浦幌町議会 平成22年第4回定例会 2010年12月12日
町内山林の保全対策
2010年12月12日、浦幌町議会の一般質問で、杉江博議員が「町内山林の保全対策」について質問し、町長 水澤、産業課長 前田が答弁しました。
- 質問者
- 杉江博 議員
- 答弁者
- 町長 水澤、産業課長 前田
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 杉江博
通告に従い、質問をさせていただきます。町内山林の保全対策ということで伺いたいと思います。本町は、面積の 76%が山林であり、緑豊かな自然に恵まれ、町内供給の水資源も有し、貴重な自然環境の中にありながら、裸山いわゆる未植栽地が目立ち始めています。木材価格の低迷など経済環境の悪化が大きな要因と考えますが、定住対策を主政策として策定された第 3 期まちづくり計画の実現のためにも、緑を守る、水を守る、水から土地を守る、資源豊かな海を守る必要があると考えます。国は、森林の多面的機能の発揮、雇用創出、山村地域の活性化、低酸素社会構築への寄与などをテーマに、森林、林業基本政策の骨子を打ち出しました。これらのことを踏まえて、次の事項について伺います。合法木材の扱いと無届け伐採の実態、林地流動化の実態と今後の対応、皆伐後の未植栽地の実態と支援対策は、林道確保のための林地取得の考えは、フォレスターや施業プランナー、林道作設オペレーター等の技術者の育成支援はどのようにするのか。以上 5 点について、伺います。
答弁 町長 水澤(町長は2023年3月まで)
杉江議員のご質問にお答えします。国では、平成 22 年 11 月 30 日に森林・林業再生プラン推進本部において、森林林業基本政策検討委員会の最終取りまとめの報告が行われ、これまでの森林・林業施策は森林造成に主眼が置かれ、持続的な森林経営を構築するための施策、体制を作らないまま森林整備を広く支援した結果、施業集約化・機械化の遅れ・木材供給体制の脆弱・森林所有者の林業への関心の低下という悪循環に陥った状況となっております。この状況を抜本的に見直し、新たな森林・林業政策を構築し、10 年後の木材自給率 50%以上を目標としており、浦幌町では一般民有林約 30,851 ヘクタールを有し、町内山林の保全対策が重要となるものと考えております。1 点目の合法木材の取り扱いと無届伐採の実態についてでありますが、伐採届出や森林施業計画に基づき、伐採を行った木材については、工場に納材する際、またその木材を加工し工場から出荷する際には、認定事業者において合法木材であることを証明した書面を発行しております。浦幌町内における木材については森林施業計画に基づいた伐採を行っていることから、合法木材として市場に流通しております。無届伐採の実態としては、伐採届出は市町村に義務づけされており、届出の際には森林組合と連携をとり、適合通知及び適合旗を交付しております。十勝地区伐採巡視活動として、道・振興局を中心として、町、森林組合、森林保全巡視指導員と協力しパトロールにあたっており、把握している中では、無届による伐採はないものと思われますが、万が一発見した場合には、道・振興局と連携をとり適切な指導に努めて参ります。2 点目の林地流動化の実態と今後の対応についてでありますが、道内及び管内において、一部、外国資本により山林が取得されていると報道され、全国町村会においても森林買収を不安視する声が高まっていることを踏まえ、森林が有する公益性や公共的価値を維持する観点から、貴重な森林資源が損なわれる恐れがある場合には、必要に応じ法的整備を含めた対策を検討することとしております。なお、本町における外国資本への森林売買の実態はありません。今後は、道との連携を図り情報収集を行って参ります。3 点目の皆伐後の未植栽地の実態と支援対策についてでありますが、道発行の森林資源データによると、平成 21 年度末時点で企業による開発区域以外の一般民有林で約 859 ヘクタールの伐採跡地があります。その内、約 613 ヘクタールについては、森林施業計画を作成しており、今後、計画的に植栽及び天然更新が行われるものであります。残りの約 246 ヘクタールの未植栽地については、森林施業計画が作成されておらず、植栽等の計画が未定な状況であります。今後は、森林施業計画の作成、指導を行いながら、造林支援対策として補助事業を継続して行うよう道に要請して参ります。4 点目の林道確保のための林地取得についてでありますが、現在、町の林道は 23 路線あり延長 68,840 メートルであります。町有林及び民有林を含め、施業に必要な基幹林道であり、現在は行きどまりの路線はなく、林地取得は完了しております。民有林につきましては、隣接する所有者同志の協議により施業を行うことが基本であることから、林地取得は相互で行うものと考えており、また、相互の施業を集約化することにより作業コストの減額や路網に対する不便さも解消できることと思われます。5 点目のフォレスターや施業プランナーについてでありますが、不在村化や世代交代等により経営意欲が減退した森林所有者の森林施業・経営を集約化し、地域全体の森林管理を進めていく必要があると思われます。現在、森林組合に 1 名の施業プランナーが在籍しており、森林所有者に対して積極的な施業推進である計画書の作成などを行っておりますが、今後とも道・森林室普及課と協力し、さらなる支援をしたいと考えております。また、林業機械オペレーターや森林作業員に対する資格取得助成や作業リーダー育成研修等を北海道造林協会森林整備担い手センターにより実施されており、今後も情報収集・発信を行いながら資格取得者の受講を促進して参ります。以上、杉江議員の答弁といたします。
質問 杉江博
ただいまの答弁でありますけれども、道に要請するとか、道の主要機関と相談するというような答弁に終始してですね、新たな積極的な取り組みをするというような様子はうかがえません。浦幌町は、ご承知のように、土地が 72,000 ヘクタールですか、そのうち 54,000 ヘクタールくらいが山林だと、その中で道有林が 23,000 ヘクタールくらいですか。残る 31,000ヘクタール、町有林 3,300 も含んでいると思いますが、これ 31,000 ヘクタールはですね、農地にすれば 3 倍以上の面積ですね、民有林だけでもね。そういう貴重な山林を抱えていてですね、いかに山、木が大事かということで少しお話をさせていただきたいと思うのですが、ご承知のように、森林の重要性として、木材の供給はもちろんのことです、水資源も含めて、また二酸化炭素の供給、それから植物多様性、機能そういうこと含めて非常に海にも影響があるというふうに思っております。また、そのいい例としては、えりもの海が昭和 20 年代に赤茶けた、漁師でありながら皆さん出稼ぎで生計を立てていたという状況は、NHKのプロジェクトXでも放送されました。新聞にも載りました。記憶にあると思います。一漁師の方がこれではいかんということで、20 年代、我々の近くもそうですが、薪炭林としてまきや炭に丘を切り尽くした、海岸ですからね、木の再生はなかったのですね。砂漠化していった、そこに木を埋めなきゃ駄目だと言って、植え始めた人が植えても枯れる、海藻を持ってきて丘に引いて、ようやく木が育つようになった。その仕事を 50 年も親子二代にわたってやってきた、もちろん地域の人も後にはお手伝いもしたし、行政も支援をした。今、その 50 年の実が、努力が実って、緑の山と青い海が戻って、昆布、魚がとれるようになった。これはNHKのプロジェクトX、有名な番組でも放送され、記憶に残る感動的な事例として再放送もされております。また、町長も海に詳しい方ですからわかると思いますが、シベリア大陸から流れてくるアムール川の水ですね、北方領土周辺でオホーツク海に出るのですが、流氷とともに魚が獲れると言われております。アムール川のミネラル豊富な真水がオホーツク海に入って、真水ばっかりが凍って流氷になる、それに養分豊富な水が含んで南下してくるので、ご承知のように、羅臼などではスケソウ御殿と言われるような、冬に大量な魚が獲れる、そういう状況があります。森林の重要性というのは、そういうところにあるのだと思うのですが、いかに森林が重要かという中では、新聞近ごろ大きく載っております。新聞に、「土地購入野放し日本」大きな見出しで載っております。これはもう本当に最近のニュースです。先ほどの答弁でも町内には外国資本の土地の買収はないという報告されました。道は、これも道議会で質疑になっておりますし、それからこれもNHKのクローズアップ現代で全国版で放送されました。特に北海道に多いという事例で、道の報告ですけれども、33 カ所に及んで 820 ヘクタール、外国の個人や企業が既に買収しているということであります。そういう中で、ご承知の町おこしでスノーパウダーで売り出したニセコ町が、たくさんの外国人に買収をされて、山林だけではないようでありますが、15 カ所の地下水含む水源地、これがよその人の手にわたっている、そういう実態が報告されております。そのうち、民有林の 5 カ所を買収した、2 カ所外国企業に押さえられている土地を 1 カ所を今ほぼ合意に達して買い戻しできる、そういう手を打たなくてはならなくなっております。関東地方でも水源地狙いの森林買収も既に発生しているというふうに聞いています。民間所有の土地は、いつ、どこに渡るかわからないということで、ニセコ町は、地下水くみ上げについても条例を制定する、届け出義務を課し、大量取水は許可制にする、それだけ逼迫した状況に道内ではなってきているのです。我が町でも 300 ヘクタールのまとめ買いの問い合わせがあるというふうに聞いております。これは外国企業かどうかはわかりません。わかりませんが、そういう状況になっているということであります。ヨーロッパでは、森林は公共財産という認識が強くて、住民にもそういう意識がありますが、日本では、土地の私有財産権が強固に保護されておりまして、伐採について届け出が植林についても義務化だと言いますけども、何の強制力もありません。ザル法だと言われているのですね。このことが、先ほど報告のあった、答弁にあった多くの未植栽地を生む原因になっております。民有林にですね、国の補助金、道の補助金、また我が町は、町でも植林について補助金出しています。私は、そういうことを盾にですね、やっぱり強力な法整備をして、きちっと規制していく必要があるのじゃないかというふうに思っています。また、今我が町で地籍調査やっております。地籍調査いつやってくれるのだ、住民の対話集会でもそういう要請がありました。しかし、外国人に土地が渡ったら地籍なんか、境界の確認なんかできないのですから、こういうことも困難になってきますね。そういうことも含めて、過去を顧みればですね、我が町も温泉利権で何千万ってお金を払って買い戻した、大きな労力も費やしました、そういう経過もあります。資源の確保、あるいは保全というのは、そういうところにも影響している、私は、そういうことが後になって大金使うより、先にそういう支援策をやっていく方が有効ではないかなというふうに考えるのです。そういう面からも、できれば条例制定をできるだけ早くやるような考えはないのかなというふうに思います。また林地の流動化でありますが、未植栽地問題、近年、隔世での財産利用しかできなくなりました。40 年代には、分収造林と言って業者に植えてもらい、管理してもらい、収入わけましょうと、5 対 5 でわけたのかどうかそれはわかりません。いろいろな状況あると思いますが、この分収造林が植えた時は 30 年、35 年でお金になると思ったのですね。今は 40 年を越さなかったら売れないし、市況の関係で売らない、そういう中で今皆伐して植えても、次の息子たち、子どもたちに収入としてならないで負担だけかかる、そういうことが次の植栽が進まない大きな原因だと思うのです。これは社会情勢ですから仕方ないのですが、そういうことも含めて、特に浦幌の事例も分収造林の分の造林が進んでいない、そんなふうなことも聞き及んでおります。土地を放置しないで、引き受け手を探し、そういうところに支援をして造林を進めていく、そういうことも今後考えていったらどうなのかなというふうにも思っております。そんなことを含めてですね、先ほども答弁の中でありました、国の森林林業基本政策検討委員会の骨子を発表の中で、森林計画制度の見直し、市町村森林計画のマスタープラン化、森林経営計画、これは所有者ですが、の計画の創設、新たに制度をつくるということであります。計画作成者を対象に森林管理環境保全直接支払制度の導入、これはですね、今も米、畑作について直接払い、所得保障なんて言っていますけども、政権変わればどうなるかわかりません。ただ現政権での今の骨子案であります。また、森林の取り扱いルールの見直しということで、無秩序な伐採、造林未済地の防止強化の命令の新設、また先ほど申し上げましたけれども、代行などによる森林施業の確保、これは森林組合等に管理、委託をし、育てていくよという制度でありますけども、次に、低コスト化に向けた路網整備等の加速、先ほど答弁の中で、浦幌町は行きどまりの道路はない、これは結構なことです。随分早くから浦幌町は路網整備、随分進んでいたと思います。そういう中では、対応しなくても現状では大丈夫だということでありますから、結構なことだと思いますが、次に、事業体や人材の育成ということを掲げております。これらのことを視野に入れて、浦幌町も先ほど申しましたような資源の保全のために、条例の制定などを今後考えていかないのかなということ、それから林地の流動化ということで、植えられない人にそういう土地を買っていただける人を探しながら、できるだけ裸山を少なくする対応、それから林業整備計画のマスタープラン、これは常に浦幌町もやっていると思いますが、今申し上げた要素を吸収して、できるだけ早く具体的なそういうプランをつくる必要があるのではないかというふうに思います。これらのことについてお伺いします。
答弁 産業課長 前田(産業課長は2011年3月まで)
杉江議員の質問に対して、答弁をしたいというふうに思っております。まず今、いろいろな意味の外国人による買収等の関係につきます法整備の関係でございますけれども、国でも今、全体的な買収面積については、民有林、私有林でございますけれども、比率に対しましては 0.002%程度の買収かなというふうに言われております。そういう中でも非常に心配をされているということで、町長の答弁にもありましたように、全国の市町村会の中でも非常に危惧をしているということで、法的な整備も視野に考えていかなければならないと、そういうような意見も出ているという内容でございます。また、道議会の中でも非常に心配をしているということで、考えているような内容も聞いておりますけれども、ただ法的な整備をするとなりますと、全部が全部、外国人が悪いことをするような、そういうこともないわけでございまして、外国人によるすばらしい森林環境をしているところもあるかなというふうに思っております。そういう意味も含めまして、現在、法的には森林を外国人に売ってはいけないというようなものはございませんので、なかなか取り締まるのは大変かなというふうには考えております。本町においてもいろいろな今は森林整備計画が出されておりますけれども、そういうことを含めた中の国のとらえ方、考え方、道のとらえ方、考え方も徐々に出てくるのかなと考えておりますけれども、今すぐ町独自の条例改正ということにはなかなか手がつけられないのではないかというふうに考えております。今後、そういうことも含めて情報等も収集しながら進めていければというふうに思ってはおります。それから分収林の関係でございますけれども、たしかに過去そういうことで所有者と造林を行う者等の費用負担によって、分収造林、分収育林ということでやってきたというふうに聞いております。ただ、先ほど議員もおっしゃられたとおり、木材の低迷が非常に長引いているということから、なかなか売れない状況ということが現実であると思います。ただ、ほかの町、全国の中にも一部ありますが、そういうところの森林を行政が一部分収方式という形で、町が介入をして、何らかの形でその収益をわけているという事例も聞いております。行政がかかわるということになれば、山林の環境、治山、それから治水情報を考えながら、そういうことも含めて研究をしていってもいいのかなというふうに考えておりますけれども、現時点では本町においては、そういう行政が介入した分収造林についてはないということから、今後そういうことが考えなければならないという時点がくるかなと思いますけれども、現在は研究をさせていただきたいなというふうに思っております。あと本年度 22 年 11 月 30 日に森林林業再生プランの最終取りまとめが出た、いろいろな数々の整備計画がございますけれども、これらについても今具体的なものが出されていないという中から、現在、本町で進めている補助制度を活用し、また町独自の支援対策は今後も継続していきたいなと思っておりますので、今後これらの整備計画が具体的なそれぞれのことが示されるかなと思います。その時点で、それに合ったような町の整備、支援等も考えていきたいなというふうに思っておりますので、ご理解願いたいと思います。
質問 杉江博
1 回目の答弁と同じようなことで、必要に応じて法的整備を含め対策を検討するということであります。私は、それでは遅いということを申し上げているのです。たしかに今説明ありましたように、国の骨子案も具体策もまだ出しておりません。大きな項目だけであります。しかし、私はいずれ必要な時期がくる、水資源の保全対策、あるいは緑の保全対策、ぜひ町長も浦幌町内の山、1 回担当者に連れて歩いてもらって、どのくらい空いているところがあるか見てほしいと思います。本当に大きな面積、団地で空いている、そういうところ多いのですね。個人の伐採、5 ヘクタール、20 ヘクタールという話ではなくてですね、私は、利用者かかわりの大きな面積の植えていないところがやっぱり目につくのだと思っています。そういう面では、行政が後でに回らないような法整備や対応がぜひ必要だというふうに思って、今回の質問とさせていただきました。ぜひ、再度町長の方からもその辺のことについて答弁をいただきながら、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
答弁 町長 水澤(町長は2023年3月まで)
最近、外資資本による森林の買収等について報道もされておりますし、また大変問題になっているというふうに私自身も聞いているところであります。先日、森林室関係の市町村、代表の町村の会議がありましたけれども、その際でもほかの浦幌町じゃないほかの自治体の中で、やはり買収されて、その固定資産税の回収についても大変苦慮しているという話を聞きました。当初は、外国資本で高く買ってもらったので大変ありがたいと思っていたけれども、現実問題としてはそういう問題が起きてしまって、今大変な苦労をしているというお話を聞いておりました。幸いにして、浦幌町の中では、今外国資本での売買というのはないというのが実態でありますし、ほっとしているところでありますけれども、いずれにしましても、今この森林法につきましては、伐採時の届出等、伐採後の植林の義務化というものがうたわれておりますけれども、しかしながら、現実的には議員おっしゃるとおり、国も自治体もその強制力はないというのが実態であります。ただ、私どもとしては、やはり施業計画を立てながらきちんとした植林、植栽をしていただくというのが山を守る基本的な理念だろうなというふうに思っています。私も海の近くで生活しているわけでありまして、やはり川上から川下まできちんとした国道、また土地をうまく利用していくということが浦幌町を守る一つのやっぱり理想形だろうというふうにも思っているところであります。ただ、今、道も一応事前届け出制の条例をつくろうというふうに今動いているところでありますけれども、なかなかこれを法律を変えるということは一自治体ではできないわけでありまして、国の法律の体制、それに働きかけていく必要が十分あるだろうなというふうに思うところであります。当然、町村会としてもこの問題については、いろいろ協議をしているところでありまして、町村会を通じながらこの法律の改正に向けて、今後とも話を進めて参りたいというふうに考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。