌ語表記の看板設置を素早く対応していただくように要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
質問 差間正樹
はい。